ASK-8 (Alexander Schleicher) 胴体のパネルプランク (Part-11)
          
● キット指定の胴体側面にパネルプランクを行います。本機の胴体側板は、主翼の重心位置を基準にその最低限のプランク・コクピット周り・・・そしてノーズコーンの一部しか貼り込みません。此れが何を意味しているのか・・・本機の内部構造体の複雑さが、其れを証明しています。それでも本機の平均重量は5キロ強・・・。

● 国内・海外のバルサキットを数多く作り倒したモデラーさんならご存知の筈・・・。国内のキット程、至れり尽くせりの親切設計ばかりなり・・・それに比べて・・・舶来キットのアバウト加減は嫌気が指す・・・組立てる度にそう思う!って愚痴ってるモデラーさんは多いと思います。ただ・・・この愚痴の意味する所は、背伸びし捲りの初心者モデラーさんの愚痴とは違う意味合いを持っています。

● 百戦錬磨のモデラーさんは、ご自分のブログの製作記事にも長い模型工作の歴史が見て取れます。例えば初心者モデラーさんと玄人モデラーさんが、国産のバルサキットを例題に同型機を組立てながら記事を書いたとします。さて・・・閲覧している人の中で、模型業界人が頻繁に訪問するのはどちらのページでしょうか・・・。玄人さんのページを頻繁に覗くのは多分・・・同レベルのモデラーさんが多いと思います。しかし・・・業界人が頻繁に覗くのは・・・何を隠そう・・・初心者モデラーの方が圧倒的に多い。ただし・・・下手にコメントすると、初心者さんが自惚れて・・・あぐらを掻き・・・自分はメーカーさんに褒められた!と勘違いし・・・その後は勘違いの連続・・・改良と称した改造を行い性能を落とす仕上がりに成った場合・・・そのツケをメーカー側の不備としてしまう事があります。図面通りに正確に作ってから、更なる自分の技術に見合う改造をする!・・・のがセオリーです。初心者モデラーさんは、まず・・・パッケージ通りの完成形を目指して正確に作りましょう・・・。そういう初心者さんの製作記事を参考に、国内の大手メーカーさんは、更に正確に・・・そして組み立てが楽しめるバルサキットを開発していきます。
 
● 解説書には原寸の側板パネルの形紙がありません。じゃあ・・・どうやって作図するの?・・・。コピー機で拡大?プリンターに取り込んでCADで座標を探し・・・プロッターで拡大する!ってのが、ブログの記事としては最も高度なテクニックの紹介に成るでしょうなあ・・・。しかしながら・・・この縮小図を拡大して大泣きしても知りませんよ・・・。一番良いのは原物合わせ・・・。かなりアバウトでテキトーな作図なんですが・・・。実は此れが一番確実な作図だって百戦錬磨の玄人モデラーさん達は知ってます。

● この側板が完全なる平面に取り付けるのなら・・・ハイテク機器でも良いとは思いますが・・・。一部がアール面を含み、更に捻じって貼り込む側板の場合・・・直線だと思っていたら曲線だったり・・・直角だと思っていたらプラス何度だったりと・・・貼り込む面は弱性の立体面だという事を忘れてはなりません・・・。よってお手持ちの厚紙から現物合わせで作図した方が確実だったりします。
 
● 組み上がった胴体に形紙を乗せて・・・細かく細かく調整のトリミングカットが済んだら、今度は正確な材料取りの為の加工を行います。画像の孔は形紙の軽量化?の為の軽減孔じゃないですよ。そんなの愚の骨頂・・・だって思わないで下さいね。玄人モデラーさんなら誰でも知ってる穴ですから・・・。実機でもメートルサイズの金属製形板には開いてる穴です(笑)・・・。
 
● この孔にマスキングテープを貼り込むと、ベニヤの表面に食い付き形紙が動かなくなります。玄人モデラーさんが自作の大型ラジコン機の側板材を切り出す時に使ってる裏技とも言えます。此れなら釘を打たずとも好いので・・・余計なピンホールは開かなくて済むんですよ・・・。しかしながら、張り付く素材と張り付き難い素材が有りますので、万能では無いです。
 
