Swaissair(MD-11)(出所不明の中華製)販売元(netshop=skyliner38) Part-42
 
● 本来のキットでは有り得ない加工なんですけどねえ・・・。時間ばっかり掛かって中々作業が終わりません。もう既に依頼主にお渡ししていた筈なんですが・・・、まだ不具合箇所が出るわ出るわ(笑)・・・。全部の加工が終わって生地完成状態にしてから、画像を撮って・・・さあ!一斉にグラス塗布とフィルム張り・・・って思ってましたが、二種類の工程を同時進行で・・・。ホントは駄目なんですよ?・・・こんな突貫作業・・・。フィルム貼り込み作業はホコリを嫌いますし・・・。で!倉庫として使ってる部屋を一部片付けて、塗装ブースを急ごしらえ・・・。暖房が無いので家じゅうの電気ストーブを総動員で室温上げて・・・。
 
● 一応周囲の削りを入れてみました。前方は綺麗な流線形で削れましたが、後方がなァ・・・まあ!余裕が無いので此れでご勘弁・・・。フラップサーボの蓋にもバルサを付けりゃあ・・・翼型には出来るんだが、もう形状が複雑になるわ・・・時間は掛かるわでもう此れ以上の修復は、お腹一杯!・・・。
 
● こういう位置関係なモンで・・・。サーボハッチに半分被さり、更にサーボホーンの長溝の中心を通ってるもんで、この整流加工の成形・・・難しいですなあ・・・。サーボホーンの長さが足らなく成るだろう・・・状況は目に見えているので・・・。依頼主さんの作品を観たんだが、ほぼ完成機に特化したモデラーさんみたい・・・。要するに、自作する為の工具類やらホコリが出捲っても良い部屋をお持ちでは無いご様子・・・。お部屋がとても綺麗なんですわ・・・削りますよおおおお!磨きますよおおおおお!が!、自由自在のお宅でも無さそうなので、取り敢えず・・・ホコリは当工房で担当しましょう(笑)・・・。
          
● 尾翼関係の下塗り塗装に入りました。塗装すると言ってもフィルム張り用なので、要所要所の部分塗装のみです。翼端の一部・・・後縁の先端小口・・・艤装のインテーク内部やエグゾースト内部と言った所でしょうか・・・。ポリ樹脂じゃないのか?・・・って?・・・。ポリ樹脂なんか塗ったら目止めの最強には成るが、バルサの木目の空洞を塞ぐので・・・フィルムを圧着しようにも気泡が抜けずに中々綺麗に貼れなく成ります。

● ポリ樹脂を全面に塗って綺麗に磨けば、表面はツルツルには成るんだが・・・空気が抜けないのでフィルムは綺麗に貼れません。其れって家具屋さんの注文家具の手順で在って、模型飛行機の表面処理じゃ無いですなあ(笑)・・・。目を完全に止めて、ウレタンシーラーを重ね塗って塗膜を造り・・・その後、ウレタンカラーで仕上げ・・・。此れはクリアラッカーにも同じ事が言えます。フィルム張りの下準備とは、生地完成状態の部品の表面はなるべくサンディングで綺麗に仕上げて、フィルムの剥がれ易い箇所のみ、フィルムの食い付きを良くする為の末端処理を行うのが基本です。フィルムにも厚いのや薄いのが有るでしょう?・・・。厚いのは腰が強くて細かい角やアールには対応出来ずに、圧着しても跳ねてしまう・・・。だから接着力を増す為に行う隠し味みたいなモンですなあ・・・。
 
● グロー燃料の溶剤の中にはラッカー塗料をエンジンの排気口から出す熱と成分で侵して剥がしてしまう場合も有りました。其処で!高級なラジコン機の場合はツルピカ?って言ってるウレタン塗装が主流に成りました。硬化剤を使う塗料は、言わばエポキシ系・・・。熱にも強く、石油系の成分にも侵され難い・・・。其処までの高級感は必要無いけどある程度は綺麗に仕上げたい・・・から産まれたのがフィルム系の被覆材です。此方は極端な温度上昇には弱いですが、洗剤で洗い拭きしてもフィルムの表面が侵されないので、オールサンデーズ(一般のモデラー)に愛好者が多いです。

