Part2


● 暖房炉の画像です。サイズは800Wの電気ストーブのサイズに合わせてあります。これは私の使用しているメーカーのストーブなので、他メーカーの場合は寸法が少し変化するでしょう。電気ストーブのタイプは蛍光管(ヒーター)の2灯式です。基本的にヒーターの面のみしか熱源は発生しないんですが、ストーブの荷重が一点に集中してしまうので荷重の分散目的でストーブの外寸設定で大きさを決めました。

● 左の画像の様に収納する時は全部まとめられる様に、全体全備品のサイズも決めてあります。電気ストーブには転倒した時の発火防止の一つとして、ストーブの脚の部分にリミットスイッチが付いています。画像の様な姿勢で使用しますので一時的にこのスイッチを殺す必要があります。私の場合は3mm程度のベニヤ板で蓋を作り、ガムテープを使ってスイッチONの状態で固定出来る様にしました。もし・・・ご家庭の電気ストーブを使われる時は必ず奥様の了解を取りましょう。スイッチ殺しの使いっぱ・・・では奥様から殺されますよ。気をつけましょう・・・。

● 上のイラスト画像は私の使用している電気ストーブのサイズに合わせた暖房炉の図面です。板厚13mmの桐板を使用しています。その他の木材の部品は桐板の板厚に一番近いサイズの物を定尺2mで購入して、自分で加工して組み立ててあります。本格的に置きの道具として固定される場合は、暖房炉内部にキッチン小物のガスコンロに使う油の防火壁(アルミ製)を板を貫通しない長さの小ビスで留めてください。内側全体でも良いですし、型押し盤を置く空間のみでも良いと思います。要は火事に対する個人レベルの安全対策の問題ですので、ご自由に設定してください。

● 道具の置き場所による設定です。私の場合は使用しない時は一まとめにして収納しているので、使用する時のみ工作台の上に置いています。私の工作台の高さは85cmですので、事務用の椅子に座ると型押し盤が丁度目線の高さになります。実際に使用すると解かるんですが・・・、中腰での使用では無理な姿勢の為注意が散漫になります。せっかくシートが緩んで型押しが成功する筈が・・・、イザ!型押し中にタイミングが狂い・・・失敗しちゃった〜・・・なんて、当たり前に起きてしまうでしょう。

● 如何にストレスを貯めずに集中して作業出来るかが、成型の基本であるという事は古巣の開発部で失敗を繰り返しながら学んだ事です。専用の立派な工作室をお持ちのマニアなら、その道具の設置場所は自分に合う様に設定すれば良いと思います。私の工作室は普通の一戸建ての二階ですので、道具の収納が重要になります。

● 右の画像は型押し盤を下から見上げてみたところです。実際・・・使用する場合は、目と指先をフルに活用してシートをたるませます。シートのどういう状態が型押し可能な状態なのか?・・・、これだけは確実に「こうです!。」と断言出来る状態がありません。私の4年分の型押しデータは季節毎の室内の気温・暖房炉の中の温度・型押し盤に掛ける熱源の時間・使用するシートの板厚等・・・、大学ノート2冊分あります。しかし。実際に使用されるマニア諸氏の工作室の状況が必ずしも私のデータに全て合致するとは限りませんので、一般的なデータは掲載出来ますが、詳細なデータは意味が無いと思いますので掲載は控えさせてもらいます。

● 目で見て解かる状態のシートの緩み具合の一つとして、熱源による空気の流れでシートの表面がプルプルと震え出します。この時利き腕の人差し指の先で、シートを固定した型押し盤の裏面から突付いてみてください。この動作は指の感触でシートの緩み具合を計る有効な方法の一つです。開発部に備え付けられたリレー式の真空成型器のシートの緩み具合を測る時も、同じ様に人差し指で裏面を突付いて緩み具合を確かめました。この作業動作はマニュアルにはありません。素人さんがやると火傷の恐れがあるからです。工場長から教わった職人レベルの自己責任においての作業動作です。人間の五感の一つを使っての作業なんですが、自動機ではまだまだ判断出来る状況では無い時代ですので、アナログ的な方法なんですが一番確実な作業手順になります。くれぐれも火傷には注意しましょう。緩み過ぎたら・・・指に溶けたシートがへばり付いて火傷が確定します。

