🔨　糸鋸盤拡張　大型材料切り出し対応

　🔨　現在の当工房で稼働中の糸鋸盤の定盤を更に拡張します。ただし・・・定盤を傾斜して加工する斜角加工は出来ませんのであしからず・・・。ただ・・・かなり大きな材料も安定して切れるので、作業性は良くなります。
　
●　我が家の持ち運び可能な糸鋸盤（Ryobi製）の定盤を更に拡張して、大型材料加工が楽に行える様にしたいと思います。まずは定盤を外します。左側画像の定盤手前の丸繰りの先には、定盤を外す為のヘックスビスが付いていますので此れをキーで外します。この機種はこのビス一本と、傾斜変更レバーを緩めると取り外せます。ただし・・・定盤自体が鋳物（ダイキャスト）なので、無理に叩いて外すとポリッって感じで、ビス孔が割れて使い物に成らなくなりますので要注意です。ラジコン用のエンジンが、墜落してコンクリートに落ちたら・・・大きな確率でシリンダーケースが割れてました。そう！ダイキャスト製だったから・・・。コストダウンには必要な時代だったんですよ。
　
●　定盤を形紙としてファルカタ（１２ｍｍ）の板にトレースしています。定盤拡張の材料を定盤本体で採寸する為です。ラジ絶さん・番長さん！自作大型グライダーの材料加工に大変有効ですよ。ただですねえ～・・・。大型の定盤だったら、この手の抜き加工は楽なんですが、元々の狭い定盤での材料加工なので、少々コツが要りますが・・・。
　
●　糸鋸盤のアーム奥行きが４１５ｍｍの本機種では、一体物の抜きでこの洋梨型は切れません。何故なら幅が６００ｍｍ有るからです。いや！・・・この場合は・・・切れない！って事にしておいて下さい。現に私は全長８００ｍｍのベニヤの側板に、複雑な軽減孔を抜き捲ってます。ただ・・・闇雲に適当に端っこから順に丸抜き・角抜きは出来ません。段取り良く順番に加工して行って、最後に全部抜けるっていう、言わばパズルみたいな拷問みたいな抜きに成るからです。順を追って説明すると、上から下まで画像だけでも１００枚以上・・・。詰め込み過ぎて、アップデートが遅く成る位ですので、まあ・・・必要に迫られたら何れご紹介しましょう。あまりの面倒臭さに、レーザー加工の方が楽だああああ！って思っちゃいますから・・・。でも・・・このファルカタ修正木材・・・レーザー加工は・・・不可能です。ネット物知り博士なら・・・「そんな事は無い！絶対切れる！。」っと反論するかなあ。まあ！試しにやってごらん？。多分・・・火事に成るでしょう。消火器準備しとけよ！。

●　ファルカタ集成木材の糸鋸加工の注意点を幾つか・・・。糸鋸加工は丸鋸加工程高速回転ではありませんので、ヒゲ（ほぼ毟り取りながら切る感じで出るひも状の切りくず）が沢山出ます。こういう木材は、印通りに切れてくれません。木目に沿って鋸刃が入ると、柔らかい材質へ逃げます。木目に直角に切ると、鋸刃は逃げませんが横跳びして折れ易くなります。よって、決して急がず押し切り（荷重を掛けて切る）は厳禁です。

●　バルサを切ってもベニヤを切っても、細かい粉を若干、肺に吸い込んでも何とも無かったのに・・・ファルカタ切ったら咳が止まらなくなった経験を持つ自作モデラーさん多数・・・。多分・・・ファルカタ木材を集成している特殊接着剤の粉末に原因が有る模様・・・。加工する時は、マスクを着装して下さいね。試しにどの位の咳き込み具合か？体験したいモノ好きさんは、マスク無しで切ってみましょう。必ず後悔します（笑）。

●　このファルカタ木材は、比較的安価です。そして接着も容易・・・表面がバルサ材と似ていますので、勘違いする人多いです。しかし・・・比重はバルサの約１０倍・・・。まあ、超大型機の胴枠には使えると思いますが、熱にも湿気にも弱く、素材のままでは反ったり曲がったりします。よって、模型飛行機の素材としては不向きです。
　
●　糸鋸定盤の材料は、現況の糸鋸盤で切り出さなくてはなりません。かなり大きい材料からも切ってるじゃないかああああ！必要無いじゃん！・・・って思ってるモデラーさんも多いでしょうなあ・・・。でも、そういうモデラーさんって、糸鋸盤を持ってなかったり、持ってても使い熟せていない場合が多い。最高級の卓上糸鋸盤を買ったは良いけど・・・思う様に切れてくれずにぶん投げた！ってパターンの人が多いと思いますよ。

