●・・・・・・・・・削り倒して作る飛行機の醍醐味

● プラモデルとは一線を隔したソリッドモデルの世界をご存知ですか。此れに嵌ったら戻って来れないって言ってるマニアも多いと聞きます。最近は何処におんねん?そないなマニア・・・。って言われるんですが、キャノピーの木型を削ってるマニアは殆どがソリッドモデルの生き残りです。最近は形を変えてオタッキーな美少女マニアのフィギュアと一緒くたにされるんですが、ソリッドモデルの世界は奥が深いですよ。一度覗いて踏み越えてしまったら・・・戻って来れないかもしれません。今回はボンバルディアQ300をモデルに作っていきますが、サイズがサイズなので途中で脱線して木型として仕上げれば・・・超軽量ハンドランチグライダーのマイクログラス製胴体ぐらいは簡単に転用可能な技術にも発展します。初めて見る人は自分でも作ってみてください。現時代のラジコン飛行機の製作に必ず役立つ技術が沢山出て来ます。

● ボンバルディアQ300の側面図です。ここから読み取れるデータは垂直尾翼が異様に大きく見える事なんですが、モーメントやら主翼の形状やらを細かく見ていくと・・・実に良く出来た形状の飛行機だと解かります。ラジコン飛行機の模範的な作り方の一機として紹介されても可笑しく無い位に、教科書通りの構造と形状だと思います。ショルダーウィング(肩持翼)のエアバスって面白いですね。地元で地域住民の為に走っている乗り合いバスに飛行機が合体した様な雰囲気です。大変親しみの湧く機種だと思いました。

● 胴体の幅に合わせる為に15mmバルサに其々2mmバルサを貼り込んで固定します。さらにこの隙間に3mmバルサを一枚挟み込むんですが、この3mmバルサをキール材とします。キール材には垂直尾翼の中芯が付くんですが、まずは別の3mmバルサを挟んでから釘で留めて胴体の側面アールと上面からの左右の均等アールを切り出していきます。

● まず側面からミシン(糸鋸盤)を使って切り抜いていきます。釘で留めますのでどちらかのブロック材に胴体の最大側面図をトレースします。

● 加工方法を一部変更しましたので釘を使わず両面テープで部材を貼り合わせます。ミシン(糸鋸盤)を使って機体の上面からのアールを切り出します。なるべく細切れの切り出しをしない方が良いと思います。再利用しますので・・・。

● 使用する本体部材の表面に両面テープを貼り込んで、今切り落とした部材をもう一度貼り直して直方体の部材の状態に戻します。この状態に戻さないと胴体側面の最大寸法が切り出せません。

● もう一度型紙を当てて切り抜きラインをはっきりとトレースします。このラインをミシン(糸鋸盤)で切り抜きます。この際出る端材はお役御免ですので捨てて貰っても・・・、何かに使ってもらっても良いと思います。抜き終わった胴体の部材は角型ボディのラジコン飛行機の生地完成状態みたいに成ります。

● ベニヤの胴枠を作ってコクピットや主翼取りつけ面のアールをケガキます。最終的な胴体の表面は周囲を全てアール面で仕上げますので、ある程度の基準ラインと角出しをする事で細部のラインの削り出しの時にとても役に立ちます。

● 最初に削り取ってしまう寸法を予め決めてから八角形の胴体を作っていきます。一度に削っても良いとは思いますが、左右分け胴体の木型製作法と同じ行程ですので七面倒臭い方法を使います。

● この状態から全体的なアール面を予測しながら次の基準ラインを曳き、角面を増やして行きます。翼型の座標を増やせば増やす程アール面に近くなって行くのと同じです。最終的には全体をサンドペーパーで仕上げるんですが、細部の基準の平面加工を沢山作っていた方がペーパー掛けが楽になりますし、ほぼ左右対称の胴体を削り出す事が出来ます。

● 垂直尾翼と一体になった正式なキール材を作図します。ソリッド・モデルと言えども補強を入れないと成形途中で尾翼がポッキリと折れる可能性もありますので、画像の様なバルサの目に直角に交わる部材を埋め込みます。

● 胴体の成形がある程度済んだら両面テープで結合した左右の胴体部品と仮のキール材を分離します。ここに先ほど加工した尾翼付きのキール材を木工ボンドで貼り込んで接着結合します。接着剤が硬化したら尾翼を残して更に胴体を仕上げていきますが、削り過ぎない様に左右の胴体部材を機首前方から見ながら少しずつ仕上げて行きます。

