Part−3 



● フラップホーンの取りつけ加工の画像です。ホーンを固定するテーパー材は使用するエルロン材と同じ部材から切り出します。通常エルロン材としてVカット加工された物ではなく、後縁材として90°(直角)を含むテーパー三角材を加工します。当工房の機体のエルロンは、全てこの材料を手作業で加工して組み立てています。其れ専用品で作って在庫すると膨大な数量になるからです。同じテーパー角度ならエルロン幅が30mmでも40mmでも加工すれば部品を接着して増やす事も、幅を落として狭くする事も出来ます。既製の前縁Vカットエルロン材を購入すると・・・、主翼後縁が一種類しか使えないんですが、この材料なら数種類を数十本単位で持っていれば、ラジコン飛行機としてキット化されたメーカー品ならどれとでも互換性が利く材料です。

● ホーン固定の部材の加工が済んだら、エルロンホーンに油分を沢山含んだハンドクリームを満遍なく塗り込みます。エルロンシャフトは真円なんですが、ホーン部材の溝は角溝で加工します。ネット物知り博士なら「シャフトが丸なら、溝も丸だろ!。」っと言われるんですが・・・、角溝でないと正確でガタの出ないホーン台座は出来ません。まず!・・・台座の溝にこれでもかあ〜!って位にエポキシ接着剤を充墳します。そこへエルロンホーンを埋め込みます。そのままはみ出したエポキシを小口に塗り広げて、後縁材に接着します。注意点は・・・エポキシが完全に硬化するまで、金属ホーン(エルロンホーン)を絶対に動かさないで下さい。

● エポキシ接着剤が完全硬化したら、エルロンホーンの金属部分をしっかりと持って力を入れると・・・、パキッと音がして金属ホーンの動きが軽くなります。硬化したエポキシがシャフトの周りにパイプ状のトンネルを形成したからです。丸抜き加工では難しい工作方法に成りますよ!博士!。角抜きなら仕上がりは丸抜きと同じですので、殆どガタも出ません。「そんな事あるか〜い!。」と思われる博士達は、別のやり方で完璧性と綿密性を確立させて下さい。ハンドクリームは(ニベア)でも良いですよ。

● 本機の主翼前縁はダブルエッジ工法となっています。主翼上・下面のプランクは、最初の前縁材に接着されています。このエッジ面を綺麗に平面加工して一番外側の前縁材を貼り込み・・・綺麗なアール面に加工します。プランク面の前縁材を直接アール加工すると・・・、前縁を尖らせ過ぎた場合にプランク材とリブの接着部分に削り過ぎによる孔を開けてしまう事がありますが、この方法なら孔を開けてしまう失敗は皆無です。加藤無線(MK)のF3A機のキットには当たり前に使われていた構造です。

● 本機の主翼・翼端材の加工です。翼下面の後縁の先端に段付け加工を施して、3×10mmのヒノキ板を貼り込んであります。その上から5×5mmのバルサ棒も貼り込んで翼型に沿う様に加工します。この工作方法は特殊加工ではありません。加藤無線の技術の応用です。加藤無線(MK)のF3A機のキットの主翼は、その使用目的の汎用性と演技のし易さから殆どの機種で完全対称翼を採用していました。翼端リブの厚みはプランク材込みで20mm弱が殆どだったので、上下10mmの所に幅1,7mm・深さ20mmの溝を加工して、そこへ1,5mm厚のベニヤを差込・・・翼端の補強をしていました。これは同時に翼端の加工にも基準ラインとして利用出来ましたので、キットを組むお客さん達にも好評でした。そこで!古巣の技術の一つとして本機ワイルドボアのみならず多くの機種に採用しています。

● 翼端の接着には必ずエポキシを使って下さい。最近は何でもかんでも瞬間接着剤!って勘違いしてるマニアが増えましたね。上空でエンジンがもげてしまい・・・、鉄の塊だけで落っこちて来て・・・お仲間さんの愛車のボンネットを直撃!・・・なんて、昭和の時代からは考えられない様な脱落事故が起きる様に成りました。

● オークションサイトでは何でも安く購入できますけど・・・、空物ラジコンの初心者が昭和のバルサキットを安く落札して、手抜きし捲って機体を組んで、オークションに流すと・・・これまた別の初心者が購入する・・・。売り買いは成立するんですが、上記の様な事故が発生した後・・・大きなトラブルに成ります。事故の加害者は、文句の矛先を出品者に求めるんですが、その本人もメーカー指定の工作が面倒臭いから手抜きしました。最終的には・・・キットを製造したメーカーに文句の矛先が向いてしまいます。

