Swaissair(MD-11)(出所不明の中華製)販売元(netshop=skyliner38) Part-32
 
● 今度は水平尾翼の上面側の翼型治具を作ります。今回の大掛かりな胴体冶具・・・。この水平尾翼上面をカバーする翼型治具を作る為だけにやっとるんですなあ・・・。されど!・・・この上面の翼型治具は、当工房だけでは無い・・・製作依頼をされたモデラーさんも、この翼型治具を使って水平尾翼を胴体に組み込む時の大事なゲージと成るのです。このゲージが無いと水平尾翼が正確な取り付け角が出せません・・・。何故なら・・・好い加減な寸法の胴体側面の水平尾翼を埋める凹みを無くしちゃったから・・・。
 
● この胴体上部に取り付けた角棒の構造体と、此れから作る水平尾翼の上部カバーは強固なアームで合体します。この強固な構造物のゲージの機能は、当工房にとっては左右分割の水平尾翼を結合する・・・胴体内部に固定するカンザシのブラケットを正確に取り付ける目的・・・。製作依頼されたモデラーさんは、水平尾翼を取り付ける時に正確な角度で胴体に固定する目的の両方に使えるからです。本機が送られて来た時の梱包箱・・・胴体に水平尾翼を固定したら、絶対に入りきらないからですよ(笑)・・・。この作業の段取りは、昨年の11月頃に既に決まっていた事・・・。年越しの地獄みたいな作業の段取り・・・既に昨年から予想していた事なので覚悟してたんですなあ・・・。それ程・・・好い加減なフィルム張りの完成機キットって事ですねん。結局・・・胴体も不良品だったんですなあ・・・。水平尾翼の取り付け部の胴体側の凹み・・・正確な寸法ならこんな大袈裟な治具なんか要らなかったんですなあ・・・。ピッタリの正確な寸法で凹んでくれてたら、水平尾翼の木口はカッチリと収まる訳だから・・・カンザシ孔と固定ビスの孔位置も正確に開けられるでしょ?・・・。
          
● 水平尾翼の上面に被さる翼型治具です。下面ほどの緻密な精度を必要としないので、構造は手抜き(簡単構造)にしました。まあ・・・其れでも、仕上がりは下面の翼型治具と同じなので見た目の好い加減さはありません。その為に天板と成るベース板はスーパー・ハードバルサの3mmシートです。荷重が掛かるとしたら・・・この天板ですから・・・。画像では底板に成ります。
 
● スパンは短いんですけどね・・・同じ様に2mmのバルサシートを挟んで接着しています。あくまでも・・・治具のアールが基準では有りませんよ?・・・。水平尾翼のアールが基準と成りますので、僅かな隙間は気にする必要は有りません。その為に木工ボンドを厚く盛るのです。速乾タイプの木工ボンド(白い容器)では無く・・・黄色い容器の方が水分が多く、ビニル溶剤が少ないので硬化は遅く成ります。

● OK模型発売のグライダーには、組み立て式の主翼組立用専用治具のキットが有るんですが・・・。此れを瞬間接着剤でチャッ!チャッ!と組んじゃう面倒臭がりなモデラーが居るようですね・・・。で!その治具の上で主翼を組んだら捻じれた!・・・って文句を垂れてたっけ・・・。何の為の治具なんだ?・・・って話しですよ。瞬間接着剤で治具なんか組める訳が無い!・・・二液混合の混ぜ混ぜエポキシと木工ボンドを使って、常に定規と分度器を当てて正確に時間を掛けて組むから、治具として機能するのですよ。冶具が好い加減だと、そら!主翼が捻じれて組み上がるのは、メーカーの落ち度じゃ無いですなあ・・・。明らかに好い加減な治具を組んでしまったモデラーの知識の無さが露見したって事ですなあ・・・。文句は鏡を見ながら、自分に吠えた方が良い!・・・。
 
● 翼型治具としては短いですけどね?・・・あくまでも水平尾翼を胴体側のカンザシに通して、前後のビスを締め込む為だけの治具に仕上がります。冶具本体は翼根側から翼端方向に厚く成っていますよね?・・・上反角0度で設定するとこんな翼型治具に成るんですなあ・・・。おいおい!翼型治具の天板と水平尾翼の下面・・・平行に成って無いじゃねえか!。上反角0度の設定って言ってるが、明らかに斜めに見えるんだが・・・。って思ってるモデラー諸氏・・・。画像に定規を充てて測ったのかなあ?・・・。其れこそ愚の骨頂・・・フラットな一枚板の水平尾翼じゃ無いんだぞォ~・・・。完全対称翼の揚力尾翼なんだから、テーパー状の後縁のヒンジラインの中心から測らないと・・・。フィルム代用のトップヒンジばっかり作ってるから、基本を忘れてるぞ!・・・。送信機だけがおりこうさんに成っても意味が無いんだがなァ・・・。

