Part-8


● この画像は何も細工していません。下部の胴体の断面のみで自立している機体の図です。飛行機を作る時はピッチング軸とローリング軸は誰もが重要視します。しかし!事ヨーイング軸については百戦錬磨のマニアには当たり前の知識なんですが、悲しきかな・・・ネットの博士の中にはこのヨーイング軸を無視したアニメ戦闘機や飛翔物体を作って掲示板で紹介し、さあ!いざ本番って時に・・・安定して飛翔物体が飛んでくれない事に・・・頭を抱えてしまいます。

● 本機もハンドカタパルトによる発進時は、ドスコイ投げが原則です。無尾翼機と呼ばれている飛行物体は本当に水平尾翼が無い!のではありません。テールモーメントが極端に短く主翼の後縁と水平尾翼の前縁が重なってしまっただけの・・・、普通の水平尾翼の付いた飛行機です。ただし!通常の飛行機の様にピッチ軸が安定して操縦し易いモーメント比率の飛行物体と違って、テールモーメントの極端に短い形状なので、水平尾翼が途轍もなく大きく成り・・・強度が保てないので主翼と合体させちゃったのが無尾翼と呼ばれている飛行物体です。


● 二層目のプランクを終えた画像です。一層目のプランクのつなぎ目を覆う様に寸法を細分化して貼り込みました。一層目は薄い胴枠と細いストリング材にまたがる様に貼りこんだので、固定して硬化させるのにマチ針やセロテープ等も繰り出しての接着でしたが、二層目は一層目のプランク面にベタ張りなので木工ボンドと低粘度の瞬間接着剤のみを使って貼り込んだので、マチ針の小穴が開いていません。現在の状態でノーズコクピットと主翼側胴体の結合面には細かい段差がついていますので、コクピットを主翼側胴体と結合してから段差を取っていきます。

● 主翼側の胴体フィレット部分の後部末端はバルサシートを積層してブロック状態を意図的に作ってから、専用のサンドペーパーホルダーで削り込みながら仕上げていきます。ノーズコクピットと主翼側胴体の結合面はエポキシ接着剤をたっぷり使って接着します。接着面はどちらもオールバルサで構成されていますので、マチ針が普通に射せます。そこでエポキシの30分硬化タイプを使って400W以上の熱風を結合面に当てながら、隅々まで接着させます。エポキシ接着剤はドライヤーの熱風で、水溶液の状態まで軟化しますので胴体上部から当てる時は、胴体下半分を粘着テープで目張りしておく必要も有ろうかと思います。

● 細かい加工と部品の取り付けを残し大まかなフォルムの形成は完了です。此処からはリンケージをし易くする為の前加工も含めて作業を進めていきます。

● 今回の機体の被覆には丹菊モデルクラフト(テトラ)発売のソラーフィルムを使います。このフィルムに使用するアイロンは、鏡面タイプよりもテフロンコーティングされたアイロンの方が貼り易いと思います。もし、鏡面底のアイロンを使われる時は、フィルムの固定のスポット張りのみ鏡面底を使用し、全体の平面を貼る時はA4サイズのコピー用紙等をフィルムの上から被せるとアイロンは高温域でも安全に貼る事が出来ます。

● スキッドの取り付け画像です。仕上がり寸法5×5mmの角材なんですが、3mmバルサと3mmヒノキを張り合わせて胴体の下面ラインに沿う様に馴染ませてから、エポキシ接着剤を使用して貼り込んであります。コクピット部分はアールがキツイので押さえの工具で固定してありますが、コクピット後部のラインは殆どが直線に近い緩やかなアールですので、瞬間接着剤のスポット付けで固定してあります。細かい隙間にもエポキシを充墳して確実に取り付けます。この機体の着陸方法は殆どがスロープ斜面の草むらに胴体着陸なんですが、時々・・・隠れお地蔵さんにヘッドバットを喰らわせる事も考えて・・・ある程度は強度を持ったスキッドにする事で、胴体の強度を助ける役目も持たせてあります。

● カスタム屋さんなら常備している塗料だと思います。クリヤ・ラッカーは絹張り紙張りの塗装仕上げにも下地作りで大活躍する塗布剤なんですが、フィルム張りの下地としても充分使用可能な塗料です。ラッカー塗料及びラッカーシンナーは、ニトロセルローズ系ですのでホームセンターには在庫していないと思われます。多分・・・ラッカーシンナーよりも毒性の弱い(ラッカー薄め液)というタイプのシンナーは置いて有るようです。この手の塗料は本格的な塗料店でしか入手不可能なので、未成年の購入には制限が掛かります。印鑑持参とか親の承諾書と明確な使用目的の書類が無いと、、売ってくれない場合が多い様です。私たちの時代(昭和40年代)は顔パスでしたけどね。ブーガチャンにもめげずラジコン飛行機を飛ばしていた中学生として有名でしたから・・・。使用目的が明確なくらいにはっきりとしていました。

