ANTARES Ⅰ型 (NO-19) 山本昇氏オリジナル設定機 Part-19
 
● フライングスタビライザーの形紙です。周囲を実寸の15mm増しで作って有ります。本機オリジナルがプランク無しなので、スタビ実寸(115:170×300mm)ながら強度は充分です。ただし、お約束のリブの小口のみが完全なる翼型であり、抜けてるリブ間はかなり歪な翼型に成るので・・・嫌悪感をお持ちの博士諸氏にはツッコミ処満載!(笑)・・・。でも、オリジナルがそうなってるんだから、此れでヨシ!としましょう。ひ弱そうに見えるんですけどねえ・・・昭和のスタントグライダーの名機(OK模型のディバインウィンド)のフライングスタビもプランク無し・・・。舶来レーシング(シャーレ工法)出現までは、テトラ(丹菊モデル)のホークとの二大巨頭としてスロープパッシングレースの優勝争いを繰り広げた機種でもありますが。まあ、当時からアマノジャックなモデラーも居りまして・・・空力向上にとスタビを全面プランクした人も・・・。ただ、言わば骨組み状態に単純にフルプランクしてんのと同じなので、性能がすこぶる向上出来るって訳でも無く・・・単純にテールヘビーに貢献しただけで、重心合わせの為に機首にバラストを積む羽目になり、結局その日の風速では浮けなくなってしまい・・・完走すら出来なかったって逸話も残ってます。

● 大手のメーカーさんのラジコンキットってモノは、開発期間が約1年くらいありまして・・・。あらゆる翼型を試して、日本中のお山やグランドにマッチした機体を販売しています。それと同時にキットを製作する側のモデラーのレベルに合わせた其々のキットを世に送り出しています。よってベテラン向きのキットはベテラン仕様の場合が多く、初心者さんの入門用には不向きなんですなあ・・・。一次曲面・二次曲面・三次曲面を兼ね備えた完成形に憧れる初心者さんは多いですよ。昔から言われてましたが、初心者程ベテラン仕様の飛行機を欲しがります。ネットが普及すると、此れが如実に表面化して「こんな組めない飛行機なんか作りやがってえええええ!・・・。」って、お仲間掲示板でぶ~垂れてる初心者モデラーも増えましたね。ネットで仕入れた知識だけはベテラン並みに持ってる人でも、実際の作る技術がからっきし・・・なんて人も現実に増えてしまってますしねえ・・・。メーカーさんも謂れの無い中傷を散々浴びてますし・・・。困った時代になった挙句の今回の空物ラジコンの免許騒動・・・。来るべくして来ちまった感が満載ですなあ・・・。署名数が3万人弱?・・・。え?30万人じゃ無いの?って感じですけど、何かの譲歩案は示されると思いますが、結局は施行される可能性が大でしょうなあ・・・。せめて機体一機毎の登録っていうがんじがらめな制度ではなく、乗せ換え可能なリモートIDにして一人一台期限付き更新って形に成らんでしょうかねえ・・・。それでも、充分抑止効果には成るんでしょうし・・・。運転免許だってそうなってるしね。
  
● 本機の主翼は貼り込むフィルムが二種類あります。其れが飛行中の視認性を良くしています。よって再現するには貼り込むライン毎の色分けが必要なので、形紙自体にもその切り抜きラインの指定を出来る様に細工しました。そうそう!OK模型からの情報として、秋には新型のQBスロープ16が発売になる予定との事・・・。ディバインよりも小振りですけど、その飛びは昭和の時代から定評が在って、多くのモデラーがオーナーに成りました。今の時代のモデラーにはむしろ斬新なんじゃないでしょうかねえ・・・。早く全貌が見える事を期待しますなあ・・・。QB1800も同時発売って言ってたなあ・・・。初心者さんの入門機としては最適でしょうなあ・・・。肉抜きのベニヤ部材も多くて、組立てはかなり容易ってのがQBシリーズの特徴でしたもんねえ・・・。昭和の大ブームの時は、グロー20クラスのQB機が多くの空物ラジコン愛好家を育てましたしねえ・・・。こんな田舎の島原半島にもクラブが4つありましたし、何十機のQB機が居たんだろう・・・。

