Swaissair(MD-11)(出所不明の中華製)販売元(netshop=skyliner38) Part-31
 
● 水平尾翼を載せる翼型治具の部品取りを行うべく形紙を作図します。この前縁と後縁材の他の三本のテーパー材が、翼型を支える桁と成ります。必要寸法は水平尾翼の中間辺りのリブまでなんですが、翼型が不明なので両翼端の翼型を参照して採寸します。その為に、翼根と翼端の翼型が必要に成って来ます。

● 水平尾翼は完全対称・・・最大翼厚10%の相似形均等座標ですので、治具台から翼型最下部の交点までを全て計測して作図します。この水平尾翼の上面図から求められる合計5本のスパー材ですが、全てスパン方向の長さが違います。其々のスパーの長さに合わせて、立ち上がるスパーの高さが変わります。相似形の均等座標で翼型を形成すると、翼の上下面はスパン方向に全て直線と成るので・・・本機の様な真ん中が膨らんだ歪な翼の表面には成らないのです・・・。此れが、本機の水平尾翼が不良レベルだと断言した理由でもある・・・。翼型を有するキットの水平尾翼を作った事の在るモデラーなら、本機の水平尾翼の異常さには直ぐに気づいた筈ですよ。
 
● 各スパー材は全て翼根側と翼端側の幅(高さ)が違います。此れを同じ幅(高さ)で作っちゃったからネット物知り博士の翼は捻じれてしまったんですなあ(笑)・・・。翼根側と翼端側は、翼弦が違いますが・・・一応翼型は形成するんですが、翼根側の翼型と翼端側の翼型は相似形の翼型とは成らないんです・・・。そら!組み立てる為に骨組みの各部品を載せても・・・沿わないのは当たり前のお話・・・。正確に翼型治具を組むならば、スパー材の高さも翼型に合わせて調節しないとねエ(笑)・・・。必要なスパー材の寸法は形紙の中間リブまでなので、途中でカットしています。
          
● このカットした形紙の切り木口の高さを計測して中間リブの座標をトレース・・・。本来必要な中間リブの翼型治具の寸法が見えて来ました・・・。別に文明の利器なんぞ使わなくても、普通に作図が出来るでしょ?・・・。博士?・・・。こういったアナログでの検証の場数を踏まずに、コンピ~たあ君にプログラムううううう!・・・なんてやっちゃうから、余計に時間が掛かっちまう・・・。作図の手順が理解出来てれば、博士のオツムの中で水平尾翼の立体構造があらゆる方向にグルグルと廻る訳だから・・・何をプログラムすれば良いのか、その手順が見えて来ると思うんだけどなあ・・・。
 
● この二枚の逆アールの翼型部品は、其々此の位置に組み込みます。さて・・・博士!・・・主翼を正確に組む為のキットとは別売りで購入した治具のキット・・・多分・・・テーパー翼の治具台は、画像の翼型部品と同じ状況だと思うんですがねえ・・・。高さは翼端側の方が高いでしょう?・・・。此れが上反角0度の治具の状態です。自作するのも・・・正確にレーザー加工された治具の部品も・・・法則に沿って造れば同じ様な効果は出るんですぜい?・・・。
 
● と!・・・カッコイイ事書いちまったんだが・・・、左画像の面では翼型にピッタリと沿ってるので隙間が有りません・・・。此れはこの位置で計測しても隙間が無いので、此方の面は全てスパン方向に直線が出ているって事なんですが・・・。画像右側はこの水平尾翼の裏面ですが、後縁側と形紙の間に隙間が残ってます・・・。此れは何を意味するか・・・。あれほど削り倒したのに、まだ水平尾翼の翼面の真ん中が高いので膨らんでる状態なんですなあ・・・。まだまだ削り落とせ!って事ですねん・・・。普通は考えられない状態の本機の付属部品なんだけど・・・。リブが全て相似形の均等座標なら・・・こんな現象は絶対有り得ません(笑)・・・。ついでに不思議に思う事もある・・・。よくもまあ・・・こんな歪なリブの両面にバルサのプランクシートが貼れたもんだよなあ・・・。だから、リブの木口とプランクシートが接着されずに、此れを隠す様にフィルムが貼り込んであるんだもの・・・。初心者モデラーには解らんだろうなァ・・・。
          