● この状態の胴体の分割材に左右結合の為の部材を其々貼りこんだら・・・、木型として使う事が出来ます。超小型ハンドランチグライダーなら其のまま使用出来ますよ。このタイプの木型の大きい状態がOK模型のモーターグライダー(コナ・ロタ・ボーラ)の試作用木型です。これを真空成形して仕上がった成形品を元に量産型の樹脂型を複数作って磨き上げ・・・、量産用の樹脂型を作って行きます。この木型に直接エポキシ樹脂を塗り固めたらグラスのオス型を作れますので、ここからグラスのメス型を取りメス型の中にグラスコートを施すと滑らかな表面のグラス胴体を作る事が出来ます。どちらか片方にフランジ処理の耳を付ければ左右分けのグラス胴体と成ります。

● 主翼は半埋め込みなので切欠きは段差が出ない様に平らに削って仕上げます。コクピット周りは別拵えのコクピット部品を後で成形接着しますので、こちらもなるべく段差が出ない様に仕上げておきます。

● キールとなるこの尾翼の中芯に水平尾翼取り付けの際の、固定ビスのナット部を埋め込みます。この時厚さ3mmの尾翼中芯の小口をマジックで塗りつぶしておきます。

● このボンバルディアQ300は、エアバスゆえの宿命か・・・前後均等振り分けの客室を確保する為にノーズモーメントを長く、よってテールモーメントが短い為に尾翼が恐ろしくデカイ!・・・胴体フォルムです。と言うよりもエアバスだったら当たり前の構造なんですがとにかく垂直尾翼が目立つ程大きいです。これにT型尾翼なので垂直尾翼の厚みもあります。これだけ面積も大きく厚さもある垂直尾翼なら、相当な重さになるだろうと世の中のスチレン世代のラジコンマニア諸氏は・・・、垂直尾翼を薄くしてしまい・・・水平尾翼の取りつけ強度が足らずに空中で尾翼が外れ・・・、キリモミ状態でコントロール不能になります。エアバスなのでテールモーメントが短くなるのは当たり前ですが、この大きい垂直尾翼にも其れなりの意味のある構造ですので模型機とはいえ手抜き加工は命取りに成ります。本機は置きのモデルですので飛ばす必要がありません。芯材の3mmバルサに更に両面2mmバルサを貼り込んで、テーパー状態の垂直尾翼に成る様に削り込んで仕上げました。実機ほどの翼型ではありませんが、それっぽい翼型で仕上げてみました。

● 主翼の翼型を削り出すのに必要な厚みとして、3mmと4mmのバルサを貼り合わせました。このボンバルディアQ300の主翼は左右のエンジンナセルより内翼を矩形翼(ストレート翼)・外翼をテーパー翼としてあります。私の感なのですが・・・、内翼は左右通しの一体翼・外翼は左右其々のエンジンポットに短いカンザシを使って、複数の太いボルトでリブ同士のベタ付けではないだろうかと思います。ショルダーウィング配置ですので胴体は主翼に吊り下げ・左右のエンジンポッドより内側の翼はしなってはいけない構造だろうと推測出来ます。よって若干の上反角は予め設定してある様ですが、過度の突風対策は外翼を適度に撓らせて余分な荷重を逃がす構造だと思われます。機体の三面図を見れば如何に主翼の縦横比が大きいか解かります。まるで・・・モーターグライダーみたいな比率です。今回の機体はソリッドモデルですが主翼の削りは手に持って行いますので、上反角部分をしっかり持てる様に1,5mm厚のベニヤで短いカンザシを作って挿入してあります。