● 上記の話の蒸し返しには成るんでしょうけど・・・。もし、リモートIDが施行された場合、多くのモデラーが空物ラジコンから足を洗うのを危惧しているのなら、其れも一案でしょうなあ・・・。ただし、悪い事ばかりじゃ無いと思うんだけどなあ・・・。結局の所、リモートIDが施行されて其れが定着し、一時的には愛好家は減ったとしても、政府としてはその効果がハッキリと目に見えて向上したと判断する時期が来た場合、多分リモートIDの構造自体を電子機器を扱うプロポメーカーに委託すると思うんですがねえ・・・。模型業界なんだもの、プロポ自体が小型化されて高性能に成ってる昨今、小型軽量のリモートIDの機器も発売される可能性も来るかもしれませんなあ・・・。そうなれば、300グラム以下の飛行機にも充分搭載される可能性も出てくる訳で・・・。まずは、政府の示した航空法を空物ラジコン愛好家で遵守して、暫くは昭和40年代の厳しかったラジコンクラブの時代に戻すのも好いかも・・・。27メガヘルツ6波と40メガヘルツ2波しかなかった時代でも、其れなりに楽しめたし・・・重大なる事故も厳しいクラブルールのおかげで回避してましたしねえ・・・。私自身の事ですけど、私は一度もノーコントラブルに見舞われた事が無いんですなあ・・・。よって模型業界におけるルールとマナーを守ってれば、こういった悪しき事態は回避できる50年間も在るって証明ですよ。
  
● 不定形である本機のバーチカル(垂直尾翼)のフィルムは、形紙の両面を使って切り出すとはこういう事なんです。前後と上下が不定形に左右対称なんだから、同じ方向を二枚切り出してしまうとどちらかの裁断フィルムは貼り込み不可能に成るんです。此れで失敗してフィルムの寸法が足らなくなり・・・泣く泣く模型店に出向く・・・もしくは通販先の到着待ちで週末の品評会に間に合わなくなった・・・って話も空物ラジコンあるあるなんですなあ。当工房の主でさえ、初心者の時代はやらかしましたしねえ。形紙作って採寸したら、こういったポカ的ミスもしなくなりましたなあ・・・。模型店のオヤジからの指導じゃ無くて、飛行場に出向いた際のベテラン諸氏の年長さん達からのアドバイスでした。グランドで飛ばす動力機は矩形翼が多かったので、こういった失敗は少なかったんですが・・・グライダーって奴は、初心者用でもテーパー翼って当り前の時代でしたしねえ・・・。教えを請うたベテランモデラーさん達と現地で語らいながらの知識の習得・・・。此れが当り前の時代でしたからねえ。
 
● 形紙使うとフィルム貼り込みが楽ですなあ・・・。自分で言うのも何ですけどねえ(笑)・・・。前作のヴェガと同じ工作なので、手順は粗同じです。当時の山本さんは、ソラーフィルムを多用されてましたが、其れも頷ける貼り込みの面倒臭さ・・・。多分・・・オラカバフィルムの方が貼り難いでしょうなあ・・・。使ってるのはオラカバドライなんですけどね。ソラーフィルムって奴は低温で貼るのが基本なので、鏡面仕上げのこて先アイロンではフィルムの表面が食い付いてしまい、滑らせ難いっていう短所がありまして・・・。そういうアイロンをお持ちのモデラーなら、間にA4程度のコピー用紙を挟んで中温程度に加熱させれば滑り易くなります。そういった貼り方もソラーフィルムには必要なんですけど、良く延びるフィルムの特性を充分発揮できる様になります。
 
● 本機アンタレスのカバーリングフィルムなんですが、多分ラジコン技術の編集室にはカラー写真が残ってるとは思いますが、印刷写真からは色が解りませんしねえ・・・。はたしてブルーのトランスパレントで良かったのかどうか・・・。もしかしたら、真っ赤だったのかも・・・。どちらにしても視認性は良い方なので、今回もヴェガ同様ツートンカラーとし、ブルーを採用しました。しかし・・・オラカバの10メートル巻きフィルムの使い勝手は好いですなあ・・・。何れ主翼にも使いますが、まだまだ余裕が在るので後何機分貼れるのかって安心感もありますし・・・。
 