● 本機の胴体側板のプランクは、ノーズコーンとなるグラス製のキャップの他はこのベニヤの側板材のみと成ります。このプランク材の後部は、胴枠間を斜めにクロスする形状の貼り込み方なんですが、ベニヤのプランク材の厚みは(1/32インチ=0,78mm)しかないので、クロス用のトラス材が無いとフニャフニャしています。そこで画像の様なトラス棒(6×6mm)を取り付けてからプランクします。

● 実はこのトラス棒の解説は、本機の説明書には記載してありません。当工房の勝手な追加材なんですが、有るのと無いのでは・・・被覆時に大きく関わって来ますので、入れた方が楽ですよ。画像の側板材は上下に分けてありますが、本機の解説には一枚で貼り込む様に図面指示がしてあります。どちらで貼っても然程の影響は無いだろうとは思いましたが・・・この二枚の接合面には若干の胴体のアールがありますので、一枚で貼る場合・・・接着されない可能性もあるんです・・・。確実に目で見て納得したいのであれば、上下二枚に分割して貼り込んだ方が良いと思います。
 
● 本機の胴体について一番質問メールが多かった箇所の説明です。このキットを定盤で組立てる際に、上下逆さまで組み立てて行くのはバックナンバーの項で紹介しましたが、この際貼り込んだ三本の丸型ストリング材・・・画像の様に胴枠との間に隙間ができています。此れに関して・・・解説書には丸型・角型のストリング材を胴枠に沿わせて削るのか?胴枠の木口にキャップ材を貼り込むのかという指示が成されていません。

● この胴体の角型ストリング材のみを胴枠に合わせて削り込んだ場合・・・丸型ストリング材を丸棒のままフィルムを貼り込む場合、胴枠との接合面までを綺麗に貼り込む必要があります。しかし・・・この枠間のフィルムのしわをアイロンで収縮させて取り去る時に、余程の温度調節をして慎重に貼り込まないと・・・剥がれて収縮してしまう事態が予想されます。剥がれて収縮してしまったフィルムは元には戻りませんので、ストリングのみで胴体の硬性を保つ羽目に成ります。

● 確実に枠毎にフィルムを貼り込むならば、丸棒を角棒同様に削れば良いのですが・・・角型ストリンガーはバルサ製ですが、丸型ストリンガーは堅木の丸棒なので、容易には削り落ちてくれません。削り落とし過ぎたら修正が利きませんので・・・キット初心者には大変難しい加工と言えるでしょう。そこで、イラスト画像のⒷの様に、胴枠にキャップを貼り込む方が作業が楽だと思われます。主翼のプランク材の余りが寸法的に出る様ですので、幅5mm程の短冊を沢山刻んで胴枠の縁に貼り込んで下さい。結果!ベニヤでプランクした小口面とキャップ処理した面は、ツライチで仕上がりますので被覆処理が大変楽に成るでしょう。
 
● 上部ベニヤ製のプランク材をエポキシで貼り込みました。この面は平面パネルに見えますが、コクピット後部のパネル上部はアール・・・更に若干捻じって接着され、下部は胴体の湾曲線に合わせた緩いアールに成っています。此れを必要側板一枚で貼り込むのは至難の技ですので、確実に接着するならこの分割貼りの方が良いと思います。
 
● この下部の長い側板パネルの貼り込みには、瞬間接着剤を使わないで下さい。「瞬間でもガッチリ貼れますよ!。」と、メールをくれたモデラーさんもいらっしゃるんですが・・・。小型のバルサ製ハンドランチ機ならば可能でも、こういう大型機の飛行中の荷重・・・着陸時の衝撃具合は、数キロの全備重量に比例しますので・・・瞬間接着剤は使わない方が無難と言えます。

● 二液性エポキシの練り練り行為に対して、嫌悪感を示すモデラーさんも多く成りました。あの指に付いたベタベタの感触・・・拭き取らなかったら何かを触った時点で、その何かの物体もベタベタします。硬化すればこのベタベタ感も無く成るんですが、固まったら固まったで、拭き取れないのでカッターナイフで剥がす羽目に・・・上手く剥がせても若干の傷は付きますし・・・。なるべくなら使いたくない・・・。よってお手軽で強力な接着力の瞬間接着剤を多用する・・・。って所ですかねえ・・・。