● 現在の時代は、グローエンジンよりも電動モーターが主流ですね?・・・。熱やら成分で飛行機の上塗り塗料が侵される心配が有りません・・・。よってウレタン塗料でツルピカにしなくても、ラッカー塗料で充分なんですなあ・・・。近代ジェット戦闘機の場合は、ベースとなる機体の表面塗料はウレタンですが・・・、国籍マーク(日の丸)や団マーク(スコードン・マーク)・・・パネル番号等は、ステンシルを使ったラッカー塗料です。音速の衝撃波で剥がれても、修復の為に剥がし易く塗り易くする為です。全部ウレタンにしたら・・・僅かな段差でも音速状態の衝撃波は空気抵抗の温床・・・。剥がれちまったら修復が大変・・・。だから大人の事情です。よって模型飛行機にも同じ事が言える。ベースはウレタン系・・・でも表面のお化粧はラッカーで充分です。傷が入っても修復し易いですしね・・・。で!今回はフィルム張り・・・。確実に貼れれば良いので、下処理も程々で良いです。テキトーって意味じゃ無いですよ。
 
● 水平尾翼にはオラカバドライを貼り込みました。中華製のグレー色のフィルムが手に入らないので、取り敢えず・・・垂直尾翼以外は全部ホワイト色で統一します。其れでも・・・ポリ樹脂塗ってホワイト色の塗装面も有りますけどね。最初から・・・好い加減な造りじゃ無かったら、水平尾翼はホーンの取り付けのみで完了してたのに・・・。
          
● 何時の時代からなのか・・・このヒンジラインの好い加減な造りがまかり通る当たり前の時代に成ってましたねえ・・・。EPPシートのセロテープぐるぐる巻き飛行機ならいざ知らず・・・、せっかくレーザー加工で正確・精密な造りを約束されたバルサキットでも、このヒンジラインの造りは無視されて来ましたなあ・・・。ヒンジラインの隙間って・・・あまり知られていませんが、物凄く空気抵抗を発生させる箇所です。なるべくなら・・・隙間は最小限な方が良い・・・。だからフィルムによるトップヒンジが生まれたのに・・・。此れまで好い加減に作るんだもの・・・。全く持って意味が無い・・・。値段が100万円近いカスタム屋さんの作る、コンテストフライヤーさん用のF3A機・・・ヒンジラインに隙間が無い・・・。どんだけ!精密に作ってるか・・・此れで世界大会を戦うんだから、当たり前と言っちゃ当たり前なんですよねえ・・・。
          
● DFユニットも数か月放置すると・・・色々と改善したい点も見えたりするんですなあ・・・。で!・・・エグゾーストの縁をもちっと細くする為に6mm分バルサを追加して、3mmまで細く成る様に延長中です。バルサの部材を新たに36個作って組み合わせて・・・現在貼り込み硬化中・・・。
          
● 色々と検討を重ねた垂直尾翼なんですが・・・当初の予定はフィルム張り仕上げだったんですが、三次曲面までの複雑な形状により・・・フィルム張りは難しすぎるので、マイクログラスを貼って塗装で仕上げる事にします。重く成るんじゃないかァ?・・・って思ってる閲覧者の皆さん!・・・ご推察通りに重く成るんですなあ・・・。ただ!・・・其れはツルピカ仕上げに拘った場合のみ・・・。フィルム張りよりは重く成るんだが・・・ツルピカよりは遥かに軽い塗装を行います。まあ!昔実践していた手順を応用するだけですがな・・・。ファントムやマルヨンの塗装と同じ事をすれば良いだけですよってに・・・。

