●・・・M163b−KOMETの組み立て・・・4


● 延々と続くプランク地獄の日々なんですが、コメートの印刷キットと骨組みキットの製造は現在行っておりません。ここ数日の間に届いたメールの殆どがコメートキットの在庫確認でした。逆に言えば除染活動で不在にしていた一年間で作り置きしていた両タイプのキットが、勝手に売れたって事なのですが・・・、個人が製作するには詳しい説明書が無いとやはり組み難い粗悪キットの部類に入るでしょう。ただし!これは日本国内だけのお話で・・・、海外ではこの印刷キットは当たり前なんですよ。私自身・・・昭和50年代の初め頃、大御所から貰った舶来のキットはバルサとベニヤにシルク印刷されただけのキットでした。えらく苦労して組み上げた事を思い出しました。

● 毎度の事ながら・・・延々とプランクする単純な作業が続きます。最初の骨組み状態から見て・・・殆どのスチレンパーツが隠れたでしょう?。最終的には胴体本体のみは全部バルサで覆われてしまいます。コクピットハッチを外して初めてお仲間さんが驚きます。これが最初のどよめきだったのです。骨組み加工に職人気質の専門特殊工具が必要ありません。部品加工の殆どがスチレン材なので、カッターナイフと専用接着剤があれば、スチレン世代のマニアさんでも骨組み完成までは漕ぎつく事が出来ます。ここから先は未知の世界・・・なんですが、飛行場の昭和の大御所との対話に加わりたい一心での本機組み立てへの挑戦です。頑張って組み立てましょう。

● この逆アール満載の機体の場合は、主翼の前後のフィレット部分が大変重要ですし一番作り難い部分でもあります。胴体から主翼へかけての滑らかな曲線を表現するには、内部リブ一つからキチンと作図して取り付けないと綺麗な逆アールにはなりません。胴体の逆アール主翼の部!のみのリブの作図から加工まで・・・、丸二日要しました。プランクやりだしたら早いんですけどね・・・。

● スキッドの先端の加工・・・途中で放り出したくなる位に手を焼きました。逆アールからの徐々に平面仕上げ・・・。まあ最終的にはグラス貼り込みで強化すので、細かい凹みはパテ修正でOKです。

● 本機に限らず当工房の機体全般に使用しているマチ針なんですが・・・、機体製作に熱中している時は機体側に集中していますので、剣山のマチ針を取る時はほぼ手探りです。画像左側は頭の取れた針の成れの果てなんですが、この頭の取れた針が剣山に同居していると・・・、中々マチ針が取れません。その状態が頻繁に起こると集中が途切れたりします。そういう時は迷わずお掃除です。頭の取れたマチ針がこのスポンジ剣山に沢山潜り込んでいますので、スポンジを捏ねくり回して内蔵針を抜き取ります。この頭の取れたマチ針の行く末は・・・、可能な限り再生します。昔に比べてマチ針の耐久力が弱くなりました。安かろう悪かろうの大国製舶来品なのでしょうがないのですが、使用する前に針と頭の付け根に低粘度(シャブシャブと表現されるタイプ)の瞬間接着剤を垂らしておくと、僅かなんですが寿命が延びる様です。購入する時は1000本単位なので・・・、普通のモデラーさんにはあまりお目に掛かれない事態と言えますね。

● 主翼フィレットのプランク中の画像です。逆アールをプランクする場合胴体のアールに沿わせるだけでも大変なのに、更に主翼の翼型のアールに沿わせて接着しなければなりません。主翼後部に比べて前部のアールはきつくなりますので、胴枠を増やして接着面のアールを緩くします。プランク材の数は増えますが、接着はやり易くなます。

