🐔 Rindy-Ⅲ型 Y型尾翼 

● 初期型デザインの(Rindy-3)を進化させたⅢ型です。Y型尾翼とはV型尾翼の延長戦上にあるんですが、ラダベータと呼ばれるV型尾翼のみで方向をコントロールする機体よりも姿勢制御がやり易い機構です。ラダベータとは通称エレボンとも言われますが、通常主翼の機体の尾翼のみで方向と昇降をコントロールします。

● 最近はこのラダベータ・オンリーの機体はあまり見かけなくなりました。しかし・・・昭和40年代のスパン2500mm程度のグライダーには頻繁に用いられてきました。何故なら・・・当時はまだ標準サイズのサーボしか無い時代ですので、主翼内蔵のサーボは大きさの関係で難しい側面がありました。

● V尾翼のコントロール方法は、レール式のスライドサーボコントロール方式でした。尾翼の其々にロッドを繋ぎますが、スライドさせるサーボに其々繋ぎ・・・舵面はエルロンと同じ動きをさせます。レール上のサーボを移動させるサーボは、エレベータの役割をさせます。これで方向と昇降が可能になります。

● ところが・・・このラダベータには泣き所がありまして・・・、エレベータは良く反応するんですが、ラダーがワンテンポ遅れて反応する欠点があります。上空飛行中の突風でバランスを崩すと、その修正には大変苦労しますので、初心者には操縦が難しくなります。着陸させる為に更に減速させると、余計に反応が鈍くなりますのでベテランでも着陸は慎重を要します。此れがグランドサーマルでもスロープでも同じですので、最近はあまり使われなくなりました。
 
● V尾翼のサイズを算出する場合は、機体の上面図で水平尾翼の片翼のスパンと垂直尾翼の先端までの位置を求めます。此の寸法の対角線上の二つの角までの長さが、V尾翼に必要なスパンとなります。通常レギュラー尾翼の垂直尾翼を使わず・・・単に水平尾翼をV字にしても、尾翼面積の不足でコントロールが難しく(殆ど出来ない)なります。Vの角度も垂直尾翼から片翼50度~60度(転回角度で100度~120度)が適正とされています。角度が多き過ぎるとエレベータの反応が鈍くなり・・・角度が浅いとラダーの反応が鈍くなります。

● 逆の言い方をすれば、このV尾翼の適正角度でレギュラー尾翼の水平尾翼と垂直尾翼のサイズを見つける事も出来ます。胴体の通常モーメント(重心からノーズ・・・1・テール・・・2)の場合、主翼面積の8%~12%が水平尾翼の面積として必要と言われています。尾翼の面積が解れば主翼の面積換算も出来ます。後は翼弦を大きく採ってスパンを短くするか、翼弦を小さくしてスパンを延ばすか・・・、機体設計のコンセプトに従って決めれば良いと思います。
 
● 上記掲載画像はワイルドボアの尾翼です。これも上向きV尾翼と同じなんですが、角度が浅いので水平尾翼の効果はありますが、垂直尾翼としての働きは期待出来ません。ただ!・・・垂直尾翼を追加する事で水平尾翼の面積を減らす事が出来ます。ワイルドボアの垂直尾翼は大き目なんですが、これは胴体モーメントが(重心からノーズ・・・1・テール1,7)と違う為です。基本的にテールモーメントの数値が大きいと尾翼は小さく成ります。逆にテールモーメントの数値が小さいと尾翼は大きく成ります。近代ジェット戦闘機って尾翼がバカでかいでしょう?。試しにモーメントを算出してみましょう。
 
● 上記画像が(Y型尾翼)です。しかし・・・今回使用する(Y型尾翼)は、通常の角度(約110度のV角度)です。垂直尾翼は画像の機体よりは遥かに小さくなります。ラダベータの泣き所であるラダー方向(ヨー軸)の反応の遅れを改善する為の策だと思って下さい。主翼に上反角を付けるとロール軸の自律安定性が良くなるのと同じで、水平尾翼の上反角はラダーとエレベータの両方を安定させる効果が期待できます。実機のビーチボナンザって知ってますか?。V尾翼が物凄くデカくて目立つ機体です。

● 今回のRindy-Ⅲ型の小さい垂直尾翼にも舵面が付きます。機能は通常ラダーと同じです。しかし、ヨー軸方向の旋回性の反応は向上するでしょう。乞うご期待!・・・。