🐩 Mig-53 MIX DOG (故・羽山ミグ氏) 追悼製作記事 🐩-1

🐩 犬型飛行機・・・一昔前なら、キワモノ扱いされたり・・・失笑されたり・・・そないなモン飛ぶんかあ?・・・阿保くさッ!。・・・と、散々馬鹿にされて大勢のギャラリーさんからの冷ややかな視線をいっぱい浴びながら・・・、マイナスオーラの空気間満々の状況の中・・・自作モデラーご本人のハンドカタパルトによって発進!。周りは落ちろ!バラけてまええええ!っていう大勢の念を感じながら、悠々と飛行を続ける犬型飛行機・・・。絶対!飛ばん!の前評判を覆すミラクルが全国各地で起きてます(笑)・・・。

🐩 昭和の一時代・・・普通の飛行機の形を有していない飛行物体は、絶対に飛ばん!って言われてました。いや・・・それは、その他大勢が知らないだけで、こういった飛行物体を自分也に考察して改善を繰り返していたモデラーは数は少ないけどいました。当時はクラブ単位の専用飛行場に集うお仲間さん同士しか、情報が集まらない時代・・・。リアルタイムで世界中のモデラ―の情報なんて解らない状況でした。

🐩 ところが・・・そういう風評の時代に、風穴を開けた航空業界の偉人が居りまして・・・、小型ホームビルト機を近未来の形状で開発し・・・組立てキットで販売しちゃった人がいたんです。その偉人とは(バート・ルタン氏)です。BD-5・・・って聞けば、知らないモデラーさんは居ないでしょうなあ・・・。一人乗りの組立キットで、当時の価格で幾らだったっけ・・・。ラジコン技術誌に広告が載ってたんだけど、プッシャータイプの小型レシプロエンジンを搭載した初期型のBD-5・・・百万の桁は覚えてますが、正確な金額は定かではありません。このルタン氏のその後の開発する飛行物体は・・・実に独創的フォルムの機体ばかり・・・。左右が非対称の軍用機なんかも開発してましたね~・・・。バルカン機銃砲の弾倉大量搭載に特化したデザインで、デッカイバルカン砲が、パイロットの右隣に搭載されてました。よってジェットエンジンのインテークは、片側一個・・・。胴体の中心軸に平行に搭載する従来のエンジン配置では無く・・・胴体に斜めに搭載されたエンジンのスラストライン・・・。ラジコン飛行機の初心者モデラーには、絶対理解不能にみえますなあ(笑)・・・。

🐩 でもそれでちゃんと空力バランスが採れてたんだ・・・と、納得するのは・・・キワモノ飛行機を改善しながら良く飛ぶ飛行物体に改良して来たモデラーならば当たり前の事でしたねえ・・・。バルカン機銃砲の台座は鋼鉄の塊・・・ファントムの重心位置後方には、マッハ2,4の推力を生む高出力のエンジンが二基搭載されてます。その二発のエンジンよりも機銃の台座は重いって事ですなあ・・・。そんな機銃砲よりももっとデカい機銃砲の台座が、コクピットの真横に一門搭載されるって事は・・・どう考えたって胴体の中心軸から外れる訳で・・・。機体の左右のバランスが崩れない様に、サイドスラストの大きいエンジンの搭載方法・・・ルタン氏の脳みその柔軟さを証明する様な軍用機とも言えますなあ・・・。で!主翼の右側に一発だけエンジンを搭載したラジコンのグライダー・・・普通に考えれば、主翼の左右のバランスが崩れるんだから・・・飛行機は極端な右癖の筈・・・。でも・・・ダウンスラストとサイドスラストを大きく設定すれば?・・・機体は普通に真っ直ぐ飛んで行く・・・。エンジンマウント分と同じ重さの物体を、反対の翼の同じ位置にぶら下げれば、エンジンが止まっても左右のバランスが崩れない・・・。

🐩 昔はキワモノ扱いされて馬鹿にされてた不思議な飛行物体も・・・現在の状況を見れば当たり前の光景ですなあ・・・。お仲間掲示板で・・・皆で寄って集って馬鹿にしてるモデラーさん・・・。貴方のオツムの中身は麦味噌か?・・・。麹味噌か?・・・。発酵して熟成するまで待たないと理解出来ないのか?・・・。もちっと21世紀の柔軟な発想でお話して下さいね。
      
● 福森啓太氏のスヌーピー君ほどリアルじゃ無いですが・・・。確実に飛ばそうと考えるなら、このフォルム辺りから飛行実験をしないと・・・一発でリアルミグさんなんか出来る訳がありません。機体の側面図・・・飼い主の羽山氏に言わせれば、走るミグ氏にそっくりなんだとか・・・。生前は、自宅の広いお庭を走り回ってましたねえ・・・。「でもなあ・・・あんなに腹出とらんぞ!。」とも言ってましたが・・・いやいや・・・お腹が出てないと、下半角の後ろ足が地面に着いちゃいます。此処は福森ワンコのスヌー君同様の出ベソが尾輪となります。〇ンコじゃ無いですよ~・・・。あくまでもおへその設定ですからね。
          