● 強制とは言えませんが、私の経験上ベニヤの積層木口とベニヤの化粧面の接着剤に、瞬間接着剤等の揮発性溶剤は荷重を掛けない状態ならば強力な接着力を持っていますが、大きな衝撃や水分過多の状況には大変もろくなる特徴がありますので使用しません。同じ一液性ならば、木工白ボンドをたっぷり塗布してクリップ等で圧着した方が接着力は強いです。しかしながら・・・水上機のフロートの組立や、ベニヤ製のボートの組立には使わない方が良いですよ。水に浸ける模型の組立に木工ボンドや瞬間接着剤を使うと、水分が付着しただけで接着面が溶けだし緩み始めるからです。その水分付着に気付かず自宅工作室に保管する期間にも、水分を含んだ接着面は浸食し続けます。緩んで剥がれかけた箇所に、ボトボトと大量の瞬間接着剤を流し込んでも・・・水分を薄めるだけで確実に揮発してガッチリ固まる事はありません。何度やっても剥がれる場合は・・・水分付着を考えて下さい。

● こういう状態で水面に浸すと・・・其れが飛行中なのか、水上を離陸滑走中なのか・・・運よく離水出来れば良いですが、離水前にバラけると・・・高価な推力装置もラジコンメカも水没します。医療系のグッズには、医療の縫合で使う瞬間接着剤を剥離する為の剥離溶液もありますので、水漏れ箇所のパネルを全て剥がして成形し、今度はエポキシで組み直し・・・パネルの接合面で水面下に成りそうな箇所にはバスコーク(コーキング剤)を充填してみましょう。水漏れの防水効果は格段に向上します。
          
● さて・・・胴体側板のプランクは完了しました。えええええ???・・・。リチャード氏の構造指定がこうなってるので、此れで良いんでしょうね。未だに信じられないんですが・・・これで重心が合うのか心配です。全備重量が4400~6000グラム・・・、生地完成だけではこんな数値には及ばないと思われます。しかし・・・あまり良い感覚では無いんですが、バラスト1キロ積んで重心ピッタリ!なんて嫌だなあ・・・。って考えてしまいます。

● 本機程エポキシ接着剤を大量に使用した記憶もありません。とにかくノーズ側を重くしないと成りません。あらゆる手を用いて、なるべく重心合わせのバラストの総重量を減らさないと・・・。胴体の構造を組立てながら、テールヘビー気味に成るかなあ・・・という一抹の不安は現在でも多分に有るのが本音です。なるべくなら・・・重心位置よりも前方の胴体は、全てプランクにして欲しい願望は・・・今でも有ります。搭載指定の1200mmAhの受信機バッテリーなんですが、別に2000mmAhでも良いんじゃないかなァって思っています。サーボモーターの標準型でも小さく思えてしまう位の胴体なので・・・。
 
● グラス製ノーズコーンの勘合調整中の画像です。バルサキットに何時の時代からか・・・こういうFRPの部品が使われる様に成って来ました。最初に始めたのは日本国内のラジコン船舶メーカーじゃないかともっぱらの噂です。しかしながら・・・作るの削るの面倒臭い!って思ってるモデラーさんに支持されたグラス部品なんですが・・・。

● 作業短縮!好都合じゃん!・・・、って思っていたら、勘合調整だけで一苦労・・・。飛行機に使われ出すと、成形済みのグラス部品と木材キットの勘合調整が・・・って、此れ!・・・部品・・・合わないじゃん!・・・。何故にこういう事態が頻繁に起きるのか?。まあ・・・ね!・・・。黎明期には、製造してるメーカーさんにもデータが乏しいので解らなかった時代でもある・・・。

