アナログ全開!翼リブの設計 CADも比例コンパスも必要無いぜい!

※ 誰でも簡単にいいいいい~・・・・。なんて無責任な事は言いませんが・・・。CADやら比例コンパスやら使わなくても、1mm方眼紙と0,5mmの芯のシャーペンと定規・・・あとは電卓かな?。此れだけ有ればどんな翼型でも作図出来るんだなあ・・・って所に行き着いてしまうんですなあ・・・。まあ・・・其れなりの雲形定規も使うけど・・・。

※ ところがですなあ・・・。ネット上のモデラー諸氏のブログを見て廻ると、何とまあ~・・・ハイテク記事の多い事。俗に言う(カマッテチャン)と思しき記事がワンサカ出て来ます。超ハイテクのプログラムを内蔵したCADやら大型の業務用コピー機なんて、閲覧しているモデラー自身が全員持ってりゃ参考にも成るんだが・・・。持って無い人が多いんだから、そういった高価な超ハイテク技術を見せびらかしても・・・単純に閲覧数アップ狙いの(かまってちゃん)にしか成れません。

※ 閲覧数とコメント数の多いブログってのは、コンテンツの内容が管理人さんと等身大ってのが一番人気が有る様にも思えて来るんだが・・・。知識と技術のレベル毎に、閲覧者自身が追従出来る記事の内容ばかりだったら、毎日でも観たくなって来るんですなあ・・・。当工房の毎日の閲覧カウンターが2000アクセス~3000アクセスずつ増えて行くって事は、追従してるモデラーも多いって事実の表われとも言えるんですなあ・・・。トンビなんかに負けるか!って位の挑発も必要って事ですよ。
 
● 上記画像は当工房オリジナル機種(Ange-SSG)の主翼と水平尾翼のリブ型です。主翼は半対称翼・・・水平尾翼は完全対称翼で設計しています。どちらも翼の形状はテーパー配置としています。主翼は比例コンパスを使いましたが、水平尾翼は超アナログでの作図・・・コンパスも使いませんでした。基本的に・・・どんな翼型をテーパーで設計しても、超アナログならハイテク機器のお世話には成りません。まあ・・・そういう拷問みたいな(拷問だって思ってるのは面倒臭がり屋さん)ローテクを使えば、超ハイテクのCADが如何に便利なのかが実感できますよ(笑)・・・。ところがですなあ・・・このCADを使いこなすのにも其れなりの作図以前の基本的なプログラム前の操作ってのが在るんですなあ・・・。其処から始めないと思う通りの翼型作成には至れません。よってアナログでの作図の方が遥かに早かった・・・って事態にも成ります。何か矛盾しとる様な気もするんですが、此方の方が普及するんじゃないかなあ・・・って思います。でもアナログでの作図が面倒臭いって感じたなら、救い様がありませんよってに・・・。意地でもCADを学習して下さいナ!・・・。
           
● まずは画像の様なアバウトな自作の翼型です。結局の所・・・翼型のお手本みたいな専門誌の高性能な翼型だろうが、自設計の適当な翼型だろうが・・・翼弦寸法と最大翼厚(X%で表記)さえ決まれば、最初のリブ型は決まります。画像は半対称翼最大翼厚10%としてあります。
           
● 次に必要なのはお隣の翼型ではなく・・・奥に見える翼端側の最終リブです。中央側の①番リブの翼弦は240mmと設定しました。その最大翼厚が10%ですので、前縁から33%の翼弦を基準に作図しています。画像はテーパー配置の翼の形状なんですが、胴体の中心線に対して主翼のメインスパー位置が直角に交わっていますので、重心は中央翼側も翼端側も画像に示したライン上にあります。

● 仮に組み上がる主翼の形状が前進翼だろうが、後退翼だろうが・・・リブの作図には上記の設定でも何ら支障がおきません。難し~く考える必要は無いですよ(笑)・・・。この作図方法はアナログでやれば、こういう手順ですよ~・・・って所を説明しています。コンピ~たあ・・・にやらせるとすれば、この作図を全て数値でプログラムする必要があるので・・・間違った数値なら仕上がりはとんでも無く不思議な形状で表記したりするんですなあ・・・。

● この作図は片翼スパン300mm・・・リブ数6枚分で作図しますが、実際には動力機でも12~3枚・・・グライダーなら20~30枚のリブで構成されます。しかしながら・・・リブ間が同ピッチだろうが、補助リブが入ってピッチが詰ろうが作図には一切支障がありませんので安心して下さいね。
           