● 胴体のフィルム貼り込みは一応終わりました。あとは細かい所の修正やらボロ隠しやら・・・。金曜日に形紙作って、本日日曜日・・・。歩みは巷の亀さんよりもノロいですなあ。でもですなあ・・・作って楽しみ飛行機を作り溜めて、飛ばす飛行機が完成機状態なら後はメカを積むだけ状態なので何時でも出撃可能です。アンタレスを作ってる最中に、寄せられたモデラー諸氏のメールの何と多かった事か・・・。多分、私と同世代か上の人達でしょうなあ・・・。一様にキットにしてくれ!だの・・・生地完成で販売してくれだの・・・無理なんだって!・・・。ライセンスを貰ってませんしねえ・・・。よってラジコン技術のバックナンバーを持ってる人なら、山本さんの製作記事以上の要点満載で記事を書いたんだから、やる気のみを発揮すれば同世代の人なら造れるでしょうなあ・・・ってお話ですよ。
 
● 本機の主翼に貼り込むブルー部分のフィルムを裁断しました。左右対称上下の面分なので都合4枚です。同じ方向二面分を形紙の両面から切り出しています。主翼の貼り分けなので中央部分は斜めに裁断しています。この状態のシートを4枚切り出すと・・・最悪二枚分は使えなくなります画像の状態で言うなら、一枚は左翼の下面に貼り込めますが・・・二枚目は右翼の上面にしか貼れません。他の二枚は?・・・残った面にも貼れなく成るんですなあ・・・。
 
● 左右対称に貼り込む為には、フィルムも左右対称に成る様にフィルムを裁断せねばなりません。別に矩形翼(長方形の翼)なら何の問題も無いですよ。同じ形状のシートを4枚切り出しても・・・。模型店のオヤジさんに言われた通りに、初心者さんは初心者用の飛行機を作ってれば、何れ画像の様な知識も模型屋さんが教えてくれます。ネットでラジコン一式を全て揃える現在のモデラーさん・・・こういった裏技的な知識は得られませんもんねえ・・・。初心者だってバレたらバカにされるかも・・・が先行しちゃうから・・・。大手老舗のメーカーさんでも、個人の掲示板をお持ちの様ですよ。そういった専門知識の宝庫を活用するのも一つの手段・・・。バカにされる?・・・そういった雰囲気を出してる掲示板やら飛行場には出向かない事です。

● 模型メーカーのページの掲示板に直接聞いてみるのも一つの手・・・。日本中を行脚してるんだもの、初心者モデラーを大事に扱う老舗クラブも沢山存在しています。過去のお話なんですが、鹿児島の川内市の先代ラジコンクラブに出向いた際、事務局のある模型店経由で初心者さんがやって来ました。お手持ちのグロー20クラスのショルダー機・・・。クラブのベテランさんの指導で、飛行させる事数回・・・。一回約10分のフライト4回目で、上空単独八の字旋回をマスターし・・・、6回目には離陸と着陸まで自分で出来ちゃいました。最初はやっぱりバカにされたくない一心で・・・「シュミレーターで練習してきた!。」って力説してたんですけどね。結局シュミれーたみたいに飛行機落ちても壊れない状況じゃ無いですもんね、実際は・・・。だから小破したら修理しないと飛べませんし・・・。でも、丸一日使って其れなりに単独で飛ばせる様に成るんですよ。ベテランに教わると・・・。要するに、正規のルートを順当に進めば知識と技術が同時に身に着くというのを言いたい訳ですよ。
 
● 恐るべしアンタレス・・・。主翼のフィルムの貼り分けに丸二日を要するとは・・・。やっと主翼本体が終わったんですが、今度はフラッペロンとなる動翼の被覆が待ってます。本機のフラッペロンは、全長がまんまの900mm。おまけに幅広で主翼面積の1/6のサイズです。下手な貼り方と取り付けではフラッターの原因とも成るので、細心の注意が必要です。もう暫くフィルム貼り込みで拘束されそうですなあ・・・。
 
● ですが、全貌も見えて来ましたね。此処まで来ればフィルム貼り込みの面倒臭さは幾分解消されました。自分で言うのも何なんですが・・・、中華製の完成機よりも趣が有りますなあ・・・。如何にも昭和って感じのデザイン。当時、欲しくても本機のキットが無い以上、自分で作るしかないんだが・・・。自分で生み出せる技術が身に着けば、まあ・・・形になってくれるんですよねえ。何だかんだ言いながらも、作ってしまえる自分を褒めたくなりますなあ・・・。アウトラインと設定は山本オリジナルと全く同じ・・・。昭和の製作記事の活字のみの試験飛行と全く同じ状況が約束されてます。世間はコロナの終息に向けて今歩み始めたばかり・・・。ワクチン接種で重篤化をしないだけで感染はしてしまうんだから、誰かにお土産を持って行かない様にもう暫くは、様子見の行動で本機アンタレスのテストはお預けでしょうなあ・・・。ただ、完成させてその日の為に備えておきましょう。
 