● 手前の缶はアセトン溶液です。ラッカーシンナーは別名(アンパン)と言われる位に常用して吸引すると甘く感じるそうですが、神経を始めとする内臓を著しく損傷し健康に多大なる被害を及ぼす溶剤です。それに比べるとアセトン溶剤の人体に対する毒性はシンナーに比べればあまり強くはないんですが・・・、一回思いっきりシンナーの代わりに吸引すれば二度と関わりたく無いくらいに強烈な刺激臭でゲロ吐き状態は確実ですし、頭痛がずっと続きますので室内で使用する時は充分な換気設備が必要かと思います。

● 右側の画像は刷毛塗り用にクリヤラッカーを専用シンナーで希釈した溶液に、ベビーパウダーを混ぜてバルサの目止め剤を調合した画像です。通常ラッカー溶剤の希釈率は刷毛塗り用は1,2倍・エアーガン(スプレー)溶液の場合は1,8倍と使用していますが、今回のサフェーサーの代用溶液はパウダーの混合時の粘性を考慮し、1,5倍で希釈して良くかき混ぜた後の粘性が軽く糸を引き最後はポタリポタリとしずくが落ちる程度にしてあります。この溶剤を使ってバルサ製コクピットの内側とキャノピー溝に塗り込んでいきます。

● ベビーパウダーを混入させた溶剤は上記画像の様な乳白の粘性のある状態です。此れを小刷毛を使ってバルサ面に塗布していきます。一度塗ったら5分ほど乾燥させてまた同じ程度塗り込みます。この行程を3回ほど繰り返してから、今度は2時間ほど日陰の風通しの良い場所で乾燥硬化させます。時間が来たら240番程度の耐水ペーパーを水を付けずにさらで研きます。最後はスポンジペーパーで仕上げてカラー色の塗り込みで仕上げです。

● 右側の画像は刷毛を洗浄液で洗っているところです。ターボの補充瓶(50mℓ)の空容器にアセトン溶液を入れてあります。誰に聞いても普通の人はラッカーで使用した刷毛はラッカーシンナーで洗うものと思っているようですが、それでも良いとは思います。しかし・・・、新品の何の混じりっ気も無いシンナー溶剤は刷毛を洗う事で極めて薄いラッカー溶剤に変化します。洗えば洗うほどその濃度は高まり刷毛の汚れは刷毛に付いたままとなります。例えば純白の刷毛塗りの時にその汚れた刷毛を使うと、見た目は綺麗な刷毛なんですが前の色が溶剤で溶け出して・・・、純白の塗装面に別の色を付けてしまう事があります。

● アセトン溶剤はグラスファイバーコーティングの際の溶剤を塗布する時に使用した刷毛や容器を洗浄する時に使う溶液なんですが、例えばポリウレタン樹脂をエアーガンで吹付けた後は、ポリウレタン溶剤の硬化剤が固まる前にスプレーガンを分解して完全に洗浄しなければなりません。ラッカー塗料には硬化剤は不要なんですが、汚れをある程度除去するという点ではラッカーシンナーよりも優れています。アセトン溶液で刷毛や筆を洗った後は、ウエス等を使って水分を良く落としてから乾燥させると次に使う時に別の色が混じる事は大変少なくなります。アセトン溶液もラッカーシンナーも同じ事が言えるんですが、刷毛や筆の漬けっ放し状態は刷毛や筆の毛を固定している根元を破壊してしまい・・・刷毛その物の機能を奪ってしまいますので、洗ったら液から出すという癖を着けてください。刷毛・筆が長持ちします。

● ブルースモークのキャノピーが既に接着固定されているので解かり難いとは思うんですが、コクピット内部は銀粉色でコーティングしてみました。バルサの木目も素塗りにしては目止めが効いた方だと思います。画像で見ても解かる様に、キャノピー本体はコクピットのキャノピー枠に嵌り込んでいる状態で仕上げてありますので、外枠とは面一になります。今度はキャノピーを接着固定したコクピット内枠の接着面を隠す様にマスキングして、外枠の塗装行程に入ります。

● キャノピーの外枠の塗装の為にマスキングを施した画像です。今回のキャノピー枠の様に中抜きの場合は外側のマスキングだけでは不十分です。必ず隙間から内側に入り込み・・・クリアなキャノピーにブツブツを着けてしまい落とすのに大変苦労します。其れとは別にキャノピー枠の塗装をする場合は、取り外しの底面にも少々色づけした方が確実だと大御所さんは言われますので素直に実践しています。飛行機は下から見上げて飛ばしますので塗り残しが一目瞭然で見えてしまいます。

