Ask-8 (Alexander Schleicher) 尾翼の組立 (Part-10)
          
● 実機の構造を模したブラケット型ヒンジの加工が終わりました。此処まで来れば・・・残りはデコレーション作業なので、完全生地完成は間近かとなります。ただ・・・このブラケット型ヒンジは、本機の様なスパン3600mmという大型機なので、利用可能な構造です。軽量ハンドランチグライダー等に使用しても過剰な重量増加に成るだけなので、採用するのはモデラー自身の自由ですが、組み込めたとしても・・・材料自体が軽量木材の場合・・・構造自体が堅牢なブラケット型ヒンジに耐えられずに、破損する可能性も有ります。

● (Part-9)の冒頭にも記載しましたが、本機で使用したブラケット型ヒンジの構造は、当工房製作者のオリジナルです。当工房製作のバルサキットの改造で採用した、個人が満足する為の一例に過ぎません。同じ物を作るのも・・・更に軽量化するのもモデラーの自由ですが、不具合が生じても当工房は責任を負えません。充分承知されて複製して下さいね。
          
● スタビライザーの後縁に取り付けるブラケットヒンジについて解説します。ブラケットに皿ビス用の加工をしますが、先に孔加工をしてべニヤの後縁にもビスの下孔を開けて・・・・という一連の流れの製作方法ではありません(笑)・・・。直接スタビライザーのベニヤ構造の後縁にブラケットの取り付け面を作図して、高粘度の瞬間接着剤で貼り付けてしまいます。この時点ではまだ・・・ブラケットには取り付け用の皿ビスの孔加工はしていません。
 
● ブラケットが所定の位置で固定されてから、各種のドリル刃で孔加工をしていきます。此方の方が、先述した何処の説明書にも書いてある工作方法よりも簡単です。何故なら・・・下孔加工における孔のズレが起きないからです。まずは・・・1,2mmのドリル刃でブラケット側からベニヤ後縁までの貫通孔を開けます。

● 次に3,0mmのドリル刃で、ブラケットのPVC素材の厚みの分のみ孔を開けます・・・。最後に5,5mmのドリル刃で少し深めの皿を揉みます。3mmドリルなので3mmのタッピングで固定では無いんですよ・・・。2,6mmのタッピングビスを使って下さい。3mmの皿ビスの頭は直径6mmあるんですが、2,6mmの皿ビスは5,3mmです。よって3mmの孔に2,6mmの皿ビスを入れると確実にブラケットのビス孔に沈みます。ビスの頭が浮いた状態だと、半円状のエレベータ前縁と干渉し易くなるからです。
 
● キット付属のプランク用のバルサシート・・・年輪バラバラ・・・。所謂・・・バラ材です・・・。日本国内で製造された生地完成機やバルサキットの場合・・・必ず二枚組のシートで必要枚数分セットされています。究極は年輪の続き仕様で必要枚数分・・・が理想なんですが・・・。角材から採れるプランクシートは精々二機分が限界・・・約26枚程度・・・。三機分は・・・無理かなァ・・・。で!余った分は偶数枚分は組みバルサとして扱い、最後に残った一枚は、バラ材として一枚で二面分採れる垂直尾翼のプランク等に使われます。

● しかしながら・・・このキット・・・。全部のシートがバラ材・・・???。笑うしか無いですなあ( ´艸`)( ´艸`)・・・。スタビライザーの場合上下でバラ材を使えば何とか成るんですが・・・、主翼の場合は最悪な致命傷と成ります。本機の場合・・・主翼の片翼スパンは1800mm・・・プランク材は二枚継ぎ・・・。組みバルサ必須の構造なのに、全部のシートがバラ材・・・。まるで拷問みたいなキットですなあ・・・。多分・・・コストダウンのつもりだとしたら、このキット内容ならば初心者さんには拷問です。多分・・・完成機屋さんも嫌がる内容ですからなあ・・・。理由はただ一つ!・・・。左右対称で使えないって所に有ります、バラ材を使うと比重の関係で、使うプランクシートの厚みは同じですが、最悪左右の主翼が重く成ります。