● 世間はもう秋の装い・・・。ところが、交通誘導ってお仕事は日中ずっと同じ場所に居るもんで、お日様に晒されて暑い時は滅茶苦茶暑いです。最近二人片交(交通誘導)から一人片交に代わったので、まあ、ピーク時の車両の流れの多い時は忙しいの何のって(笑)・・・。よって幾分身体が馴れたって言っても、仕事終わりの寝るまでにさあ!飛行機製作!って気には中々なりません。先日、遠方遠征で一人片交をやってきたら、翌日は休みにしてくれたので助かりました。流石にその日は眠気優勢・・・。お風呂入って夕摂ったらそのまま爆睡・・・。翌日の午前中からフラッペロン動翼のフィルム被覆を開始しました。山本オリジナル機と全く同じアウトラインで造り、更にフィルムの被覆ラインも同じデザインです。スパン1850mmの主翼ながら・・・完成した姿は一言。デカいなあ・・・ですよ。まず、市販の飛行機ではお目に掛れないデザインですなあ・・・。コンセプトを色々と詰め込むと、まあ、こんなフォルムには成るんですなあ・・・。
 
● 私と同世代ならば、順当にラジ太を続けたモデラーならご存知の筈。当時の山本さんの機体製作技術は、その時代の模型業界の状況を如実に表現しています。ただし、其れがオールマイティじゃなくて、明らかに個人の拘りによって生まれた飛行機だって事です。よって、メーカーのキットだけ作っていたのでは、到底この領域には到達出来ません。ハッキリ言って構造が難しい・・・。当時のキット作り倒しモデラーでも完全複製が難しかったんだから、そら!複製機がネット上に上がって来ないのも頷けますなあ・・・。フライングスタビライザーの内部クランクホーンが、真鍮板から切り出されて・・・更にピアノ線のカンザシが溶接されている。そして更にピッタリのパイプと勘合させてある。当時はまだホームセンターも無い時代・・・。造れるモデラーはその時代の熟年ラジ太さんだけだったんですなあ。よって若手の加工技術の無いモデラーは置き去られていた居た時代。材料の入手、加工に必要な機械・・・そして、組立ての為の専用治具・・・。そんなモン、知識と技術の浅いモデラーには難しい世界でもあったですなあ・・・。

● そして現在の私・・・。多分、本機製作の山本さんの年齢を当時よりもかなりオーバーしてますけど、その時代に沿った材料で組み込めるんですから、言い換えてみれば途中で挫折する事無く模型歴を重ねて行けば・・・出来ちゃうんですなあ。多分、当時のフライングスタビの軸受け構造よりも強固なベルクランクホーンが・・・。別にミニチュアベアリングを仕込んで、軽くスムーズに動く・・・なんて難しく難しく考えなくても、市販のカーボンシャフトとパイプを組み合わせて作れば好いじゃん!って結論は、まあ、ラジ太を続けてれば何れはその答えが見つけられるんですよ。何も一発で誰も真似できない機構を・・・って考えちゃうから、誰も真似してくれません。自分のブログの記事を見せつけて閲覧数アップを目論のなら、誰でも真似できる斬新なアイデアを掲載すれば良いんですなあ・・・。自分の高度な技術の品評会だなあ・・・って閲覧者が思えば、そら、コメント欄には誰も応答してくれんでしょうなあ・・・。明らかに路線が違うんで・・・。私のページには掲示板が無いのでどの位の閲覧者数が有るのか、殆どの人が知りません。カウンターを載せると人気のバロメータには成るんでしょうけどね。と、同時に、悪い事考えてる人もスパムを仕込んでくる(笑)・・・。まあ、強力なバリケードとスパム追っかけ部隊がガードしてくれてるから良いんですけどね。私のページのコンテンツが多いのは、其れなりの理由が在って。ページごとの閲覧者数が見えるので、その記事を強化できるって強味も有るんですなあ。
 
