Ask-8 (Alexander Schleicher) 主翼の組立(Drag Spar)Part-17
          
● 部品番号(47番)・・・堅木の角材ドラッグスパーを加工しています。本機のこの解説図面は、半対称を含むゲッチンゲン翼なので主翼の下面を上にして組まないと工作が大変難しくなります。解説図面を読み解くならば・・・主翼の下面プランクまでは、この状態で組立てなはれや~・・・と記載してあります。尚・・・オージーみたいな訛った英語表記はありません。サンダイ・・・マンダイ・・・チューズダ~イ・・・もう一発・・・グッダイ!(サンディ・マンデイ・チューズデイ・・・最後はグッデイ=良い一日を!であり、良い死に様を・・・ではありません)。
 
● ・・・。どないに組んだろうかねえ・・・。図面では大変簡単に表記してあるんだが、この角材・・・加工した後の掲載です。図面では主翼の上面を上にして表記してあるんですが、実際はこの図面の裏側で組立てとるんですなあ・・・。よってこのドラッグスパーの中央リブ側は、上反角分(2,5度)に合わせて正確な寸法でドン付けなんですなあ・・・。所謂・・・角度切りしなはれ!って事。

● 実際に組み込む時は、リブを裏返しにして組まないと・・・上反角にも沿わないし、角度も合わないし・・・。さてさて・・・どうやって組もうか・・・。最終的には、(Frosh-Mt)と同じく・・・カンザシを差し込んだ状態で、このドラッグスパー部分のリブ組を別治具で完成させてから、再度主翼に組み込む事に成るかなあ・・・。

● 何故・・・こういう熊った(困った・・・)状況に陥ってるかと言うと・・・。この二枚貼りの3枚リブ・・・角型カンザシの孔なんですが、上反角に合わせて僅かに上下にズラして抜いてはあるんですが・・・。本来ならば(国産キットの場合)、二枚貼りで厚さが4mmを越える場合・・・貼り合わせの同サイズのリブ自体にも僅かに段差を付けてあるのが普通なんですよ。そうしないと・・・その機体を組んでいるモデラー自身が大いに悩むからです。

● ようするに・・・3枚のリブ材を上反角(2,5度)に設定した別治具に組み込んで、全ての部品を組み込んだ状態でアライメントをしっかり出したユニット状態のモノを組み込んだ方が正確だからです・・・。フロッシュのカンザシ部の組立で記載した様な治具を、グラス胴体にセット出来る様な構造にしてくれると・・・昭和の時代にもっとモデラーが増えた可能性が有るんですよねえ・・・。よってグラス胴体のキットが、当時の数十倍普及したかもしれないし・・・その流れの現在ならば、模型業界はもっと繁栄していたかもしれませんなあ・・・。そんな状況のネット環境ならば・・・現世界みたいなネット物知り博士的なモデラーは存在出来なく成ったかもしれませんなあ・・・。

● 模型の世界っていうのは・・・ガチンコ勝負ですからね・・・。他人の作った模型をオークションで値踏みしながら安く買い叩き、如何にも!・・・自分で造りました!・・・って、自分のブログに掲載しとる輩を見ると腹が立つ!・・・。誰も持ってないから自信たっぷりに自慢出来るんだろうが・・・。機体の番号位・・・消すか、変えてから掲載しなはれや~・・・。何処の誰さんが放出した飛行機だって直ぐバレる(笑)・・・。ネット上では博士なんだから・・・もっと頭を使え!・・・。
          