● ・・・みたいな揚げ足取りみたいな、頓珍漢なメールも時々来るんですがねえ(笑)・・・。だからネット物知り博士の飛行機は、見た目よりも性能の落ちる飛行機にしか成らないんだぞォ・・・。昭和の大御所達が書かれた数々の書籍が有るから熟読してみな!。ネットブログ上の君たちの教祖よりも、正確で詳しい知識が身に着くぞ!・・・。
 
● この両画像とも・・・尾翼の勘合位置を示しています。好い加減なデコボコ状態で凹ませてある尾翼の取り付け基準と・・・胴体側に滑らかなフィレットを介して尾翼の取り付け位置を造ってある、ドイツのグラウプナー社のグライダー(SALTO)です。さて!・・・どちらが尾翼は正確に取り付けられるでしょうかねえ・・・。このサルトの胴体も本機同様にグラス製・・・。本機は38親分の評価格¥70000ですが、この舶来サルトは昭和58年の時点で¥70000です。現在の価格なら軽く38親分お見立ての本機の2,5倍の価格はするでしょうなあ・・・。其れでも性能は折り紙付きの高性能・・・主翼は発砲コアにアベチ張りの主翼・・・他にバルサ組みの主翼のセットも有ったけど、どちらも正確に組めたから日本中にオーナーさんが居ます。仮にこの舶来サルトが現在の価格で¥200000したとしても・・・購入モデラーは多いでしょうなあ・・・。必ず正確に作れて、飛行は高性能・・・奪い合いに成るんじゃねえかなあ・・・。

● 最初から本機の水平尾翼もサルトと同じ様な造りにしてあれば良かったのになあ・・・。此れなら基準は大変取り易くなる・・・。胴体をグラスファイバーで構成するにしても、凹まそうが凸っぱらそうが然程作業の難易度は変わらない・・・。多分・・・本機のグラスの成形品が悪いんじゃなくて・・・大元のメス型と其れを成形したオス型に欠陥が有るんだろうと思う・・・。此れが好い加減だと、結果的に本機みたいな不思議な状態の胴体が出来ちゃう訳で・・・。さて!本機の型の原型が木型だったのなら本機みたいな好い加減な表面に成るのは理解出来るなあ・・・。このグラウプナーのサルトの大元の型・・・金属製だよォ~・・・。其れを当時のNCフライス盤でモールド加工して作って有るから、滅茶苦茶精度は良い!・・・。尾翼側に固定するカンザシの差し込み孔も、最初から正確な位置に凹ませて作ってある・・・。此れがね?・・・良品の胴体って言うんですよ?・・・38親分!・・・。シーラスもオルリスもグラス胴体だったけど・・・今思えば正確だったよなあ・・・。本機製作依頼の依頼主さんと同等の技術しか持って無かった二十歳の私でも正確に組めたしねえ・・・。あれから40年だぞォ~?・・・。中華の職人って、この程度しか作れないんだったら・・・昭和のドイツの職人の足元にも及ばないってレベルに成っちまうぞ!。
 
● 翼型治具を載せてみたら・・・水平尾翼の取り付けラインが此れだけズレていた。胴体の凹みを基準にカンザシ孔を開けていたら、左右の水平尾翼に段差が2mm程付いていた。何も疑わず孔を開けていたら・・・取り返しの付かない大惨事に成っていた所・・・。断面が四角い胴体ならズレの状況にも気づけるんだが、丸い胴体の場合は治具を作らないと発見し難い・・・。「胴体は美麗良品のツルピカ仕上げ・・・。」って38親分のセールストーク・・・。1~2回着用しただけの、光沢テロテロ生地のセクシー下着じゃねえんだぞ!・・・。どちらも光沢が有れば高級品に見えるが・・・セクシー下着なら其れなりの価値も有るんだろうが・・・幾ら光沢満点!ツルピカ仕上げの美麗胴体でも、此れだけ取り付け位置が狂ってたら使えないので価値は無い・・・。ま!38親分お見立ての新品は、中古のセクシー下着よりも価値は劣る・・・って事ですな!・・・。
 
● 胴体冶具に固定する水平尾翼下面用の翼型治具にはブラケットを接着しました。このブラケット4箇所で翼型治具をガッチリと固定しますが、コンマ単位の調整は翼型治具の底板にセロテープ等を貼り込んで行います。胴体の好い加減さが、また一つ露見したんですが・・・それだけ水平尾翼の取り付け角度の基準が取り難く成った・・・の証明でも有るんですなあ・・・。この胴体の何処が(美麗良品のツルピカ仕上げ・・・)なんだあ?・・・38親分!・・・。
          