● ベースはポリ樹脂によるマイクログラスで表面処理・・・。中塗りと上塗りは全てラッカー塗装・・・。下地がグラスのポリ樹脂コーティングなので、上塗り塗装後の表面に傷が入った場合・・・修正の為の剥がしと再塗装が大変楽なんですなあ・・・。何しろ!音速突破による衝撃波で起こる、塗料の重ね塗りにおける僅かな段差が出ても・・・模型機なので衝撃波なんぞ有る訳無いし。傷が入っての再塗装時でも脱脂の為のケトン(アセトン)を塗布しても、ポリ樹脂コートのグラス面は侵されません・・・。修復が簡単なので依頼主さんでも出来るし・・・。

● 本来なら二月の中旬で依頼主さんにお渡しできる予定だったんだが・・・機体の全備重量を支えるストラットギヤの改造に手間取り、未だに完成していません・・・。メーカー指定の重心位置も解らないので、下手にピッチ軸の重量の増減が激しく成る様な改造が出来ない理由・・・等。ホント!手探り状態なんですなあ・・・。ジェットエンジン搭載に改造された本機の兄弟機を観ながらの、あーでもない・・・こうでもない・・・の改造なんで、大変ストレスの溜まる作業です。ジェットエンジン搭載機には落とし穴が有るんですよねえ・・・。推力は搭載可能なEDFユニットの倍以上のパワーが有るし・・・少々の重心位置の狂いなんかパワーで押し切ってしまうし・・・。電動パワーってのは内燃機関みたいな燃料吸気系のトラブルが無い分、電源繋げばブン廻る寛容性は在るんだが・・・其れは空気抵抗を極力減らし、全備重量の軽量化ってのが第一原則と成って来る・・・。「5キロを超える重量機なので、6セルリポを推奨します・・・。」の世界じゃないんだって!。なるべく軽量化してパワーを落とす・・・のがEDFの世界です。フクさん!もう暫くお待ち下さい・・・。二月末をめどに突貫中です。コロニャバイラス?・・・俺には関係にゃい!・・・。
          
● いよいよ本格塗装の下ごしらえ・・・。ベビーパウダーをガッツリと添加したクリアラッカーを目止め剤として、DFユニットの内側に塗り込みます。この作業は都合4回行います。一層塗って乾燥したら毛羽取り程度にスポンジペーパーで磨いたら二層目に移行・・・。4回塗り終えたら適度な厚みと成るので、今度は本格的の240番辺りのペーパーで磨きを入れて、表面が滑らかに成ったら上塗りのクリアをエアガン吹き付けで完了です。

● DFの外部はポリ樹脂の直塗り・・・。その為に構造を強化して組み立ててあります。ポリ樹脂は目止めと塗膜面を硬化剤で固めてしまうので、バルサ自体が材質変化を起こし頑丈に成ります。上塗りは銀粉吹き付け後にカラー塗装の予定・・・。塗装工程は手抜きが命取りとも言われるんですが、上手に手を抜けばツルピカ仕上げには敵わぬとも・・・かなり綺麗に仕上がります。
 
● 此処からは洗浄液のお話・・・。興味が無ければ読み飛ばして下さいね。でも、知ってりゃ得するかも・・・。塗料の撹拌(混ぜ混ぜの事)に何を使ってますか?・・・。ベニヤの板?・・・割りばし?・・・当工房は百均で購入した柄の長いスプーンです。金属製ですし、先端が適度に広がってるし・・・混ぜ混ぜには最適です。もう一つのメリットはカラー色のウレタンだろうが・・・ラッカーだろうが・・・ポリ樹脂だろうが・・・アセトン溶液で洗えば最初のピカピカ鏡面状態に戻るからですよ。塗料の保管は金属缶が一番なんですが、外から中身が見えないのが難点・・・。其処で容器も百均・・・。ガラス瓶なので¥200だったけど、蓋が金属製なので幅広の輪ゴム等で目張りをすれば揮発を極力抑えてくれます。

