Part−2

★・・・・・・WILD−BOAR・UB量産型試作機の製作画像


● 本機の様な変則テーパー翼の場合は、先にある程度のプランク材の加工をしてから・・・作業を進めた方が効率が良い場合があります。画像は外・主翼の上面プランク材の切り出しです。定尺板では寸法が足りなかったので、画像の様に先付けで材料を足してから、寸法取りします。この場合はメインスパー上のプランク面側にハード系バルサが来る様に材料取りしましょう。

● 画像は主翼の左右中央のリブ面です。前から見ると直線なんですが・・・、翼型に沿わせてプランク材を加工すると、シートを平面に戻すと直線が曲線に変化します。

● 画像左は主翼中央リブのプランク面です。左右のプランク面が出っ張り方向で湾曲しています。中央翼は翼下面で上反角が0°の為に、翼上面では下反角になりますのでプランク材が出っ張ります。逆に右画像の様に外翼が上反角の場合は、上反角の角度の半分のみリブを傾けて取り付けますので、この様に凹んだアールのプランク面となります。これを全部の主翼を結合した後で加工すると、プランク面の現物合わせでの加工になりますので・・・、大変面倒臭い加工になります。今回は2mm厚のバルサシートですのでシート断面の角度までしっかりと出さないと、正確なプランクが難しくなります。そこで!先加工としました。

● 本機の主翼下面のメインスパーから後縁までのリブ面はアールではなく、直線(平面)で構成された層流翼となっています。メインスパーから前縁まではアール翼なんですが・・・、これでも飛行中は立派な半対称翼となります。翼の基準が採り易く、最大翼厚10%ながら・・・、低速飛行(フラップ使用時)のサーマル上昇能力とスピードモード時の加速の素早さを両方とも実現させる為に全部のリブ型が変則的に翼厚を変化させてあります。平均最大翼厚を10%としてありますので、はっきりと分けて説明するならば外翼(アウターウィング)と内翼(センターウィング)の%が其々変化し、この平均が10%となります。翼型をかなりシビアに弄くったのですが・・・、スロープスタントグライダーの平均最大翼厚は10%が最適である!という・・・昭和の大御所さんの説は概ね正しかったという結果となりました。今後・・・この変化翼は本機では使用しません。多分・・・フラップ無しの主翼なら有効ですが、フラップ搭載機なら不要となるからです。

● 画像の翼冶具はアトラスコメット2007仕様の設定になっています。主翼下面の当りが翼型に沿わせた設定です。という事は後縁材の固定アングルも翼型のアールに沿わせて設定されています。正確な主翼の組み立て冶具を作成するならば、こういう点にも気を配った方が正確な翼の組み立てが出来ます。

● この冶具台とアングル材を使って本機外翼の捻り下げ付きプランク冶具を組んで行きます。アングル材を台座毎普通に組んだら・・・捻り下げの付かない翼のプランクが可能なんですが、今回は外翼のみ捻り下げを1°付けて仕上げます。

● 主翼の固定に事務用クリップが使用出来る様に、アルミのアングル材を使用しました。ところが!画像でも解かる様にアングルの固定台座が前方に位置していますので、そのまま固定するとメインスパー前方の下面プランク材が邪魔をして正確な捻り下げ状況を作り出してくれません。そこで!3×5mmのバルサ棒をアングル上にカイモノとして固定し、逃げを作りました。この場合は全体を持ち上げる必要があります。この方法なら最初の設定に変化はありません。

● プランク材の接着画像です。冶具上でプランクすると自然と捻り下げが付いた状態で仕上がります。画像右側は翼端方向から主翼の捻れ具合を見ています。一番奥のリブが中央翼のリブの上部です。翼端リブの前縁が若干下向きなのが解かりますか?。これが(捻り下げ)の状態です。