● 昭和の時代にはこういう事例は無かったんですけどねえ。ラジコン飛行機は、模型店で購入するのが当たり前でしたから。模型店に出向いてきたモデラーの状況を素早く見抜いて、確実なラジコン模型を販売してましたし・・・。模型屋のご主人だって、下手くそレベルの初心者の時代を経験してますので、素人さんと玄人さんの区別くらい解ってます。どんなに素人さんが、ベテランぶっても・・・見破ってましたし・・・。要するに・・・レベルに合ったラジコンを販売して、事故を未然に防ぐ心構えが出来てる人達でしたから、模型店のご主人は多くの常連モデラーさんに信頼されていました。

● 私の部分プランクタイプの機体全般に言える事なんですが、RINDYシリーズ機の様な超軽量ハンドランチグライダーを除き殆どの機種には、リブキャップが付けてあります。スチレン製ファンフライからラジコン飛行機に入門したネット物知り博士諸氏からは、「リブキャップ付きバルサ機は初心者用。」と言われています。何でも・・・フィルムを貼るのが下手くそほど、リブキャップを付けたがるんだそうです。彼らに共通してるのは、フィルムは貼れるけど・・・絹張り(羽布張り)や紙張り(極薄の和紙)を貼り込んで、ウレタン塗料で仕上げる!なんて技術を知りません。

● リブキャップは初心者のマニアほど必要なアイテムだという所は・・・、博士達の言う事は当たっています。しかし!世の中に沢山おられる昭和の大御所さんでも、リブキャップ付きの機体は多く作られています。フィルム張りしか知らないネット物知り博士諸氏は、こういう大御所さんの技術を実践で盗み更なる技術の進化に役立てて欲しいと思います。本機ワイルドボアも部分プランクなんですが、購入される昭和の大御所さんの殆どが絹張り・紙張りの塗装仕上げをやっておられます。シルクにしても紙にしても生地完成のバルサ面に、表面処理を施しておかないと貼り込みが大変難しくなります。リブ自体の幅なんて2mmしか無いんですが、キャップを付けたら幅は5mmになります。

●  貼り込む面積が増えたら・・・その分機体の硬性が上がります。自作飛行機を沢山作ると、このリブキャップの重要性が良く解ってきますよ。他の主翼の構造体をどんどん簡素化出来るので、結果的に主翼の構造が簡単に成り軽量化に繋がっていきます。

● センターウィング(主翼・内)の画像です。プランクシートの寸法決めをやっています。外翼との結合面ですし上反角が付いていますので見た目直線なんですが、翼型の曲線に沿わせるとシートの小口はアールになります。そこで!予め仮止め固定してリブ面にあわせてペーパーホルダーを使い、平面加工しておきます。この先加工は翼を結合した時にその真価を発揮します。行き当たりバッタリの「通らばリーチ!。」的な加工ではありません。

● ジョイントカンザシの溝加工の画像です。通常はヒノキのメインスパーに抱き合わせって思ってるマニアが殆どなんですが、言わば胴体装着のセンターリブ面と同じ結束カンザシの方が加工はし易くなります。最短距離でのヒラカンザシで済みますから・・・。昭和の多くのF3Aマニアが同じ事で苦労しました。スパン(翼長)が1600mmを越えると工作台での引き回しが大変難しくなります。翼端ブロックの削り込み等・・・固定して削る時・・・マニア自身が移動をしないといけなく成る場合もあります。そこで!当工房の機体は二分割翼でも三分割翼でも結合面には専用リブを固定しています。これなら分割翼毎に独立して組める箇所が増えますからね。当然・・・翼端も、先加工です。

● センターウィング(主翼・内)に設けているサブスパー面の補強状況です。W・B・F仕様の大戦機には当たり前の主翼サブスパーなんですが、本機の様に翼弦の長いテーパー翼には普通に採用している内蔵部品です。こういう独立したボックス加工を内蔵すると主翼は捻れに対して飛躍的な向上を見せてくれます。同じ様な構造としてスクウェアタイプ(四角形)の格子状のハニカムは、F−16(ファイティング・ファルコン)のリフティングボディに使用されています。アルミで構成されたフレーム加工の場合、空中戦において敵のバルカン機銃を受けただけで機体が崩壊する危険性もあるんですが、このスクウェアハニカムなら機銃で一部貫通や欠損したとしても、部分的な損失のままですので機体全体が連鎖崩壊するのを防いでくれます。

● 画像は主翼・外と内を結合するベニヤのジョイントです。二本の黒い線は焼付け塗装されたピアノ線を内蔵したラインです。カンザシ自体は厚さ2mmしか無いんですが、この金属線を引き千切るくらいの(G)を掛けた飛行は本機では出来ません。まあ・・・本機でマッハ1,2位のスピードを出し、いきなりナイフエッジに移行して急旋回すればバンザイするかもしれませんが・・・。翼型自体が時速200km/h位しか出せませんので、バンザイは無いでしょう。このピアノ線内蔵カンザシは当工房の殆どの機体に当たり前の様に採用されています。通常なら3mm厚のベニヤカンザシの所が・・・、2mmベニヤのピアノ線内蔵カンザシで済みますのでコスト面で大きく役立ちます。