● 外翼はテーパー形状の翼ですので、翼の厚みも翼端方向にテーパー状に成る様に削り込んでから翼型に仕上げて行きます。前縁と後縁になる面を其々マジックで黒く塗りつぶして、クラークYS類似翼で仕上げていきますので主翼下面のメインスパーより前縁方向は若干削り上げてアール面を出します。余談なのですが当工房商品の(EP-GANBA)シリーズ機は、全てクラークYS翼です。フラットボトム(翼の下面が平ら)翼のクラークYではありませんので、適切な高度からの逆宙返りが出来ます。初心者はベテランからの指導の元・・・、上空での水平八の字旋回が出来る様になったら正宙返りまでは出来る様になります。ところが完全なフラットボトム翼のクラークYでは背面状態の機体の上昇宙返りが出来ません。本機GANBAはクラークYS翼ですのでリブの下面が若干アール状になっています。飛行中は弱い下向きの負圧も発生していますので、逆宙返りが可能になっています。くれぐれも間違わない様にお願いします。この翼型を使ったおかげで3セル・ハイパーの垂直上昇発進のハイパー・ショルダーGANBAが誕生できました。テスト飛行はハンドカタパルトの水平投げではなく・・・、フルパワー状態のGANBAを垂直状態にすると既に引っ張り上げる程の推力が発生していました。後は周りの状況を確認してから軽く真上に放るだけで、スルスルと上昇して行きました。もしも!・・・この状態でノーコン状態になって垂直降下して来たら怖い機体なので、くれぐれも過度の過酷な設定での使用は控えて下さい。

● 上記画像ではまだピンと来ない閲覧者も多いと思いますが、水平尾翼とエンジンポッドがぶら下がった完成機になったら・・・如何に主翼本体が細長いか実感出来るでしょう。ところが・・・胴体が太いのでそういう感覚が生まれるのですが、上面図を曳いてみて胴体のラインを細く作図し直してみて下さい。なるほど!って思いますが、大きな細長いグライダーのキャノピーに変更すると最近流行りのロングノーズ・グライダーのFOXやピラタスB4辺りに似て来ます。多分・・・短い滑走路の小島の空港にも充分離発着可能なS・TOL(短距離離着陸)性能を持ったフォルムですので、こういった主翼の形状なのだろうと思いました。トラブル続きのボンバルディアですが、飛行中に尾翼が吹っ飛んだとか主翼がバンザイして墜落したなんて話を聞かない所をみると・・・、エアバスとしての飛行機本体の構造は充分過ぎるほど頑丈に造られている様ですね。主脚が出なくなりました!って、それってハイドロアウトなんですよ。油圧系統の不具合です。多分整備ミスではないでしょう・・・。配管そのものの一部を仕様変更すれば解決しそうな感じがします。既に改善提案が出てると思いますよ。自衛隊と似た様な整備システムでしょうから・・・。

● それと勘違いしない方が良いと思うんですが、ネット上には元航空機整備員の私よりも機体構造に詳しい根っからの民間人飛行機マニアも多いので、其方で確認されるのが早いって思うんですが・・・。自衛隊の軍用機に限らず油圧関係の駆動装置には一系統がアウトになっても必ずサブ機能が搭載されています。これもアウトになった場合は動翼だけの例を取れば三系統目の縒り線ワイヤーによる両引きコントロールが可能です。ただし!油圧の補正機能がダウンしていますので、動翼の動きは確かに重くなります。民間機それも旅客機ならばパイロットは航パイ兼副操縦士もいますし、二人でドスコイ!って操縦桿を操作すれば良いんですよ。一人でやるよりも楽でしょうし・・・。油圧が駄目だから即飛行機は墜落するううう!って、それはラジコン飛行機だけですよ。ケチって軽量化と称してマイクロサーボなんか搭載しちゃうから・・・、(ハイドロアウト)したら動翼が動かせなくなります。言い換えればサーボの起動トルクが足らないって事態です。油圧駆動の安全装置としてサーボを使用するなら、トルクのある標準サーボにしましょうね。エレベータサーボだけでも・・・。ラジコン飛行機の話ですからね。

● 私のお友達に民間航空会社の若いパイロットがいるんですが、自分が操縦を担当しているボンバルディアのリアジェット機のエンジンには軍用機A-10のエンジンが搭載されているって言ってました。なるほど!A-10フェアチャイルドはペイロード満点の爆撃機です。ボンブユニット満載状態でもへこたれるエンジンではありません。多分?・・・燃料は馬鹿食いするでしょうけど、ハイパーエンジンの燃料配管が詰まったなんて聞きませんしね。フィルターがしっかり効いていたら不純物の混入はありませんし・・・。馬鹿食いのエンジンなら燃料の配管も太い筈です。離陸の加速・・・凄いでしょうねえええええ・・・。
● 左右のエンジンポッドの部品切り出しの画像です。YS-11型同様に左右のポッド内にメインストラットギヤを収納しますので、エンジンサイズの割にはポッドが大きくよく目立ちます。スピンナー下部のエアーインテーク周りの表現も今回のソリッドモデル機ではある程度まで念入りに行うつもりです。作図した図面寸法からポッドの幅が11mmと成りましたので、3mmバルサを4mmバルサで両面からサンドイッチしてみました。中心の孔の開いた白い部品は、プロペラシャフトのビス留め用です。細かい説明を書くよりも画像で後日紹介いたします。