● さて・・・希釈剤についてですが、同じ4リッター缶なのに何故アセトン缶は蓋が小さいのでしょうか・・・。結論から言えば、揮発力が大変強いのがアセトンだからです。よって!蓋が極力小さいんですなあ・・・。毒性ではラッカーシンナーの方が遥かに強いんですけどねえ・・・。ニトロセルロース系のラッカーシンナーは、中毒に成って吸い込みが常習化すると気持ち良くなるらしい・・・。しかし・・・匂いの点ではアセトンの方が遥かに強いが毒性はシンナーよりも弱い・・・。試しに吸ってみれば良いですよ。思いっ切りゲロ吐きますから(笑)・・・。揮発性も凄いが爆発力も凄いので、密閉された空間でのタバコの火つけは命取り・・・。火だるまになりたくなかったら・・・換気に注意して作業しましょう・・・。
 
● DFポッドのエグゾーストを延長し・・・仕上がった縁を観てニンマリ・・・。其処でレシプロ用のポッドも延長する事にしました。此方は排気口の外直径が45mmと小さいので、木目を45度ずつズラして3枚積層・・・9mm分延長されたんですが、出口の縁は2mm位に・・・。此れ以上は弱く成るのでやりません(笑)・・・。ダミーに其処まで・・・って思ってるでしょ?。ちゃんと冷却風の排気口として機能するんですなあ・・・。
 
● 主翼の改造したパイロンと主翼の前縁が交差した部分の修正を行います。今に成っても悔やまれる接着されていなかった3枚積層のベニヤパイロンなんですが、いっその事キット状態で外してくれてたら良かったのに・・・って思うんですなあ・・・。多分!私ならこの積層パイロンは使わずに自作したかもしれませんね。エンジンポッドは吊り下げが基本なので、パイロン自体を頑丈に作り直してエンジンポッドは実機と同じ様に、パイロンに吊下げた方が工作は楽に成るんですなあ・・・。結局、ひ弱なパイロンを囲む様に太らせて、ポッドに取り付けたブラケットで挟む様に固定するしか無かったので・・・こんな隙間が出てしまうんですなあ・・・。大き過ぎたんなら削れば好いんですが、小さ過ぎたら足さなきゃ成らんでしょう・・・だから作業が増えるんですなあ・・・。

● まずはパイロン周りにセロテープを目張りします。此処に油分過多のハンドクリームを擦り込みます・・・。そしてポッドを取り付けます・・・。前縁とポッドのブラケットが接する所に、隙間が有るでしょう・・・。見た目・・・依頼主さんから見れば、「あ!失敗しよったなあ・・・。」ってのが丸解りなので、エポキシのパテ(クイックメンダー)を盛り付けて隙間を埋めます。
          
● 取り外し式のパイロンなのに・・・ちゃんと外れるのか?・・・。だからセロテープとハンドクリームなんですなあ・・・。粗いバルサの表面にセロテープを貼っても・・・直ぐに剥がれるでしょう?・・・。ハンドクリームは一応離型剤なんですが、立体的に隙間にパテが埋まると、完全に硬化したらホントに外れなく成るかも知れません・・・。だから!指に付かない程度に硬化したら外せば良いんですよ。一昼夜放置しとけば、このエポキシパテはガッツリ固まるので・・・成形は明日の作業です。
 
● ハンドクリームの効果は凄いでしょう・・・。ちゃんと離型剤として機能しています。薄いビラビラも完全に剥がれてるし・・・。このクイックメンダーは、ガッツリ固まりサクサク削れる二液混ぜ混ぜの接着剤です。値段は高いんですが、こういった使い方も出来るエポキシ接着剤なんですよ。多分・・・一晩置いたら痩せる筈ですので、隙間の調整が済んだら更に痩せた部分に盛り付けて、再び削れば好いんですなあ・・・。エポキシ溶剤なので、ポリ樹脂の重ね塗りで更にガッチリと丈夫に成りますし・・・。色も塗れるから便利です。(Part-43に続く)