● 本来ならば実際の作業をやりながらの実況中継と行きたいのですが、ストーブの酷使によりヒーターの一灯が潰れてしまいましたので修理に出ています。左の画像は100円ショップで購入したタイマーです。データを沢山持っている人には必要は無いと思います。全てその職人さん自身が持っている感覚で作業が進められるからです。

● 中央の画像は型押しをする時の私の目線です。型押し盤を両手でしっかりと持ち、木型にシートを押し付けて行きます。主要なアール面を通過したら、型押し盤を二つに割ります。蝶番で吊ってあるので左右綺麗に割れるハズです。木型の側面にシートを巻き込み・・・、木型の下面に来たら型押し盤をもぐり込ませてシートを引っ張ります。この引っ張り動作によりキャノピーの側面が木型に密着します。

● 型押し盤を片手でホールドしたまま・・・、霧吹きのスプレーで水を吹き付けてシートの熱を完全に取り去ります。手で触って熱が完全に取れた状態だと判断したら、タオルで水分を拭き取って下さい。細身のキャノピーはそのままじんわりと型押し盤を開けば木型から外せるんですが、幅の広いキャノピーの場合は無理に開くとキャノピーのトップが白く濁ってしまいます。必ず型押し盤の押さえを外してからキャノピーのみをフリーの状態にして、幅の狭い先端から静かに抜いて行くと綺麗に外せます。

● 私の木型の制作方法は、完成した機体のコクピットから直接キャノピーの木型を成型して太らせて行くやり方です。画像のキャノピーは(NV−01・ENTERPRISE)のモノです。最初の必要寸法が筋彫り状態で見えていますので、先程外した成型されたシートをそのまま被せて油性のマジックや紙製のマスキングテープを使って、切り代分を残して専用のアールばさみで切り取ります。最終的にはキャノピーの枠に合わせて更に成型して完成となります。ポリカーボネイトは塩ビ板とは違いますので、ラッカー系の塗料に侵される事がありません。キャノピーの裏面からラジコンカーのボディの塗装と同じ方法で塗装が出来ます。半透明の塗料(トランスパレット)を吹き付ければ、色の付いたスモークキャノピーの出来上がりです。

● 過去にお仲間さんからスモークキャノピーに出来る塗料の入手先を聞かれました。プラモデルを多く扱うショップに行けば、在庫している可能性があるんですが・・・、水性が多いと思います。しかし・・・その扱っているかもしれないショップを探すのが大変難しいのではないかと思います。一番確実な方法として、調色の出来る塗料の専門店に頼めば可能です。しかし、使い捨てのスプレー缶ではなく・・・、調色された希釈していない原液の状態ですので、自分で専用シンナーを使い希釈してからこれまた自分の手持ちのコンプレッサーとスプレーガンで塗布しなければなりません。購入できる塗料の量は、0,5kg缶からなので特注品扱いの為安くはありません。しかし。キャノピー自体を無色透明からスモークタイプに出来るので、仕上げた機体の完成状態のコクピットに賓が出て来ます。そこまで凝って作りたい人は塗料店の購入ロットのサイズにイチャモンを着けずに、素直に購入される事をお奨めします。

★☆★  シートの加熱状況の一例・・・・・(シート0,8mm使用の時・電気ストーブ800W・室温34℃=夏場)

      @シート20秒加熱・・・型押し盤使用でシート完全に曲がらず(シートの加熱不足)
      Aシート40秒加熱・・・シート泡吹きするも成型完了(シートの加熱し過ぎ)
      Bシート35秒加熱・・・シート白く濁るも成型完了(シートは白く濁った後泡を吹く)
      Bシート30秒加熱・・・普通に成型完了(上記の条件では加熱30秒がベスト)

● 成型の一例を示しています。ならば何処の工房でも同じ条件なら一発OKなのか!・・・、と言うとそうでも無い様です。百選練磨の私でさえ4発目で成功しました。4年分の基本データとは上記の様な失敗データも込みなのです。ただし・・・季節によってシートの加熱時間は同一のデータが一つもありませんでした。結局・・・一発押しで完璧なキャノピーは誰にも出来ないのが、この成型方法です。「何〜んだ!意味無いじゃん!。」と思われたネット物知り博士は諦めましょう。ここには書いていませんが、暗闇の黒猫探しを延々とやって来たマニアは、この成型器をマスターしたら更に発展させた新型を作れるでしょう。口先だけのネット掲示板のネタ扱いの記事ではなく・・・。