● 翼端側のリブは翼弦150mmに設定しました。テーパー翼の基本は翼端方向に翼弦が短くなりますが、翼の厚みも均等に薄く成るのが普通です。よって150mmの10%ですので最大翼厚は15mmとなります。更に・・・翼型の基準線から中央翼上部の膨らみを16mm・・・下部の膨らみを8mmと設定したので、翼端側も上部10mm・・・下部5mmと設定して作図します。
 
● 次に中央の翼リブと翼端リブの其々の翼弦を10分割します。中央リブは240mmですので一区間24mm・・・翼端リブは150mmですので15mmで区切ります。この画像では解り易い様に区切り毎に寸法を入れてますが、実際には作図の邪魔に成りますので書き入れる事はありません。
          
● 次に行う作業なんですが、点線で記載している10分割した箇所の厚みを計測します。よく勘違いしているネット物知り博士も多いんですが・・・翼リブの最大厚って言うのは、その位置のみが最大何%の厚さ・・・って意味なので、他の箇所も全て同じ比率だと思ってますが、其れって大間違いです。翼の位置毎に厚みの比率は変化するんですなあ・・・。よってこの比率全てを計測するのが面倒臭い・・・。よってCADでやった方が早い!だの・・・拡大コピー機を使った方が正確だ!・・・なんて断言しちゃってくれますが、多分・・・ご自分で毎回実践してる事もありません。どちらにしたって入力操作自体が面倒臭いんで(笑)・・・。
          
● 主翼の前縁付近は、更にアールが急に成りますので、細分化して比率計算した方がより正確な座標を求める事が出来ます。エアフォイル(翼型)の専門誌の冒頭には、この翼型座標の数値の読み方と作図の基本を示してあります。この解説文は主にCADに入力する時に使うんですが、結局の所・・・数値を入力してプロッターで図形化して形紙を作るか、レーザー加工に移行させるかって事なので・・・やっぱりハイテク機器を持ってるモデラーのみにしか意味が無かったりするんですが・・・。

● じゃあ・・・そういうハイテク機器を持たないモデラーには、そういった翼型の専門誌は使えないのか?・・・といった事は無いんですよねえ・・・。コンピ~たあ・・・がやる事を、モデラー自身がアナログでやれば良いだけの事。この面倒臭いアナログの作図を機械にやらせる為にCADが在るんであって・・・自前で持って無くたって翼型の作図は出来る!って事の見本を紹介してます。ただし・・・面倒臭いんだなあ(笑)・・・。
          
● 各区間の翼の厚みを計測しました。最大翼厚の所で240mmの翼弦に対して最大翼厚が24mmなので10%でした。ならば翼端側も翼弦150mmの10%なので、最大翼厚の位置は15mmとなればその翼型は中央部の翼型の縮小相似形となります。よってこの区間毎の翼厚に其々の比率の数値を掛ければ・・・翼端側リブの形状も算出可能だという事です。今回は翼の上部と下部の厚みを1対2で作図していますが、翼型に掲載されている座標の数値は上部翼型と下部翼型の座標数値を其々掲載してあるので、もっと細分化して計測すると更に相似の縮小翼型が出来ます。
          
● 数値を其々代入して座標を求め・・・その交点を雲形定規のアールで結ぶと、中央翼と相似形の翼端側のリブが完成します。さてさて・・・此処からがアナログ作図の極み・・・。面倒臭さの極みとも言えるんですが、定規さえ有れば・・・その他の翼の座標が全て計測可能なんですなあ・・・。そら!ハイテク機器なんか要らねえじゃん!って思っちゃいますよ(笑)・・・。まあ・・・それでもコンピ~たあプログラム時の小数点三桁の正確な翼型に比べれば・・・何たる!アバウトな計測方法・・・。ネット物知り博士達からは大いに馬鹿にされるでしょうなあ・・・。

● でもですねえ~・・・。刻む相手がベニヤとバルサのリブなんで、小数点三桁の数値なんてあんまり必要無いんですなあ(笑)・・・。昭和の40年代後半から50年代初頭までに、埼玉県所沢のモデラー(山本昇氏)がラジコン技術誌に製作記事として掲載されていたヴェガシリーズなんですが、翼型の作成に比例コンパスを多用されて作図してました。今回紹介している作図方法よりもハイテクなんですが、この比例コンパス・・・テーパー比率が大き過ぎるデルタ翼の作図には、あまり役に立ちません。