● エンジンポッドの先端に付いている金属製のワッシャーは、縮小図面上でのスピンナーの外径になります。短い2mmの通常ビスを捻じ込んで・・・、ワッシャーを固定しています。ポッドの仕上げ中に削り過ぎない様にする為です。

● コクピット周りも装着完了なので、全体的な胴体のイメージが決まって来ました。同じソリッドモデルでもセンターキール型で組むと外側のアール冶具のみで胴体の左右アールの細部の仕上げが出来ますので、大変楽な工作方法の一つだと思います。さて・・・・・残す所は主翼の付け根のフィレットの製作とエンジンポッド上部のフィレットの工作です。完成画像のシュミレーションの他に作業工程のシュミレーションも、脳内で繰り返し行ってみてからの作業ですので比較的スムーズに此処まで進めて来れました。主翼と水平尾翼はとりあえず先の事を考えて、分解組み立て可能なビス留めですので収納と保管も出来る様にしました。今後・・・このボンバルディアQ300型の動力式ラジコン機や無動力式スロープグライダー機のカスタム機製作の仕事の際には、大事な資料と成るでしょう。画像では一機分の組み立て紹介ですが、仕様変更型で数機分同時進行で製作しています。

● 今回製作した機種のプロペラ部分の工作ですが、(自作の工具)の紹介項目に(円錐型サンドホルダー)があります。その工作方法でスピンナーを製作しました。スピンナーの最大外径は8mmなんですが、スピンドル工具を使って均等な円錐形で仕上げますので材料の中心軸に2mmの寸切ビスを接着固定します。100%と言って良い程・・・中心がずれますので、最初から外径10mmのバルサの丸棒を使いました。まず!2mmシャフトを掴めるスピンドル・チャックを準備して下さい。上手く固定出来たらお手持ちの充電ドリル・(ドライバー)に勘合させて高速回転させます。

● 右利きの人は充電ドリルを横に寝かせた状態で左手でトリガーを操作しますが、充電ドライバー本体が暴れない様にしっかりホールドする事が絶対条件です。右手で少し荒目のサンドペーパーホルダーを持ち丸棒の外径に当てて、外径10mmの丸棒を外径8mmになるまで削り込んでいきます。時々ノギス等で外径を測りながら削ると削り過ぎで作り直し!・・・が、起き難く成ります。次に240番程度のペーパーをアール状に曲げてスピンナーの緩いアール状の円錐形を削り出します。ある程度かたちが整ったらスポンジ状のサンドペーパー(3M製))を当てて・・・、スピンナー表面を滑らかに磨き上げていきます。

● スピンナーの後部(プロペラの固定部分)にシャフトに沿って十字の状態で、深さ1mm程度の溝を付けます。焼き鳥の竹串の尖った方から約30mmを厚さ1mm程度の平らな串に加工して下さい。必要寸法でローターの数が削れたら、必要寸法にカットして仕上げてから先ほど加工した溝に接着固定してプロペラ部分の生地完成と成ります。上手に綿密にいいいいい!・・・じゃなくても良いのであれば、こういう加工でもノギスで測って寸法違いを指摘されない限りバレません。個人の楽しみですし・・・でも・・・レシプロ機からペラを省略したら面白みが半減します。ペラ部分の加工は全工程でも1時間くらいで完成出来ますよ。ただし!道具と材料を手元に全部準備してから!なんですけどね・・・。エンジンポッド側には何時もの(OK模型)製のフレキシブルロッドの中芯をポッドの中心に予め埋め込んでおきました。スピンナーの固定は捻じ込み式ですので軽くは回りませんが、任意の角度での固定は出来ます。