★☆★  暖房炉と型押し盤の材料の入手方法・・・・・(ケチり買いでは作れないでしょう。ここはド〜ンと大人買いで・・・。)

  @厚さ15mm以上の積層シナベニヤ・・・型押し盤を作るのに適しています。しかしホームセンターでは注文品となる可能性が大きいと思います。そこで材木屋さんか個人の家具の製造屋さんを探して下さい。家具屋さんの場合は端材を指差して「ちょこっとで良かとです。その端材で作ってください。」と、材料費と加工費をケチると多分やってくれません。お金にならないからです。ここはド〜ンと定尺ベニヤ1枚分丸ごと購入しましょう。「余ったらそのまま下さい。」って言えば大人のレベルの商談が成立します。定尺ベニヤ1枚分と加工費を請求されます。残ったベニヤの材料で次の加工品を作る場合は、材料支給の形がとれますので次からは加工賃しか請求されません。

  A厚さ15mm以上のランバー・コア・・・暖房炉本体を組むのに適しています。この材料も上記の取り扱い業者で購入するのが一番入手し易い方法です。ランバー・コアとは厚さ3mmのシナベニヤでラワンの集成材を接着剤で両面圧着硬化させた合板です。ほぼ平面に近い合板なので、定盤を作るのには最高の木工材料です。最近は(劇的ビフォーアフター)の番組内で、匠のお抱えの家具製造屋さんで、特注の家具を作る時頻繁に出てきます。シナ面を外側にして全面を組み上げるとラッカーやポリウレタンでカラー塗装する時、下塗りの目止めが早く済みます。ただし・・・、初めて購入される方・・・目ん玉が飛び出る程高いかもしれません。一度ネットで検索してどういう材質なのかをご自分で確認してみて下さい。

● 真空成型とひとり・de・ギューの成型の違いの説明です。真空成型の場合は使用するシート全体に均等に熱放射を与えて、弛んで延び切った立体のアール面を木型に沿わせて木型とシートの隙間の空気を抜き、木型に密着させる事で形を形成します。一方ひとり・de・・・の方は、一部シート熱源により軟化させてキツイアール面のみ木型に沿わせる為に引き伸ばしますが、比較的平面に近い側面付近はアールに沿わせる形で引き伸ばして木型の下面に引っ張り込んで密着させます。どちらも冷たい水を使って熱源を冷却するのは同じです。シートの熱が完全に取れたら・・・、成型された形状を維持出来るからです。

● イラスト画像に示した通りに肉厚1mmのシートを使った場合・・・、真空成型のシートはキャノピー木型の高さにもよるんですが、倍以上の面積に引き伸ばした場合はシートの厚みが元の厚みの半分以下になってしまいます。ところが、ひとり・de・ギューの方は一部引き伸ばしますが殆どは巻き付けて引き伸ばし弛みをとる方法ですので、シートの厚みは僅かに減るだけです。仕上がったキャノピーの成型品はかなり丈夫なキャノピーとなります。「重くなるじゃないですかあ〜!。」・・・まあそれもご愛嬌・・・。重心より前なんですから、余分なバラストを減らす事が出来ると考えて諦めてください。

★★★・・・・・キャノピー木型の表面処理

● お仲間さんより木型の表面処理の方法をと要望がありましたので、(ひとりでギュー)専用に真空成型用までは行かない処理方法を記述します。

● 用意する物はエポキシ溶剤と紙コップ・筆洗浄用のアセトン(ターボの小瓶入り)です。世の中にはウレタンシーラーなるハイテク溶剤も存在してるんですが、木工の家具それも極めて高級感漂う家具の塗装の下塗り行程に使う積層剤です。木目の美しさを強調する場合は、仕上げにクリヤのウレタン塗料を吹き付けて紫外線を多量に照射出来るチェンバーに通して細かいゴミを焼き尽くし釜を出る頃には鏡面仕上げの高級そうなテーブルが仕上がります。直接紫外線が皮膚に触れたら?・・・、火傷もしますし、最悪皮膚ガンも待っています。よって、木工家具屋の塗装屋さんではありませんので、そこまで行かない表面処理です。

● 木型の表面を出来るだけ滑らかに仕上げます。左の画像ではまだバルサ材の仕上げ面の状態です。右画像はエポキシの溶剤を一層目・塗り終えて硬化させています。急がないので24時間硬化させました。まだ・・・表面に光沢はあるんですが、デコボコしています。