● 主翼後縁側の補助カンザシパイプ挿入用の孔を加工しています。ドラッグスパーを取り付けた状態のユニットは、その時点で構造体部品に姿を変えますので、後加工が大変作業し辛くなります。ダイカットリブには、ポンチでパイプ位置が刻印してありますので、孔位置がズレない様に・・・ボール盤にセットして3mmのドリル刃で下孔加工しました。この下孔を基準にパイプの直径まで拡げる訳ですが、7/32(約5,556mm)の孔を開ける為の更なる加工をします。孔位置がズレてる様に見えますが・・・これ!ズラして開けないと、上反角が付けられないんですよ。カンザシと成るシャフトを上反角分曲げると、孔は必ずリブのセンターを通さなければなりません。この上反角設定の工作方法は、カンザシ板やシャフトを直線で使える様にする為の方法です。ガルモデルのグライダーって、ピアノ線を曲げて・・・リブのセンターに孔を開けてパイプを通す機体が多かったので、リブ側のパイプ孔を変更する工作方法に、自作モデラーが馴染めなかったというのも・・・解る気がしますなあ。

● ただし・・・金属板を加工して上反角設定するのも・・・ピアノ線をベンダーを使って角度付けするのも・・・、当時は現在ほどの模型パーツの多様性も無かった時代なので、素材を購入してぶった切る・・・曲げる・・・といった工具が充実していた時代でもありますなあ・・・。ただ・・・ラジコン技術誌に掲載されている自作模型の紹介や、製作記事を執筆しているモデラーさん達の多くは、特殊金属の加工が出来る職種のモデラーさんだったり・・・そういうお仲間さんを持ったモデラーだったって訳で、誰もが簡単に加工出来て組める・・・といった一品物を作れる時代でも無かったんですよねえ・・・。だから、十年周期で訪れるラジコンブームが、頂点辺りに差し掛かると・・・毎回蔓延る一品物欲しさの脅迫事件・・・まさか他人事だと思ってたら・・・襲われるんですなあ・・・。
 
● ホームセンターで比較的安価(¥500位・・・)な組みヤスリの丸ヤスリ(直径・・・約5,1mm)を使って孔を拡げます。お使いのリーマーでも良いんですが・・・、木材に開けられた3mmの孔をハンドリーマーで開けようとすると、指の力加減では孔の中心がズレていきます。このズレを最小限にしたかったら、画像の様な錘状の丸ヤスリを使って下さい。

● まずは・・・ヤスリの柄を外して、小型のスピンドルチャックに噛ませます。この小型のチャックは、ホームセンターで安く購入出来ます。取り付け部がヘックス(六角)なので、最近の市販のインパクトドライバーなら互換性があります。インパクトドライバーは、押の荷重を加えない限り通常の穴開けドリルですので、わざわざ重たい電気ドリルを使う必要はありません。
 
● インパクトドライバーにチャックを装着したら、お茶碗持つ方の手(右利きの場合)でチャックをしっかり掴んで、正転状態でスイッチオン!・・・インパクトの振動と共に、丸ヤスリがロックされます。チャックハンドルが無いタイプのスピンドルチャックは、こういう使い方をすると覚えておきましょう。

● 次に・・・インパクトドライバーのスイッチを逆転位置にセット・・・。この状態で孔を拡げて行きます。こういう組みヤスリと言うのは、金属を削り易くする為に・・・ヤスリの目に進角を付けてありますので、正転のままでは通常のドリル刃の様に材料めがけてどんどん前進していきます。この状態でチャックの根元まで進むと、手元が狂って偏芯揺れを起こし孔がズレて開いてしまいます。しかし、逆転にセットすると常に抜ける方向に回転するので、僅かに前進の力を与えるだけで綺麗に孔を拡げる事が出来ます。
          
● 無理に力を加えないで、孔の広がりを確認しながら数回に分けて作業した方が確実です。パイプの直径は5,556mmですが、このヤスリは5,1mmですので僅かに足りません・・・。この0、4mmの不足分・・・孔の直径ならば0,2mm大きく広げれば良いので、ハンドリーマーを使って孔を拡げても狂いは出難く成りますよ。
          
● 上反角設定の為のカンザシユニット部は別治具で組立てますが、既に接着している16番リブ(中央リブから4番目)とのドラッグスパーの位置関係がありますので、所定の位置にリブを配置した状態で14番リブと15番リブを斜めに貫通するドラッグスパーのみ接着しています。