● 水平尾翼の取り付け位置が上下に2mmもズレていたって事は・・・と心配に成ったので、今度は前後のズレも計測するんだが・・・。アール面の胴体側板に定規を充てても正確な寸法は測れません・・・。こういう場合は紙の粘着テープ(マスキングテープ)等を使うとアール面に対応可能です。胴体の継ぎ目を基準に左右の胴体側面の水平尾翼前縁までの距離を測ってみましょう。
 
● 元々の歪な凹みの前縁を測らずに・・・段差を埋める為に貼り込んだ左右同寸法・同形状のベニヤ材の前縁から寸法を計測したら・・・わァッ!・・・やっぱり3mm程ズレてました・・・。上下にもズレてる・・・前後にもズレてる・・・計測せずにカンザシ孔を開けていたら・・・孔はカンザシの1,5倍の孔を開ける羽目に・・・。前後のビス孔も横に長孔を開けて対処・・・って事に成ってましたなあ・・・。此れに気づかなかったら・・・主翼と水平尾翼は平行配置では無くなるし・・・垂直尾翼は左右どちらかに傾く事に成る・・・。水平尾翼には直角には成るが・・・主翼を基準に見たら胴体の前方から見たら、明らかに左右どちらかに傾いて取り付けられる・・・って事態に・・・。本機のオリジナルの垂直尾翼のカンザシが何故に右に傾くのか?・・・。水平尾翼の取り付け位置が最初から傾いてるんだもの・・・水平尾翼の取り付け位置の修正をしないまま、胴体に垂直尾翼のカンザシ受けのパイプを固定しちゃいましたァ・・・。だから傾いた水平尾翼に直角の垂直尾翼なんだもの・・・パイプも傾いたまま接着硬化されてしまいました・・・。此れが原因ですなあ・・・。多分・・・中華の胴体組立の下請け業者も手を抜いた・・・38親分も検品の手を抜いた・・・証拠!とも言えるんですなあ・・・。入念なる検品!・・・真面目にやってたら、本機は販売出来ない粗悪品って事だぞ!・・・親分!・・・。「初心者には組めません・・・。」・・・上級者でも治具が造れなきゃ、正確な修正は出来ない!って・・・。
          
● 別口でブラケットを8個作りました。一個のサイズは10×20mm程・・・。水平尾翼を確実に胴体に取り付けるには、治具も其れなりに荷重を掛けても壊れない(狂わない)様に、充分なる補強を加えなければ成りません。言い換えるとですなあ・・・38親分の再販品・・・上乗せ¥75000の本機の不良品の兄弟を、何処かのモデラーが購入した場合・・・同じ様な気苦労に嫌気が差す筈・・・。そら!検索し捲って・・・当工房を見つけるかも知れません・・・。そうなると・・・何とかしてくれい!の類のメールが舞い込む可能性も有る・・・。果たして今回の依頼主さん程の金払いの良さは有るだろうか・・・。必ず・・・ボッタクリやがってええええ!・・・なる恨み節に発展するだろう図式は目に見えとるんですなあ・・・。ババ掴まされたモデラーにとって・・・当工房も38親分の販売した側も一緒くたにされるんですなあ・・・。責任取れ!ってな具合・・・。結局お仲間掲示板で暴れるだけ暴れるんだもの(笑)・・・。無茶苦茶だよなァ・・・。その最悪の発展先ってのは、値切り目的の恐喝行為・・・。モデラーさんの要求する良心的な代行製作料金ってのは時給¥50位・・・。代行する側の気苦労なんて解ってくれませんしねえ・・・。俺なら二週間も有れば作れる!って言うんなら・・・自分で作ってくれい!・・・。
 
● 定盤に固定する水平尾翼下面用の翼型治具に、今度は上面固定用の翼型治具を圧着しないと胴体内部に固定するカンザシ用のブラケットが造れないんですなあ・・・。本来ならば此れは量産する側の中華の職人が、胴体をツルピカ仕上げ(鏡面塗装)する以前の塗装前の段階に、カンザシ固定のブラケット部品を造って確実に取り付けられる基礎を築かなければ成りません。塗装前なんだから、少々傷が入ってもパテ埋め修正出来ると思うんだが・・・。ツルピカ塗装の胴体に離型剤塗ってクロスをポリ樹脂で積層してメス型を・・・なんて出来ないでしょうが!・・・。塗装前の胴体なら充分作れたのに・・・。作れないから苦労してるんですなあ・・・。さて!・・・胴体の複雑なアールにピッタリと被さる治具・・・どうやって作ろうか・・・。何れは作らなきゃなァ・・・って、昨年の本機を受け取った段階で、既に解っていた事・・・。