● ボンバルディアQ300はターボプロップエンジンですので、推力の90%はペラの回転で得られています。残りの10%がエグゾーストパイプからの墳出力です。あの国産初の旅客機と言われていた(YS-11)型機もターボプロップエンジンでした。自衛隊の教育隊では座学の項目のエンジン構造の例題機として登場しました。なるほどなあ〜・・吸入・圧縮・爆発・排気の行程を上手く利用すれば軸流式のターボジェットエンジンが出来る訳ですよ。エンジンの先端に強制吸入のインナーファンが付くか・・・、大直径のプロペラが付くか・・・で、色々なバージョンに変化出来るターボファンは人類の発明の傑作品だと思います。ターボジェットエンジンの汎用性は飛行機だけに留まらず・・・、スピードボートに搭載して水上を異次元のスピードで走り回るわ・・・、どうやって曲がんねん?・・・と思わせるハイスピードで広大な敷地をカッ飛んで走る自動車とか・・・、スピード狂のやる事は私にはよく・・・解かりません。

● 竹ひごに目盛りを入れてからエポキシ樹脂溶液を混合します。溶液の混合比率は10:4ですが、アバウトな目盛りの混合比でも其れなりに硬化してくれるので、あまり神経質に成る必要はありません。

● さあ!ほぼ生地完成状態に成りました。此処からがエクスタシーを含む仕上げの塗装の開始です。まずは下地作りから・・・。何時もの手順としてはフィルム張り・絹張り・紙張りの下地作りと同じです。パテ盛・毛羽取り塗装・サフェーサー塗布・磨き後本塗りが一連の流れなんですが、今回はマイクログラスの貼り込み時に使用するエポキシ樹脂を直接生地完成状態の木部に塗布してから磨きを入れて本塗りと成るでしょう。ベースはホワイトですので其のまま塗ると下地が透けて本来の白地が出ません。そこで!自衛隊で習った万能色・・・銀粉塗装を全体にコーティングしてから白地に塗装します。築城基地に配属されていたF-86のトリプルセブン(777号機)の日の丸塗装をやる為に、日の丸の周りの銀粉を剥がしていたら・・・、下地にはまあ〜色んな色が出てくる出てくる・・・スカイブルーにブライトレッドに・・・あれえ?何でこんな所に白地なんだあ?って思って検査隊の上官に聞いたら、「トリプルセブンはブルーズ帰りたい!。使い倒して用廃機に成る前に通常飛行に差し支えない程度に酷使したら、86部隊に帰って来るとたい!。」

● ほぼ生地完成状態の機体にエポキシ樹脂をコーティングしたので、必要以上の塗料の吸い込み(浸透)が無くなりました。表面のテカリ(艶)が無くなるまで小まめにペーパー掛けをします。ここからがこのソリッドモデルの醍醐味です。クリヤラッカー溶液にベビーパウダー(家具の塗装ならラッカーシーラー)を配合して、トロトロの状態を作ります。木工家具の木部塗装用でもスプレーガン仕様のシンナー希釈率と刷毛塗り用の希釈率が有る様に、この代用シーラーも同じ事が出来るんですが・・・シーラーは最初から添加してある特殊配合物なので、スプレーガン本体が詰まる事態は起き難いのですが、代用シーラーでは後入れ添加物の配合ですのでお手持ちのラッカー・ウレタン専用ガンだと直ぐに詰まってしまいますので、刷毛塗りだけに留めた方が無難です。

● 刷毛塗り希釈仕様で一回塗布する毎に、軽く毛羽取り程度にペーパーを当てて5回程重ね塗りをします。この状態にまで塗り込んだら完全に硬化させる為に、24時間寝かせてください。此処からがマニアの腕の見せ所です。鈍い艶のシーラー面を完全に艶が無くなるまで根気良くペーパーを当てるんですが・・・、強過ぎると今塗った面が全部剥がれてしまいますので程々にして下さい。ある程度ペーパー掛けが済んだら塗り込み面を綺麗に掃除します。