● 注意する点は、このリブ材とスパー材が無理なく自然に治具台に沿う様に調整してからスパー材を固定する必要があります。もし・・・無理やり押さえ込んだり、捻じったりした状態で接着を行うと・・・ユニット部の方が堅牢なので、弱い骨組みがその力に負けて設定が狂うからです。ドラッグスパーの貫通孔が少々甘くなっても良いですから、リブ材は無理無く主翼に組み込んで下さい。

● 他のリブは厚さ2mmですので、メインスパー上での角度設定はかなり寛容なんですが、二枚貼りで厚みが4mmになったカンザシユニット部では、リブ溝をきつく設定すると、指向性が発生してしまいます。本機のメインスパーは、リブと直角に勘合しませんのでこういった特殊な調整が必要と成ります。後退角の強い機体を組まれたモデラーならば、どういう状況かお解かりの筈・・・。本機のメインスパーは2度の前進角が付いていますので、リブ溝には2度に対応すべく少々甘めに広げる必要が有ります。リブを僅かに翼弦方向にズラして積層する方法も有るんですが・・・今度はカンザシ孔もズレるので調整が難しく成ってしまいます。OK模型のEZシリーズでは、こういう後退翼に対応すべくリブをズラしても設定が狂わない様に、リブ材の軽減孔を僅かにズラしてダイカット治具を作っていました。専用の丸棒を軽減孔に収めてリブ材を積層すれば、スパー溝は正確にズレますので狂いは出ませんでした。ところが、本機には・・・そういう細かい設定は成されていません・・・。
          
● 本機のカンザシユニットを組立てる治具を作りたいのですが、自宅工房には適度なサイズが無いので・・・早朝、熊本行きのフェリーに乗って、南阿蘇のキット製作工房まで良さげな治具台を取りに行ってきました。工房管理人・・・兼!・・・バイト職人のリタイヤ組大御所さんが、せっせとレーザー加工機にバルサシートをセットしながら・・・ご自分自作の飛行機を組んでおられました。

● 元々が九州の彦吉(飛行機キチガイ)さんですから、広島の彦吉さんとは…よく似たモンです・・・。勿論!社長は私・・・、レーザー加工機の一連の操作方法を教えたら、それは・・・もう!・・・70歳越えても覚える事は多く、しかし!確実に応用しながら操作しています。「ボケとる暇の無かたいねえ・・・。」・・・が口癖です。本職は木工の家具職人さん・・・。子供さんが後継ぎを拒否・・・。お友達の紹介で、ここのご主人の工房を引き継ぎました。よって!・・・椅子やらテーブルを作る技術を使って、模型飛行機を刻むかたわら・・・木工の工具箱や治具盤レベルの工作台を作ってる職人さんです。私ももう直ぐ還暦ですが・・・大御所から教わる技術・・・新鮮ですよおおおおお!。今まで自信の無かった技術も・・・キチンと教えてくれるので、疑問だらけの知識が一つ一つ形に成って行きます。
 
● 治具盤のリブ組治具は、当工房の(Hyper Ganba Double Cloth)・・・。尾翼がエックスの形状を持つプッシャー型とDF型のスラスターベクトル機です。よって、今後もお仲間さんの要望が有れば量産したいので・・・潰すには惜しい・・・。よって、治具を避ける様に枠を取り付けました。まあ・・・この状態でも・・・組めるんですけどね・・・。

● 当工房の飛行機のラインナップ・・・掲載した飛行機が全てじゃないんです・・・。お仲間さんのテスト機やら自作の実験機も含めると・・・掲載して解説項目をプログラムするだけで数年掛かります・・・。画像の中に・・・何気なくこっそり写ってる飛行機も有るでしょう?・・・。