● 主翼上面のフィルムの一部を破って、スポイラーの台座を露出させます。この部分はメインスパー側にテープヒンジのラインが来るので、予めクリアラッカーを刷毛塗っておきました。フィルム自体が厚めのオラカバドライですので、見付が細いと剥がれ易くなります。そこで、接着剤代わりと成りフィルムの粘着面と相性の良いクリアラッカーを先塗っておきました。この技術は、昭和の40年代の食い付きの弱かった時代のフィルムにも応用されました。ただし、塗り過ぎてバルサの木目を完全に塞いでしまうと、空気抜きの細かい孔も塞がるのでフィルムの中に残ってしまった空気が抜けずに処理が大変に成ります。塗り込みも程々に・・・。
 
● 山本オリジナルのアンタレスも同様なんですが、厚さが3mm程しかないスポイラー板にフィルムを貼り込む場合、両面に貼り込まないとフィルムの引きが強くて反り返ります。反らない様に平面にするには、色は変わっても同種のフィルムを両面に貼り込めば良いんです。このスポイラー板側の3mmの厚みの面には、クリアラッカーを刷毛塗っておきました。此れで、フィルムの中では厚めの部類に入るオラカバドライにも対応が利きます。
 
● OK模型に発注していた材料が届きました。画像の左側は幅300mm×600・900・1200mmで採寸してある3mm厚の両面シナベニヤです。ベニヤ部品を主体とするキットメーカーなら入手可能の場合が多いですね。まあ・・・値段は其れなりに張りますが、OK模型と言えばベニヤ主体の飛行機キットQBシリーズが有名ですが、其れ等と同種の両面シナベニヤです。片面シナで裏面ラワンの反り捲る合板とは大違い。適正な保管ならば数年は持つという高級品です。どこぞのメーカーの胴体部材で、片面シナの合板を使って左右対で必要な側板材を、同じ方向でダイカットする様なメーカーさんじゃ無いですよ。ベニヤの特性を知り抜いたメーカーなので、仮に沿ったベニヤの場合・・・左右対称に反る様にダイカットしてあるので、修正が楽だったりします。右側は厚さ1,7mmの両面シナ合板・・・。小物部材の切り出しがとても楽に出来ます。

● 例えば加藤無線(MK)の40クラス以上のバルサキットの翼端ブロック材・・・。後縁の先端に溝が切ってあったでしょう?。溝の幅は2mmなんですが、この溝に接着剤を塗って1,7mmのベニヤを差し込んで削ると、かなり強固な翼端材になるんです。当工房も当り前に加工して組み込んでますが、量産キットの場合は幅が2mmのチップタイプの丸鋸で切り込みを入れてます。要するに、内張り材として使う場合は0,3mm分の接着剤の肉厚まで計算してある厚みって事ですよ加藤無線とは所属する組合が違ってるOK模型ですが、ラジコンキットのノウハウは其々老舗中の老舗同士なので、こういった細かい心配りが行き届いているんですなあ・・・。
 
● 画像のAフィルムは、次回作の萱場A3ー1型に貼り込むスカイブルー色とホワイト色です。取り敢えず貼り込むフィルムの確実性を狙うなら、扱うメーカーから直接取り寄せるのが一番です。ネットのオークション品ってのが一番ヤバい・・・。何時製造されたフィルムなのか?どういった環境で保管していたのか?等の質問をしてから値踏み合戦に参加する事をお勧めしますなあ・・・。とんだ期限切れフィルムを掴まされるトラブルが続出してますしなあ・・・。

● まあ・・・長いフレキシブルだ事・・・。本来のOK模型のフレキシブルロッドは、定尺が1200mm・・・。当工房は大型グライダーの尾翼リンケージロッドとして多用してます。テトラ(丹菊モデル)からも同タイプは出てますが、使用方法が若干異なるので使い易さだったらOK模型の製品の方に軍配は上がりますなあ・・・。最近のプロポはおりこうさんですしねえ・・・。こういった尾翼リンケージロッドをスムーズに動かすなら、なるべく直線的配管が好い訳ですよ。オマケに軽量且つ指向性のある材質なので、EZの完成機には必ず組み込まれていましたしねえ。

● そうそう、過去の熊本での大会くじ引き商品に出したら最後まで残ってしまう様なミテクレが悪いって評判なんだが、本来は飛行機の腹ん中に納まる部品ですしねえ。動きが確実なら使った方が方が良いんですよ。星形のインナーパイプオンリーをアウターにして、内部にワイヤーを通せば胴枠との相性は抜群の接着力・・・。団扇みたいにデカいヴィンテージスケールのグライダーなら、両引きにすればニュートラル性の大変良いリンケージが可能に成るんですなあ・・・。まあ、安くは無いんだけど・・・。当工房のスパン3mクラスのスケールグライダーの胴体の全長は1500mm近いですけど、1200mmも有るんだもの・・・継ぎ目無しで使えるのが良いんですなあ・・・。
 