● OK模型製のリードハーネス200mmと300mmを繋いで500mmのハーネスを作ります。コネクタのジョイント部分は抜けない様に粘着性のあるビニールの絶縁テープ等を巻いておきます。本機のエルロンサーボは主翼・外に横置きで内蔵するんですが、上反角を通過するのでリードの後入れは大変難しくなります。そこで!先入れする為に長めの配線としています。

● 今回の組み立て画像は本機の試作機仕様を使いましたので三分割翼の組み立て方法で作業が進んでるんですが、量産型仕様機では左右二分割翼ですので当工房にて内翼と外翼の結合行ってから生地完成・7部組み状態となります。本機の主翼の構造上主翼の結合はしてあるんですが・・・、中央結合部分はプランクされておりませんので、購入されたマニアの方が自分の技術を使って結合とプランクをしてください。尚・・・結合した主翼のジョイント部分は必ずマイクログラスを1プライ以上貼り込む事が条件です。従って・・・「プロポって何ですか?。」レベルのマニアの方には組めませんので、諦めて下さい。

● 主翼・上面のプランクを行います。主翼を結合する前に先加工していたプランク材を貼り込んでいきますので、角度もアールも一発で勘合できます。プランク材の細かい段差は一番最後の行程ですので、次の工程は通常キットとは違う胴体への主翼の固定方法の加工についての記載となります。多くの自作マニアの苦労の種である胴体と主翼の勘合部分の加工です。多分・・・なるほどなあ・・・と思われるマニアの方も多いと思いますよ。

● 上記で量産型・生地完成・7部組みの機体セットの件に触れたんですが、画像が主翼の中央部分なんですが、この部分を結合してもらいます。セットではフラップは付きませんので後縁材までを左右結合という形になります。主翼下面のプランクはされていますが、上面はカンザシを入れてから指定接着剤(エポキシ)で塗り固めた後・・・上面のプランクを行います。プランク材は幅広のシートの一枚板ですが角度調整やつなぎ目の成形も済んでいますので、木工ボンドをたっぷり塗り込んで接着して下さい。右の画像は主翼・外に設けられたエルロンサーボの搭載スペースです。私の搭載方法はベニヤのフタ材に直接マウントを組み込み、サーボを横積みで搭載しています。このサーボ付きフタ材は専用の小ビス4本で確実に固定します。その為の先付けの台座を組み込んであります。(尚・・・リードハーネスは(Z型)コネクタですが、既に先入れで内蔵してありますが・・・、御自分の手持ちハーネスを使用されたいマニアの方は、送ってもらえれば組み込みます。此方でオーナーさんの指定品を購入する事はありませんので。)ご了承ください。

● 独特な主翼勘合部分が見えますか?。このWILD−BOAR・UB型機には主翼の翼型のみ違い、胴体のみ共通の兄弟機が試作機の段階から沢山存在しています。ほぼ全機・・・半対称翼機なんですが、主翼の翼型だけでスピード調節出来るので・・・ほっとけクラス(中級者)から仙人クラス(マスターズ)までのオーナーさんに幅広く指示されています。ただし!オールマイティ型ではありませんので、色々な翼型を自由に付け替え可能って意味ではありません。ネット依存症のネット物知り博士諸君!・・・勘違いしないでね。このワイルドボアU型の胴体のみで、主翼尾翼の形状を変えても基本モーメントの範囲内であれば、昭和のF3Aの有名機のセミスケール・スロープスタントグライダーが、かなりの数で再現出来ます。ブルーエンゼル対キュラーレの2mクラスのパッシングレースも可能かもしれませんよ。もう・・・30年以上前の名機なんだから、スケールクラスに昇格されても良いのではないでしょうか?。グライダークラブの事務局長さん!このクラスのカテゴリーを作って下さい。流行れば・・・必ず・・・各大手のメーカーさんが自社販売の名機のラインナップで参入して来ると思います。

● 画像の台座は主翼後縁部のビス止め用の台座です。画像の様な方向で取り付けます。台座の一部がくり貫いてありますが、これはフラップホーンが最大下がった時に干渉しない様に、くり貫いてホーンの先端を逃がす為です。幅を広く採ったので、4mmの長ビス2本で固定します。何故爪付きナットを使用しないのか・・・と聞かれるんですが、爪付きナットの位置決めが飛行機を組み上げた後では難しく面倒臭くなるから・・・が理由です。このナイロンブロックは通常のドリル刃で簡単に孔を開ける事が出来ます。4mmビスを使用するなら3,2mmの孔を開ければ、ビス自体でタップを切って孔加工出来ます。もしも!・・・経年変化が起きてビス孔が馬鹿孔になっても、孔自身をさらい直してビスの太さを上げて再びタップを切って固定出来ます。台座のブロックの幅を20mmとしましたので、最大10mmのボルトまで捻じ込めます(笑)。