● 因みに・・・エックス型の尾翼を有する航空機なんて知らない!って言ってるモデラーさん・・・。本当に知らないんですかあ?・・・。誘導ミサイルのフィンは前後が十字型・・・後部のフィンは同じフィンを45度ズラしたエックス型・・・。ホーミングミサイルって慣性飛行で敵機にドカン!やってるんじゃないですよ。ちゃんとフィンを動かして姿勢制御・・・。ミサイル自体に設定された敵機の当たり処めがけて飛んでます。要するに・・・ミサイル自体にはジャイロ搭載により、上下と左右が最初から設定されてるって事ですよ。

● そうだなあ・・・。F-16ファイティング・ファルコン・・・F-104スターファイターなんかもエックス尾翼の応用かなあ・・・。何言うてんねん!ファルコンはレギュラー尾翼・・・マルヨンはT型尾翼やんか!・・・ですが・・・。胴体の下にくっ付いてる整流板・・・。アレを忘れてまっせえ~・・・。あれも尾翼の一部ですよってに・・・。当工房のワイルドボアもエックス尾翼の変形型・・・。要するに水平尾翼が下半角設定の機体って、その水平尾翼自体にも整流板効果があるって事ですよ。通常の飛行機のピッチ軸モーメントじゃない近代戦闘機は、ノーズモーメントの方が長いんじゃねえかあ?・・・って機種もあるくらいです。ヨー軸の安定を確保するなら、素人さんが意味無いんじゃねえかあ?って思ってる胴体下のベントラルフィンも直進性を保持する重要な翼の一部って事に成るんです。

● 自作をする際・・・丸っこい胴体の下部に・・・このベントラルフィンを後から付けようとすると、多分正確な角度では付けることが出来ません。例えば3mmバルサ等で作る場合は、胴体の外部プランクをやる前の骨組み状態の時に組み込んだ方が、基準を採り易いので簡単ですよ。そのフィンを囲む様に胴体をプランクしたら・・・胴体のラインに合わせて一度切り取り・・・フィルムを貼った後に、ピンを入れる孔を細工して再度結束した方が正確です。このベントラルフィン・・・適当に付けると・・・航空機の三軸方向全てに多大なる影響を及ぼします。付けた方がスケールっぽくてカッコイイんですが・・・侮れない整流板なんですよおおおおお!。
 
● トンビの下手くそ!カンザシパイプ・・・スパーからズレてんじゃねえかああああああ!。・・・って、本機の構造を知らないモデラーさんからは、陰口叩かれそうですなァ(笑)・・・。でも・・・言われてみれば成る程!納得!・・・。最近のラジコングライダーは完成機ばっかりだから、キットを一機も作らずベテランフライヤー並みの飛行技術に到達するフライヤーさんも多い・・・。中身の構造なんか見えないんだから・・・知らなくても良い知識・・・ですわね。

● まあ・・・ね。こういったモデラーさんでも、完成機ばっかり購入して・・・メカ積みを製作記事としてブログに掲載しても、スクラッチビルダー(自作屋さん)のブログには敵わない訳で・・・。たまにグライダーのバルサキットを作るとしても・・・作った事が無いから複雑難解なスケールグライダーなんか作れません・・・。よって、初心者用のレーザーキットの製作記事をせっせとブログに掲載・・・。飛行技術だけならコンテストフライヤー並み・・・。其れだけの肩書のまま、キットも作れなきゃ疑われるし・・・コメント欄もどっちらけ状態・・・。お褒めパチパチを貰ってブログ上位に食い込む為には、こういう細工も必要なんですが・・・。作った事が無いんだもの・・・。多くの閲覧モデラーさん・・・困惑してま~す・・・。レーザーキットって言ったって、解説付きの原寸図面なのか・・・小雑誌の組立マニュアルなのか・・・斜めに読んだり、読み飛ばすから正確に組めない・・・。完成機の内部構造を知るためには、キットを作り倒すのが一番です。よって、完成機の主翼が折れましたあ・・・。内部構造が見えましたあ・・・せっせと自分なりの工作方法でレストア記事を書いてるモデラーのブログを観なさい!。そして真似れば良い。世の中のコンテストフライヤーさんも、重鎮と言われるモデラーさんも・・・最初は初心者です。誰かの真似から始まります。そういったモデラーさんのブログ記事は、自然と閲覧者数が延びるんですよ~・・・。
 