● FRP溶剤は、硬化すると寸法が縮みます。所謂・・・締まる!という状態です。マイクログラスをバルサ胴体に一層のみ貼り込んだだけで見違えるほど頑丈に成るのは、硬化後のグラス溶液が締まるからです。よってひ弱な構造の胴体ならば、左右側板の溶剤の混合液の状態で・・・硬化すると胴体左右の面の締まる強度がアンバランスなので、捻じれたり曲がったりします。主翼を補強する名目で塗布する場合・・・数回に分けて貼り込む時・・・溶剤の混合比が変わると締まる硬度が変わるので捻じれる可能性が高くなります。

● よって画像の様な迫力モンの大型グラス部品と木材の構造体を勘合調整する場合は、木部側にある程度の逃げ(主に厚みに寄る寸法の余裕)を持たせなければアンコが出てしまいます。アンコとは業界用語で穴が開くという意味です。勘合調整の為に削り込んでいたら、プランク材に穴が開いた・・・。っていう言い回しで使います。多分・・・本機の場合・・・グラス部品と木部材の境目・・・強力な段差が出ています。やれやれ・・・。こういう場合は、裏打のバルサのブロック片を接着するか・・・裏側にエポキシ接着剤の溶剤を大量に肉盛りする処置が有効でしょう。

● 主翼に補強の名目でグラス繊維を貼り込む場合は、溶剤を多めに調合して、其れがツーピース(二分割分け)の主翼なら、一度に貼り込む事が大事です。その際・・・計量器を傍に置いて、溶剤を塗布したら計測・・・左右の主翼の重さにバラつきが無いように調整しながら貼り込む位の慎重さは必要に成るでしょうね。混合比率が同じなら硬化スピードも締まる硬度も同じなので、二分割主翼の重さも捻じれの具合も左右対称になります。
 
● コーンの内側の形状と外側の形状は、必ずしも比例していません。強度の必要な箇所には肉盛りしてあるので、綺麗に成形してあるグラスコーン外面みたいなアールの状態ではありません。よって木部構造体側をコーン内部の形状に合わせて削り込む必要があります。しかし・・・削り過ぎると、今度はグラスコーン側が安定しなくなりますので、慎重に少しずつ削る必要があります。木部材の先端は、胴体側方から見て上下のアールを決定するんですが、あくまでも図面上の寸法です。コーンの先端は小さいアールの集合体なので、木部側の先端も角を落とさなければなりません。
 
● グラス製のノーズコーンの勘合調整が終わりました。若干・・・約0,5mm程の隙間を開けて完了です。ベニヤ製の側板材とグラスコーンの繋ぎ目下部は、グラスコーンに合わせて今後削り込みを行いますが、板厚の関係上・・・アンコが出るかもしれません。アンコが出てから(穴が開いてから・・・)修正すると二度手間に成るので、今回は裏打ちの肉盛り・クイック・メンダーを塗り込みました。この接着剤は二液性のエポキシですが、硬化開始時間が5分と短いので、段取り良く作業しないと手遅れに成ります。

● グラスと木部を0,5mm開けた理由ですが・・・私の作業性を良くする為の何時もの方法です。別に隙間なくピタリと勘合しても良いとは思いますのでご自由に・・・。このグラスのコーンは、取り付ける際は二液性の通常エポキシ接着剤を使いますが、仮止めに過ぎません。

● 一応の固定が済んだら今度は、グラス溶剤を充填してガッチリ接着します。もしも・・・隙間なく勘合出来てエポキシで接着出来たとして・・・さて・・・確実に密閉出来たかと言うと、そうでも無いんです(笑)・・・。チューブから同量ひねり出して練り練りしたエポキシ接着剤なんですが・・・、気泡を含んだままだと硬化後にピンホールが残ります。このピンホールが抜け穴に成っていたら、グラス溶剤を流し込み・・・其れが硬化する間に、この小さい気泡穴から流れ出す・・・なんて事も充分有り得る事なんです。

● こういう場合に備えて、今度は外側からも練り練りエポキシ接着剤を充填します。此処は二度手間作業なんですが、隙間を埋めるコーキング剤の充填と同じ要領で、マスキングテープを三段重ねで貼り込んで肉厚を付け・・・硬化後に削り取るといった作業をした方が、確実にピンホールは埋まります。ノーズコーン内と木部材の接地面には、グラスウールを盛り付けてグラス溶剤を充分染み込ませて硬化を待ちます。この作業は一度に全面!の充填が出来ません。気長に何度も塗り込んで硬化させましょう。グラスコーンは鈍いですが内部が透けて見えますので、ウールを充填した箇所の溶剤の浸透具合は目で確認出来ると思います。

