Mig-15 ※ エルロン入門機からパイロン仕様機まで使える機体

            
● 空野さんと言えば・・・垂直上昇発進のホーカーハンターが有名なんですが、このミグ15を知らないモデラーさんは、平成生まれのネット物知り博士だってバレますよ(笑)・・・。多分・・・この機体が誕生した時代に平成生まれはまだ存在していません。それよりも遥かに昔の機体だからです。当時ラジコン技術の折り込みページから複製したモデラーさんは、この機体の秘めたる性能に一様に驚いた筈です。

● 当時の自作機としては異例の95%がバルサで構成された構造に成っていたので、とにかく軽量です。10クラスのエンジンを搭載し、燃料タンク80ccを搭載し、当時のメカを積んでも全備重量は700グラム強・・・。驚異的な軽量機でした。エンジンは10クラスから25クラスまで搭載可能だったので、エルロン入門機からスケールパイロン仕様機まで使える幅の広いポテンシャルを持った機体でした。

● もし・・・何処かの大手メーカーさんがキット化していたら、爆発的に売れた可能性はありますね。現に・・・空野さんのお話では当時国内の大手メーカーさんが、キット化に向けて動いたって話を聞きました。しかし・・・何故?販売されなかったのか・・・。その理由も・・・この機体の構造を見れば一目瞭然・・・。その説明は、今後・・・機体の複製記事を書く時にご説明します。多分・・・平成生まれのスチレン世代には・・・完全なる複製は・・・無理でしょうねえ・・・。
            
● 本機の主要諸元です。エンジン10クラスが700グラム・・・、25クラスでも900グラム・・・。この200グラムの差は、単純にエンジンとタンク容量が変化するだけです。搭載するエンジンによって、重心が変化するんですが、この空野式飛行物体の胴体内部は、頭の先から尻尾の先まで通常の模型飛行機の三倍近い胴枠の区間内のメカの移動だけで重心移動が可能に成っています。

● 諸元に有るエレベータとフラップの連動とは、空戦フラップの事です。解り易い模型で言えばCL機(U-コン機)の主翼フラップと水平尾翼エレベータを連動する事で、機体の機敏性を良くする働きを持っています。時代の流れによってプロポも進化するんですが、本機の初号機時代は送信機本体にミキシング機能など付いていませんでした。

● そういう時代でも、アナログな機械ミキシングで、このミグは空戦フラップと相反エルロンを装備した機体でした。要するにコントロールサーボの位置は移動させずに、搭載メカで一番重かった受信機用バッテリーを胴体前後に移動設置する事で、エンジンクラスの変更を可能にしていた飛行機でもあるのです。現在の模型飛行機に・・・こんなグローバルな芸当は出来ません。
 
● エンジンはサイド搭載・・・。ダウンスラストもサイドスラストも無い・・・所謂ゼロゼロ設定。ちょこっと知識のある人は、何でスラストを入れないのが心配に成り、必ず何度かのスラスト角の設定をしてしまうんですが・・・。本機には全くもって必要がありません。ゼロゼロ設定は他にもありますよ。主翼の取り付け角も水平尾翼の取り付け角もゼロ設定です。

● 「そんな事は絶対に有り得ない!。」っとネットの博士達は異論を唱えます・・・。しかし・・・この博士達は、ムサシノ飛行機研究所の崇高なる信者さんが殆どなんですが・・・。09エンジンから19エンジンまで搭載可能だった、ムサシノの低翼機である(スカイライト号)の諸元を見れば解るんですけどねえ・・・。市販されていた元祖ゼロゼロ設定機ですから・・・。

● ラジコン技術のバックナンバーをお持ちのモデラーさんは、一度作ってみる事をお勧めします。多分・・・色々な意味での発見がありますよ。自作したスチレン製の飛行機がイマイチ飛ばない時は、この機体を諸元と設定を一切変更せずに作ってみれば、パワーソースがブラシレスでも同じ結果と成ります。その飛行特性を、今度はご自分の自作機に活かせば良いからです。必ず何かの好結果が得られます。

● バルサ機よりもスチレン機の方が好き!って言ってるモデラーさんは、胴枠を5mm・・・。プランクを3mmのスチレンシートで自作して見れば良いのでは?。当工房には、2セルで飛ぶオールスチレン製のホーカーハンターも有りますよ。さすがに垂直上昇発進は出来ませんけどね(笑)。