● 左右の主翼を中央でピタリと繋ぐ構造は・・・大型機に成れば成るほど、調整が難しく成ります。だから完成機のグライダーに走る・・・。まあ・・・それも現代の風潮ですね。完成機の大型グライダーをサイトに持ち込めば・・・スロープサイト初入山!しかもラジコン機を初めて購入した初心者さんでも、自分のレベルを申告しなかったら誰からも玄人さんに見られるので、絶対に馬鹿にされません・・・。ですが・・・この行為が事故の元・・・。操縦の仕方を知らないモデラーが、スペースシャトル素材のシャーレーグライダーを飛ばそうってんだから・・・事故って初めて「アンタ!初心者さん?。」・・・「ハイ!初めてです・・・。」が解る訳で・・・。事故の内容次第では・・・クラブ丸ごとサイト使用禁止・・・にも成ります・・・。ラジコンブームが始まると・・・そのブームの終焉は、こういったお方達の危険行為が頻発して国家が動く・・・。規制をされてブームが終わります・・・。私が知ってるだけで、そのブームが4回・・・。ブームが去る時には、必ず・・・何かのドエライ事件で規制が入って、次第に沈静化して行きます。残ってるのは、ブームが始まる前から継続した模型歴の真のモデラーばかりなり・・・。ただ・・・規制され捲った状況なので、国内のメーカーさん・・・頭が痛い。「やれやれ・・・またかよおおおお!。」って思ってるかなあ(笑)・・・。
 
● ダイカットの抜き残骸と10mmバルサと本機のメインスパーの端材を組み合わせて、カンザシユニットの治具を作っています。いやあ・・・このフレイヤのキット・・・部品以外の抜き残骸が半端なく多い。過去のお話ですが・・・大阪の工房を引き払って九州に帰郷したんですが、アパートを引き払う数日前に不思議な夢を見ました。何処までも澄み切った麦畑のど真ん中を貫くアスファルト道・・・自転車で走っとるんですが、すれ違う菅笠被った白装束の人達と頻繁にすれ違いました。其れがお遍路さんだと気付いたのは翌日のテレビのニュース・・・。あ!そうだ!・・・帰郷する前に四国をお遍路しよう・・・。お盆までに帰れば親父の初盆には間に合うぜい!・・・。で!・・・約一か月掛けて、愛車のレーサーで毎日距離を稼ぎながら、お遍路の日々・・・。

● お盆の三日前に無事帰郷し・・・翌年の春・・・今度は高野山の総本山に御礼参りするのに、親父の遺品のカローラXEサルーンで瀬戸大橋から四国に渡り・・・フライトホビーに寄ってみる事にしました。フライトホビーの社長である油谷氏とは、加藤無線時代のキット製造員という肩書で繋がっています。ただ・・・お互いに入社時期が違いますので、一緒に働いていた訳ではありません。材料の購入も終り・・・工場内を見学していた際・・・デカいポリバケツのゴミ箱に、1,5mmと2mmのシナベニヤの抜き残骸がバケツ一杯に入っていました。全部捨てるって言うので、全部貰って来ました(笑)・・・。このシナベニヤの抜き残骸・・・その後の数年間に試作したグライダーの主翼振り分けサーボの蓋兼・・・ベッドとして大活躍しました。

● バルサキットっていうのは、この抜き残骸も含めてのキット価格なんです・・・。よって、機体が組み上がったら残骸は廃棄するも良し・・・残して何かに使うも良し・・・。一つのメリットとして、レーザー加工のシートに残ったリブ材の外アールの抜き残骸・・・。一組分を残して資料として持っておくと、その後修理する時や自作する時のテンプレートとして使えるので便利ですよ。
 