 ※ 女性イーグルドライバー誕生のニュース報道

 ※ 先日・・・ニュースでも報道された女性初のイーグル・ドライバー(航空自衛隊・F-15イーグル・パイロット)誕生!・・・。いよいよ国防の最前線にも女性パイロットが配属される時代に成りました。彼女は客寄せパンダ的な存在では無い!。自らの意思で志願し・・・厳しい適性検査を乗り越えて晴れてイーグルドライバーの一員と成った筋金入りのパイロットです。

● 整備員には上下の厳しい関係が有るんですが、実はパイロットも同じです。女性だからとチヤホヤされる事は無いでしょうし、ご本人も其れは充分に認識している筈・・・。まずは皆勤賞(Early bird)を目指して日夜激しい訓練の日々・・・。日本の領空は任せたぜい!。

● 私の階級が下から二番目の時代・・・浜松の術科学校で出会った婦人自衛官がいました。階級は三曹・・・。年齢は二つ年上の女性でした。日曜日の休日に浜松のデパートで買い物中・・・「風邪は治った?。」っていきなり話し掛けられて・・・。彼女は衛生隊の看護婦さんでした。不覚にも・・・訓練中に季節の変わり目の気温変化に身体が対応出来ずに風邪をこじらせ、大部屋の仲間から隔離する為に衛生隊の病棟に入院する羽目に・・・。直ぐ治るだろうと思っていたら、初日に40度近い高熱を出し唸り続けていたと、このワッフに言われ・・・「君のおむつを替えたの私だからね・・・。」と言われました。同年代の女性に・・・不覚にも男の一物を見られた恥ずかしさ・・・。「君のアソコの事は黙っといてあげるから・・・今日のランチを私に奢りなさい!。これは上官命令だよ。」ってか!・・・。

● 小綺麗なレストランで、多分・・・今まで食した事のない難しい名前の料理を食べながら、彼女が話していた内容を今でもはっきりと覚えています。自衛官に成りたい動機は、パイロットに成りたかったから・・・。視力も問題無い、身体に異常も見当たらない位の健康優良体なのに・・・。どうして女性は戦闘機のパイロットに成れないのか・・・。まあ・・・当時は時代背景がまだまだ男性優位の時代でしたし・・・。今!思い返せば・・・昭和50年代初期から、成層圏に憧れる若い女性も確実に居ました。

● 新谷カヲル氏の漫画(ファントム無頼)には、静浜基地を題材にした試験採用の女性パイロット達が描かれていました。当時の初等航空課程の練習機、T-34メンターが彼女達の訓練機・・・。実に明るく大らかに日々の訓練を楽しむ彼女達を相手に、戸惑う訓練教官として百里から派遣された神田二尉と栗原二尉・・・。若い女性が苦手な神田二尉と沈着冷静な栗原二尉、二人の両極端な性格の元・・・この女性訓練生の教育が行われる内容でした。

● まだ大阪に住んでいた時代に、レンタルビデオで「千里眼」という映画を観ました。航空自衛隊の架空の実験部隊所属の女性パイロットの話です。彼女には予知能力という超能力が備わっていました。当時の時代の戦闘機の索敵レーダーは、受信可能なエリアに入らないとレーダー表示されませんが、彼女はレンジに入る前の敵機の情報を予知能力でキャッチ出来・・・敵機パイロットの考えも予知出来るという凄い能力を持っています。この能力は、領空侵犯の為の撃退スクランブル部隊にとっては、強力な武器に成ります。