● 水平尾翼の表面に定規を充てると・・・翼端側に隙間が見えますなァ・・・。最初はね?この倍くらいの隙間だったんですがねえ・・・。約3mmの隙間から・・・削って!削って!削り倒して・・・現在約1mmの隙間・・・。まだ落とせってか!・・・。もしも・・・もしもの話なんだが、この中間のリブ材が相似形じゃ無かったら・・・削るのは良いんだが、プランクシートが無くなって孔が開いたら・・・って思うと怖いんですなァ・・・。湾曲したまんまでは、翼型治具にこの水平尾翼は載せられないって事に成るのだ!・・・。だから!・・・こんな高額商品・・・手抜きで造られたら・・・製作代行側が苦しめられるんだよなァ・・・。発注したモデラーさん・・・まさか!こんな状態だって思って無いだろうから・・・。フィルム張りの・・・メカだけ積めば飛ばせる機体なのに、何時迄作ってるんだろう・・・って不思議に思うのは当たり前だろうし・・・。
          
● 取り敢えず・・・此れが翼型治具の部品です。此れを定盤の上で捻じれたり湾曲したりと無い様に正確に組む事が第一条件・・・。胴体に正確に水平尾翼を取り付ける為の加工を行うには・・・この治具が最重要構造物と成るのだ!・・・。だから部品は、全てが卸し立ての厚さ3mm・・・。カッターナイフで切るのも一苦労のスーパー・ハードバルサです。この材質のぶ厚いブロックはキャノピーの木型を造ったりします。この手の定尺の角材で頭を殴られたら・・・良くて半身不随・・・打ち所が悪かったら即死!・・・するかもなァ・・・って類の硬さのバルサだったりする・・・。軽量木材のバルサだあ?・・・この角材に、その言葉は通用しません・・・。
          
● 水平尾翼の翼型治具が組み上がりました。まあ・・・少々の調整は必要なんですがねえ・・・。何故なら、翼の表面は若干斜めで構成されている・・・。つまり!・・・相似形均等座標のテーパー翼なのでこう成ります。冶具の高さとしては後2mmの嵩増しをしないと正規の厚みを有する翼型治具には成りません・・・。よって!サンド面が緩いアールに成ったサンドホルダーで微調整が必要です。このままプランクシートを貼ったら・・・継ぎ目は全て隙間だらけになって、正規の寸法では仕上がらなく成るんです。
 
● 画像は本機の左右分割ごとの水平尾翼を翼型治具に載せています。本機の水平尾翼は最大翼厚10%の完全対称翼の設定に成ってるんですが・・・。いや!その筈なんですが、一方の翼は治具に翼型が沿っていますが・・・、もう一方は全体的に隙間が開いています・・・。要するにスパン方向・・・水平尾翼の中間辺りが膨らんでるので、こういう隙間が出るんです。この隙間を無くすには、もっと翼面を削れ!って事です。

● さて・・・中華の職人さんが作った水平尾翼・・・。同じ様な治具を使って検品したと思うんですが、中華の大手メーカーならそういった指示をした筈なんですが・・・。此れは成されていません。此れが本来は不良品として良品から省かれたシロモノである証拠とも言える・・・。メーカーには協力工場という下請けが存在してます。自社工場でも作っていますが、大量注文が入ると自社の工場だけでは手が足りなくなるので、下請けを教育して作らせています。

● 問題は此処から・・・。下請けには、お抱えの孫請けと言う名の下請けが居る訳ですよ。要するに・・・下請けにも協力工場がある訳で・・・、この孫請けの仕事の内容は、とにかく単純作業の大量生産が普通です。よって良品と不良品が混じる訳ですが・・・。此れを上の下請けが検品しとるんですがねえ・・・。この下請けさんが右から左の利ザヤピンハネをやりだすと・・・、その加工と組み立てを全て孫請けに丸投げするもんで、こういった不良品が良品に混じってしまう訳ですなあ・・・。フィルム貼ってしまってるから良品だろう・・・って、中間の下請けが検品もしないと・・・メーカーの検品ではねられる・・・。でも、フィルム貼った完成品だしなあ・・・捨てるのは惜しい・・・。で!在庫品として残してしまう・・・。こういった不良品が溜まっていく訳ですよ。好景気に沸いた中国の業界は・・・。