● さて!・・・。キャノピー成型の第一弾・・・。見事、失敗の良い見本のご紹介です。大いに笑ってくれても結構ですよ。まあ、失敗は想定済みです。色々と改良の余地も残しての失敗なので、今後の改善に期待出来る失敗と言う事ですかな。見様見真似と言うよりは、真空成型器ならこういう装置は必然的な訳ですが、まあ・・・動画サイトのお手軽成型器の成功例には、並々ならぬ陰の失敗例が存在しとるんですよ。OK模型の工場長であるN氏でさえも、試作木型を一発で綺麗に成形出来ませんしねえ・・・。何回かの試し打ちの末に、適正な加熱時間とブリッジ消しの配置で最良の状態を見つけとるんだし・・・。本格的な成型器でもそんな案配です。其れを自作成型器で一発で美麗良品なんて無理なお話・・・。まあ、世の中のコンテストフライヤーさんの、初心者時代とよく似とるんですよ。ぶ~んガチャン!をくりかえした先に、ガチャンをする前の回避行動が出来る様になるんですから・・・。
 
● 充分加熱し過ぎた一発目がこの状況・・・。白く濁って泡拭いたシートの部分は熱源が強過ぎた証拠です。引きの甘い部分は加熱不足です。成型機に開けた吸着の孔があまり機能していません。というよりも、上手く吸い切れていない状態ですなあ。本来ならばシート全体が同じ柔らかさに成らないと、木型と成形台の境が上手く出てくれないので画像の状況は木型周囲のシートが柔らかく成っていなかったの証明でもあります。
 
● さて・・・。同じ失敗を繰り返さない様にする為の次なる一手の第一弾。まずバキューム成型の重要なるアイテムの改良でしょうな。画像は業務用掃除機なんですが、吸引ゴミの収納袋を付けた状態だったので、引きが弱くなった原因とも言えます。よって次回からはこの収納袋を外してテストしてみましょう。吸い込むのが空気のみなので、吸引の抵抗に成るものは無い方が良いんですよ。業務用の成型器のバキューム装置はもっと強力ですよ。此の掃除機でも飼い猫が尻尾を吸われて悲鳴を挙げるくらいですしね(笑)・・・。だったら掃除中に寄って来なけりゃ好いのに・・・って言いたくなるんですが。お掃除ドローンのルンバ君に阿多を仕掛けて反撃食らうネコさん多数。あのサイズでも吸われたらネコさんは悲鳴を挙げますし・・・。ゴミの収集袋を外した業務用掃除機・・・吸い込む力は最強でしょうなあ・・・。寄って来んなよピアさん!。
  
● 改良点は他にも在りますなあ・・・。まずは吸着台の吸引孔をもっと大きくする。現在の孔は直径が3mm程度なので、此れを5~6mmに変更する必要が出て来ました。吸引ホースの面積よりも、吸着台の孔の合計の面積が大きくなると吸引力が弱く成るんですが、其の為には掃除機のパワーを挙げる必要も出て来ます。ところが、そういう吸引過多の業務用掃除機は値段も飛び切り高いので、手持ちの掃除機で何とか工夫する必要も有るんですなあ・・・。

● お次は加熱器の内部・・・。予想に反してその熱源の強さには脱帽してます。アルミ箔を溶かすほどの熱源だとは・・・。此処は輻射熱の恩恵を受けさせるなら市販の亜鉛板(トタンの板)に貼り替えた方が良いでしょうなあ・・・。このままでは何時か発火して火事になるかも・・・。シートの泡拭き部分がセンターのコイルに集中していました。泡が吹かない部分も有ったって事は、此処に熱源が集中してしまったって事ですなあ・・・。本格的な加熱器は両端の平行配置のコイルと同じです。よって他のコイルも全て並行配置にした方が良いのかもしれませんなあ・・・。よって加熱器の大改造は必至でしょう。さて配置を変えると、再びシートが泡を吹くかも知れません。その場合は加熱器の高さを変える必要も有るでしょうなあ。何はともあれ・・・熱源は充分ですよ。これ以上の熱源は事故の元・・・サーキットブレーカーを吹っ飛ばす事無く次回の試し打ちに備えます。(Part-20に続く)