● コメートの様な胴体の殆どをアール面で占めている機体は古典機に多いのですが、こういう機体の設計製作に二の足を踏んで諦めてしまうマニアさんも多いと聞きます。製作に大変助かるアイテムがプラモデルです。機体自体がマイナーですので入手は難しいと思いますが・・・、手元にあると強い味方と成るでしょう。原寸図面を引いても側面図と上面図は比較的簡単に作図出来るんですが、一番厄介なのが正面図です。各胴枠毎に断面が変化しますので可也複雑な図面になります。実はこの正面図に大いに役立つのがプラモデルなんですよ。どうしても形状が解らない時は・・・迷わず完成胴体を輪切りにします。こういう潔さが無いとカスタム屋さんは務まりません。各胴枠の詳細も掲示してある三面図ならばこういう苦労はしませんが、そういう図面は殆ど入手不可能です。コメートの設計をする時に、¥3000のプラモデルを購入して・・・輪切りにして胴枠図面を作図しました。

● フィレット部分の最大の難関がこの前縁付近の加工です。近代戦闘機ならば平面側板にこの加工が多いので比較的に作業は楽なんですが、このコメートの場合は曲面胴体なのでフィレットの製作が難しくなるのは当たり前なんですが、アール面に平面ブロックを加工して貼り込むのは大変手間が掛かりますので、アール加工した厚さ2mmのバルサシートを積層して貼り込みます。これはこれで・・・工程が増えるので大変なんですが、見えない接着面の曲面加工のブロック材にするよりは楽だと思いますよ。確実に胴体の曲面に材料接着が目視出来ますので・・・。

● 胴体のプランクもノーズ付近を残すのみと成りました。一層目は胴枠とストリング材の小窓毎の甲板張りだったのですが、二層目はパネルのベタ貼りなので最初よりは広いパネルの接着が可能です。一層目のシートの繋ぎ目を隠す様にプランクすると、外皮強度は単層プランクの数倍に跳ね上がります。この構造を例えばバルサ仕様のF3B機に利用したら・・・時代は後退するんですが、シャーレー工法のレーシング機の流行る以前のF3B機の最もポピュラーな構造に成ります。

● 胴体のフィレットの細部の加工をするには、主翼側のプランクが終了した状態の完成翼が必要に成ります。夜11時過ぎにオーストラリアのアーリーバードチームから連絡が入っていたのですが、今年に入って最後の一機となった骨組みキットを購入したメンバーさんからの同じ内容の要望がありましたので、主翼の組み立て説明を先に行います。印刷キット同様にスチレン板にトレースした主翼外回りを左右翼とも同寸で裁断したのならば・・・、外寸法は左右とも同じに成ります。外寸法が先に決定した状況での内部翼の作業なので、翼の長さも後退角度も左右同じ状態です。メインのスパー材もサブのスパー材も3×5mmのハードバルサを切り出して組み込みました。翼端の構造が他のメーカーと若干違うのは、翼端ブロックが及ぼす主翼の破壊状況を軽減する為のものです。一体物の翼端材を翼端リブに貼り付けると、グランド仕様機には殆ど影響しないのですが・・・、スロープグライダーの場合は胴体着陸が基本なのでどちらかの主翼翼端が地面と接触して発生するグランドループ状態が起きます。ベタ付けの翼端材の場合は・・・特に瞬間接着剤を使用した翼端材は外れ易くなります。一部を破損させて全体を守れれば良いのですが・・・。もげた翼端材は翼端リブと後縁材をももぎ取りますのでフィルムも無理やり引き裂き、修理不能な主翼にしてしまいます。

● 画像の様に分割した翼端材を主翼のプランク後にそれぞれ貼り込みます。それぞれの翼端材は少なくとも二方向の面で接着されますので、翼端のみでもぎ取れる最悪の状況を避ける事が出来ます。別の言い方ならば・・・、翼端リブの内部にはスチレンのショック吸収材が組み込まれていますので、普通ならもげる翼端が踏ん張る翼端に成るでしょう。この構造はバルサのキットの飛行機全般に組み込めるので興味のあるモデラー諸氏は試してみましょう。良くて好結果・・・悪くても悪影響には成りませんよ。
● プランク前の翼端リブの仕上がり寸法の最大厚が19mmでした。1,5mmのプランクを両面行うと22mmになります。市販のバルサシートには22mm厚のシートなんて存在しません。メーカーならば角材を加工して切り出せるんですがねえ〜・・・。そこで10+3+10mmで23mmの積層バルサを作りました。