●　この糸鋸盤っていう道具はですねえ・・・。私の経験上、最高級の機種だから初心者が目を瞑っていても、正確に綺麗に切れる！っていう人工知能搭載のハイカラ工具ではないんですよ～。細い鋸刃に正対し、ガチンコ勝負！、自分の十本の指をフル活用して・・・あるいは、上半身ごと動かしながら・・・フィーリングで加工する工具です。よって、加工する側の人間性がモロに露見する恐ろしい道具だったりします。常にトレースしたラインの先を読みながら切削しないと、自分の意と反する動きをした場合、即時の対応が難しい・・・。

●　しかし・・・切削前に切る順序の段取りをシュミレートしてから刃を入れると・・・意外と綺麗に仕上がったりします。まあ！一番大事な事は、自分の糸鋸盤の切削限界をいち早く察知して、それ以上の無茶な加工を糸鋸盤に要求しない事を守っていれば・・・その糸鋸盤はちゃんと言う事を聞いてくれます。よって、こういう定盤からはみ出すサイズの材料も普通に加工出来る様になります。元々のこの材料の定尺寸法は４００×９００ｍｍです。鋸刃センターから左右振り分け１２５ｍｍしかない定盤でも、其れなりの加工は可能です。

●　ところがですね・・・。場合によっては８０×９００ｍｍの部材の肉抜き加工をするのに、一番端っこから抜き孔を入れる場合、定盤からはみ出す部材は７００ｍｍ以上・・・。材料が安定するのは、部材の長さの重心が定盤上にあれば良いのですが、このサイズの定盤では、部材の重心は定盤の外にあります。よって、自分の十本の指先にかなりの力を入れて材料を抑え込まなくてはなりません。力を込めた指先をホールドしたまま他の指で材料を廻す・・・、物凄く神経を使うし腕自体も疲れます。この過重労働を軽減する為の定盤拡張です。くれぐれも勘違いしないで下さいね。
　
●　最初の拡張は幅４００ｍｍの固定台の寸法でした。これでもオリジナルサイズより定盤が広いので、部材は安定します。今回は更に定盤が拡張します。（Ka-8)はスパン４０００ｍｍ・・・。治具もそれに合わせて大きく成りますので、切り出すサイズも其れなりにデカい！・・・。よってコンパクトだった卓上丸鋸を定盤のみ拡張しています。曳き廻しはかなり制限されますけど・・・。ただ、定盤取り付けユニットを今回新調しましたので、定盤サイズは４００ｍｍ以上が自由に選択出来る様になりました。

●　ラジ絶さん！・・・ご自分の糸鋸盤の拡張手順解りましたか？。要するに・・・椅子に座るも床に座布団敷いてあぐらをかいて切るも、其れなりの高さの固定台が必要です。断面が１００～１５０ｍｍの角型鉄パイプを組んだ固定台でも、バタ角（ムクの角材）でも良いですよ。糸鋸盤よりも重い固定台の上に糸鋸盤を括りつけて、この拡張定盤を組んで下さい。もう暫く組立工程の記事は続きますが、最後は調整方法を記載します。
　
●　拡張定盤の土台と成る部材は、糸鋸盤を固定している台の幅寸法からはみ出さずに、最大寸法で固定できる様に採寸しています。この部材は、直接フランジに差し込んだビスを固定台上に締めこんで自立させています。よって、この部材の上部に拡張定盤が固定される訳ですが、この上部フランジが付いたままだとビスを締めこめませんので、位置が決定したら上部のフランジ材のみ外してから作業を行います。
　
●　拡張定盤向かって左側は、大きく肉抜きしていますが強度は落ちません。内部の掃除を楽にする為に抜いています。右側は鋸刃の交換や部材の肉抜き時は、鋸刃を外さなくてはなりませんので、そのメンテ性能を良くする為です。ただし・・・切削部材の肉抜きの時は上部の鋸刃固定ブラケットを緩めるだけで、鋸刃は外せます。しかし、鋸刃の交換時は上下のブラケットを緩める必要がありますので、右側の定盤は外して作業します。
　
●　この拡張定盤は、糸鋸盤本体とは独立して固定されています。小物の部品の加工のみオリジナルの定盤を傾けて傾斜加工出来る様に成っています。「だったら意味無いじゃん！。」・・・っとへそ曲がりで天邪鬼なネット物知り博士のお言葉が聞こえそうですが（笑）・・・。この拡張構造に満足できないモデラーさんと博士さんは、数十万円する大型定盤を有する糸鋸盤をお買い求め下さいね。ただし・・・使用電力が家庭用１００ボルトに対応していませんので、電気配線から業務仕様に変更しなければ使用できませんよ。２００ボルトが使用できる様にブレーカーの配電盤毎交換する必要があります。更に・・・電気の基本使用料金のランクが数ランク上がりますので、全く使用しなくても・・・月末の基本料金の額を見て・・・腰を抜かしますよ（笑）・・・。
　　　　　　　　　　　
●　画像はハビヒトのインナーフレームをセットした所です。部材の中心が定盤の中に有りますので安定しています。此れが最初のオリジナルの定盤のみだったら・・・、指先に力を込めて押さえつけておかないと材料は安定しません。最初の拡張定盤は画像に見える定盤固定台のサイズでした。今後は、この部材よりも長いサイズも増えて来ます。
　
●　全長６２０ｍｍのインナー・フレーム（オベロンⅡ型）です。肉抜き加工を端からやっても、部材の重心は定盤の中にありますので荷重は掛からず安定しています。巷で話題の超々大型機の部材は加工不可ですが、スパン４０００ｍｍまでのグライダーに使用されるであろうインナー側板８００ｍｍ前後にも対応可能です。