● ある意味・・・女性には男性では感じられないシックス・センス(第六感)という特殊能力が備わっているという脳科学者もいます。男女同権の今の時代・・・防衛庁がこういう女性の持つ特殊能力も加味して、女性のイーグルドライバーを採用したのであれば、将来・・・女性だけのスクランブル部隊も誕生する可能性も有るのでは・・・と思いますなあ。女性だけならパワハラは有ってもセクハラは存在しない・・・。領空侵犯機が男性パイロットなら、優しく諭してお帰り頂く女性のテクニックも在りかもしれませんね。もし・・・領空侵犯機のパイロットが、隠れマザコンなら(此れ・・・有り得るお話・・・。)・・・女性パイロットの飴とムチ(まあ・・・ツンデレ)でトラブル事無く平和的に追い返すテクニックも有るかも(笑)・・・。ただ・・・男尊女卑のパイロットなら、女性に馬鹿にされたと挑発して来るかもしれませんが、第六感装備の女性パイロットの方が一枚上手かもしれません。女だからと舐めて掛かると・・・大怪我するかも・・・。何故なら飛行訓練の内容に男も女も関係ない位に航空自衛隊の飛行訓練は過酷だからですよ。飛行訓練の激しさは、整備員が良く知っとります!。オーバーGで抜けなくなったパネルビス・・・頭をとばしてのビス抜き作業・・・AFR(機体修理分隊)の毎度恒例の作業でしたから・・・。パネル一枚全部で30本のビス・・・全部、頭をとばして外した事も・・・。此れが翼下部のパネルなら、長身の私の作業状況・・・地獄ですわ・・・。ダーリーに仰向けで寝そべって、両足を主翼下面に押しつけて身体を固定。火花は絶えず顔に降り掛かって熱いし・・・ゴーグルしてるが熱気で直ぐに曇るし・・・。高圧エアホース付きのタンガロイ(ハンド式ダイヤモンド・カッター)も長時間の使用は重い・・・。
          
● 蒸し返す様でウンザリかと思いますが、本機の改良についての説明です。Ⓐの場合・・・丸棒をキット状態のままフィルムで貼り込むと、イラスト画像の様に巻き込んで貼る事に成ります。この状態でフィルムのしわや弛みを取ろうとすると、胴枠から剥がれてシワを取る場合が予想されます。

● 此れを防ぐ為には、堅木の丸棒ストリング材を胴枠に合わせて削り込む必要が有るんですが、この丸棒がバルサなら削り易いんですが、堅木なので大変削り難いです。ネット普及以前なら模型店でしかこういう機体は購入出来ませんので、初心者さんが欲しがってもその難しさを諭すように模型店のご主人は、購入を諦めさせるでしょうね。

● しかし・・・ネット普及後は、誰でも簡単にこういう組み立ての難しい機体を購入できる時代となりました。国産の正確で組立て易いレーザーキットから入門した初心者モデラーさんは、本機の組立に戸惑いを隠せないでしょう。実際に起きている事態なんですが、自分では組立てられない中途のバルサキットの機体をオークションに丸投げするモデラーもいます。私たちは、削る・・・磨く・・・修正する・・・時代のバルサキットから入門したので、こういう丸投げ行為はやった事がありません。そこでⒷの構造に変更すれば丸棒を削る必要が無いので、フィルム張りも楽に成りますよ。言わば・・・角出しで組んだ胴体の角を、組立て後に小半径でアールにサンディングするのと同じ仕上がりと成ります。「重くなるじゃないですかああああ!。」って天邪鬼さんは放っといて(笑)。ハード系のミディアムバルサを幅5mmに製材して貼り込んでいます。
 
● 本機の後部胴体の胴枠は厚さ2mmのベニヤで構成されています。このベニヤの木口は、バルサの様にきめ細かい切り口でなく、かなり荒いです。この粗いベニヤの木口にフィルムを密着させるのは至難の技です。よって、接着面積を増やす目的で1,5mm厚のバルサを幅5mmで貼り込みました。多分・・・後部胴体の全面を貼り込んでも10グラムくらいしか増えません。フィルムを貼るもシルクを貼るも・・・接着面積が増えるので確実性を優先しましょう。基本的にイラスト画像同様に、丸棒の半径分を覆う様にバルサのキャップを貼ると、フィルムの巻き込み貼りは必要ありません。
 