● メインスパーの補助材を貼り込みましたが、これだけは・・・通常バルサ翼との大きな違いが作業性を悪くしています。主翼の中心材としてスチレン板が入っているので、補助スパー材は両面独立で合計4面貼り込まなければなりません。ただし上下通しの補助材なので、リブが少々傾いていてもかさが低いので影響が出ません。更に主翼本体が飛行中に受け持つ荷重に対しても適度なシナリが入るので荷重に耐え切れず破損する状況を防いでくれる様です。同構造のスパン1800mmの中型ソアラーの主翼が緩やかに撓る飛行姿勢は中々オツです。勘違いしないで下さいね。

● 胴体からの延長で主翼後縁側にも一部フィレットが付属しますので後縁材を先に貼り込みます。幅を20mmに設定し加工します。

● 幅が20mmに設定された専用カッターを使って後縁材を切り出します。近年・・・このカッターの自在型が製品として存在している様ですね。そちらが有効だと思われるのならば、既製品をお使い下さい。ところがですね〜・・・。この幅を任意で設定出来る自在型・・・、この万能タイプという物体は・・・多分・・・寿命が短いと思いますよ。動かす部分が多い工具は使用範囲が広くて便利なんですが、耐久力に欠けます。ガソリンオンリーの車とハイブリッド車・・・調子が悪くなったらどちらが整備し易いでしょうか・・・。究極の例えなんですがね。

● 工作方法は簡単です。白く見えるのはOK模型のEZリンケージパーツである(PAフレキ)の中芯(星型断面のパイプ)です。これをエポキシを使って埋め込んであります。元々付属の寸切りネジを捻じ込んでロッドを完成させるんですが、この状態ならばカッターの刃を押さえるカバーの留めネジ台座の役割を果たします。尚・・・使用したネジは(2×5)のユニバーサルヘッド(丸頭)ビスです。カッターの刃は軽く瞬間接着剤で固定してからカバーで押さえています。ネットの時代なので便利な既製品を掲示板に掲載して自慢しあうのも一つのお楽しみなんでしょうけど・・・ラジコン模型・・・特に飛行機は、既製品パーツの寄せ集めキットではありません。モデラーの自由な発想でどんどん進化・・・未来を先取り出来るジャンルだと思います。既製パーツが無いから諦める・・・は、真の飛行機マニアとは言えませんよ。材料が入手し易い時代なんですから、代用品でも良いじゃないですか。自分で作れるっていうモデラーさんはある意味未来を作れる創造主の可能性も秘めています。昭和の大御所の中には「この人・・・未来を見てきたのか?。」って思うくらい斬新な模型を作る人も沢山いました。そういう仙人・ジェダイマスターみたいなモデラーを毎月誌面で紹介していたのがラジコン技術誌です。

● 各種の幅切りカッターですが、本機コメートで使用したカッターなので本来は1mm刻みで30mm幅まで作ってあります。ご入用ならば有料でお作りしますが、構造が簡単ですので自作をお奨めします。本機コメートの後縁プランク材は幅20mmのフラット板なので20mmカッター一つで切り出せるんですが・・・、仮に半端な数字12mmとか17mmの場合はどうするのか・・・。私ならば専用の幅切りカッターを使います。しかし・・・こんなグローバルなツールが無くても・・・、画像の範囲のカッターでこの12mmと17mmは作れるんですよ。12mmの場合は、15mmカッターで幅切りした後3mmカッターをもう一度使えば可能ですし、17mmならば20mmで幅切りした後同じく3mmカッターで落とせば完成です。