● 我ながらいつも思う事なんですが・・・、スパーキャップを複数取りつけた主翼は翼端を持っても普通に持てるくらい主翼が丈夫に出来上がります。画像では小さく見えるんですがスパンは800mm・全長は850mmあるんですよ。コンコルドタイプのデルタ翼の強度・・・恐るべし・・・。捻り下げ?この状態からはフィルムを貼っても捻じれません。製作ミスで翼が捻じれた場合・・・フィルムで元に!絶対!・・・戻りません。大昔の事60クラスのプッシャー型で製作したラファールなんですが・・・、捻じれた主翼は元には戻りませんでした。経験済みです。(飛行場での画像はラジコン技術のバックナンバーで・・・。)

● 現在までの生地完成の全備重量は約360gです。バルサオンリーの同じ仕様機ならもう少し軽量化したかもしれませんが、多分同じ強度は持ち合わせていませんし冶具で組んだとしても歪み捲くっていたでしょう。両面がカチッとした5mm厚スチレンペーパーの加工し易さとある程度の柔軟性と反発強度が上手くミックスされたスチレン・バルサの混合構造体の成せる技だと思います。このタイプで製作した試作機が墜落大破で修理不能じゃあ~!という報告は、大御所のテストフライヤー諸氏からはまだ、一度も聞いた事がありません。

● 世の中には見る目が有る!と言いましょうか・・・、天邪鬼(アマノジャク)と言いましょうか・・・。ワイルドボアのジェットスタイル専用キャノピーでNV-02型(コロンビア)が作れないかと注文が入りました。しかも!主翼を結合した状態で送ってくれ!との事。右の画像ならば主翼二分割・胴体のコクピット後部をキット状態で定価価格なんですが、主翼結合でDJ-2キャノピー以外の場合は完全なるカスタム機になりますので、定価価格とは成りません。それでも良いかと返信したら即決でGOサインが出ました。

● 結合された左右の主翼の補強を行います。画像左は補強作業に使う溶剤と寸法カットされたマイクログラスのシートです。一番右のターボ(瞬間促進剤)の小瓶は、空瓶だったので筆洗い用のアセトン溶剤を入れてあります。エポキシ樹脂はサノ・ファクトリーのR&Gエポキシ樹脂です。佐野さん本人と電話で会話した時に、「ガッツリ固まり・・・サクサク削れるタイプの溶剤を・・・。」とお願いしたら電話口で笑っておられましたが、送られて来た溶剤はメーカーの開発部時代に頻繁に使用していたタイプよりも扱いやすいエポキシ樹脂でした。

● 溶剤の混合容器には洗う必要を少なくする為に、100均ショップで購入した紙コップを使いました。エポキシ樹脂の混合比率が10:4ですので油性のボールペンでアバウトなんですが、目盛りを書き入れてマスキングテープを貼り主剤と硬化剤を其々の量ずつ投入して混合させます。この溶剤は一応の混合比はあるようなんですが、二液性のエポキシ接着剤同様に硬化剤の多少の増減にはシビアでは無い様です。硬化時間が少し早まるか?遅くなるだけか?の差しか出て来ませんので、あまり神経質に成る必要は無い様ですよ。

● 溶剤を混合する前の作業の画像です。溶剤を塗り込む際に余分な面まで塗り広げる必要が無い様に、マスキングテープで区分け作業を行います。画像で見ても解かる様に、エレボンコントロールワイヤーの出口は塗り面の外になりますので、マスキングテープで塞いでおきます。マイクログラスを綺麗に貼り込める様に厚紙で型を取り、この型紙の寸法でグラスを切り出します。

● 上記画像には12時間程の時間差があります。通常は翼の下面からの作業ですので、セオリー通りの行程です。刷毛を使って溶剤を先に塗り込みグラスを乗せてから、刷毛で軽く叩く感じで馴染ませていきます。光に透かして見てグラスの網目が僅かに見える程度の塗り込みが一番良い状態です。初めてグラス張りをされる方には・・・どういう状態なのかの見当が付かないと思いますので、バルサシートで何度か試してからの実施の方が勘が掴みやすいと思います。マスキングシートは貼りっ放しで完全硬化させた後に剥がそうとしても上手く剥がれなく成りますので、剥がすタイミングを記述しておきます。

● 指定された混合比の状態と室温が25度前後なら、塗り込み作業から程なくして余った紙コップの溶剤が先に硬化を始めます。この時のグラスの貼り込み面は、まだ硬化はしていませんが垂れて流れる状態でもありませんので、この時に全部のマスキングテープを剥がしてください。両面が完全に硬化しないとサクサク削れる状態にはなりませんので、作業工程(段取り)を確かめてから行った方が手待ち時間を少なく出来ます。