● そら!もう!・・・あからさまにどちらかの主翼が重く成ります(笑)・・・。おまけに・・・木目も揃わないので、主翼が捻じれた場合、左右対称に捻じれてくれません。はっきり言えば・・・右は捻じり下げ・・・左は捻じり上げ・・・。初心者さんはフィルムを貼ってから収縮を利用して修正しようとするんですが・・・。炎天下のお山の駐機中にフィルムが緩み・・・投げたらいきなり!大きく傾き・・・。トリムじゃ修正出来なかったらスティックを傾けて水平飛行する羽目に成るでしょうなあ。初心者さんには飛ばすのが嫌に成る位の捻じれ具合の場合もあります。まあ・・・オールバラ材による捻じれの出ない主翼のプランク法も有るんですが・・・。その記事は、実際に主翼を組みだしてから説明しましょう・・・。
          
● バーチカルとスタビライザーのプランクが終わったので、其々の前縁に厚さ(3/16インチ=約6mm)のメディアムバルサの前縁材を貼り込み成形して行きます。この前縁材の貼り方は、F3A機で多く見られる二重張りの前縁構造と成っています。最初に厚さ3mm程度のバルサの補助前縁材を貼り込んでから、プランクします。当然なんですが、前縁材が薄いので小さいアールの前縁まで形成するのは不可能です。

● 次にプランクシートの前縁(厚さ2mm程度)も隠す様に厚手のバルサを前縁側に貼り込む事で、プランクしたバルサ面を極力薄く削らなくても、綺麗な小半径の前縁を削り出す事が出来る様になります。この前縁が単なる厚手の角型の棒材の場合、そのリブ先端に貼り込む棒材が湾曲していた場合・・・その代償はメインスパーの湾曲にまで影響します。ガルモデルの古~い年代物のバルサキットをオークションで落札して、組立ててるキット初心者のモデラーさん!・・・主翼のリブ組が終了して、いざ!プランクする時慌てた経験はありませんか?。何でこうなるの?・・・理由が解らず困り果て・・・、お仲間掲示板にて不良のキットでしたああああって書き殴ってるの見た事あるけど・・・。

● キットに製造されたら間髪入れずに組み立ててれば・・・こういう訳の解らない事態には陥りませんよ(笑)・・・。木材は経年変化するモノ・・・。製造された卸し立てのキットを長期間寝かせてオークションに出品したモデラーさんも知識が乏しかったと言えますが、製造されて四半世紀も経ったバルサキットを卸し立てのレーザー加工のキットと同じ感覚で組もうとすると・・・こういう墓穴を掘ってしまいます・・・。しかし・・・前縁材が最初から二重構造だとこういう事態は起き難くなります。

● 薄い前縁補助材を先貼りすると、直線で切り出した上下のプランク材の糊代に沿わせ易くなります。更にメインスパーの方が薄い補助前縁よりも湾曲方向には強度を持っていますので、薄いバルサの補助材に負ける事がありません。経年変化で硬くなってしまった太い角棒を使ったために起きてしまった、知識の乏しい初心者モデラーさんの過失であり・・・製造した一条さんの材料選別ミスではありませんよ・・・。
 
● 画像はバーチカル用の前縁材なんですが、本機のバーチカルは翼根側と翼端側のテーパー比が強いので、こういうあからさまに急角度の前縁材の形状に成ります。貼り込みの実寸として、手前翼根側が約25mmの幅・・・翼端側の幅は僅か8mm程度しかありません。貼り込んでから削るも良し・・・成形してから削るも良し・・・お好きな加工方法で・・・。
 
● 前縁材を貼り込んだら、プランクした面との段差が無くなるまで削って行き・・・最後はサンドホルダーで仕上げます。最終的に残った前縁の平面部分を小半径のアールに加工する事で作業が終わります。・・・さて!今度は後縁側のフェアリングとなる三角材を貼り込んで行きます。

● 先述した大観峰サイトにおいて、パークフライヤーさんが指摘したテーパー翼のVカットラインの幅の違い?・・・。その上下毎其々・・・エレベータとラダーにはテーパー状の三角形の空間が出来ますので、このフェアリングが仕上がったらどうなるか・・・よく見ていて下さいね。相似形均等座標の翼の形状だとこういう隙間は当たり前に出来るという証明にも成りますので、要らぬ知識の疑問も払拭されるでしょう・・・。
 
