Part−5


● 主翼プランク材の型紙を作図します。図面よりも僅かに広めに採ってあるんですが、角度等は図面と同じです。これをバルサの定尺シート(幅80mm)に合わせて3分割の型紙に分けます。

● 僅かに幅80mm方向で材質の違う限りなく板目に近い柾目の4枚続きのシートを使ってプランク材を切り出していきます。上下二枚ずつのシートが其々左右に分配されます。これにより左右の主翼のプランク材の性質と重さが均一と成りますので、接着剤の量をキチンと管理して組み立てれば左右の主翼の重さは粗同じになります。

● 良い機会なので組みバルサ以外のプランクシートの採り方を紹介します。定尺(長さ900mm)方向に完全なる順目の板目材がバラ(組みバルサでない単体シート)であれば、合わせ取りという方法で左右の翼のプランク材を切り出す事が出来ます。片翼のスパンが450mm以下の機体の場合は、この順目のバラシートを二分割して左右の主翼に振り分ける事が可能になります。右側の画像の小さく記してある矢印が、其々の切り出されたプランク材の前方方向になります。基本は二枚組みの組みバルサなんですが、この方法なら材質がソフトでもハードでも板目でも柾目でも左右のプランク材の振り分けが出来るんですが、バラシートを使用する場合は板目の素直な順目のシート限定となります。

● 合わせ取りのメリットは捨てるシートの範囲を少なくする事が出来ます。左の画像の右上には合わせ取りのプランク材のシートの残りが定尺幅80mmのまま組みバルサで残りました。このシートは他の左右振り分けのプランク材の材料として使用する事が出来ます。右画像の金属スケールは600mm用なんですが、型紙を使用すると各分割のプランクシートを600mm以内で切り出す事が可能になりますので、残せるシートが大きく採れます。

● 其々のプランク面に合わせて順番を間違わない様に分割されたシートをセロテープのスポット張りで結束していきます。今回はつなぎ目がよく解かる様にボールペンのラインを僅かに残したまま接着していきます。

● セロテープでスポット張りして結束したシートを反転し、木工ボンドを塗り広げて小口同士を接着していきます。この時裏面にもセロテープをスポット張りして時間を長めに取り自然硬化させます。

● 自然に硬化させてボンドが固まったら貼りこんだ両面のセロテープを全部剥ぎ取ってしまいます。はみ出して硬化したつなぎ目のボンドのデコボコを完全に取り去る為に、大き目のサンドペーパーホルダーを使ってシート全面に均等にサンディングしていきます。大きさ比較で使用したホルダーのサイズは100×200の範囲を持っています。こういう大き目のホルダーの方が仕上げが楽になります。(時間は掛かるんですけどね)この時・・・、表面に残ったボールペンのケガキ線も全部削り取ってしまいます。

● 冶具板の製作で使用した主翼全面の型紙とほぼ同じ形状のリブ組み翼が完成しました。プランク材のシートサイズは4枚共全部同じ面積で仕上げてあるんですが、半対称翼なので翼の上面の方が面積は広くなります。そこで余裕を持って上面プランク材にも僅かに大きめの寸法を採りましたので、下面のプランク材では上面材より少し大きめの捨てバルサが出て来ますが・・・、寸法足らずで慌てるという事態には成りません。

● アルミのアングル材とマチ針を使って木工ボンドを接着剤に主翼下面のプランクを行います。プランクシートを貼りこむ前にリブの表面に中る部分に前以ってセロテープを貼り込んでおくと、テープの粘着質がマチ針で開けたバルサの小孔の戻りを防いでくれますので、確実に翼型に沿ったプランクが出来ます。アールがきつい場合はセロテープを何層にも重ね張りして粘着力を強めてやると良いと思います。だったら!・・・電気配線の絶縁用粘着のビニールテープを・・・っとネットの博士は考えるでしょう。一度使ってみると解かるんですが・・・、後で必ず後悔します。粘着力が強すぎてバルサのシート面に粘着物が残ってしまい・・・、取り去るのに苦労するでしょう。削ったらそこだけ大きく凹みますよ。

● スチレン材が剥き出しだった指かけ付近の面をプランクした画像です。基本的にどんなフィルムでも確実に貼り込める様にと考えた構造ですので、フィルムの貼り込む面は全てバルサ材でコーティングしてしまいます。この構造を使って更なる発展形状を目論んでおられるマニアの方には愚問なんですが、スチレンリブの表面を幅広のセロテープ型粘着シートで覆ってしまうと、クリヤラッカーを吹き付ける事が可能になりますので、紙張りや絹張りの塗装仕上げも可能な範囲に成ってきます。

● 主翼の両翼端には垂直尾翼がビス止めされますので、翼端付近の補強を行います。試作型では接着してしまう構造でしたので翼端のプランクはリブ面のキャップのみでしたが、ビス止めともなると強度的には弱くなりますのでこの様な補強が必要になります。今一ピンと来ないマニアの方は主翼と胴体が一体型の機体と分割型の機体を想像して下さい。分割型の方が構造が複雑でしょう?。大御所さんやテストフライヤー諸氏の愚図りにも似た要求に根負けした結果の加工です。