● 本機の主翼前縁に位置している前ダボと呼ばれる主翼固定用のピン・ダウエルは、通常の丸型ダウエルではありません。昭和の機体キットで当たり前に使われていた丸型のピンダウエルなんですが、胴体の組み立て方と主翼の組み立て方を図面記載の順番通りに行えば・・・、比較的簡単に勘合出来たんですが・・・、多くのマニアが面倒臭がって順番無視をして組み立てた為に・・・結局正確には組めずに苦労した人も多いと聞きました。この部所を好い加減に組んでしまうと・・・主翼の取りつけ角(迎角)が狂ってしまい・・・ピッチ軸が大変不安定な機体に仕上がってしまいます。孔にピンが収まらず1mmほど上下動が必要な場合は、綺麗に半丸の加工をしないと動いてくれないばかりか・・・、飛行中にピンや孔が甘くなると主翼の上下方向にガタが発生してしまい、少しハードな着陸をしただけで、機体の大きな破損を招いてしまいます。

● 当工房で製作している機種の中で、カンザシを使って主翼を分割させるタイプとゴムひもを使って主翼を固定するタイプ以外のワンピース翼の機種全部に、画像の様な角型のピンダウエルを採用しています。左右にピッタリ勘合出来る様に作っておけば、上下方向の固定はテストフライ後の完全固定までビス止めの半固定となっています。通常の丸型ピンダウエルでは主翼の迎角を増やす事は出来ても減らす事は出来ませんが、当工房のテスト機は前ダウエルの上下移動が可能な為・・・主翼の迎角を減らす事も可能な設計になっています。結局この構造が功を奏すと主翼の翼型を自由に変更する為の台座の先加工が可能に成ります。

● 実際の主翼はこの様に固定されるんですが、前ダウエルが本機では角型のピンダウエルではなく・・・角棒の平ダウエルとなっています。ピンダウエルはその名の通りにピン状の棒材が同サイズの孔に勘合されて固定されるんですが、この平ダウエルの場合は勘合孔側の後加工が可能になるので、主翼の迎角を減らす方向の調整も当たり前に出来る構造になっています。この構造により本機ワイルドボアのワガママなオーナー諸氏を満足させる・・・、翼型の変更が可能になります。先加工でこの基準台座を組み込んでから、最大翼厚8%〜12%までの数々のお好みの翼型に変更を後から出来る構造になりました。側板の主翼取り付け部分が角抜きに成っているのが解かって貰えたと思います。

● 接着剤にエポキシを使ったので完全硬化まで時間が掛かりますので、先にキャノピー直下のメカ室の先加工です。メカ室の底部分の加工が終り完全なボックス構造になりましたので、センターキール(竜骨)の上部を切り取ります。ただし!画像の左端はテグスワイヤー両引き仕様のラダーサーボを搭載する区画なんですが、本機の主翼の位置決めと角抜き側板の取り付けが済んだら切り取る行程です。現在の気候が雨降りは極端な豪雨・・・晴れたらカンカン照り・・・湿度も温度も一定しませんので、湿気に弱いバルサ材は伸縮と膨張を絶えず繰り返してしまいます。ひ弱に成った胴体構造は・・・捻れ放題です。画像左側からラダーサーボ・次がエレボン(エレベータ)サーボ×2・次が受信機バッテリー室・一番右が重心調整のバラスト室となります。

● 画像の道具は中学の頃(昭和40年代)に技術の授業で使用した(トースカン)を参考に作った簡単な工具です。細書きマジックを角度固定して定盤の上を滑らせると、キャノピーに等高線を入れる事が出来ます。元々私の製作したこの木型は、実際に機体に搭載して形状を決め・・・、そこに真空成型用の木型の法則加工を施した物です。木型の底には3mmベニヤを二枚積層して、切り代を作っておきました。この分を均等にカットすればコクピットのラインに即合わせられるキャノピーが出来ます。

● 主翼の前縁を加工して台座を作り、平ダウエルを取り付けます。ダウエルの厚みに仕上げる為には皿ビスを使って埋め込み加工をしなければなりません。その為にベニヤ台座の厚みを4mmとして確実にタップが切れ、固定出来る様にしました。尚、画像では解かり難いのですが、このダウエルの材質はホームセンターで購入可能なナイロン棒材です。(Part−4に続く