● 三角材は単純な三角立方体の材料です。此れを後縁面の中心ラインに合わせて貼り込むと、当然なんですがプランク面から余分な部分がはみ出します。この余分をバーチカルのプランク面に沿って削り落とすと画像の様な形状で仕上がります。Vカットラインの角度は翼根から翼端まで同じなので、この三角材をテーパー面に沿って削り落とすとフェアリング自体も画像の様に仕上がります。此れは神の作りし三次元空間の当たり前の現象ですので・・・大観峰で自爆してしまったパークフライヤー氏の御説通りの転回には成りません。このパークフライヤーの信者さん達・・・ゴメンナサイ・・・。

● 当工房の大型カスタムグライダーの殆どは、スタビライザー&エレベータに膨らみの有る翼型の揚力尾翼を採用していません。ただし・・・フラットな舵面ながら、翼根から翼端まで翼の厚みが薄く成って行く翼厚のみのテーパー構造はよく採用しています。HLGの水平尾翼も、厚さ5mmの部材でトラス組された水平尾翼も、此れが上面から見てテーパーの形状の場合、パークフライヤー氏の持参されたデコパネ機と翼の構成は同じなので、翼端方向に沿って最大翼厚のパーセンテージが大きく成ります。所謂抵抗が増えるというアンバランスな構造と言えるでしょう・・・。しかし・・・厚さが3mm程度しかないHLGのテーパー型水平尾翼を、翼端側に薄く削っていたら・・・捻じれに対する反発力は失われます。よって少々な空気抵抗は無視する扱いが一般的に成っただけの事・・・。しかしながら、高みを目指すモデラー諸氏ならば・・・強度の有るあつさ3mmの水平尾翼からの薄いテーパー翼は作れると思いますので勝手に実践して下さいね。
 
● 本来ならば・・・このフェアリング内部は、半円状のエレベータ前縁に沿った逆アールで削り込む所ですが、何処にも干渉する面が有りませんので、必要以上に内部を削り込む必要は無いでしょうね。このフェアリングの先端は、鋭く尖ったナイフ観たいですので・・・低粘度の瞬間接着剤や、エポキシ溶剤を充分染み込ませて補強する必要も有ります。とにかくモロイと思いますので。
 
● このバーチカルのフェアリング内部にラダーを取り付けてみると・・・見事にバーチカル後縁とラダー前縁の段差の隙間は見えなくなってますが・・・。この垂直尾翼のヒンジラインはフェアリングの先端にありますので、実は・・・丸見えです。しかし、このラダーの前縁はヒンジラインよりも前方に位置しています。よってラダーを動かせば、バーチカルの後縁からはみ出す様に見えますが、前縁が半円状であり・・・この円の中心を軸としてラダーが動くのでバーチカル後縁にラダーの前縁がはみ出す状況には成りません。こういうヒンジライン構造は大型機だから可能なのであって、超小型のHLGに再現しても構造が複雑に成り過ぎて難しく成るでしょうね。
          
● キット付属の三角材を成形すると画像の様なフェアリングに成ります。実機の場合は、スタビライザー後縁にビス止めされたステンレス製の単板とエレベータ側の硬度のもっと高い半円状の前縁材を擦る様に設定してあるので、ほぼ隙間は無い状態で作動します。この際・・・傷の入りを防ぐ目的で、高粘度のグリスが表面塗布されています。しかし・・・模型機の場合、素材が軽量木材ですのでフェアリング内側には極薄のカバベニヤ・・・半円形の前縁にはフィルムを貼って滑りを良くする方法が一般的です。
 
● 動翼のエレベータのヒンジラインは画像翼端側に見えるビス孔の中心ににあります。このビス孔を中心に半円形の前縁材が作動するので、エレベータの前縁がスタビライザーの後縁幅をはみ出して作動する事はありません。でも・・・お山に持って行くと・・・必ず・・・ネット物知り博士からの的外れなご指摘を食らいます・・・。彼らはネット画面の二次元画像ばっかり見てるから、こういう指摘が来るんでしょうか???・・・。自分で考える三次元の脳みそを駆使すれば、こういう的外れな指摘は出て来ないと思うんですが・・・。
 
