Part−4


● 切り上がったキャノピーを載せるとこんな感じです。此処にキャノピーの台座を組み立ててから、キャノピー本体を接着固定します。試作機を見た誰もがキャノピーの方向が逆だと言いましたが、キャノピー前方に平面部分を残した方が前に成ります。試作機ではキャノピーにフレームラインを入れていませんのでその様に感じられたのかもしれませんが、本来はこの方向が正規ですのでキチンとラインを入れて仕上げると納得されると思います。

● 主翼取りつけ部分の角抜き部分に厚さ15mmのバルサシートを加工して組み込んだ画像です。この段階ではまだ接着はしません。翼型の座標を現物合わせで採寸し型紙を取ってからバルサシートにトレース後、ミシン(糸鋸盤)で翼型のアール加工を行います。この!、バルサシートの取りつけ状況を見て・・・、直ぐにアイデアの閃いたマニアの方は利用方法の汎用性に気付かれた筈です。今回の機体にはフィレットは使いませんが、バルサシートの厚みを30mmにすると可也大きい逆アールのフィレットが形成出来ます。この画像で見ても解かる様に、内部接点は主翼前方ダウエルの台座も主翼後縁側の台座も幅は同寸法です。という事は現時点のバルサシートの外面は、平面であり前後同じ幅であり・・・胴体中心線に平行で定盤面に対して直角に成っています。何かに利用出来る構造だとは思いませんか?。

● 上の画像は本機ワイルドボアの主翼取り付け部分の構造と同種の方法で組まれています。左はEPホーカーハンターの主翼を胴体フィレット部から外せる様にしました。この部材は各胴枠を平面加工して接着してあります。主翼を勘合したら翼型に合わせて胴体ラインから流れるフィレットラインを削り出す事が出来ます。右はビンテージグライダー・ライハーの分割主翼の取り付け面です。当工房の大型グライダーは外部側板と内部側板という二重構造で胴体ラインを形成しています。内部側板は各胴枠の内側から嵌め込んである側板材で、各胴枠の平行性と基準胴体中心ラインを確実に形成する為の内部構造です。その内部側板にベタ付けで厚さ25mmのバルサシートが貼り付けてあります。この周りを外部側板のアールラインに合わせてプランクすれば、画像の様な主翼結合面が形成されます。

● この平ダウエル棒の軸受けは、本機の試作段階のT型の頃から採用している構造です。昭和60年代のラジコン技術誌に(加藤無線飛行機株式会社・MK)から既に発売されていた・・・、第二次大戦機(フォッケウルフ・グロー60クラス)の製作記事が掲載されたんですが、このフォッケの主翼前縁にこの棒ダウエルが使われていました。ただし!組み付け方法はピンダウエルと同じ仕様ですので、多分・・・当時のキット初心者には組み立てられなかった一品でもあります。


● 実際にダウエルを使って主翼を固定します。主翼後縁側の台座に隙間が開いているでしょう?。現在の主翼の最大翼厚は9,5%ですのでその翼型のラインに合わせてあるんですが、翼厚は最大12%まで対応可能な様にワンメイクの台座で構成されています。実際には翼型に合わせて加工した側板に圧着されるので、この隙間は気に成りません。

● テレビ番組の(劇的ビフォー・アフター)の匠の技で紹介されていた垣根造りを応用してみました。胴体側板にケント紙を両面テープで貼り込みます。ここに幅10mmの2mmバルサを短冊で貼り込みます。主翼側は翼型に合わせて角度切りし、ケント紙には速乾の木工ボンドを使いました。敷地一杯に垣根を張ったら・・・ケント紙を剥がします。

● 画像の様にケント紙を当たりに使って、翼型部分をマチ針で固定してからボールペンを使ってトレースします。同じ方向を二枚採っている様に見えるんですが、手前の材料は内側に成る面・奥の材料は外側に成る面です。

● 糸鋸盤を使ってトレースした線を正確に切り抜きます。本来なら・・・捨てても可笑しくない材料が今回の主役です(笑)。一部切欠き部分もありますが、木目によっては欠け易くなりますので・・・、シャブシャブ(低粘度)の瞬間接着剤を充分染み込ませて固めておくと良いでしょう。

● 機体に取り付けてみた画像です。このままではまだ・・・主翼は着けられません。本機の内側の主翼は前縁後退のテーパー翼型なのですが、相似形の均等座標翼の為主翼下面を基準に組んであります。よって・・・主翼上面側は全ての均等座標ラインが下反角設定になっています。当然!低翼機なので側板ラインよりも内側が高くなります。主翼取り付け面の加工は厚みの分が平行加工のままですので、斜めに削り上げないと主翼が固定出来ないのです。