● 溶剤も24時間経つと完全硬化の状態になります。画像のサンドペーパーは奥から60番・80番・推定320番です。奥のペーパーホルダー付きサンドペーパーで、最初の荒削りをします。全体的に白く削れた面積が多くても所々に窪みが在るかと思います。最初の溶剤の量にも因るんですが、窪んだ部分を全部削っても下地の餡子(バルサ面)までは届きませんので・・・、全体的にホルダーを使ってペーパー掛けします。

● ホルダーでのペーパー掛けでは落とせなかった窪みとコーティングとバルサ面の境界までを画像の様な手持ちのサンドペーパーで指の圧力を調整しながら削っていきます。ある程度・・・指の感触で境の凹凸が無くなったら最後にスポンジペーパーで仕上げます。コーティング後の仕上げの良し悪しは、生地完成時のバルサの仕上げ面に掛かって来ますので生地完成7部組みのキットを購入されたマニアの方は、各種のサンドペーパーをフルに活用してバルサ面がなるべく滑らかに成る様に仕上げて下さい。


● 本機で使用するエレボン動翼のホーンの作図画像です。厚さ1,5mmのナイロン製アングル材から加工しています。なるべく市販のパーツを使いたい所なんですが、帯に短し襷に流しの言葉通りにピタリと合う部品が無かったので、自作と成りました。ベニヤホーンで簡単に!なんて野暮な作り方はしません。キッチリと市販品に見紛う様なホーンを作ります。

● 動翼がトップヒンジ配置の為ホーンの高さを変える必要があるのですが、試験飛行において動翼の差動が必要になりましたので同じサイズのホーンが上下ズレて取り付きます。エルロン側のアップ側に大きな動きを着ける為に同じサイズのホーンが最適だからです。動翼への取りつけ方法は(自作ホーンの加工の項)を参考にしてください。作るのが面倒臭いマニアと最初から性も無いと馬鹿にしてるネット物知り博士は、市販されている格好良いホーンを模型店で購入してください。


● 加工には卓上で使えるバイスを準備してください。ホームセンターで安く購入出来るボール盤にオマケで付いてくる工具で充分です。材料がナイロンなので表面が滑らかです。スケールを当てても滑り易いので、裏側に布地のガムテープを貼り込むと滑り難くなります。最初の加工にはアクリルカッターを使って溝入れをして下さい。画像の鋸刃は田宮模型のレザーソウです。相手がナイロンなのであまり力を入れなくても簡単に切断できます。

● 画像が大分汚れていて申し訳ありません。ホコリまみれの工作室からの実況画像ですので・・・。本機の場合はテグスワイヤーによる両引きのリンケージですので、四つのホーンは前後左右を対称に作らなければなりません。と言っても形状は二種類でOKです。製品価値はどの位?って聞かれる事が多いのですが、ナイロンアングルの材料費だけならメートル定尺で¥300ぐらいですので殆どが加工費です。画像で見ても解かる様に特別な専門道具が無くてもこの様な形状のホーンなら、比較的簡単に作る事が出来ます。ただし!飛行機一機分のホーンの加工に要する時間は4時間くらい掛かります。四つ共同じサイズと同じ仕様にする為に神経を研ぎ澄ませながらの作業ですので、大変疲れますよ。

● 型紙を使ってホーンの取りつけ孔を決めます。中央画像の右端に見える白い棒状の物体は、OK模型製のフレキシブルロッドの中芯です。断面が星型で1,4mm程度の孔が開いており、直径2mmまでのビスなら何でも捻じ込む事が出来ます。今回はホーン側を2,2mmで開けましたので、2mmビスを捻じ込んでみました。動翼の表面に3,2mm程度の孔を開け、10mm程にカットしたこの星状の中芯材を捻じ込んで、低粘度の瞬間接着剤を周囲に流し込んでガッチリ固定します。接着剤が硬化したらはみ出している余分な部分をサンドホルダーで削り落としてください。表面が平らになったら穴の周りのバリを落としてから、ホーンをビス留めします。

● 画像で見ても良く解からないマニアの為の注釈なんですが、このホーンの装着にはナットが不要です。両面からビスのみで固定できるタイプの取り付け方法です。考え方としては両面からネジ止めしたホーン自体がお互いのナットの代わりを担っています。星状の中芯がエレボン動翼に完全に接着固定されているのが、絶対条件になります。手抜き接着で両面から捻じ込んでしまうと、中芯が空回りを起こしてホーンが外れなくなりますので、中芯材の接着は充分に行ってください。尚、機体の生地完成のセットにはこの特注ホーンは付属しておりませんので・・・、ご注意ください。実際のホーンの取りつけは機体の被覆後に行ってください。フィルム張りの場合は、完成後小孔を突いてからビスを捻じ込んで下さい。(製作記事Part-9へ続く