● スタビライザーを胴体に固定する台座の加工中です。本機キットの解説には、この台座には一個しか孔はありません。本機の場合・・・エレベータの単独リンケージを採用したので、スライド機能を加えてあります。その機構をビス止めする為の孔が追加してあります。台座中央の二つの孔ですが、スタビライザーの固定には後方の孔しか使いません。前方の孔は、所謂ストップホール・・・ブロック材の割れ止めの役割です。この孔に関しては次の画像で説明します。
 
● 本機は舶来キットなのでインチ寸法は当たり前なんですが、このナイロンボルトと(Tナット=爪付きナット)がインチだったらちょっと厄介だなあって思っていたら・・・何と!ミリでした。もし・・・インチのボルト・ナットだったら、この爪付きナットの胴体へのかち込みは不可能だったかもしれません。

● 爪付きナットを胴体の木部にかち込む場合は、上部からナイロンボルトを締め込み・・・圧着せねば成りません。この作業は国産キットにもミリ寸法の爪付きナットは使いますので、固定する場合はビスを締め込むか部品の段階で、ハンマー等を使って叩き込み・・・エポキシを使ってガッチリ接着固定するのが普通です。

● しかしながら・・・本機のキットに付属しているボルト・ナットがインチだったら、ナイロンボルトを締めこんで金属のナットを圧着しようとしたら、多分・・・ボルトのねじ山を舐めるか・・・ナイロンボルトがせん断されてちぎれてしまうかもしれません。画像は同直径のヘックスボルトですが、ナットがミリ規格だったから可能に成りました。この金属製のボルトならば、千切れる事もねじ山を壊す事も起きません。

● インチの場合の災難は他にも在りまして・・・。もし・・・インチ規格のボルトを探す場合、実機の民間航空・航空機を有する航空自衛隊・もしくは・・・舶来製の車両のディ―ラーか修理工場でなければ手に入らないかもしれません。更に・・・ねじ山のピッチが合わないとミリ規格でも合いません。

● このナイロンボルトのピッチは、ホームセンターで普通に購入出来るボルトとピッチが同じでしたので普通に使う事が出来ます。ただ・・・締め込み過ぎると、裏打のベニヤの台座を壊してしまいますので、程々に締め込みましょう。スタビライザーの取り付け角が1,5度設定してありますが、角度計測の水準器で測るとキット付属のベニヤゲージで概ね角度は出ています。尚!スタビライザーの場合の取り付け角は、主翼の取り付け角度とは逆の表示となります。スタビライザーの前縁側が上に向いた場合は、マイナス角度・・・本機の場合は、マイナス1,5度と表記します。

  ちょっと脱線・・・。

● 閲覧しているモデラーさんは、製作途中の機体が行き詰まった時・・・どうされてますか?。私の場合・・・其れが急ぎの仕事でも行き詰まったら完全に中断する事にしています。急ぐからと無理して作ると必ず失敗するからです。ただし!作業中断の場合は、次回作業開始に備えて忘備録に作業の段取りをメモしておきます。こうしないとイザ!作業開始の時に中断時の作業段取りの状況が解らず・・・作業工程の段取り整理から始める事に成り、直ぐに作業開始とは成らないからです。

● 中断中は全然別の事で頭の中が一杯に成っています。まあ・・・パチスロ打ちに行ってゾンビ退治(バイオハザード)に熱中するか・・・我が家のライブラリーDVDのスターウオーズ・シリーズ・エピソード1~8を一気に観てるか・・・スタートレックの劇場版シリーズを時代背景毎に(ファーストコンタクト)から順に観ながら全作品ブッ通し徹夜観覧してるか・・・。とにかく飛行機製作から完全に離れた事をやってます。