● 画質は悪いんですが・・・此れが本家本元の犬型飛行機(Snoopy-15グロー)です。ネット普及後のネット物知り博士がネタ機でコピーした粗悪品とは大違い・・・。リアルスヌーピー君ですなあ・・・。此れってもう30年以上前に製作されて航空ページェント会場で飛行した時の画像ですなあ・・・。ラジコン技術誌には三面図も掲載されてましたね。

● その後・・・北九州の博士が、画像一枚から完全コピーし・・・大変良く飛びました!って言ってたバッタモン機・・・。真実は熊本の甲佐飛行場での飛行・・・興味のある人は覗いてみたらいい・・・。大変良く飛んだのか???・・・。主翼の上反角無し・・・主翼の前縁は平面?・・・下半角V尾翼は、5mmの長方形水平尾翼・・・補強無しだからロッドが動けば水平尾翼自体が逆に捻じれるエレボン仕様・・・。手を抜き捲ったのか?・・・それとも初心者なのか・・・投げても投げても飛ばず、ベテランさんが現地でせっせと修正しても満足に飛ばない・・・まあ・・・ね。画像連写で撮影して、如何にも飛んでる様に演出しないとなあ・・・の一枚で「大変良く飛びました!。」を見事演出・・・。

● スチレンペーパーの一枚板で水平尾翼とエレベータを作った場合・・・其れが小さかったら強度も有るが、馬鹿デカいサイズなら強度はありません。此れをエレボンリンケージするとどう成っちまうのか・・・。ロッドを引くとエレベータは一応アップには成るんだが・・・全面テープヒンジだと水平尾翼の翼端側がダウン方向に捻じれるので、結果的にアップ操作がダウン操作に成ってしまいます。此れがエレボン設定のエルロン操作なら・・・右にスティックを倒すと機体は左に傾きます。まるでリバーススイッチを入れ忘れた状態に・・・。更に始末が悪いのは、エレベータ自体が風圧で捻じれるので・・・言わばコントロール不能状態・・・。ベテランさんが飛行場であれこれ調整やら主翼の前縁やら削ってたけど・・・投げたら急角度で頭を上げては失速して地面と衝突・・・。たいへん良く飛びました???・・・。ネット物知り博士達の掲示板って・・・バーチャル掲示板ですかねえ~・・・。

● 普通に常識で考えてみて下さいね?・・・。スチレンペーパー製の軽量機とは言え、スパンが1500mm近い後縁側のみ楕円翼を形成した上反角0度の主翼に、自律安定性を持たせられる訳が無い・・・。更にこのバッタモンのコピー機には、ロール軸の安定を司るエルロンすら搭載されていません。じゃあ~・・・ロール軸のコントロールは?って言えば、動かす度に水平尾翼が捻じれ捲る下半角のエレボン方式・・・。初心者レベルのモデラーが陥る欠点なんですが、不思議な形状のネタ機はエレボンにすれば何でも解決・・・。必ず良く飛ぶ飛行機に成る!って思い込んでるからなあ・・・。そういうのは玄人フライヤーだから操縦出来るのであって、初心者には難しいですよ。機体全体の空力的挙動を全て、水平尾翼に頼る訳だから・・・細いピアノ線一本とゼット曲げのショックアブソーバーのみでリンケージ・・・。ニュートラルが決まらない位のガタが出捲る甘いリンケージ・・・。まあ・・・こういう飛行機ってどんなに調整しても・・・大変良く飛びました!ってレベルじゃないんだけどなあ・・・。当日の動画を観る限り・・・。
 
● バッタモンコピー機と福森啓太氏のプロトタイプ・・・何処がどう違うか・・・。知らない人が適当にコピーすると、正真正銘のミテクレ飛行機にしかならないが・・・このスヌー君の正式な三面図のモーメントデータ・・・三菱F-1戦闘機とデータが似てます。主翼は楕円ですが、後退翼・・・下半角付き。更に下半角の水平尾翼・・・。コントロールは主翼のエルロンと水平尾翼のエレベータ・・・そしてスロットルの3チャンネル仕様です。コピーするなら此処までやれ!って言いたいよなあ・・・。手抜き飛行機で「大変良く飛びました!。」ってかあ?・・・。動画を観る限り・・・とても大変良く~・・・とは思えないんだが・・・。
 
● 画像一枚から完全コピー出来るならやってみな!・・・。北九州の博士さん!。貴方の犬型飛行機・・・何故にまともに飛ばないのか・・・。此れ見りゃ解んべ!・・・。過去動画は此方に残ってるかも(TOKU RC)熊本のトクさんのページ。過去記事・・・甲佐飛行場での一件・・・観れば誰でも呆れます・・・「大変良く飛びました!・・・。」って動画です(笑)・・・。