● 手持ちの比例コンパスは全長が150mm程度・・・。此れでは役不足だったんですなあ・・・。もっと長い・・・全長が300mm程度のコンパスが無いと、縦に長いミラージュ戦闘機タイプのリブの作図は出来ませんでした。しかし・・・色々と図面を弄り倒していて偶然思い付いた作図方法なんですが、多分・・・ある意味中学で習う技術の時間の三面図の書き方レベルなので、飛行機のキットに付属している原寸大の三面図が読めるモデラーなら誰もが理解しながら追従できる作図方法です。ただねえ・・・面倒臭がり屋さんには不向きかもなあ・・・。此ればっかりは・・・対応出来ませんので、意地でもハイテク機器の扱い方を覚えて対応して下さいね!としか言えません・・・。
          
● 両端のリブ(左側=翼端リブ🔛右側=中央リブ)の中に有る直線の基準ラインと点線表示の交点に定規を合わせます。この状態で図面上の全てのリブの基準ラインとの交点に印を付けます。博士たちが揃って間違いますが、決して翼リブのアールと区切った点線の交点でライン取りを決めては成りません。この間違ったライン引きをすると、両端のリブとは違った形状の翼型で仕上がってしまいます。
 
● 詳しく接写で説明するとこう成ります。必ず翼リブ内部の基準線と点線表示の交点(基準線と点線が直角で交差した座標)を基準にラインを引きましょう。当然の結果なんですが・・・他のリブの基準線に書き記した交点の座標は、どのリブの基準線に置いても必ず10分割されて記されます。

● 信じられないネット物知り博士は、中学と高校で習った幾何学の法則を思い出してね・・・。二本の平行に描かれた直線に、任意の角度で交わった直線に内接している角度は、どちらも同じ角度である・・・。ってヤツです。此れを主翼の上面図で表記すると前縁と後縁は直線なので、両端の直線を其々等距離で10分割し其々を直線で結べば内部に何本でも平行な基準線を描けば・・・全てが等距離で10分割されるんですなあ・・・。実機の主翼内部構造で沢山の補助スパー材を表記してありますが、まあ・・・こういった法則で這いずり回ってると思って下さいね。
          
● ホントに面倒臭い作業なんですがねえ~・・・。此れから作図する内部の他のリブも基本的には中央リブや翼端リブと同じ工程で作図するんですが、この内部リブの基準線に記された其々の交点ですが、必ず基準線と直角に成る様に線を画き入れます。
          
● 全てのリブの10分割・・・。幾何学の法則を使えば然程難しくないでしょう?(笑)・・・。この図面の法則を理解すれば、ネット物知り博士の自作した法則無視で仕上がった不思議な主翼の間違いが・・・画像を見ただけで解っちゃうんだなあ(笑)・・・。ご本人さん達自身は、完成画像だから解らないだろうってタカを括ってますけどねえ~・・・。法則を素直に受け入れて自作したモデラー諸氏の主翼の完成形とは大きくかけ離れた形状が・・・見えて来るんですなあ・・・。

● この幾何学の法則で作図した主翼構造なら、テーパー形状のエルロンや翼端まで同じ幅のフラットエルロンの製作方法まで全て理解出来る訳だから、どんな製作記事をご自分のブログで紹介しても大御所諸氏は満足するでしょう・・・。博士達の不思議な論理のブログに置ける製作記事・・・コメント欄を見れば一目瞭然・・・。誰も大御所さん達アドバイスしないでしょう?。多分・・・理解しないだろうなあ・・・って諦めてます。コメント欄に踊る沢山の常連さん達自身「凄いですねええええええ・・・。」以外のコメントが無いって事は、書き込んでるコメントの主さん自身も構造の法則が理解出来ていません。常連さんなんだから知識が有るモデラーならキチンと指導できる筈・・・。って思うんだけどなあ・・・。
          
● 10分割座標の位置から直角に延びる点線の先端と、今から作図する翼型の外周の座標を書き入れる作業が一番面倒臭え・・・。ただ・・・確実に縮小相似形のリブが手に入るんだから、まあこの面倒臭い作業を克服したモデラーさんにのみ・・・エルサレムは待ってるって事ですなあ・・・。(Part-2に続く)