● 飛行機製作に行き詰まる状態とは、部品の加工手順が解らないとかのレベルじゃありません。自作ならば部品の加工から始まるので工程をどう始めるかのレベルで行き詰まります。機体の形状が違うだけで取り付ける部品なんてどの機体も然程変化は無いのですが、複雑な形状の部品の加工は・・・最初の素材は角材ですのでどう加工すれば一番工程が少なく時間が掛からないか・・・で行き詰まってます。セオリーでやるのが一番失敗が無く安全なんですが、何時も新しい加工方法を模索して行き詰まっています。ただ・・・何時も閃く状況は、パチスロ打ってる時なので、レートの低い5スロを長時間打つのが私のスタイルですね。20スロならメダル1000枚で約2万円の両替・・・事故で暴走して万枚出たら20万円前後・・・。ただ、5スロのレートは四分の一なので初期投資のゲーム数は延ばせるけど、仮に事故って万枚出てもレートは四分の一・・・5万円程度にしかなりません。20スロなら一万円を使い切るのに一時間も掛からないけど、5スロならメダルの枚数は4倍有るのでまあ一万円を使い切るのに数時間・・・。まあ2000枚出せば・・・使った一万円は取り戻せるし・・・。気分転換に使う額としては妥当な線ですなあ。勝っても負けても牛丼かココ壱番屋のカレーを食ってから帰宅すれば、その日一日のストレス解消は満足です。

● さてさて・・・私の好きなスタートレックとスターウオーズの世界・・・。現在の地球を基準に考えればスタートレックは約40年後からのスタート・・・スターウオーズは約1000年前が舞台となったストーリーです。この二つのSF映画・・・。決定的に違う所がありまして・・・。スターウオーズの世界では巨大戦艦や惑星そのものを破壊できる程のビーム兵器が登場します。ワープ航法も確立されているのですが・・・。何故か転送装置(物質の分解と再構築装置)が有りません。スタートレックには当たり前に登場する転送機能なんですが・・・。と!いう事は・・・科学技術のレベルという点では、スターウオーズの時代の方が低いって状況に成りますなあ。ハン・ソロが捕らえられた時の輸送方法が炭素冷却?だったし・・・。クリス・パイン主演の新生スタートレック(エピソード・ダークネス)の劇中・・・ドクター・マッコイの台詞「転送装置が確立されたので、冷凍睡眠の必要が無くなった。」とあります。帝国と反乱軍の全面戦争が舞台のスターウオーズの世界では、大量破壊兵器は進化しても平和利用の転送装置は開発しなかった・・・という位置づけかも知れませんなあ・・・。惑星間の立体映像は登場するのにね(笑)・・・。もし、スターウオーズの時代に転送装置が存在していたら・・・戦況はもっと違うものに成っていたかも・・・。ワープ航法も見方に寄っては転送の一部なんですがね・・・。23世紀の中頃を描いた初代エンタープライズ号の機関長であるモンゴメリー・スコットがトランスワープ航法を確立して、其れまでの最大ワープスピード5レベルを7レベルまで引き上げると、ワープ航行中の船にも転送出来るという技術の開発・・・。物体其の物を転送するのではなく・・・物体を取り巻く空間毎、転送するという新しい理論の確率で転送自体がより安全な移動手段になる辺り・・・平和利用すればこんなに素晴らしい装置は無いでしょうなあ・・・って考えるのは私だけではないでしょう・・・。

● 最後に・・・クリス・パイン主演の新生スタートレックは、ウイリアム・シャトナー主演のストーリーとはある時点から違う現実を辿ったストーリーです。しかし・・・この違う現実には元々の現実世界の科学士官であるスポックがバルカンの大使として登場します。このスポック大使が存在した時代とは24世紀の初頭・・・。スタートレックのシリーズとしては一番新しく・・・この時代にはジム・カークも既に過去の人・・・既にこの世に存在していません。何故なら・・・バルカン人の平均寿命は地球時間で約300年・・・。地球人とバルカン人のハーフであるスポックの母上は地球人・・・。既に他界して100年以上経過した時代から、過去にタイムスリップしたスポック大使が招いた事態が・・・今回の違う現実の新生スタートレックの世界を生み出したとも言えますなあ。旧作のエンタープライズ号はカーンの仕掛けた爆弾がワープエンジンの炉心を破壊し、放射能が漏れエンジン操作室を汚染します。透明な隔壁で操作室を閉鎖しますが、メルトダウンを起こしたワープエンジンの炉心は暴走します。このメルトダウンを防ぐ為にスポックが高濃度の放射線の充満する操作室に入り、見事に修理しましたが其のまま絶命するんですが、次回作のエピソード中に異常な速さで地球化される不毛の惑星の効果で、スポックの身体は微生物分解され・・・そして再び再生されて行きます。新生のストーリーでは、カーンの特筆な頭脳を利用する為に、冷凍睡眠中のカーンを再生した軍の司令官が、クリンゴンとの戦争に有効な魚雷を開発させます。しかし・・・この危険人物は活かしておくと危険と判断した司令官は暗殺する為に、カーク艦長に命令しますが、失敗した時の証拠隠滅の為にエンタープライズ号のワープエンジンに破壊工作を仕掛けました。このエンジンが不調のままでは司令官の暴走は食い止められません。今回のストーリーではエンジン不調の炉心に入って修理したのはカーク艦長です。当然ながら高濃度の放射線を浴びた艦長は命を落とすんですが、カーンの超人類としての細胞移植と血液の輸血で艦長は治癒します。ストーリーの内容は旧作と新作では違うんですが、結末はどちらも同じです。スポックが死んでも・・・カーク艦長が死んでも・・・次回作は作れないからです。それほど・・・この二人の置かれた立場が重要だという事です。