● WILD−BOAR・UB型の全体サイズは昭和のグロー60クラス(2サイクル)と然程変わらないサイズなんですが、主翼のスパンだけなら全備重量240gの軽量ハンドランチグライダー(RINDY−U)と変わりません。こういった軽量グライダーの感覚でこのジェットタイプのスタントグライダーを考えると・・・、大きな勘違いと大きな自己責任の両方を同時に味合う事に成ります。過去のお話なんですが、ケロシン燃料を使用するタービンジェットエンジンを二基搭載したF−15イーグルを小学一年生の孫が欲しがったので、おばあちゃんが一括支払いで一式購入し・・・、孫と遊べるならと訳も解からず灯油指定にガソリン投入・・・、訳も解からずボタンを押したら火を噴いた・・・。おばあちゃんは火傷するわお家は半焼するわ・・・買う方も買う方なんですが!・・・売る方も売る方です。ネット販売の怖さは此処にあります。一式中古品でも120万円・・・、孫の喜ぶ顔が見たいと年金叩いたご老体のお気持ちも解かるんですが・・・、ラジコン飛行機の謝った認識と使用例には充分ご注意ください。

● 画像の部品は本機には無くては成らない大事な物です。通常のスケールグライダーを含むスロープグライダーは、ショルダーウィング(肩持翼)が多いので・・・ハンドカタパルト(手投げ発進)がやり易くなっています。ところが!本機の様な低翼機の場合は掴める胴体側面がありません。ツワモノと呼ばれるスロープ・フリーカーは、機体を逆さまに持ち替えてショルダータイプ状態で投げるんですが・・・。

● 本機は半対称翼型なので裏返しで投げるとエレベータ操作の加減を誤ると、背面の状態で斜面に激突してしまいます。そういう危険な行為をしなくても良い様に、主翼下面に指掛け孔を設けてあります。スロープサイトには色んな考察のお仲間さんが居られるんですが・・・、指掛け孔は空気抵抗に成る!と主張されるモデラーも居るんですが、少々増えても安全に投げられる方法ですし・・・飛ばす本人が納得すれば良いんですよ。

● 画像は仕上がった指掛け孔の状況です。過去・・・スロープサイトにおいて見学に来ていた上記の管理人さんに、「この孔・・・空気抵抗に成っちゃいますよお〜。」って指摘されたんですが、じゃあどうすれば成らないんだ?と聞いたら・・・、画像左側みたいに持ち手を付ければ抵抗に成らないのだそうです。う〜む・・・!彼の説にも一理あるんですが・・・、空気の逃げ道を完全に塞いだ羽目殺しの窪んだ指掛けの孔・・・、飛行に悪影響を及ぼす位の空気抵抗に成るんでしょうか・・・。私には解かりません。「試しに塞いでみろ!。」と、彼の前で大御所さんが言いました。大御所さんの指示通りにテープで塞いで背面投げで発進です。塞いで無い状態の高度からフルダイブして速度を測定していたんですが・・・、孔を塞いで更に高度を上げスピード測定したんですが、先ほどと殆ど変わらない速度でした。結局の所・・・塞いでも塞がなくても目に見える程のスピード変化はありませんでした。苦労して背面投げしなくても、普通に持って投げられる装備なら良いと思います。2〜3km/hのスピードアップは私の飛行技術でも補えますしね!。

● この主翼の機体は全て低翼機です。重心位置よりも僅かに後方・・・指掛け用の孔を設けてあります。これにより!自信を持ってスロープの淵に立ち!・・・谷底に向って下向き30度でドスコ〜イ・・・力一杯放り投げる事が出来ます。当工房で度々記載されるドスコイ投げとセレブ投げ・・・。モデラーさんの機体を持って投げる状態を指しています。

● スロープサイトにおいて、投げる機体の両者のカタパルト発進の仕方を誤ると・・・本日初飛行の新作機でも投げた瞬間!その後の結果は大変酷なモノに成ります。特に機体の発進助手に立候補したモデラーさんは、機体のコンセプトをちゃんと理解した上で投げてあげて下さいね。事!本機の場合は、超軽量グライダーみたいな指でつまんで、ヒラリと投げるセレブ投げは通用しません。初速を着けないと揚力が発生しませんので、力いっぱいドスコイ!投げで放り込んで下さい。できれば・・・水平に・・・(笑)。