● リタイヤ組の高給年金生活者である(島鉄さん)が、ジャーマニーいいいいい!・・・のグライダーの聖地から帰国してもう直ぐ一か月・・・。よっぽど聖地が気に入ったのか、現在・・・グライダー馬鹿に成りつつあります。ドイツに旅立つまでは、生地完成にしてくれたらフィルムを貼るぜい!って意気込んでいましたが・・・。帰国したら開口一発・・・「シルク貼ってね。」っとグレードアップ要請。

● ドイツのホームステイ先は、カスタム商会ドイツ支部の職人さん宅・・・多分、カルチャーショック受けたんでしょうなあ・・・。同じ造りの兄弟機(DFS-REIHER)・・・島鉄さんの機体はご自身で貼り込んだフィル張り機・・・。ラインハルト氏のは絹張りウレタン仕上げ・・・。島鉄さんは、元々が乘り鉄さん・・・。二次元模型に飽きて・・・ネット検索中に偶然当工房を発見・・・。除染の為福島出向中にメールを送ったらしく、転送されて福島滞在中の私の携帯に送られて来ました。

● まあ・・・其れからのお付き合いなんですが、まさか地元にラジコングライダーのカスタム工房が在った事は、検索するまで知らなかったみたいですなあ。ただですねえ・・・地元のラジコンモデラーの傾向として、二次元模型から三次元模型にステップアップしてくる場合は、大概のモデラーさんはヘリコプターに移行するんですが・・・。流石にZゲージのテーブルレイアウトをジオラマ仕様で作るモデラーさん・・・当工房の私の工作品に同じ香ばしさを見た様ですなあ・・・。

● Zゲージのテーブルサイズのジオラマって・・・多分・・・プロ級の腕が無いと作れません。線路幅は6,5mmしかないので、レールの固定にはレイアウトベースは定盤並みの狂いの無い限りなく平面が要求されます。少しでも凹凸が有ったりベース板が歪んでいたら、レールを固定しても列車は脱線し捲ってしまいます。飛行機造りは定盤からという当工房の方針から、同じ香ばしさを見つけたと言ってました。

● お金も有るぞ!暇も有るぞ!・・・無いのは飛行機作る技術だけえ~♬~♪・・・。ってのが、島鉄さんの口癖・・・。お金にモノを言わせて、完成機のグライダーをぶ~ガチャン!をひたすら続けて、操縦をマスター・・・。さて・・・一通り飛ばせる様に成ると今度は作ってみたくなる・・・。ところがラジコン飛行機のバルサキット製作と鉄道ジオラマ工作の違いに戸惑いフリーズ・・・。「トンビさん!作ってくれませんか・。」の依頼が、福島に届いた訳ですなあ・・・。しかし当時の私は除染現場三年目の始まった時期・・・。職長資格も無いのに、作業員三十人余りを束ねてる状況・・・。寮に帰っても書類書きしてた位の忙しさ・・・。よって製作代行なんて無理でした。しかしながら、作りたい満々の年金オヤジさんだし・・・。キットの原寸図面をコピーして送ってもらって、メールで製作指示・・・作業工程ごとの完成状態は、順次画像添付で送ってもらって、このノートパソコンで拡大・・・。次工程の指示は、長文メールで返信・・・。まあ・・・飛ばせるモデラーさんだから、生地完成まで漕ぎつけたら後は一人歩いて貰ってました。

● しかし・・・特注カスタム機の場合は、画像一枚での複製は島鉄さんには難しい・・・。よって、除染現場終了後に帰郷して作ったのがライハーだったんですが、この機体だけですなあ・・・。定期的に安定して発注来るの・・・。半対称翼型仕様は走る・・・フラットボトム翼仕様は浮き捲る・・・。まあ・・・ジオラマ百戦錬磨の島鉄さんでも到達できない領域の模型が有っただけです。よって悪あがきしないで、素直に製作依頼して来る辺り・・・一番扱い易く・・・ストレスの溜まらないお客さんでもあります。しかし・・・せっせと貼り込むキャップ材・・・やっと半分・・・。まだまだ続きますなあ。気分転換にと覚えたてのボードに乗って、海で遊んでたら監視小屋の方向から拡声器で叫んでるオヤジが・・・。その内容で島鉄さんと解った時の恥ずかしさ・・・。少しは遊ばせて下さいよおおおお。
 