●　次回からは、この拡張定盤の調整方法を記載します。
　　　　　　　　　　　
●　市販されている画像の様な卓上の糸鋸盤は、工作台にボルトで固定できる様に３～４個の孔が設けられています。更に・・・振動を吸収する為の、ゴムのブッシュを入れてあり、糸鋸本体をゴムでフローティングしてあります。起動させると確かに工作台にも振動はあるんですが、工作台が過激に踊り出すといった事はありません。ただし！此れはフローティングしてるからであって、ゴム無しの直付けの場合は、相当の振動発生が予想されます。

●　振動を最小限に抑える方法としては、糸鋸盤本体を均等に工作台に固定する。要するにレベル（糸鋸盤の正確な姿勢）を出せば、振動はかなり軽減出来ます。実はこの拡張定盤付きの糸鋸盤を使用するにあたって、この糸鋸本体のレベルが一番重要な調整と成ります。
　
●　糸鋸盤に付属している金属製の定盤は本体設定では水平が出ているんですが、このゴムブッシュによるフローティングの締め付けを行うと、工作台に対してのレベル（金属定盤の水平）が狂います。狂った状態でも鋸刃に対しての定盤の水平レベルは出せますが、拡張定盤は工作台に固定されているので金属定盤とのレベルが合わなくなります。

●　まずは、この本体固定のボルト締め付けで、糸鋸本体と工作台とのレベル（水平）を出します。此れが最初の調整と成りますが、このレベルが出ると糸鋸定盤は完全に工作台とのレベルが出た事に成ります。状態の検査として、ビー玉かパチンコ玉を金属定盤に乗せて調整すると、かなり正確なレベルが出せます。

●　糸鋸盤と固定台とのレベルが出たら、今度は拡張定盤の桁を作って行きますが・・・、この桁と成る材料は金属定盤の高さから定盤板厚と成る１２ｍｍを差し引いて、更に２ｍｍの高さの微調整を引いた残りの寸法で加工してあります。拡張定盤を取り付けた正規の状態で、金属定盤から約１ｍｍ下がる様に調整します。
　　　　　　　　　　　
●　大型の本格的な糸鋸盤は、この拡張定盤毎傾きます。しかし・・・ホームセンターにはその様な業務用の糸鋸盤は置いてありません。多分・・・モデラーさんがネットオークションで本格的な業務用の糸鋸盤を購入できたとしても・・・、諸元ではあまりピンと来ないかもしれませんが、お部屋の工作室のフローリングや畳の上に置けるような重さでもありません。起動させると多分・・・一時間もすれば床が抜ける！・・・レベルの重機です。まあ・・・この糸鋸盤も今年で１３年目・・・。そろそろガタも出て良い頃ですが、細かいメンテナンスを続けるとまだまだ使えます。使用頻度は、まあ・・・普通の自作モデラーさんの数十倍は使ってますかね。

●　本来のこの機種には、鋸刃付近に色々と安全機能が付属しています。しかし・・・私は最初からこの安全装置を取っ払って作業しています。閲覧中の同型をお持ちのモデラーさんは、私の様な危ない使用はしないで下さいね。ただ・・・メーカーの開発部時代から使用していた業務用の糸鋸盤には、安全機能など付いていませんでした。使い慣れて来ると・・・この安全機能がかなりウザったく成って来ますよ・・・。タマにしか使わないモデラー諸氏は、安全機能はフル活用した方が無難ですよ。
　　　　　　　　　　　
●　この機種の糸鋸盤指定の鋸刃ではありません。この機種の鋸刃はワンタッチで取り付けられる様に、最初から長さを決めてあり鋸刃の上下に引っ掛け易い様にピンが溶接してあります。よって折れて破損したら、其れ毎取り換えと成るんですが・・・数本しか入っていない割には高価です。それとですね・・・折れ難くする為に・・・多分安全策だとは思うんですが、軟鉄が使われているので、固定が甘いと緩んで外れて曲がります。最悪・・・細かく折れて使えなくなります。

