● NEW  EARLY BIRD Part-5



● 先週末の地震の影響で飛行機の製作どころではなくなっていましたが、今の所、熊本に最も近い島原半島の余震も落ち着いてきましたので、製作記事を再開します。現在、ライフラインの完全停止の中、懸命に日々の生活を送っておられるアーリーバードのテストフライヤー諸氏の為にも、製作記事を完成させます。

● コクピット後部のカバーパネルは見た目にはアールで形成されていますが、アールは一面のみです。木目に対して斜めにカットした面は主翼のアール面に沿わせるので、一見アール加工が必要な様に見えますが、実際は直線のまま貼り込みます。画像を見て頭の中で三次元の立体映像を図面化できる人ならば、主翼の中に埋もれている胴体のラインが見える筈です。見えたラインは一次アールを含む通常の直線を有する上面胴体のラインです。よって直線切りで良いのです。


● 主翼後部の固定ビスは、胴体に付属しているカバーパネルの内部で固定されます。ガイドパイプで取り付け孔を指定しないと、カバー内部で踊ってしまいます。そこで、3ミリビスのヘッドが6ミリですので、僅かに大きいガイドパイプを取り付けてから外部パネルのプランクを行います。


● 主翼内部に収めるエルロンサーボの台座を製作します。セットに付属しているナイロン製の台座をサーボに合わせて接着します。サーボの出力軸と可動するサーボホーンの最大作動範囲分の長穴を加工します。ナイロンの台座が埋め込む内部と干渉する時は、組みヤスリを使って削り落とします。


● クリップ止めしている主翼の結合部は、単純に面同士の接着です。内部結合カンザシを使わない方法ですが、エポキシで確実な接着硬化を行うとカンザシ無しでも強度は得られます。ただしこの接着だけでは着陸時における主翼接触のグランドループには耐えられません。指定した結合面のプランク幅をマイクログラス(1プライ)して補強して初めて、全ての飛行テクニックのクラスのマニアが普通に飛ばせる機体となります。


● エル型のプラパーツは機体サイズに合わせて断面寸法の違う材料からそれぞれ切り出します。画像の様なマウントを作図して部品を取り付けます。サーボマウントは瞬間接着剤の高粘度(OK模型のHWが基準)を使います。機体が大型になれば成るほど片引きのロッドに掛かる荷重は大きくなります。どんなにロッドを太くしても大面積のエルロン舵面のフラッターを完全に止める方法はありません。こういう場合は安全策で両引きリンケージにするのが良いと思います。

● 初期型アーリーバード(ケストレル165)のエルロンリンケージは、テグスワイヤーの両引きとなっています。このリンケージでは電源起動時の微弱なサーボのガタ以外遊びが出ません。逆を言えば舵に遊びが無いのでかなりクイッキーな反応を示します。テストフライヤーの中には、ファンフライの水平飛行が全く出来ないグルグルフライヤーも混じっていたのですが、反応が早すぎてオーバーコントロール気味になる場合もありました。そこで今回の機体サイズは初期型と同じですが、主翼にサーボを直接振り分け搭載というポピュラーな方法に戻しました。遊びは若干残りますが、操縦感覚は初期型よりもマイルドになりました。

● 追記 コクピットの風防は2ℓのペットボトルから自作するのが飛行隊のルールとなっています。丸型のボトルならばどれでも良いと思います。お勧めはCCレモンの2ℓボトルのアールが一番使いやすい様ですよ。


● 郡山市の(トンビの弟子のブログ)・フルーダさんのアーリーバード・FLY-CATCHER165です。東北仕様の初号機となる本機は過酷な環境のスロープサイトに合わせて胴体内部構造を強化しました。より実機に近い構造ですので、全備重量は700gを越えました。九州仕様のKESTREL165と全体サイズ・翼型等は全く同じなので性能的にも大差はありません。

● 元々がホームビルトサイズのガル翼機の諸元の集合体ですので、同じ設定ならばどんなスケールグライダーにも化けられますので、今後は国産のビンテージスケールグライダーに移植していくつもりです。


● 秋田県男鹿半島の寒風山です。今はページが無くなってしまった寒風ナオさんのホームグランドでした。昨年連休明けの週末に愛車を飛ばして泊りがけで視察してみました。小高い山と丘が混在する素晴らしいサイトです。メインパーキングの土産物屋の女将さんも、寒風ナオさんの事は知っていましたよ。寒風ナオさんのその後の消息が解りません。閲覧されているお仲間さん、寒風ナオさんを探して下さい。


● 男鹿半島寒風山頂上から秋田市方向を望む斜面です。この緩やかな斜面にはビンテージのスケール機が似合います。


● 米沢を望む鳩峰峠です。この日は晴天ながら風速15メートル以上の爆風でした。画像左側の下方には駐車場があり、登山道の入り口があります。登山道側が吹き抜けになっていますので、話に聞いたダイナミックソアリングは登山道入り口付近で行っているとの事。この事態に関して、DSを否定的なフライヤー諸氏はこのサイトを利用しないそうです。

● 登山者はDS中は入山できない事になってしまいますが、あくまでもハイカーがメインの御山ですので、この地域でのダイナミックソアリングはやらない方が良いと思いました。通常ならば駐車場前方の斜面においての優雅な飛行の方がこのサイトには似合っています。今後私が上る時は、風の穏やかな日を選んで行くでしょう。


● 宮城県石巻市の上品山です。標高450メートル程の緩やかな丘といった雰囲気の山です。西向きの斜面は斜度が緩くハンドランチグライダーサイズの機体ならば充分遊べますが、遥か前方に見えるのは高圧線ですので、前方奥まで出しての広範囲のフライトエリアは望めません。あくまでも小型の機体をのんびり飛ばす分には問題ない様にも見えますが、駐車場がありませんので、画像後方に路駐です。

● もう一つ…、敷地の入り口には自衛隊のレーダーサイトがどか~んと鎮座しています。草原の中央付近まで出てからランチした方が良いでしょう。敷地入り口には看板が…。パラグライダーは絶対飛行禁止と書いてあります。理由は前方の高圧線です。このサイト以外にも上品山には条件付きエリアが沢山あります。それは、実際に現場に出向いて自分で確認しましょう。