● 治具台に固定すると良く解ると思います。このメインスパーの台座は歪んでるんじゃなくて、前進角が左右其々2度付いています。よって!ネット物知り博士さんが見たら嫌悪感を示す様な状況に成っています(笑)・・・。更に・・・前方から見ると台座には上反角の傾斜が付けてあります。この傾斜をつける際の注意点ですが・・・、本機の主翼はテーパー翼ですので、翼端方向に向かって翼弦が次第に短く成りますし・・・翼厚も薄く成って行きますので、このテーパー角度もプラスした角度で台座を傾斜させる必要が有ります。

● 本機の原寸図面は、上部から主翼を見た展開図しか入っておりません。国産の青刷り原寸図面を有する機体キットならば、主翼を前方から見た展開図も記載されているので、其処から翼厚の角度は算出出来ますが・・・本機には其れが無いので自分で図面を書かなければ算出不可能です。
          
● 治具台に組み込む前に、湾曲したリブ材をアングル座を使って強制的に矯正します。本機のこの積層リブは、一度加工して修正し直線に戻したんですが、組み込むまでに期間が空いたので・・・僅かに湾曲してしまいました。ところが・・・ユニットを組むには部品は全て直線で無いと正確には組めません。まずは・・・リブを直線に矯正してから、補強材を追加して修正していきます。
 
● カンザシユニットは所々補強しているのが解りますか?。こういった補強板を入れる事で、湾曲していたリブ材を直線に維持させる事が出来ます。この状態のまま拘束して・・・今度は、胴体と結合する為の前後二つずつのボルト孔を開ける為の、部材取り付けと穴開けまでを行ってしまいます。本機の主翼は二分割式で片翼1800mm以上ありますので・・・ユニットを主翼に組み込んでからボルト孔を開けようとすると、ボール盤作業が大変難しく成ります。しかし・・・このユニットのままだと150mm強なので、今度は小さい定盤にこの治具台を組み直せば、ボール盤によるボルト孔の穴開け作業は大変楽に成ります。全ての加工が終わってからユニットを主翼に組み込めば、プランク工程に移行してもその先の難しく面倒臭い思いをしなくて良く成りますよ(笑)・・・。

● 更に・・・本機の解説図に指示は無いんですが・・・解説図とは違う構造で、左右の主翼を結束します。こういう左右分けの主翼をカンザシで繋いで胴体に固定する場合は、結束後・・・粘着テープ等で主翼中央同士を貼り合わせて結束する方法が一番ポピュラーなんですが・・・。荷重と衝撃が加わると、粘着テープが裂ける事で主翼の破損を防げるからです。しかし・・・本機の様なスパンが4メートル近い大型機には、粘着テープ等での結束は強度的に不可能なんです。よって、カンザシで繋いだら左右の主翼を別々にボルトで胴体に固定するのが一番確実な固定方法と言えます。ただ・・・この場合、グランドでのサーマル飛行ならば着陸時はグランドループに入れない限り、主翼が破損する事は有り得ないんですが、スロープの場合は滑走を含む着陸は望めませんので、草の上に静かに接地!・・・が関の山です。グランドループを含む接地・・・もしくは接触の着陸の場合、遠心力により固定ボルトが捥げたり・・・折れたりするかもしれません。こういう事態を軽減する為の特殊な結束構造を組み込むつもりです。
 
● 後縁側の治具台を作っています。後縁側も上反角が付いていますので、角度付きの形紙を作図して其れを10mmバルサにトレースし・・・切り出しました。この10mmバルサが治具台の後縁側に定盤に垂直に隙間なく立たなければ、正確な治具とはなりません。床面と接する面は、側面に対して直角になるまでサンドホルダーでサンディングします。
 
● 本機のリブ組治具と同じ機能を持ったユニット専用の後縁側拘束治具の台座が出来ました。本機の主翼の治具を下面を上にした構造で組んであるのはどうしてなんだろうか・・・と疑問に思うのは私だけではないと思うんですが・・・。通常のリブ組方法と同じく上面を上にした方が組み易いと感じました。
          