● 左の画像はペーパー掛けの済んだバルサの木目の見えるシーラー塗布面に、航空自衛隊・ハチロク/マルヨン部隊の万能塗料である銀粉塗料をスプレー吹き付けした所です。金属顔料であるアルミの粉の発色で細かい凹みや筋がはっきりと浮き出て来ます。此処でもう一度銀粉を全部剥がす様にペーパーを当てます。二度手間みたいに思えるんですが・・・、この細かい傷を全部取ってからもう一度銀粉の上塗りをすると、右画像の色付けの時にキズの殆ど見えない滑らかな仕上げが期待出来ます。その為にシーラーを5回も塗り込んで塗布面の厚みを増やしたんですよ。上塗りのオフホワイトですが、3回に分けて重ね塗りしました。夏場なので暑いのは承知ですが、梅雨の時期なのでとにかく湿気との戦いです。湿気が多い場所でスプレー吹きすると塗面がブラッシングを起こしてしまいます。汗が出たらタオルで拭き拭き・・・エアコンをドライモードにした上で、電気ストーブで室温を上げます。湿度計が基準ラインに戻ったらスプレー塗装の開始です。航空自衛隊の機体塗装のウラワザの一つなんですが、湿気の多い格納庫での塗装の場合はブラッシング覚悟なんですが、ビルの工事現場で使用している夜間作業用の灯光器8燈型を4基使ってその空間のみの湿度を下げ・・・、シンナーを多めに希釈してから塗布します。通常希釈率より薄いので流れ易い状態なので一回の塗布量を少なくし、通常塗装の倍の拭き付けで仕上げるとブラッシングが起き難かったです。この技術は一般のマニアの自室工作室でも同じ条件を作れますので、コンプレッサー式エアーガンをお持ちのマニアは実践して下さい。今!の混合比はラッカー塗料の場合です。硬化剤を混合するウレタン塗料の場合には成分が根本的に違いますので必要の無い知識ですが、希釈率で硬化速度の調節が出来ますので、室内の湿度はある程度下げた方が規定時間内での硬化が期待出来るのではないでしょうか。

★★★・・・・・当HANGER-3工房ではお仲間さんから高価で製作期間が3ヶ月以上に成る機体の大型機の場合は、今回の様なソリッドモデルを製作してお渡ししています。オマケではなく・・・大口の白旗丸投げ発注のオーナーさんの場合は、機体のカラーデザインだけは自分のオリジナルが欲しいと駄々を捏ねられます(笑)。今回の様な仕上げは必要ではなく仕上げにフラットベースを混合したオフホワイトのラッカー塗料の塗布面状態でお渡しします。自分で塗る為ではなく・・・一緒に送った三面図を元に納得するまで鉛筆(2B程度)でラインを下書きしてもらい(消しゴムで消せます)、三面図の色指定表と一緒に送り返してもらいます。その分込みのキット価格で最初から見積もりさせてもらって、納得されてからGO!サインと成ります。


● T-2ブルーインパルス以降の機種からはブルーズ専用機が設けられました。同一機種で部隊毎に受け持ちの空域を守る機体と未知の飛行性能と改善を目的とする(高等飛行戦技研究班=ブルーインパルス)のおかげで、何れ来るだろう部品と金属疲労の耐用年数をいち早く察知して機体の改善に中てる・・・良い方法だと思います。(第八航空団所属の三菱F1はT-2の仕様違い)ところが!86ブルーズにはまだそういう概念がありませんでした。ブルーズ発足後も86型は製造されていましたので、完全に潰れて用廃機に成る前に程度の良い若い86型を各部隊から選抜させて、ブルーインパルスを存続しました。浜松の術科学校時代にしか見れませんでしたし。触れなかった86型ブルーズは私の知らない内に里帰りしていたと言うお話でした。銀粉塗装と日の丸塗装と第6飛行隊のSQマークの定期塗装・・・薄〜くなんですが、全身銀色で塗られた部隊帰りの86ブルー機・・・透かして見れる角度から目を凝らして見てみると、ブルーインパルス時代のラインの名残が僅かな痕跡として確認出来ました。86ブルーズに限らず86型の熱狂的なファンは民間人だけに留まらず・・・、隊員の中にも多い時代でした。86型が大好きで教育隊での進路の相談会で、どんな辺鄙な基地でも良いから86部隊を希望する!って新兵さんが続出したので、最後はくじ引きで決めたのは私の中隊だけではなかった様です。当時の国防主力戦闘機であるF-4(ファントム)よりも人気のあったF-86(セイバー)は音速は出ません。よく出て・・・亜音速止まりです。「トンビ!俺なあ〜?、ハチロク見てたら故郷に残して来た彼女の事思い出すねん!。このグラマーなボディと引き締まった下半身・・・、俺の彼女とソックリやねん。お前もそう思わんか?。」って言われてもなあ・・・。お前の彼女の顔・・俺・・・知らんし・・・。(Part−2に続く