● 画像一枚からの完全コピーって言ってたらしいけど・・・この福森ワンコとは似ても似つかない・・・。多分ですなあ・・・この北九州の博士さん・・・別のネット物知り博士がラジコン技術誌の折り込み三面図から手抜きでコピー・・・。所謂・・・プロフィール設定の機体・・・。胴体側面形は100%犬型の流線形ボディ・・・なんだが、上から見ると長方形の普通の箱ってヤツ・・・。其れを数機作ってこっそりネットオークションで販売・・・。其れを何処かの別のモデラーが、お仲間掲示板のネタ機で紹介・・・。其れをこの北九州の博士さんが適当にコピー・・・だから飛ばない飛行機に成っちゃったあああああ・・・。ってのが真相でしょうなあ・・・。
          
● 北九州の博士が画像一枚からコピーしたって言うお犬様なんですがねえ・・・。まだ画像のコピー元の方が福森ワンコに近かった様な・・・。航空工学の基礎を知らないネット物知り博士がコピーするとこういった粗悪な劣化クローンが出来てしまいます。此れでも各部位がしっかりとした強度を持ってれば、まあ博士ご本人の操縦では難しいですが・・・ベテラン氏に頼めば何とか飛べたかもしれません。上手く画像処理して・・・博士ご本人が飛ばしたって事に成っとるんですがねえ・・・。

● まずは主翼の前縁・・・EPPのシートで構成された主翼って事ですが、前縁の処理が・・・手を抜いたのか?独自の航空理論なのか?・・・。まあ・・・初心者さん向きの翼型ではありません。上反角無し・・・エルロン無し・・・まあね、運動性を良くしたいから上反角を無くしたのであれば、翼端エルロン位は欲しい所・・・。ただ・・・リンケージが難しいので博士の腕では組み込みは不可能だったかも・・・。まあ・・・エレボンで何とか成るやろ!って考えなら、水平尾翼はもっと頑丈に作る必要が有るし、実物を見る限り水平尾翼の面積が少な過ぎる気が・・・。今の50%増しは欲しい所・・・。

● エレボンは5mmのスチレン板・・・。薄過ぎて強度が足りず・・・ロッドが動くと水平尾翼が逆に捻じれる(笑)・・・。しかし問題はもっと前方に有るんだなあ・・・。このメインギヤと成る前足の車輪カバー・・・。ペラペラで地上展示中、そよ風に吹かれてヒラヒラしてました。このカバーが飛行中にヒラヒラ(フラッター)すると・・・その渦流は乱気流と成って水平尾翼を襲います。よって強度が足りずに風圧で捻じれるエレボン仕様の水平尾翼に当たると・・・エレベータを引いても乱気流なので利きません・・・。手っ取り早く有名人を目論んだ航空力学無視の博士のお犬様・・・飛ばなくて良かったね。もしハイパワーで空中に上がったら、コントロール不能で何処に飛んで行ったか解らない・・・。其方の方が大問題だ!。

● 博士の作ったお犬様飛行機の性能向上を目指すなら、上記の不良個所を改善し根本的な航空力学のお勉強をした方が良いと思います。V型尾翼にすれば上向きでも下向きでも、垂直尾翼を省略できるって考察は一部正しいので間違いじゃないんですなあ・・・。ただ其処には垂直尾翼のヨー軸を制御するだけの面積を、水平尾翼に加算したか否かによって違って来ます。福森ワンコの下半角水平尾翼を観て何も気づかなければ・・・博士のお犬様は永久に自分では飛ばせません。多分・・・主翼に対するV型尾翼の総面積は、主翼の45%~33%の何処かでつり合いが採れる筈・・・。胴体の側面積が大きいので、垂直尾翼効果は大きいと考えるのは可笑しいかなあ・・・。お尻の幅が広ければ空気抵抗は物凄くデカい!・・・。尻尾の面積が小さ過ぎてヨー軸の安定を司る方向安定性が利いて無いに等しい・・・。更に主翼の40%近い面積を水平尾翼にするなら、ペラペラのスチレン板一枚の水平尾翼では強度が無い・・・。まあ・・・空力計算した翼型を組み込んだ主翼みたいな水平尾翼が必要でしょう・・・。
          
● 当工房で犬型飛行機を試作するにあたって・・・空野彦吉さんにその事を話したら、画像のエンテ型飛行機の原寸三面図とスラストベクタリング機構の本機の動画を送ってくれました。このトンボ型の飛行機・・・ベクタリングに寄る推力偏向機能が働くと、異次元の飛び方をするんですなあ・・・。最近のジェットモデルの異次元飛行よりも、もっと簡単に面白く・・・こんな簡素化された機構でも充分ガタを殺せるんだなあ・・・って感じの自作の度合い・・・。参考に成りますなあ・・・。スケール重視を模型で作ると、甘さの残るリンケージに成ったりするんですが、此れが自由な発想と構造の飛行機なら・・・こういった強度維持機構が作れるんだ!という見本みたいなメカニズムです。エグゾーストノズルを推力変換させるから構造が複雑の成るんなら、飛行機本体を推力変換させれば良いんじゃねえか?って類の発想の転換・・・。