● 次回からもし・・・本機を組立てる機会が有った場合は、画像の向きで治具を組んで組立ててみようと思います。此方の方が基準が取り易く思いますよ。キット付属のベニヤ製の上反角ゲージなんですが、キット通りに組むとゲージの逆さ使いが必要に成るので、ゲージのセットの仕方によっては・・・角度を間違う可能性もあります。
          
● ホント!・・・苦労する舶来キットですなあ・・・。でも・・・こういうキットでも海外のモデラーさんは、ホイホイ!購入して作ってしまいます。多分・・・私と同じ様なオリジナルな治具を駆使しながら、あれこれ悩みながら組んでます。自分の技術のレベルの低さを棚に挙げて・・・文句ばっかり言いながら、製造メーカーを口汚く罵ってる日本国内のモデラー諸氏・・・。今の舶来品ダイカットのバルサキットのレベル・・・昭和の国内大手メーカーなら、50年代のレベルです。まだまだレーザーキットが普及する以前ですが、当時のモデラーさんなら当たり前に組んでしまえる内容です。

● ヤフーブログのラジ絶さん・・・番長さん・・・の自作の飛行機の製作記事なんですが、昭和のバルサキットを作り倒した筋金入りのモデラーさんだって、見れば一発で理解できる閲覧モデラーさんは、皆さん一様に模型歴40年以上の猛者さんです。レーザーキットから入門したモデラーさんには理解し難い製作工程なんですが、昭和のバルサキットには、必ず原寸図面が付属してたから製作可能だった個人が有する専用治具だったりします。

● 本機フレイヤ製の(ASK-8)のキットをお持ちのモデラーさんへ・・・、多分・・・横文字分は読めるが主翼のこのユニットが組めないとフリーズしている方・・・。このユニット部分が正確に組めれば、カンザシで主翼を結束した時にピタリと勘合します。ご自分で造れないモデラーさんと・・・作るのが面倒臭せええええって言ってるモデラーさんのみ、このユニット部分のみ有料で製作代行しましょう・・・。要望される方は、必要なダイカット部品のみまとめて送って下さい。ご連絡は此方から。
 
● 部品番号(48番~51番)までの三枚積層したシム材をメインスパーとカンザシパイプの隙間に挿入する作業なんですが・・・。図面通りの組立なら隙間の寸法まで成形してから挿入・・・と成ります。ところが今回の組立では、別治具においてユニットのみを独立して組み立てていますので、この・・・挿入・・・する面倒臭さ~い作業が必要ありません。
 
● 画像はフロッシュと本機ASK-8の主翼カンザシユニットです。前回製作したフロッシュの主翼のカンザシユニットも、別治具で組んでから主翼に組み込みました。フロッシュを設計した岡本氏の図面指示にも本機(ASK-8)を設計したリチャード氏も、ユニットを別治具で組め!とは記載していません。私は此方の方が作業がやり易いのでこういう手順としています。まあ・・・ね。二分割の主翼を胴体と合体・・・もしくは、主翼同士をカンザシで直接合体・・・どちらにしても僅かな隙間や前縁のズレが気に成りだすほど、機体製作に美的センスを求める様に上達すると・・・この不具合が大変気に成って・・・許せなくなりました。そういう経験から生まれた・・・私なりのオリジナルな工作方法です。

● しかしながら・・・ヤフーのブログを見る限り、自作モデラー氏の全員が同じ工作方法を使っておられません。よって・・・無駄な・・・余計な・・・工作方法かもしれませんので、必ず複製しろ!という強制はしません。ただ・・・この方が確実に正確に組めると、私自身の工作手順に合ってるので今後も使い続けますけどね・・・。実は・・・過去記事にはなりますが、(Lo-100)でも使ってます。
                              (Part-18に続く)