● 主翼下面のプランクがほぼ終了しました。基本的にこの翼下面の作業工程と同じ動作を翼上面に施す訳ですが、上面のプランクには最初にリブ組みの冶具として使った冶具台を再び利用する事になります。リブ組み工程の冶具台の構造物の中で、ビス留めのパーツが多く見られると思います。この部分のパーツは今回のプランク工程には必要ありませんので、最初から外せる様に作ってありました。更に主翼自体には捻り下げが要りませんので、冶具本体にも捻り下げ用の配置調整はしてありません。この冶具台の設定通りの位置で組み上げれば良いのです。


● 上記のイラスト画像は市販されている各メーカーのバルサシートの種類と区分を表記しています。バルサのシート材質は大きく分けてハード・メディアム・ソフトと三種類に分類されています。イラスト図のGPとはグローエンジン搭載の飛行機という意味です。使用する材料もはっきり分けてこの三種類の材質がメインになります。ところが・・・時代が平成に成って来ると電動モーターのパワーがエンジン並みになってきました。しかし、モーターのパワーは有っても・・・そのパワーの源である電源がやっぱりまだ重い・・・。そこで各メーカーさんはEPラインのメディアム材をメインに使う様になりました。

● 主翼上面のプランク中の画像です。主翼自体は十数個の事務用クリップで冶具台に固定されています。言わば圧着された状態です。最初の製作記事の冶具台の工作工程をもう一度見て下さい。この冶具には捻り下げの設定を入れてありません。その代わりに捻じれの付かない様な強固な冶具構造としましたので・・・、捻じれを付けない素直な主翼のプランク冶具としても使える訳です。

● 冶具台の状況の画像です。細かいビスは冶具の部品を留めていたものです。本当の所は・・・工程を変更した為蹴り飛ばした固定部品も少なからずあります。次回のロットからは可動式部品として変更を加えれば良いだけですので、冶具の基本構造に影響は出ません。右の画像を見て前縁材は厚さ3mmのはずなのに、何となく5mmぐらいに見えるって人は多いと思いますよ。1mm方眼紙の3mm角の対角線上を計測してみてください。5mm近くになるはずです。

● 主翼上面中央のプランク中の画像です。完全にプランクシートで塞いでしまう前に、テグスワイヤーの両引き用・アウターパイプをエポキシ接着剤で内蔵固定します。途中のサブスパーの上下ストリング材を利用して、パイプの振れ止めのパネルを加工して取り付けておきます。

● 極端に浅い角度でのパイプの出口という訳ではありませんが、接着剤が完全に硬化したら主翼の表面に合わせてカッターナイフで削ぎ落としてツライチとします。多分(スチレン世代)のマニアの方には受け入れ難い余計なリンケージに見えてしまうと思いますが、ファンフライ感覚でサーボから細いピアノ線一本のクランク・Z曲げリンケージでは本機のエレボンは確実にフラッターを起こします。しかし、テグスワイヤーの種類を問わず両引きのリンケージなら片引きにありがちなバックラッシュ現象が絶対に起きません。本機のエレボン動翼面は最大幅60mm近くになりますので甘い片引きのリンケージではフラッターが発生し易くなります。言い方は厳しいのですが・・・、初心者ほどベテラン好みの簡素化リンケージをしてしまいます。

● エレボン材の冶具を主翼後縁付近に置いてみました。翼端に行くに従ってエレボンの後縁が上がっているのが解かりますか。初心者の方がよく勘違いされるんですが、主翼に捻り下げを付けているのに「これじゃあ〜、捻り上がっているじゃないですかあ!。」って飛行場で注意された事があります。主翼の捻り下げって言うのは主翼の前縁が主翼中央の基準ラインよりも翼端の基準ラインが下に位置しているという事です。初心者の方相手に言葉で説明しても理解して貰えそうもありませんが、飛行場のベテラン氏やネットの大御所達に掲示板で聞いてみて下さい。結局は同じ説明になろうかと思います。

● 本機の冶具では翼端側が極端に捻り下がって見えると思うんですが、実際には断面がテーパーですので画像ほどの角度は付きません。画像では解かり難いのですが、翼端に行くに従ってエレボン動翼の幅が狭くなっています。仕上がる主翼形状の全体から見れば後縁は前進角と成ります。