● 主翼前縁側のダウエルをフリー状態にして主翼を乗せると、メインスパーよりも前方に隙間が出るでしょう?。これは主翼の中央が側板ラインの淵よりも高いからです。画像ではまだ・・・側板は平行切りの状態です。此処を斜めにカットして主翼の勘合を行います。

● 匠の技の垣根ラインがトレースされた側板のラインです。この側板の淵に油性マジックで墨付けをします。これより内側を斜めに削り込むのですが・・・、絶対にこのマジックの外淵を消さない様に削って行きます。ピタリ!もしくは内側の削り過ぎ状態でも淵ラインが残っていれば、胴体側面の翼型アールラインには隙間が見えなくなります。バルサの生地状態では解かり難いのですが、特に艶のある白いフィルムを貼り込むと・・・、この隙間が目立ってしまいます。もし!綺麗なアールを形成していたら、主翼と胴体の接合面は一本の線に見える筈です。まずは!ここを目指して削ってみましょう。実は!スケール機を作る場合の主翼のフィレット部分の加工精度は、この翼型のラインを如何に綺麗に作れるかで仕上げの良さに差が生まれます。好い加減に作るとその仕上げのボロ隠しも難しい加工になります。

● 本機ワイルドボアの動翼の加工です。奥がエレベータ材・手前がエルロン材です。共に幅40mm必要なんですが、水平尾翼の厚みを10mmに・・・エルロン・フラップの厚みを9mmに設定しましたので、同じ材料が使えません。この1mmの厚みを表現するのにワザワザ削る・・・なんてやる必要はありません。手前は35mm幅(最大厚8mm)のエルロン材を特注で100セット(ラトルスネーク:大植社長)に造ってもらいました。この35mmの前縁側に5×10のバルサを貼って、テーパー加工すると最大厚9mmのエルロン材になります。尚・・・エレベータ材とエルロン材は(何ちゃってリブ組みエルロン)の加工を施します。

● 本機のラダーは最大厚10mm・幅50mmのVカットエルロン材をそのまま寸法カットして使用しています。この材料もエレベータ材やエルロン材とテーパー角が違います。この材料は当工房のオベロンT型オベロンU型チタニアT型アンブリエルT型用に、自分で引いて加工したものです。試作型ではムクのまま仕上げたんですが、量産機からはリブ組み(何ちゃって・・・)に変更しました。

● キャノピーを載せるキャノピーの枠と台座を製作しました。表面に目止めと変形を防ぐ為の表面処理を行います。クリアラッカーを刷毛塗り用の硬さまで希釈してから、目止めの添加剤としてのベビーパウダーを混入します。この溶液を充分な乾燥時間を含めて3回ほど重ね塗りします。一回塗る毎に乾燥させてから軽くケバ取り程度に軽くサンディングしながら、重ねて塗っていきます。最終の塗り込みが済んだら、充分乾燥させてから本格的にサンディングをして凹凸を取り・・・万能色である銀粉塗料を吹き付けて下塗りの完了です。

● 本機のキャノピーは細長くて全長400mm以上あります。本機がスロープ専用の無動力仕様機である特性の為、メカ室の全部を独立させた構造で一列に並べてあります。メカ搭載ルームを大きく取るのも一つの方法なんですが、本機の飛行目的がスロープスタント(アクロバット)対応機なので、強度保持の為に個別のメカの個室を並べてあります。このメカ室の個別ルームを其々のハッチ仕様にすると・・・、部品は増えるわ・・・強度維持の為の補強でメカ室自体が狭くなるわ・・・と良い事があまりありません。そこで!一括ハッチの方法を取りました。本機のキャノピーは一括ハッチの役目もしています。超軽量ハンドランチグライダーのメカ室ハッチであるバルサの一枚板と・・・、扱いは同じです。機体の強度保持には何の役にも立ちません。

● 画像のパイプはキャノピー取り付けビスのアウタースリーブ(ガイドパイプ)です。これを着けないと外れたビスがキャノピー内部で踊り出し・・・、最悪何処かに挟まって取れなく成ります。そこでスリーブを自作しました。枠内のカラーデザインが済んだらキャノピー本体を接着し・・・、スリーブ自体はキャノピーラインに合わせて削り込みます。