● OK模型の開発部時代も・・・同じ様な治具・・・毎日毎日作ってましたよ。左右分けのヘリコプターのボディの周囲切りのオス型とメス型・・・。あの時は量産品のバキュームボディだったから、離型剤も・・・高熱出しながら硬化するポリ樹脂も塗り放題!・・・だったんだが、今回はウレタン塗装鏡面仕上げのツルピカ胴体でしょうが!・・・。離型剤塗ってクロスを樹脂で貼って積層して・・・って出来る訳無いじゃん!。高熱で硬化するんだぞォ~?・・・。ツルピカの光沢は確実に無くなるし・・・。だから苦労してるんですよ。
 
● 上下の翼型治具の前縁と後縁側に板ベロを貼り付けて、水平尾翼をセットして片側単独の治具でもガタが出ない様に拘束しています。さあ!いよいよ治具の組み込みに入ります。やっと!・・・カンザシの孔が正確に開けられます。昨年・・・この仕事を受けてから、現在まで・・・色んな事が有りましたねえ・・・。でも・・・本機のキットの部品内容・・・真面な良品が一つも無い!・・・。過去に完成機メーカーに居たから解るんですが、不良品は各部品毎に量産していれば必ず出るんですが・・・まさか!本機は、この不良の部品を丸ごと一機分セットした粗悪品だったんですなあ・・・。二次元画像の良品セットに騙されるモデラーが、実際に居たって事実は変えられない・・・。ネットショップskyliner38の甘い誘いのセールストーク・・・閲覧モデラー諸氏は、充分ご注意を・・・。既にこのショップでDFユニットを購入されたモデラーさんより、当初の価格よりも値引きされたDFユニットの定格回転数は本物だろうか・・・という質問が来ました。当工房ではこのユニットを扱って無いので、詳しい事は解りません・・・。もし!心配なら回転数の検知できる光電子タコメーターを購入されて、実際に回転数を測る事をお勧めします。

● 通常・・・DFユニットを扱う真のプロショップは、仕入れたユニットは指定の電源を使って回転数が定格通りかどうか計測して販売するとの事・・・。あまりにも値引き率の良いユニットは、仕入れ先では不良品だった可能性も有る・・・。だから仕入れ価格が物凄く安いんですなあ・・・。で!知識の無い販売店の場合・・・国内の相場を見て、こんな不良品を良品価格と同等に設定し値引きするんですが、仕入れ価格が物凄く安いんだもの・・・他のプロショップが太刀打ちできないお値引き価格でも、充分儲けられるんですなあ・・・。購入の際は充分気を着けた方が良いですよ。
 
● 翼型治具を定盤に固定しました。此の位置が本機の水平尾翼の正規の取り付け位置・・・。此れを探す為に・・・こんな大掛かりな治具が必要なんですなあ・・・。此れをね?・・・メーカー側(中華の協力工場の職人)はやるべきなんですなあ・・・本機の量産キットには、詳しい孔位置を指示した説明書と基準と成る凹みを付けて有るとの事・・・。キット箱に納めるのはメーカーの本社の仕事・・・検品ではねられたって事は、この指示通りに成っていなかったから多分!・・・下請けに返品された品物です。セオリー通りならそうなるんですけどね・・・。
 
● 本機の様なグラス胴体のセットの場合でも・・・通常は原寸大の胴体の上面図と側面図は付属させるべきなんですがねえ・・・。其れは無駄な付属物とは言わないんですよ。其れを入れない場合は・・・この水平尾翼を正規の位置で取り付けられる様なベニヤの組立治具を入れるとか・・・組立説明の小雑誌を付属させるべきなんです。38親分のセールストークを読むんだったら・・・足らない部品も有りますが・・・よりも、説明書が付属していません!・・・の方を重要視するべきですよ。中華の大手のメーカー品なんだけど、出所が違う場合・・・こんな不良品を掴まされる場合もあります・・・。其れを知ってて黙認したって事ならば・・・skyliner38は既に中華のメーカーには知られた存在・・・。アジア圏の模型業界全体に、リストを廻されるのも時間の問題でしょう・・・。幾ら・・・個人輸入が自由化されたと言っても、こんな不良部品だらけのセットを良品と偽って販売しては駄目なんですよ。国内の模型業界にとっても痛いダメージに成りますので・・・。(Part-33に続く)