● 問題はその後・・・。さて!ラジコンブームも下火に成って来た・・・。さあ!この不良品・・・どうしようか・・・。現在のワクチンが無い新型コロナウイルスが猛威をふるう中国国内において・・・予防の為のマスクの供給が追い付かない・・・。元々が使い捨てなんだから、使用済みは焼却するのが普通なんですがねえ・・・。そんな捨てたマスクを拾い集めて、また販売・・・。此れが商魂逞しい中華の国民性とするなら、本機の出所も似た様なモンですなァ・・・。ただですなァ・・・捨てなきゃ成らないマスクを拾い集めて、程度の良いマスクを寄り分けて格安で販売・・・。で!販売する側の人物は安全な新品マスクを購入するってんだから・・・。世も末・・・状態の現中国の国民性・・・。そら!パンデミックにも成るわなァ・・・。結局・・・良品パーツを混ぜて見栄えを良くして不良品の飛行機キットを販売・・・。人気機種が欲しかったら、当社の不人気機種も購入しないと売らないよ?って類のパチンコメーカーと同じ様なモノ・・・。其れに日本国内のネットショップが協力してんだから、ラジコン業界も神々の黄昏状態ですなァ・・・。

● 今!FM島原の緊急放送を受信した!・・・。コンビニに牛が来店・・・???。で!警察に通報!・・・。その後のウシ君は逃亡中・・・。で!緊急放送・・・。ウシ君の身に成って考えてみた・・・。毎日毎日見慣れた牛舎に居るんだもの、ストレスも溜まるだろう・・・たまには気分を変えたいなあ・・・って思ってたら、都合良く牛舎が開いていた・・・。でも!勝手に出たら怒られるかなあ・・・。って一瞬考えたが、好奇心が先に沸いたウシ君は牛舎を脱走!・・・。飼育員さんは多分気が着いていない・・・。だって現れたのがコンビニでしょうが!・・・。牛舎の横にコンビニなんて有る訳が無い!・・・。多分、道中・・・色んな人間から目撃されてるんだろうけど、誰も大して不思議に思わないのが和な田舎町の証拠・・・。そら!ウシ君の飼い主さんは世間から非難されるだろうけど、周りの住民があまり危機意識が無い・・・。それ程田舎って事ですよ。緊急放送聞いてても・・・大して恐怖感は無い(笑)・・・。まあ、ウシ君にとっては・・・あれ?お家は何処だったけ?・・・。って少々不安な迷子状態・・・。「危険ですから注意・・・。」って放送してもなあ・・・。ウシ君の身に成って考えると、脱走したウシ君に罪は無いしなあ・・・少々複雑な心境である・・・。
          
● 削って削って・・・削り捲って、やっと翼型治具にピッタリと沿わせました・・・。ふゥ~・・・疲れますなァ~・・・。製作代行の依頼人にもメールで連絡し、この地獄みたいな製作記事を見て貰ってますが・・・、多分・・・呆れてるでしょうなあ(笑)・・・。依頼したモデラーさんが、作るのが面倒臭くて製作代行して来たのなら・・・本機が不良品と承知なので自分では組めないって思うでしょうし・・・。ところが今回は初心者さん・・・。フィルム張りの完成機なのに、どうして半年近くも掛かるの?・・・って不思議に思う筈・・・。此処が模型歴の違いなんですなあ・・・。何処が不良なのか?・・・の!、場所も解らない・・・。使い終わった中古マスクの再販売と同じなんだぜい?・・・38親分!・・・。シンガポールのモデラーさんが「あれ?・・・水平尾翼のカンザシを固定するブラケット・・・入って無かったの?・・・。胴体内部のマウントにブラケットの小穴も無いじゃん!・・・。」・・・で!解ったぞォ~・・・。胴体も良品から省かれた不良品って事じゃねえか!(笑)・・・。
 
● この翼型治具なんですが、現在はまだ片面プランクの主翼と同じ状態です。長期に渡って放っとくと湿気を吸って乾燥しての繰り返しなので、何れ修正不能なまでに湾曲したり・・・捻じれたりします。よって此れを拘束するには、両面ともプランクしてやれば良いのです・・・。此れが平面プランクなら、長期保管中に上記と同じ経年変化で捻じれたりするんですが、此れが逆アールだけど湾曲面を拘束すると、主翼の両面プランクと同じなので頑丈になります。其れには接着中にも捻じれない工夫が必要です。接着剤は速乾では無い通常の木工白ボンドを、たっぷり盛ってプランクシートを被せます。
 
● プランクシートの拘束には、削り倒して成形した水平尾翼を圧着してやれば良いのですよ。ただ・・・其れだけの事・・・。だから翼型治具にピッタリ勘合出来るまで削り捲った訳でして・・・。この状態で硬化の遅い木工ボンドだから、二時間位は放置プレイ・・・。その間に遅い晩飯です・・・。風呂にも入るか!・・・。アヒル君と戯れながら、身体を温めましょう・・・。
          