● ムクのエルロン材をリブ組みのエレベータ材に加工する為の型紙です。所々の細かい切れ込みはリブを勘合する為の溝入れです。枠内途中の大きな補強部分はリブ組み完了後にカッターナイフで切り落とします。これを入れておかないと・・・枠自体がモロク・・・工作中に崩壊する事も起こります。

● ノーズブロックの一部をキャノピーラインに合わせて削ります。キャノピー固定に使用しているビスは、普通のユニバーサル・ヘッド(ナベ頭)でもディッシュ・ヘッド(皿頭)のタッピングビスが使えます。ビスの頭はスリーブ内に完全に隠す事ができます。スリーブとキャノピーの淵は、枠とキャノピーの接着後・・・溶着で接合します。少々曇りが入るんですが・・・、この部分は塗装で胴体ラインと一体化しますので、よ〜く見ないと解からない位の仕上げには成ります。

● エルロン・フラップ・エレベータ各動翼の抜き捨て加工が終わった状態です。このままでもフィルムを貼れば立派に動翼として機能は出来るんですが・・・、ファンフライ機ではありませんのでこのままの構造では強度が足りません。ここからが「何ちゃってリブ組みエルロン」の真の加工工程に成ります。多分・・・レーザーカットで正確にパーツを刻んで組み立てたとしても、この「何ちゃって・・・」の正確さに比べれば足元にも及ばないでしょう。

● 丸抜きのトレースと同時にリブのスロットイン加工位置も組ヤスリを使って溝加工しておきます。動翼には翼面フラットのムク材を使いましたので、リブもフラットで良いです。画像の様に直線トレースで量産します。心持大きめの加工でサンディング仕上げにした方が翼面が綺麗になります。

● 補強で残していた桁部分のバルサを切り抜くと一応完成品の域なんですが、飛行機本体の使用目的がスピードアクロバット・グライダーなので・・・、更に補強を加えていきます。コーナーの三角パネルを上下に施したとしても・・・、ムクのエルロン材よりも軽量に仕上げられるので本機の様な機体に使用すると、普通に簡単に軽量化が出来ます。ただし!ミシン(糸鋸盤)を持っているマニアのみなんですが・・・。持ってるだけで使えない場合はどうなるんですか?って、天邪鬼みたいなネット物知り博士の質問に対しての答えです!。「諦めて下さい!。」としか言えません。何の為に糸鋸盤・・・買ったんですか?。自分のページで見せびらかす為ですか?。そりゃ〜奥行き900mmのアーム型なら万能ですよ。サブロク板(900×1800)の定尺板だって加工可能ですしね。個人で購入したは良いのですが・・・、三相モーターだから家庭用コンセントでは使えなかったんでしょ?。ご愁傷様です。合掌!。

● 左からフラップ・エルロン・エレベータです。一応此処までが完成となります。トラス組みの機体のフィルムの貼り方を熟知しているマニアならば、此処まで補強すればどの位の強度が在る!という皮算用は出来たと思います。一部・・・バルサの出っ張りや抜き無し部分もあるんですが。このエリアは各種ホーンの台座部分です。フラップに至ってはピアノ線のフラップなので、左右に均等に小穴を突かなければなりません。その細かい加工部品なんですが・・・無くても良いとは思います。しかし!在ればキット製作のベテランと初心者の技術の差が殆ど出なくなりますので、面倒臭がり屋さんじゃ無い人のみ参考にして下さい。エルロンホーンと違って・・・フラップホーンの場合は、左右の穴位置がずれると左右の動翼の動作角度とニュートラルが出なくなります。その為の工夫としてフラップ用のコントロール・ロッドを二本使いとしました。

● 大変小さい部品なんですが・・・、結構重要な部品ですので型紙を正確に採って2mmベニヤから切り出します。本機ワイルドボアU型Bタイプのフラップは、昔懐かしい主翼中央からクランク型のピアノ線で繋ぐリンケージですので、フラップ動翼には小穴を突かなければなりません。動翼はテーパー断面なのでフリーハンドで孔を開けるのは大変難しいと思います。それも・・・左右対称に同じ角度で・・・・となると、少しのズレが左右の動力のバラツキを生み出します。そこで!画像の様なガイド部品を作りました。

● フラップ動翼側にガイド部品の入る溝を彫ります。この溝に部品をセンター出ししながらエポキシ接着剤を使って埋め込みます。画像では左右の動翼が其々実際に取りつける方向で並んでいます。この動翼の前縁側にはピアノ線が納まりますので、新たに半円状の溝を付けピアノ線毎接着してしまいますが・・・、主翼の後縁側は可動しますのでセロテープ等を挿入してからの作業になります。(Part-5に続く)