●　この鋸刃は業務用糸鋸盤のモノです。業務用の糸鋸盤は、鋸刃の寸法が共通して設定してあるので無改造で取り付けられるんですが・・・。この機種は、専用の鋸刃の長さに設定してあるので業務用は若干長過ぎます。そこで少し短く切って寸法を詰めて使用しています。業務用なのでホームセンターで在庫している物もあれば・・・ラジコンの専門店みたいな工具の専門店に行けば在庫している鋸刃もあります。決して安くは有りませんが、硬質の金属鋸刃なので曲がり難くなっています。硬い金属だから折れ難いって訳ではありませんよ。無理やり・・・鋸刃の切削スピードを越える様な、押切りの荷重を与えると即！折れます。如何に折らずに長持ちさせるかの技術がマスターできたら・・・貴方は、お手持ちの糸鋸盤の切削限界を知った事に成りますよ。でも・・・折れる時は折れます。鋸刃は消耗品だと思って下さい。

●　画像左端は木工用鋸刃です。目の間隔が荒く大きいでしょう。こういうタイプは、２０mm程のラワン材やベニヤ材を加工する時に使います。真ん中は、左側同様鋸刃の間隔は大きいのですが、鋸刃の厚みが薄く刃も小さく成ってますので、主に数枚重ねて釘で固定したバルサ材や、バルサのブロック材を加工するのに向いてます。ただし！木型に使う様なスーパーハードバルサは、左側の鋸刃を使いましょう。細いと頻繁に曲がりますし、折れ易いです。右側の鋸刃は、手引きの金属鋸刃みたいに幅が広く・・・厚みも有り、鋸刃も小さく間隔がありません。硬質のアルミ板（約３ｍｍまで）を加工する時に向いています。純アルミと言われる軟質のアルミ板の切削は、切った傍から鋸刃にアルミくずが詰るので不向きなんですが、スプレー式のオイルを吹き付けながら作業すると若干ですが改善されます。

●　純アルミは、炭素含有量が一番低いので、厚さ２mm程度なら両手の指で力を掛けると簡単に曲がります。柔らかいのにアルミ材の特徴である熱の伝導が良いので、切削の摩擦熱で直ぐ柔らかく成り・・・歯に纏わりつくキャラメル状態となるのが原因です。よって、この手の鋸刃には不向きです。どうしても切りたい時は、切削スピードを変えられる機種ならば、回転数を落として加工しましょう。
　　　　　　　　　　
●　当工房で使用している業務用鋸刃のメーカーですが、左端は藤原産業製です。工具専門店で購入できますが、右側二つのホームセンターでも購入できる（１０本入り）ほど安くはありません。右側二つは試作機用鋸刃・・・藤原の鋸刃はカスタム機用と使い分けています。

●　ブログをお持ちのモデラーさんのページに時々自前の糸鋸盤が登場するんですが・・・。明らかに使いこなせているモデラーさんは一握りですね。本格的に卓上糸鋸盤を使ってる人は、自分で工夫して作った固定台に糸鋸盤を固定しています。頻繁には使わないって言ってるモデラーさんは、使いこなせていないのが露見してしまってます（笑）・・・。糸鋸盤を使い熟すと、自作機製作には勿論の事・・・、キット製作時の自分考察のオリジナルな治具まで何でも作る事が出来ます。そういうモデラーさんの機体は、製作過程を紹介しなくても出来上がりは素晴らしいモノになります。オークションで安く落札した飛行機を大威張りで「僕が作りました！。」って紹介しても、直ぐにバレますよ。此処がガチンコ自作モデラーと手っ取り早く有名人を目論むモデラーさんの違いかなあ。

●　もちっと頭を使えば良いのになあ・・・。自作モデラーさんの製作記事を上手に無許可転載して、如何にもって感じの製作記事を書いてるモデラーさん！バレバレですよお～？。今のネットの風潮である製作記事を載せれば閲覧数が延びる！・・・も、手っ取り早く・・・ではメッキが直ぐ剥がれます。せめて・・・鏡面仕上げのウレタン塗装機が画像から隠れるアングルで、画像を切り取らないと・・・他人のページの無許可画像転載だって一発でバレますよ。ページの管理人さんに連絡したら、許可した覚えも無いし、ウレタン塗装機を譲渡した事も無いとの事でした。