● 翼型治具の周囲を綺麗に成形すると・・・こんな感じで仕上がります・・・。水平尾翼の半分くらいの長さしか無いのに水平尾翼がしっかりと治具台に載ってるのは、面積が広いからですよ・・・。だから半分のスパンでも充分安定するんです。ま!細かい調整の削りは、アール状のサンドホルダーで修正可能ですし、胴体側と相談しながら細かい調整を行います。
 
● 現在作業中の工程なんですが・・・。この翼型治具を胴体の固定冶具に取り付けると、水平尾翼の取り付けの為の各種孔位置が開けられるんですが、カンザシが胴体内部に正規の位置で固定されると、今度は片面のみプランクした水平尾翼内部のカンザシ受けのパイプの正規の位置が決められます・・・。要するに!・・・この治具を中華の職人が作らず手抜きしちゃったから、製作代行してる当工房が苦労してるんですなあ・・・。この作業は、本機の量産中に使う治具を・・・本機組立の為だけに作ってるので余計な時間が掛かってます・・・。手抜きをやっちゃダメなんですなあ・・・。工程がアベコベなんだものォ~・・・。

● 時々なんですが・・・「EZの主翼の量産って、どんな治具を使ってたの?・・・。」って、お仲間飛行場で聞かれるんですが、まあ!・・・身振り手振りで説明したって、誰も理解出来ませんでした。構造自体が複雑なもんで・・・。でも!EZ用の治具は、EZシート用の組立拘束治具なので、構造を詳しく説明したって殆どのモデラーさんがコピーなんか出来ません・・・ってェ~・・・。新機種が出来る度に、左右一対で20セット位作ってたので・・・今でも作ろうと思えば作れるんですが、此れって特許品だからねえ・・・。バルサプランク用に作り直してページで紹介しても、観てる面倒臭がり屋さんは手抜きで複製するでしょ?・・・だから、真面な治具なんか出来ませんしねえ・・・。本職別持ちのモデラーさんが、ホイホイと作れる治具でも無いですよ?・・・。本機の翼型治具は、その一部を流用してますけどね?・・・。
          
● EZの主翼にスチレンシートを圧着する治具なんですが・・・EZの生産が終了した後の平成の一時代に・・・。EPPのシートをバルサの骨組みに巻き付けた主翼を、個人のモデラーが造って自分のブログで紹介してたけど・・・。お仲間さんの分も作るって量産してたけど・・・一番大事な部分の加工を知らないので、仕上がりが安定しませんでしたね(笑)・・・。ただ単純に、バルサの骨組みにEPPのシートをグルっと巻くだけじゃ無いんだなあ・・・。展開した一枚のシートに加工して指向性を持たせないと、綺麗に巻けないんですなあ・・・。其れがね?・・・EZの改良の歴史なんですなァ・・・。素人さんが見様見真似で簡単に作れるって皮算用・・・通用しないんですなあ・・・。OK模型から販売されてる専用グライダーの別売りの組立治具・・・此処にも応用されてるんだけどなあ・・・。EZの歴史を知らずして・・・EZ機の主翼の治具なんか作れないんですよねえ・・・。
 
● EZ用の主翼のプランク治具を、バルサプランク用に仕様変更した治具を当工房が複製して画像で紹介したとしても、多分誰もコピー出来ないでしょうなあ・・・。「作ってくれませんか?・・・。」なるご丁寧なメール文で依頼して来る、悪い事企んでる個人運営のネットショップ位しか依頼して来ないって(笑)・・・。まあ・・・個人の楽しみとして持つ治具としてなら、此れほど作るのが楽に成るアイテムも無いだろうって思いますがねえ・・・。必ず複製するにしても、糸鋸盤やらピアノ線やら・・・使う重機も凄いが、太いピアノ線なんか・・・個人での入手は粗不可能・・・。代用品で・・・って手を抜くと、たちまち量産された主翼は出来具合が安定せず・・・寸法はバラバラに・・・。まあ・・・ね、ローマは一日にして成らず・・・の言葉通りなので、悪い事には使えませんわなァ(笑)・・・。左右の主翼の結合面が・・・合わないぞォ~・・・が!連発するでしょう・・・。左右一対分作ってもらって、さあ!・・・複製・・・。あれ?量産できないやんかああああ!・・・えええええ!一対分!・・・こんなに材料費が掛かるのおおおお!・・・って断末魔が聞こえて来そうだぜい(笑)・・・。ま!・・・悪い事考えない方が良いって!・・・。中華だってバッタモンEZ作ったけど、治具自体が安定しないんだもの・・・。仕上がりは御覧の通り・・・見様見真似じゃ無理なんよ!・・・。(Part-32に続く)