● エレボン冶具自体は然程難しい構造でもありません。見たまんまです。前縁側を基準にして後縁側をテーパーにしてその間の台座を原寸取りして固定すれば良いのです。この構造で普通に馴染ませてエレボン材は簡単に捻り下がってくれます。一条氏の萱場型のSカンバーエルロン材の工作方法と山本氏のヴェガV型のエレボン材の工作方法の進化型が本機のエレボン冶具です。山本氏の製作記事を見れば解かるんですが、30分硬化のエポキシ接着剤を使って捻じれの無いエレボン動翼を組み・・・、エポキシが硬化を始めたらすかさず捻り下げを付けよ!って・・・、結構アナログチックな方法も使われているんですよ。嘘だと思うんだったらラジコン技術の製作記事を読んでみてください。ただし、この方法は経験が物を言う調整のやり方です。多分・・・独自の角度冶具を傍に置いて捻っておられると思いますよ。記事には書いてありませんけどね。山本氏の性格ならっていう私の想像なんですが・・・。

● 画像の角パイプは厚みが3mmのアルミ製です。全長2mあります。本来の使用目的は翼長3mを越えるセイルプレーン型の無動力グライダーの翼内に上半角の付かない主翼を作る時に使う限りなく直線に近いパイプです。テーパー翼の主翼に使うメインスパーの構造を二方向テーパー型スパーに加工する時の冶具として購入しました。値段は・・・決して安くありません。目ん玉が飛び出るほど高いと思います。材質は7075−T6という航空アルミ材に属しているからです。この角パイプにカーボンロービング材を挟んで硬化させた10mm角のヒノキ棒2m分を翼端側では5mm角に成る様に直線を罫書き・・・両面テープでパイプに貼り付けてから時間を掛けて少しずつカンナで削って行きます。当然仕上げには小ぶりの角パイプで作った全長1mのサンドペーパーホルダーを使って直線を出して行きます。お金持ちの大御所さんからのビンテージグライダーの発注機種に使います(笑)。この角パイプにエレボン冶具を直接両面テープで貼り付けると、狂いの無い最初の設定角を保ったままの状態でエレボン材のリブ組み構造体が出来上がります。個人のマニアで此処までやれ!って言いませんが、この応用方法は色んな道具で代用は利きますので、頭の良いマニアの方は挑戦してみましょう。

● 主翼の前縁に厚さ5mmのメディアムバルサのアウター前縁材を30分硬化のエポキシ接着剤を使って貼りこみます。たとえ・・・・着陸時に木々に翼を引っ掛けてもアウター前縁材のみの破損で済む様にする為です。間違っても得意満面!ギャラリーの眼前を格好良くローパス!・・・なんて考えない方が良いと思います。バルサ機と言えども人に当たれば人が怪我する普通のラジコン飛行機だからです。「人に当てても大丈夫!。」って馬鹿な謳い文句で販売している(プチ・トレーナー)と一緒くたにしないでください。

● 垂直尾翼の下面にブロックの棒材を貼り込みます。このブロックを貼らないと尾翼固定のビス留めの台座も出来ませんので、エポキシを使ってガッチリと接着します。このままでも普通に飛ぶんですけどね(笑)・・・、これにコクピット・ノーズが着くともっとカッコイイ機体フォルムになります。量産機ではキャノピーを基準に汎用性を高めてみようと思います。製作記事トップ画像の基本形の他に此方が指定するサイズの範囲の中のキャノピーをお持ちのマニアの方の発注の場合は、なるべくそのキャノピーのラインに合わせてノーズコクピットを作ります。基本の仕様は変えられないのですが、ノーズコクピットのキャノピーの形状で機体の印象が大きく変わる場合がありますので、キャノピーのみ生き残っている機体をお持ちのマニアの方は御連絡ください。1/16ゼロ戦(ラトルスネイク製)のキャノピーでも載っけてみますか?。新しいのか古いのか時代考証の矛盾したパラレルワールドの機体が出来るかもしれませんよ?、

● ビス留めした垂直尾翼付近の画像です。試作型では接着固定式でしたのでもう少し深めのアールで削り込めたのですが、量産機ではビス留め式なのでアールの削り出しには限界があります。画像では主翼の前縁下面のみ削りとアールを出し、そのアールに合わせて尾翼下面を成形加工してみました。私自身の見解としては・・・、持ち運びに支障をきたさないのであれば垂直尾翼は主翼の翼端にエポキシを使って完全に接着される事をお奨めします。

● 本来の設計コンセプトは無動力におけるスロープフライト専用機ですが、購入されるお客さんの中には動力機に改造してグランド機にしてしまう場合もあろうかと思います。必ず水平姿勢で完全なる胴体着陸の出来るベテラン氏なら・・・、グランドループは回避出来るでしょうけど・・・多分・・・購入されるお客さんの中に存在する初心者レベルのマニアの方に大変好まれる機体フォルムですので、胴体着陸のグランドループは必ず起きてしまいます。この着陸では垂直尾翼にかなりの荷重が掛かる事が予想されますので、私は断じて推奨はしませんが購入されたお客さんの自己責任でグランドの動力機に改造されて破損した場合は、責任は追えませんのでご理解ください。殆どのスロープは草が生い茂った斜面が多いので、たとえフレアーを掛けた着陸をされたとしてもグランドループにおいての垂直尾翼の破損は殆どありませんので、尾翼取り外し型でも良いとは思います。
(製作記事Part−6に続く)