SLOPE-CAT-NEO (新設計・新デザイン海岸スロープ対応機)
● Wybernー1500の設計開始

● 画像左側はスパン900mmのバンジー専用の試作機です。翼型は完全対称を採用しています。強力なバンジーゴムで加速し垂直上昇させ、上空反転急降下・・・地上10m付近で水平飛行させてロール系ループ系の演目を行う競技に用います。無風時のスロープサイトでのお遊び機としての扱いも出来ますが、フライト時間は1分少々です。右側の機体は、2セルリポで飛行出来るセスナタイプのプッシャー機です。テスト飛行は熊本地震で崩れて入山不可能になる数年前の俵山(扇坂)サイトで行いました。モーターを停止させても吹上風のみで飛行出来るので、弱風時のスロープサイトで飛ばせる性能があります。ただし・・・スロープサイトでは衝撃に弱いリポバッテリーは禁止されている所も多いので、ハードケースで守られたニッケル水素バッテリーの仕様でテストしました。浮きも良く走らせ易いので、航空法に支障の出ないが標高の低い海岸スロープでのフライトも可能な設定にしています。

● 過熱し・・・過激し過ぎるラジコン模型界に制限が加えられる法規の施行から既に一年以上が経過しました。昭和の先人達が苦労して業界を盛り上げて下さいましたが、ラジコン模型の世界は犯罪も誘発しかねないレベルにまで達してしまい・・・来るべき時代が来てしまった感じがします。ホームページ開設以前から危惧していた・・・個人モデラーによるラジコン模型機による空撮が過熱し過ぎた結果、ラジコン模型マニアにとっては受け入れ難い法規の改正が施行されてしまいました。

● 普通のラジコン飛行機は人に当てると大怪我が確定します。という文言を踏まえた上で飛行機は飛ばさなくてはなりません。しかし、スチレン製の機体は人に当てても大丈夫!なんてキャッチフレーズで販売された機体もありました。この辺りから・・・ラジコン飛行機の危険度合いが薄れ始めた時代が来てしまった様ですね。

● 専門誌やインターネットに掲載された無人機(空物ラジコン)の空域のガイドラインは、法規改正で初めて決定した状況ではありません。私が航空自衛隊の基地内でラジコン飛行機を飛ばす状況において、自衛隊側が定めた空域でした。今回施行された法規のラジコン空域の飛行範囲は、昭和53年当時の我が築城基地の飛行可能エリアと合致しています。

● F3A機のコンテストに使用される空域(演技エリア)やスロープグライダーのパッシング競技の飛行範囲もこのエリアに合致しています。このコンテストルールが昭和の数多くのサンデーフライヤーにも適用されていましたし、クラブ員のみならず空き地や飛行可能な場所全般においても当たり前の状況でした。しかし・・・ネットの普及と共にこのルールが崩れて行ったと思います。

● 崩れ切って暴走しきった現状からの法規改正ですので、昭和40年代から50年代を知らないモデラーには納得し難いルール改正だったでしょう・・・。昭和の時代においてもラジコンエンジンの騒音規制に伴い、消音効果の高いサイレンサーが開発されましたし、燃料もひまし油系から合成系に転換した時代から環境に優しいバイオエタノール系に変化しつつある様です。

● 時代に沿う様に模型業界も変化しなければなりません。隠れてこっそりやってると仲間が増えて再び暴走が始まります。こうなると・・・最悪・・・資格制(ライセンス)から免許制?なんて時代になるかもしれませんよ。免許があるから過激になっても良い!って考えはやっぱり規制の対象にされてしまいます。そうなる前に・・・個人レベルでの現状回帰が必要な時代とも言えます。

◎ 原点回帰の機体設計

● 今回のスロープキャットの拡大版は、このキャット自体が元々のサイズに戻るだけの何の変哲もない事です。時代の流れで小型のスロープグライダーを開発しましたが、国内のモデラーさんからの扱いが過激路線への改造機へ変化されつつありましたので、仕様変更となりました。

● 拡大版のキャットなんですが、標高の低い上昇風帯の狭い空域でも充分なアクロバット性能を有せるコンセプトになっています。扱うフライヤー諸氏の限定と書きましたが、改正された航空法の空域を順守出来るモデラー向きの機体だという事です。ネット掲示板で扱われるネタ機ではありませんので、そういう性能低下を招く改造を好まれるマニアさんは、購入を控えて下さい。

● 基本的にバンジー仕様のキャットだったので、翼面荷重は動力仕様の機体重量と同等にしていました。今回のキャットは翼面荷重をモーターグライダーのレベルまで軽量化しましたので、風速3~5メートルの中風域でも充分飛行が可能な仕様となりました。
 WYVERN(ワイバーン)
● ワイバーンとは、北欧神話に登場する古代恐竜の名前です。古代の文明人によって手なずけられた生物兵器という扱いです。元々知能が高く人間とのコミュニケーションもとれる程の従順さでしたが、それゆえに・・・仲間である人類よりも自分達が優れていると実感した彼らは暴走し、人類を見下し、最終的には人類からは恐れられる存在となり永久に北極の氷の中に幽閉される事となりました。

● そして時代は流れ・・・現在、地球温暖化により極地の氷が解け始め、彼らは復活し次々と現代人を襲い始めます。その行為行動が動物的では無く常に計画的な用意周到さなので、現代人でさえその対処法に苦戦します。ワイバーンとは世間一般に知られている(ドラゴン)の別称です。

● 今回の機体(ワイバーン)は、オーナーとなるモデラーの扱い次第では・・・危険な部類に入ってしまいます。原点回帰のラジコン飛行機はバルサとベニヤで構成された、堅牢な構造を有しているクラシカルなデザインなんですが、現代の規制の範囲で必要な安全基準を盛り込んだクラシカルなフォルムの飛翔体となります。くれぐれも性能と強度を落とす様な更なる軽量化は止めて下さい。