● 主翼のジョイントに必要な固定台座の部品です。左二つが主翼の上面に内蔵されるビスのナットの役目をするナイロンブロックです。孔は3mmビスが固定出来る様に、タップ仕様で2,5mmで穴加工します。右の二つは主翼下面に内蔵され3mmビスのスリーブの役目を持っています。それぞれ直径の違う孔二種類を加工します。この取り付けが済まないとプランクが出来ないのですよ。かなり・・・面倒くさい加工なんですけど・・・。

●画像上の主翼が左翼になりますのでビスの頭側(3mmの馬鹿孔加工)になります。画像下は右翼ですのでタップ加工でビスの固定が目的です。本機の主翼の固定は翼の下面から行いますのでこの様な配置となりました。尚・・・内蔵ビスは抜き差しが必要になりますので、主翼のプランク面まで達するガイドパイプの取りつけも行わなければなりません。ああ〜・・・面倒クサイですううううう。

● 外直径が8,5mmのビニールパイプをガイドパイプとして使用します。材質は平たく言って・・・水道管と同じです。ただし・・・接着する面が66ナイロンブロックの表面なので、既存の接着剤はあまり接着強度がよくありません。有機溶剤(メチルエチルケトン=アセトン)等で表面を溶かす溶着か、熱を加えた圧着が良いのですが、当ページには一部中学生・高校生のモデラーも混じっていますので、購入不可能な溶剤(未成年は親の承諾・印鑑持参)は控えて、「模型とラジオ」誌レベルの工作方法で進めていきます。2mmバルサで台座を作りパイプを埋め込んで接着します。

● このパイプはリブ面からはみ出しているんですが、プランク面とツライチになりますので、後から削る目的で長めに取り付けてあります。台座周りは全てエポキシで補強して完了です。

● 主翼のプランク材の形紙を作ります。主翼中央側が手持ち定尺バルサ(幅=80mm)では足りませんので、何時もの様に組バルサとしました。通常は左右の主翼が均等な重さと強度になる様に2枚組みのシートを使うのですが、主翼リブ型には緩いアールときついアールが同居しています。そこでメインスパー側をハード系メディアム・前縁側をメディアムとして材料取りをします。

● プランクシートには前縁側を柾目としメインスパー側を板目として材料取りをしました。主翼にはサブスパーが走っていますので、二枚の異質プランク材をスムーズな曲面構成にする為に、別途シートから順目のメディアムシートを切り出してジョイント材としています。この前後二枚のシートの材質が違うんですが、翼型に沿う様にジョイントバルサとしているんですが、何故この材質配置なのかと言うとメインスパーを3×5mmのバルサ棒で作りましたので、更なる補強材としてハード系バルサを配置しました。余分な荷重が主翼に掛かると(しなり)が入り破損を防ぐ目的です。一方前縁側はハードバルサでは急激なアールが表現出来ません。そこで、ソフト気味のメディアムバルサできついアールに対応しています。一般的な飛行機の主翼の前縁位置は翼型全体から見ると可也急な曲面になっていますが、この曲面は翼型の基本だからこういう曲面なんですが、それだけではありません。フラットなデコパネ翼と同形状のD-BOX構造翼とでは翼面荷重の強度が後者の方が耐久性が良くなります。前縁付近の急なアール面は、応力外皮構造なのですが、曲面はアールが強くなれば成るほど強度が増します。そこで、表現し易い様に曲げ易い材質で構成しています。


● 画像の様に左右の主翼の材質が均等に成る様に二枚組み以上(偶数枚)のバルサから材料取りしています。模型店でも購入可能なバルサシートは10枚組が基本なので、この組バルサは特別仕様ではありません。普段からの模型製作において組バルサを使う習慣をつけておくと、ワンランク上の仕上げが出来る様になります。(Part-5に続く