● 本機のテスト飛行は、平尾台の吹上峠で行う予定です。この平尾台のラジコンエリアには、太古の昔より色んな形状のお地蔵さんがゴロゴロ点在しています。よって大観峰展望所の様な短い毛足の草原状態ではありませんので、機体を担いでの助走カタパルトが出来ません。なるべく平らなお地蔵さんの背中に立って、力一杯!下向き30度で機体を放り込まないと初速が付かず主翼に揚力を発生させられません。

● 揚力を生ませる位の初速を与えるには、機体の重心付近を利き腕の指でしっかりと持って、腰を入れてドスコイ!っと投げ込む必要があるのです。初心者さんほどこういう高級な機体を大会では投げたがります。投げるところは必ずカメラマンが撮影してくれますので、専門誌やお仲間ページに掲載されれば、手っ取り早く有名人に成れるからです。運良く掲載されれば知名度も上がり、ブログを持っていればコメントでちやほやして貰える・・・を、目論んでいます。

● ところが・・・ご自分の軽量ハンドランチグライダー気分で投げると、初速が足りないので数メートル先に落下・・・。持ち主さんの飛行機を競技不能にしてしまいます。こうなってしまったら・・・この初心者さん・・・ネットで仕入れた他人の間違った航空力学を捲し立てて、弁償回避の講釈を延々続けなくてはなりません。「重心設定が間違ってるんじゃないですかああああ?。」ってのが、大概の場合の初心者さんの言い訳です(笑)。

● 本機の構造上・・・このハンドカタパルトのホールド位置には、プランクバルサがありません。フィルムなのかシルクなのか・・・どちらにしても指先でしっかり持ち上げられる状況ではありません。吹上風が強烈なら機体が煽られるサイズですので、咄嗟に利き腕の握力を強めると被覆面が破れる可能性もあるのです。

● よって平尾台の強烈な吹上風にも耐えられる胴体の側板構造が必要です。胴枠とストリング材で仕切られた小窓に、更にバルサの角棒で内枠を追加して、この面のみ積層バルサのプランクを行います。
 
● 重心位置付近を確実に握力充分で持てる様にプランクしています。画像では解り難いですが、厚さ1mmのバルサを縦目で貼り込みました。最初の予定では、1,5mmのバルサを縦目で一層貼り込んで、二層目を1mmバルサで横目に貼るつもりでした。しかし・・・使用している1mmバルサがメディアム系なので、ソフト系よりも木目が丈夫です。よって一層目も二層目も1mmバルサで積層します。
          
● 二層目は久しぶりに・・・ホント!何十年振りに・・・短冊張りをやってみようと思います。1mmバルサですし胴体の側板アールもきつく無いですし、木工ボンドをたっぷり使用して最初の一本を貼り込んでいます。この短冊張りの過去の記憶ですが、思い出す限り・・・メーカーの開発部時代にグロー40クラスの(mirage F-1)をバルサで試作した際に、胴体上部のプランクに幅10mm・厚さ3mmのバルサの短冊を貼り込みました。

● 当時は45クラスの近代ジェット戦闘機のプッシャー機の試作を担当し、とにかくプッシャー仕様に出来そうな戦闘機の試作を片っ端からやってました。その中でもインテークはダミー仕様なので絞り易いのがラファールと同社のミラージュF-1でした。そこでショルダー翼のF-1を試作しました。短冊張りの利点は、綺麗なアールが表現できる所に有り・・・胴枠毎の湾曲バルサのプランクよりも複雑なアールの集合体に対応し易いです。

● 今回は単純なアールなので貼り込み易いんですが、1mmバルサをクロスさせて二層張りとする事で、最強の2mm合板のバルサ材と成ります。指先に力を入れてしっかり持ち上げても、ビクともしないプランク材と成るでしょう・・・。ただし・・・追従しているモデラー諸氏は、幅は5mmの短冊をシャブシャブ(低粘度)の瞬間接着剤を流し込みながら貼り込んだ方が楽だと思いますよ。
                               (Part-12に続く)