※ インデペンデンスデイ・リサージェンス


 🐦 国際・レガシー飛行隊・ハイブリット戦闘機

● 1996年のエイリアンの侵略から20年・・・、リベンジを企むエイリアンが再び攻めて来ました。前回の戦闘で科学的には圧倒的に不利な状況の中、ローテクを使って勝利した地球上の世界各国の軍事関係者・・・。再びの侵攻に備えてのエイリアン技術を使った防備の数々・・・。その中でも、軍事利用・平和利用の両面で進化したのは重力からの開放でしょうね。

● 飛行物体を一例に挙げれば・・・地球の磁場に反発するエネルギーの利用でしょう。超小型の磁場発生装置を使うと、物体は空中に浮き上がります。上昇する事も降下する事も、空中で停止する事も可能になります。空中で停止した状態とは、地球の引力と小型飛行物体の引力が吊り合った状態なので、空中停止が出来ます。

● 現在の航空機は地上に駐機している時も、飛行中も常に地球からの重力の影響を受けています。航空機に搭載されている姿勢制御の三軸ジャイロは、常に地球のコアの中心を軸に姿勢のニュートラル状態を検知しています。よって、前後・左右・上下が決定されます。しかし、劇中のハイブリッド戦闘機に搭載された反重力装置は、飛行物体そのものの質量をゼロにする事で、推進装置の大出力化を必要としなくなりました。

● 装置の起動中は戦闘機本体の重量はゼロなので、推進エンジンも小型化されています。劇の冒頭に女性大統領の台詞で、人類は重力から解放された!・・・とあります。一グラムでも軽量化!の究極な状態がこの戦闘機には備わっています。物体の質量がゼロですので、エネルギーは全て推進力に変換されます。大気圏内でも宇宙でも自由に飛行出来るハイブリッドな飛行物体がこの戦闘機の特徴ですね。

● 今回は、このハイブリッド戦闘機を大気圏内だけで飛ばすラジコングライダーにしてみましょう。ネット掲示板や動画サイトでは究極なリアルさを追求した飛行物体ほど、お褒めのパチパチが貰えるみたいです。しかし・・・このお褒めのパチパチを優先すると飛行物体の本来の基本性能が失われる結果ともなります。如何に上手に崩して尚且つ・・・普通に飛ぶグライダーにするか!が、本機製作の肝に成りそうです。

● それにはまず・・・要らない武装は全部省略する事が大切です。スホーイ27型戦闘機の試作段階の機体って見た事ありますか?。武装の類の全く無い・・・単純にスピードだけを追求したフォルムの美しさ・・・、設計を担当したデザイナーの真の実力が発揮される瞬間でもあります。一グラムでも軽量化した状態がこれです。無動力設定のスロープグライダーとして今回の戦闘機は開発されます。さて・・・似るも似ないも・・・私の腕次第・・・。個人で楽しむ模型なので、誹謗中傷の類は空耳扱いとします。

● 部品は実機と同じく使い回し戦法です。実機戦闘機は新機種が開発されれば、内装部品全てが専用特注品ではありません。作る側も購入目的大前提なので、コストダウンをしないと儲かりません。如何に自社戦闘機の部品の使い回しをするかが、コストダウンによる儲けを大きく出来るかが決まります。今回は当工房のデルタグライダー(NV-01)を利用して、この戦闘機を作ってみたいと思います。

● デルタ翼機の最もポピュラーな主翼の後退角度は、55度から65度の範囲が最も多いです。本機(NV-01)もこの角度の範囲で製作しました。同じく・・・このハイブリッド戦闘機も黄金比率の後退角度に収まっています。さてさて・・・どんな機体に仕上がりますやら・・・。乞うご期待!。

● 主翼に上反角を付ける

● このハイブリッド戦闘機は、主翼に上反角が付いています。この上反角を付ける作業において、飛行機初心者のモデラーさんの勘違いについて述べたいと思います。翼の下面がフラット(直線)な場合は、この直線ラインを基準に上反角を決めますが・・・、反対称翼型や完全対称翼型の場合は、画像の様に翼型の中に基準線があります。

● よって・・・上反角の決定にはこの基準線を中心にして、翼同士を結合しないと正確な上反角が付かないばかりか、不必要な後退角が付き図面通りに作ったはずなのに・・・、機体が思う様に飛ばない事態が起きます。今回は最大翼厚47mmの主翼に、最大幅50mmのエルロン材を使って・・・上反角を付けてみました。

● 基準線から最大翼厚までが32mmですので、エルロン材も同じ位置に線を引きます。実はこのエルロン材の基準ラインの位置が重要に成ります。この反対称翼型や完全対称翼型の場合は、薄いフラットボトム翼が上下二枚重なって構成されています。ですから、上反角を付ける場合のエルロン材も同じ様な基準線が必要になります。これがズレていると・・・上記の様な不具合が発生しますので注意しましょう。

 
● この主翼の中心位置は長さが600mm以上ありますので、翼に仮止めしてボールペンでトレースし、余分な部分を予め削り落としておきます。翼型に合わせて削ると主翼の前後でこのエルロン材の厚みが変化していますが、これが正常な状態です。すべてエルロン材に最初に入れた基準線を元に厚さが変化しています。
 
● エポキシを使ってスチレンリブに上反角の付いたエルロン材を接着します。スチレン材同士ならばセメダイン系の専用接着剤でも良いと思いますが、カンザシを使わない時はエポキシのベタ付けの方が確実です。片面の接着が完了したら、もう一面も同じ様に基準ライン上に接着します。
 
