◎ 個人所有の大型ラジコン模型

● 一時期なんですが、どうやって作るの?どうやって運ぶの?って位の大きいラジコン模型を、個人で持つのが流行りましたね。大手メーカーでは、ここまで大きいラジコン飛行機は作りませんし、販売しません。しかし、ネット普及後・・・個人工房から超大型グライダーが発売された事もありましたが、挙ってモデラーが購入したって話も聞きません。

● 日本国内の老舗メーカーが何故、超大型ラジコン機を発売しないのか・・・。国内のエリアルールのサイズが決まっているからです。航空法が改正された今、決定したエリアサイズではありません。昭和30年代に始めてラジコン飛行機を持ち込んで、国内開発した大手メーカーの社長さん達が、当時の航空法に沿って無線操縦ラジコン飛行機のエリアルールのサイズを決めました。

● このエリアルールの範囲で充分楽しめるラジコン飛行機を、大手メーカーでは開発して量産販売しています。平成時代から急激に広まった大型ラジコン飛行機なんですが、それがラジコン適用のエリアサイズを著しくオーバーし始めました。超大型機は通常のエリアサイズを遥かに超えても視認性が良いので、風にも強く飛ばし易い!と言うのが、大型機所有のモデラー達の言い分なんですが・・・。無線機トラブル・操縦ミス等で起こる人身事故・物損事故も実機並みの時代になりました。

● 一時期なんですが、損害補償会社があまりのトラブルの多さに、空物ラジコンの適用を停止しようかと検討された事がある様です。どんなサイズのラジコン模型を作るのは、個人の自由なんでしょうけど・・・。個人のモデラーさんの技量に合わせたサイズの模型飛行機を飛ばして下さい。「こんなの買いました・・・。」「凄いですねええええ。」・・・が、エスカレートすると、初心者さんが、掲示板で褒めて欲しくて、ケロシンジェットの双発ジェットエンジン機を購入して、お仲間掲示板で紹介します。作る技術は有っても飛ばす技術は無いのですが、飛行場に持って行けばヒーローに成れます。製作工程の度合いを紹介しながら、お褒めの言葉を貰い続けます。

● お褒めの言葉を貰い続けると・・・これが・・・人間の心理で・・・、飛ばせるんじゃないかって錯覚するんですよねえ・・・。ところが・・・飛行場に持ち込んで、絶対やってはいけない禁じ手で・・・、飛ばす前に初心者だって事がバレちゃいました・・・。飛ばす前の準備中に絶対やってはいけない禁じ手とは・・・。

● 実機ジェットエンジンの始動方法なんですが、電源車とコンプレッサー車からそれぞれ電源と圧搾空気を送ってもらって、エンジンを始動します。グローエンジンのプラグ点火とスターターによる初期回転と同じです。模型のジェットエンジンも同じなんですが、初期回転にはプロパンガスを使うと、圧搾ガスの放出なので点火し易い様です。

● 問題は此処からです。この初心者モデラーさんは、ジェットエンジンの怖さを知りませんでした。エンジンが掛かると・・・、インテークからは強制的に空気を吸入し、エグゾーストからは何百度にも達する高熱が排出されます。数メートル後方に燃える物があると・・・引火します。更に咥えタバコ・・・。エンジン始動中に漏れたプロパンガスで引火と爆発・・・、ご本人は顔中火傷・機体は燃料満載なので丸焼け・・・。救急車にパトカーまでやってきて・・・、飛行場はパニック状態となりました。

● この初心者さんは・・・その後・・・空物ラジコンから撤退しました。いつもの掲示板には謝罪の掲載をしましたが、お仲間さんからは同情の言葉は一切無く・・・、遠回しに苦情たっぷりの書き込みが列を成し・・・。それもこれも・・・この飛行場にはジェットエンジン模型のモデラーさんがいませんでした。よって、グローエンジンに対する安全知識のレベルしか無かったのです。お仲間さんの中に、このジェットエンジンの知識を持った人が一人でも居たならば、彼の危ない行動が目に付いた筈です。

● 世の中・・・実機と模型の区別が着かない位に似通って来ました。核弾頭搭載の誘導ミサイルだって、ラジコンの一種です。文明の利器であるコンピュータと相まって、扱い方を間違えると兵器にも成ってしまう空物ラジコンの時代が、現実に来てしまいました。超大型ラジコンの功罪・・・ジェットエンジン模型の功罪・・・、そしてドローンの空撮問題・・・。改正された航空法に沿って、もう一度趣味レベルのラジコンの行く末を、モデラー全員で考える時期だと思います。