● エピソード・ビヨンドで敵の攻撃で破壊された初代エンタープライズ号ですが、旧作ではクリンゴン艦と刺し違える為に自爆しました。新生シリーズではストーリーのエンディングでは再生された新型のA型エンタープライズ号が完成しますが、旧作では次回作のエピソードを一つ挟んでから、A型エンタープライズ号が完成します。この次回作が大変面白かった・・・。評価としては、ファーストコンタクトに次ぐ作品だと思います。エイリアン船が23世紀の地球に飛来し、呼びかけるんですが応答がありません。この呼びかけは人類では無く・・・既に絶滅したクジラに向けての呼びかけだったのですが、あらゆる手段でエイリアン船が呼びかけるので、その未知のエネルギーにより地球上の文明に支障をきたします。このままでは地球の破滅も時間の問題という状況の中、カーク艦長達は過去の地球に戻って、クジラをつがいで探しに行き23世紀に持ち帰るというエピソードです。最終的にはミッションは成功!・・・地球は危機を脱します。このエピソードの劇中・・・刺し違える為に奪い取ったクリンゴン艦の倉庫に、透明なアルミ合金でクジラ二頭分の水槽を作る事に成るんですが・・・。この技術を20世紀末のガラス工房で作らせる劇中シーンがありますが、この時代に無色透明なアクリルガラスは存在しても、透明なアルミ合金は存在しません!。・・・いや・・・存在しないって思ってました。ところが・・・日本人の科学者が開発した!って、何かの記事で読んだ記憶が・・・。金属製の強度を持った透明な合金が開発されたら・・・そしてその合金が一般的に東急ハンズ等で購入出来るレベルに成ったら・・・。月面上や火星にドーム型のコミュニティが建設されるのも近いかも知れませんなあ・・・。現在・・・世界中が競う様に行っている月の探査と火星探査・・・定住探査が最初のミッションとするならば、もう既に実用のレベルに達しているかもしれませんね。
 
● 当工房の機体のラダーリンケージは全てテグスワイヤーによる両引きを採用しています。画像の部品は、当工房の機体全機種に採用しているギロチン・パイプロック・ブラケット(当工房命名のオリジナルパーツ)です。サーボ室のメカプレートにこのブラケットを固定すると、他のサーボのリンケージに干渉し難く成るので、全機種に色んな形状で取り付けてあります。
 
● 取り付け方は至って簡単・・・。ギロチン・ブラケットを皿ビスを使ってメカプレートに固定し、パイプをセットして押さえのプレートを締め込めば簡単にロックできます。押さえのプレートは、ギロチン台の前後に取り付けたガイド板により指向性が一方向に限定されるので、ただ単に締め込むだけで簡単に確実にパイプを固定します。
          
● 本機の両引きラダーで使用するワイヤーは、CL(コントロールライン=所謂・・・Uコンの事・・・)機で使用する縒り線タイプのワイヤーです。かなり細い縒り線ワイヤーなんですが、引っ張り強度はグロー20クラスのUコン機を全速で振り回しても切れない強度を有する反面・・・絡まったワイヤーを無理やり引っ張ってダマ状にすると切れ易いという欠点もあります。如何に直線配置で弛み無く配線するかが、このリンケージワイヤーを上手に使うコツとも言えます。          (Part-11に続く)