● 画像は本機のフラップ部分です。左右の舵面を其々操作させるつもりだったのですが、どちらにしても構造が複雑になります。右画像の搭載方法には主翼の上下面どちらかにハッチを作らなければなりません。低翼機の胴体側ですので翼の下面にロッドとホーンを露出させると、着陸時に必ず壊れますよ!を覚悟しなければなりません。ハッチは下面ですが、ロッドは上面ではロッドの出口の処理と調整が難しくなります。そこで!昔ながらの1サーボ式でフラップだけの機能を持った構造にしたいと思います。下げるだけのフラップではなく、通常飛行では空戦フラップとして機能させ・・・バタフライブレーキ・モードの時のみミキシング設定で、エレベータに組み込まれたエレボン機能が作動出来る様にしました。

● 本機のバタフライ機能はレーシング機とは少し違った目的で作動します。大観峰に代表される大型スロープサイトでも、着陸出来るエリアは限られています。お山の状況を知り尽くしたお仲間さんだったら・・・、高速飛行から急減速の利くバタフライブレーキをピンポイントで使用出来るんですが・・・、ビジターさんはこのタイミングが解かりません。失敗されるビジターフライヤーの多くは、遥か前方からブレーキを作動させてしまうので、飛行自体が不安定な状態で進入して来てしまい・・・減速し過ぎてバランスを崩し墜落します。この時・・・強力な吹き上げ風に煽られると、方向が定まらず機体を暴走させてしまい最悪・・・人身事故を起こしてしまいます。結果!人にぶつけたので飛行機は無傷なんですが、ぶつけられた人は大なり小なりの怪我が発生します。


● 上記画像とイラストは本機のフラップ搭載を紹介しています。右のイラスト画像は昭和の時代から当たり前に普通に搭載されたリンケージの構造使用例です。(A)のリンケージのメリットは主翼のプランク材にサーボを取りつける孔加工が、大変簡単な構造です。しかし、サーボの動きがロータリーなのでロッドの前後運動にロッドの左右運動が加わり・・・、フラップ舵面の動きに差動が発生します。最終的には同じ角度で収まるんですが、途中の任意の角度で舵面の角度に差が出てしまいます。(B)の場合はサーボの回転動作を上下のロッドの移動に限定出来ますので・・・、フラップ舵面に差動が発生する事は無くなるんですが、サーボ自体を横置きにしますので、主翼のプランクを大きく繰り抜く必要があり・・・細い胴体の場合胴体側面からサーボの一部が露出してしまいます。

● 今回使用する構造は(C)タイプです。サーボ本体の動きはロータリーのままなんですが、途中の前後の動きに限定した回転ホーンで左右のフラップホーンを同時に動かします。中間の回転ホーンのサーボ側にボールリンクを使用すればロータリサーボのホーンの左右の動きにも対応が出来ますし、中間ホーンからフラップホーンまでのロッドの動きは上下方向の回転運動のみに限定されますので、かなりスムーズ且つシンプルな動きになります。フラップのホーンから舵面までは必ず同調した動きにになりますので、左右のフラップ舵面に差動が出る事は殆どありません。

● 平成15年以降にラジコン飛行機を始められたマニアの方で、エルロンは単独サーボによるリンケージが当たり前になってる人には理解不能な難しい工作方法に見える筈ですが・・・、この工作方法はエルロンの1サーボ作動という昭和の遅れた過去の技術とは思わない方が良いと思います。超小型サーボで無尾翼の翼端にラダーを搭載する場合にも使える取り付け方法です。構造を理解出来たら・・・必ず自分で実践してみましょう。新しい発想が生まれるかもしれませんよ。

