👼 Ange SSG (Blue Angel 60 F3A) 
                                                                (Part-16)

  本機(Ange - SSG)は、加藤無線(MK)のブルーエンジェル60の原寸図面を参考にして製作した、全く新しい機体です。しかし・・・オリジナルのブルエンの主翼の翼型は完全対称翼です。このまま製作してスロープでぶん投げても、爆風域ならオリジナル・ブルエン並みのアクロバット飛行は可能です。しかしながら・・・強風域まで風速が下がると・・・満足なアクロすら不可能となります。如何に強風域において、爆風域並みの浮きの良さとスピードを得るか、そこで採用したのがOK模型のスロープスタントグライダー(ディバインウィンド)に使用された半対称翼型(ディバイン)です。

  組合が両社とも違いますので、当時は実現不可能なコラボなんですが、両社を経験した私はどちらのメーカーも甲乙着け難く・・・、何かの形でと思い、今回の機体を設計しました。多分・・・オリジナルのブルエン並みの正確なアクロバットは不可能だと思いますが、モデラー其々の技量に見合う飛び方はしてくれると思います。我こそは!と思うモデラーさんは、画像盛り沢山の製作記事を見ながら自作して下さい。ついでに言うなら・・・ヨシオカモデルのダッシュファイブの二分割主翼構造も一部参考にしています。運搬に便利だと思ったからです。尚!本機の量産とカスタム機は受注しませんのであしからず・・・。

 
● 一応の生地完成までもう少しです。翼端材を本来の姿まで削り込んでいます。この状態はまだ途中です。本機の仕上げは、フィルム貼り後ウレタン仕上げか、絹張り後ウレタン仕上げのどちらかを選択する事に成るでしょう。勤務していた当時の開発室長が、オーロラの25クラスの生地完成機にフィルム(ソラーフィルム)を貼る様に私に指示しました。

● 指示されたのはオフホワイト単色・・・???。あれ?配色のデザインが変わるのかナ?。って思ったんですが、指示された通りに主翼と水平尾翼にソラーフィルムを貼り終えたら、今度は胴体(垂直尾翼付き)は、マイクログラスを一層貼れ!と指示・・・。これも貼り終えたら・・・、後は室長の出番・・・。胴体をサンディング・・・主翼の表面に傷入れ(ウェザリング)したら、塗装室にてサフェーサーを吹き付け・・・。それを数回繰り返して研磨・・・。その後、ウレタンホワイトを吹き付けました。

● 何時もは紙張りか絹張りしか見せないのに、何故今回はフィルムだったのか・・・。室長曰く、フィルム貼りを下地に使うと目止めの必要が無いので、比較的軽量に出来る点が一つ・・・。ただし、フィルムを適当に貼ったら・・・その後の工程作業中に、生地からフィルムが浮いた状態だと、仕上げた時に浮いた状態で硬化するので汚くなるからとの事。私のフィルム貼りの執拗なる貼り込み技術が評価された結果とも言えますなあ。だから・・・事ある毎に、私のアパートに寄っては、フィルム張りの機体を眺めていたのか・・・。
 
● この翼端から見て取れる翼型・・・ディバインウィンド・・・、明らかにF3A用では在りませんなあ・・・。どちらかと言えば、パイロン翼かF3Bレーシングの翼ですなあ・・・。如何にもスピードが出ますよ!と言わんばかりの形状です。さて・・・次の作業・・・いよいよヒンジの溝入れ・・・。室長の工具が日の目を見る事に成りますよ。H澤室長自作のミゾ彫り工具・・・。

● 主翼の後縁にヒンジの取り付け位置を記します。今回のエルロン材は全長500mmなので、アイエムのLサイズヒンジを使います。三本の縦線はヒンジの中心と、ヒンジの幅を記しています。
 
● ラジ絶さんも年金少年Kさんもお使いのテトラのヒンジライン罫書用エクストラ・ゲージを使用しています。実は、このままカッターナイフで溝を彫ると、ナイフの厚みの違いから、オフセット状態でセンターがズレる可能性もあります。そこで、細書き用のボールペンを使って、両方向から罫書線を入れるとズレにくい様です。(両方向とは上下の二回引き)
 
● 大きい刃のカッターナイフを使って、切り込みを入れています。ヒンジが大きいので其れなりの深さも必要に成りますので、ボールペンで罫書いたど真ん中を狙って切り込みます。さてさて・・・此処で例のミゾ彫り道具の出番です。先端の尖った部分を先に入れて、少しずつ溝のバルサを削っていきます。削るという表現よりも・・・むしり取る!といった表現の方が良いかもしれませんなあ。ラインがズレない様に慎重に作業しましょう。
 
● ヒンジの厚み分の幅の溝が彫れています。ささくれているのは毟り取ったバルサの残骸です。この手の蝶番型ヒンジは、ヒンジピンの部分がヒンジの板厚よりも太いので、その分、入り口付近も若干ですが、半円状に広げてヒンジラインの半分を埋め込んでやると、主翼後縁とエルロン材前縁の隙間が見えなくなります。普通に飛ばす分には隙間が開いても然程飛行には影響しませんが・・・、事!コンテストフライヤーさんは、この隙間による気流の乱れまで嫌がります・・・(笑)。私はコンテストフライヤーではありませんので、其処までの綿密さは必要ありませんが、ネット物知り博士の皆さんは、拘って綿密に仕上げて下さい。