● この戦闘機なんですが、ネットをどれだけ検索しても三面図が出て来ませんでした。ならば、ユーチューブの動画サイトに誰か模型で作っていないか探してみたのですが・・・今の所・・・見つけられませんでした。で!どうやって形状を決めたか・・・。DVDの動画を何度も止めて形状をスケッチし、時には定規を画面に当てて寸法を測り・・・てな具合です。手元にあるのは(NV-01)の主翼と垂直尾翼・・・、別に今形状を決めた訳ではありません。映画の封切は2016年ですが、この(NV-01)は2011年製作です。作らなくても在庫があって、たまたま形状が似てたのでそのまま流用する事にしました。

● 主翼の上面には垂直尾翼・・・位置を同じくして下面にはフュージョンドライブのユニットが付いています。最初から固定するとフィルム張りが難しくなりますので、内装台座を設けて取り付けと取り外しが出来る様にしたいと思います。このフュージョンドライブのユニットなんですが、劇中では浮上装置として機能してますが、模型機ではデカい割には機能が・・・無用の長物みたいですけどね、何かに利用したいと思っています。

● 今回はエレボンを止めてエレベータとエルロンを別機動させます。エレベータの面積は普通に採れるんですが、翼端のエルロン面積がちょっと不足していますので、このドライブユニットに一工夫加えてみたいと思います。実際に垂直尾翼も重心位置の割には小さいので、このドライブユニットに代わりをさせる事にもなりそうです。扱いは可動式ベントラルフィンといったところでしょうか。

● プランク材を作る
 
● 80×900mmの定尺バルサのシートから幅の広いプランク材を作ります。このプランク材を三枚継ぎ足すと幅は優に160mm以上と成るんですが、だったら二枚繋げば早い!って単純でもありません。主翼が後退しテーパー比が大きい場合は、シート自体が均等に湾曲してくれないとプランクが大変難しくなります。画像の様に加工すると、右上の様に長さ300mm以上のシートが丸丸残ります。
 
● 三枚継ぎのシートの型紙は、広い方でも55mmから60mm前後で区分しています。これをそれぞれシートに乗せてボールペンでトレースします。前縁側のⒶ材と中継ぎのⒷ材は一枚のシートから抱き合わせで部品取りします。反対側のプランク材の材料取りの場合は、型紙の方向を変えずに裏返して使うとボールペンの印が左右とも内側になりますので、仕上げ工程で苦労してインク消ししなくてもよくなります。ピン!と来ない人・・・やってれば一度は遭遇しますよ。
 
● 後縁側Ⓒ材を取る場合は、型紙を裏返して前縁側を前にして材料取りをして下さい。左右シートの木目が同じ状態になります。シートの在庫が膨大な人・・・合わせ取りが面倒臭い人には適用しませんので、形の歪なシートを持ちたくない人にお薦めします。

● 三枚のシートを繋ぐと画像の様な幅広のプランク材が完成します。元々の形紙自体を若干大きめに作ってありますので、木目と相談しながら材料取りをしていきます。
 
● 前々から・・・一度使ってみたかった部材です。これはクーラーの水抜き用ドレーンパイプです。当工房のホームページのメンテナンスをやってくれている、(またたび電器)の店主・ネコバスさんと最近・・・南島原市全域を廻りながら、この強烈な暑さを凌ぐ為のクーラーの取り付けに同行しています。

● 除染現場のパンパン土嚢を毎日担いでいたので、クーラーの室外機を担いで梯子を上り・・・屋根に据え付け・・・なんて当たり前の作業になりました。この時に使用するドレーンパイプなんですが、かなりの湾曲にも対応出来ますし、200mm程度で9グラムなので、今回の機体に初採用しました。重さ的には然程神経質に成らなくても良いですよ。重心よりも前方ですから・・・。

● 一般的にホームセンターで購入できるかは不明なんですが、その辺をネコバスさんに聞いたら個人営業の電気店に出向いて直接メートル買いしたらどうだろう・・・との事。孔の直径は15mm以上なので、大きめのコネクタも通せます。実際の所・・・屋根裏や壁の中等・・・このドレーンホースを使う場合もあるそうなので、配線を通す目的ならば・・・かなりポピュラーかもしれません。

● これだけの大きなデルタ翼ともなると、骨組み状態でも簡単には捻じれません。しかし、画像では陰に成って見えませんが、基準となる小型の部品治具が付いていますので、捻じれる事無くプランク作業が行えます。まあ・・・言い換えると、大それた定盤が必要ない部品治具とでも言っておきましょう。まだ試作段階ですので、見様見真似で作られて失敗したからと、泣き言交じりの中傷メールを送られても困ります。もう少し経験データを増やしてから紹介します。大変小型なんですが、此れ本体が狂っていたら治具にはなりません。旋盤加工精度が必要なので、もっと加工し易い材料でチャッ!チャッ!っと作れる物でもありません。
 
● ステルス機特有の六角胴体ですね。作図自体は然程難しくはないのが六角胴体なので、ちょっと格好良い練習機なんかには採用され易い構造です。当工房の霧ヶ峰式・鷹号も六角胴体ですが、断面系の方向を変えるだけでヴィンテージ系からフューチャー系まで作れる不思議なヘキサゴンですわ・・・。
 
● 実際の映画に登場した戦闘機は、もっとノーズが下を向いています。しかしですね・・・本機はスロープ仕様の為に、このコンコルドみたいな下向きノーズは・・・最悪・・・止めときゃよかった・・・って後悔する羽目になるやもしれません。着陸する時に必ず!努めて!絶対に!ノーズアップで着陸・・・出来る保証が無いからです。劇中のこの戦闘機の撃墜による胴体着陸なんですが、必ずと言って良いほど機体からコクピット付近がもげています。下向きコクピットだから、視界は広いし操縦する分には大変優秀なんですが・・・。着陸は必ずフュージョンドライブでのV・TOL降下ですし・・・。(Part-2に続く)