● 24時間後の木型の表面は大変硬いので、80番程度の荒めのサンドペーパーで全体をサンディングします。バルサ自体を積層した部分には細かい溝が出来ていますので、ペーパーを集中して中てながら溝の深さを軽減させます。急いで力を込めて削る必要はありません。あまり切削面に荷重を掛けずに、少しずつ滑らかにして行きます。急ぐと一箇所に集中してペーパーが当たり・・・バルサの生地が露出してしまいますので充分注意してサンディングしましょう。一層目と同じ量のエポキシ溶剤を木型表面に刷毛塗りして行きます。今回は下地が既にある程度硬い状態で固定されていますので、硬化剤を多めに入れて硬化時間の短縮を図ってみました。約16時間後には二層目の切削が可能に成ろうかと思います。

● とうとう(ひとり・de・ギュー)に対する恨み節みたいなメールが来てしまいました。私から言わせて貰うと単純に自業自得だと思うんですが・・・、メールの主からしてみれば嵌められたみたいな気持ちなんでしょうねえ・・・。「トンビさんのページに載っていたキャノピー成型器は欠陥品じゃないですか!。せっかく掲示板で紹介してあげたのにいッ!。僕!大恥かいたじゃないですかあ〜!。どう責任取るんですか!。」って言われてもねえ・・・。だから一行掲載は止めろって書いたのに・・・。手っ取り早く有名人に成って「ここにこんなのが在ります!。」「うおおおおお!凄いですねえええええ・・・。」のお褒め言葉が欲しかったのに・・・。試した又聞きマニアさんが失敗でもしたのでしょう・・・。管理人の私に黙って自分の技術の手柄なんかに盗むから・・・、バチが当たったんですよ。

● 恨み節のメールの主さんが、出没している掲示板にどういう説明をしたか?解からなかったのですが、この又聞きマニアさんからもメールが来ていました。恨み節の主さんから「キチンと敵は取りました!。」というメールを貰い・・・自分が掲示板に書き込んだ文面が歪曲されて私に伝わったと思い込まれて、お詫びを兼ねた質問のメールでした。

● 恨み節の主さんは多分!自分で実際に試して、その結果として私の成型器を紹介したのでは無い様ですね。ネット物知り博士らしく空想製作・空想実施・空想早合点・・・等々、「サーボカバーやグルナウベビーのキャノピーだって出来ますよ!。」って出来る訳無いやんかあ〜!。シートを熱で弛ませて、木型に載せて下方向に引っ張り木型の底に巻き込むって言ってるのに、シートを木型に吸い付けないと表現出来ない加工まで、どう空想を飛躍させればこういう発想に行き着くんだろう?と不思議な気持ちになりました。又聞きのマニアさんは真空成型の原理は解かっているんですが、何度試しても窓枠付きのキャノピーが表現出来なくて迷っていたそうです。いわゆる闇夜の黒猫探しの状態です。

● 又聞きマニアさんが掲示板に書き込んだ文面とは、「真空成型でも難しい筋彫り技術を使った窓枠付きの大戦機のキャノピーはシートの引っ張りだけでは絶対に不可能である。」という内容でした。このマニアさんには私の成型器の限界が解かっているんですが・・・、恨み節の主さん自身には解かっていなかった誤解が招いた出来事です。サーボカバーの凹んだアールが膨らんでいれば木型の形状次第では可能なカバーも出来るでしょうが、グルナウベビーのキャノピーへの使用は窓枠無しのキャノピー(A)には可能ですが、主翼の前縁付近を表現した後部キャノピーはイラスト図に示した様に左右分けの別木型にて、真空成型をやらないと作る事は出来ません。枠付きのキャノピーには窓枠の縁に枠毎に数箇所ずつ空気孔を開けて吸い付け易くしなければなりません。木型をガラス面のもへこませる削りを入れるにしても、ツルッとした表面のキャノピーに枠分の盛り上げ部品を接着するにしても、空気孔を開けなければ窓枠の表現は出来ません。ネット物知り博士が95%を占めているネットの世界に窓枠付きの筋彫り加工のキャノピーの製作方法を紹介しても、何人のネット物知り博士が実際に造りに挑戦してくれるのか?、今のネット環境では他人のふんどしは上手に利用せよ!がまかり通った世界ですので、あまり意味がありません。