● メインスパーに補強板を入れている画像です。昭和のキットには当たり前に使われていた補強構造です。バルサの木目の方向を上下に限定する事で、リブ間単独で主翼の反りと撓み方向の荷重に多大なる威力を発揮できる構造です。実機のメインスパーの構造はC型アングル(チャンネル材)を裏表二枚リベット留めで一体化して、H型のチャンネル構造材として使用しています。模型の場合はこの補強板の周囲の面に全面接着剤を塗り込み・・・、リブ間の四側面で其々ボックス型として固定します。この構造体の名称をD-BOX(Dボックス)構造と言います。主翼の断面がそれとな〜く・・・アルファベットの(D)に似てるからです。アメリカ人が命名する航空機用語って・・・、固有名詞が無い場合は形容詞なんですよ。

● これがロータリーサーボとフラップホーンの間に入るサブホーンです。右画像は部品の単体画像です。こういうホーンを自作する場合は、既製品の様なガタを最小限に抑えた精密品ではありませんが、構造をワザと単調にする事で既製品と同じ様な性能を持たせた構造にする事が出来ます。ミテクレを良くしようとすると・・・忽ち精密部品からかけ離れた能力に逆戻ってしまいますので、画像説明で真逆の意見をお持ちのマニアの方はもっと精密で性能の良い部品を自作されるか・・・、既製品を探して下さい。

● 右画像の皿ビス(3mmビス)は台座を2,5mmの孔で開けましたので、ビス自身でタップを切って捻じ込んであります。よってナイロンブロック台座に固定された状態と同じです。真ん中の可動ホーンは真鋳のパイプを組み込んで、ビスとのクリアランスを最小限に取ってあります。こういった可動式回転型ホーンを自作すると・・・、様々なガタが発生し其れが連動される末端部品に影響を与えます。このホーンで考えられるガタの発生原因は、シャフトとパイプのガタがもたらす・・・、ホーンの先端の各方向への振れ幅のガタに変換されてきます。考えられる振れ幅の方向は、ヨー軸の捻れ方向・・・は直接舵面の上下のガタに変換されます。ロール軸のガタも僅かなんですが、フラップホーンの前後方向のガタに変換されフラップ舵面のニュートラルに影響を及ぼします。こういった各方向へのガタによる影響を最小限に抑える為の(見てくれ)の悪い可動式サブ・フラップホーンとなっています。二つの台座はどちらもタップ切り仕様ですので、間に入る可動ホーンとのクリアランスは最小限に抑えられています。

● 可動ホーンの厚みを10mmに採りました。パイプを長くすると其れだけでロール軸のガタを少なくする事が出来ます。更に台座とのクリアランスを最小限に調整できますので、ロール軸(左右のガタ)は殆ど無くなります。ホーン自体の前後方向も12mm幅としてありますので、ヨー軸方向の捻れのガタにも対応出来ます。ロータリーサーボと可動ホーンのリンケージは、ヘリコプターのリンケージと同じボールリンクを使いますので、サーボの回転運動を可動ホーンの前後運動に変換する事が容易になります。可動ホーンが10mmの厚みがありますし、ねじ山を切れる材質ですので・・・フラップホーンまでのリンケージにはボールリンクを使います。

● 画像はオベロンU型のクロス尾翼(エレベータ)対応のサブ・ホーンの可動状況です。尾ソリ部分のハッチ内部にエレベータサーボに直結されたリンケージロッドが位置し、長めのI型ホーンの下部に連結されています。ロッドは前後運動ですので、樹脂製の三本ビス台座の中央ビスを中心に可動ホーンが回転します。内部は可動ホーンの厚みに合わせて、1,5mmのベニヤでカベを作りクリアランスを最小限に抑える事で、ロール軸のガタの原因となる振れ幅を最小限にしてあります。可動ホーン側をボールリンクにしてエレベータ側を通常挟み込み型のアジャスターにする事で、調整をし易くしてあります。今回のワイルドボアのフラップホーンのリンケージ方法とは、形状が違うだけで機構は全く同じです。同じ様なガタ対策を行えば、こういったバリエーションがドンドン増えて行きます。「此処にこんなのがあります。」と一行掲載する前に、自分で実践して試してみましょう。同じ物を勝手に自分の技術として掲載しちゃうから・・・トラブってしまいます。自分で実践してみて改良型が確実に出来たら、それは貴方の技術として堂々と発表出来るんじゃないですか?。(Part-3に続く)