Part-5

●・・・・・フィルムによる被覆とメカ積み


● 量産型試作機では主翼の被覆にトランスパレットのオラカバドライを使ったんですが、量産機にはオラカバドライ・ロイヤルブルーを使いましたので透け感は全くありません。他メーカーのフィルムと違って裏打ちの顔料にホワイト色を使ってありますので、バルサの色で色彩が変化してしまう事もありません。元々数年前にフェラーリレッドと各3本ずつ購入していたんですが、やっと使うチャンスが巡って来ました。スパン1600mmの本機なんですが、主翼中央部は最大で翼弦400mmありますのでキチンと型紙を作って無駄無く材料取りしたにも関わらず・・・、フィルム一本丸々使い切ってしまいました。

● 本機には試作機には無かったフラップ機能を搭載してあります。左右の動翼の角度に差動が出ない様に・・・更にアナログですが左右の動翼を単独で細かく調整出来る機構が必要に成りました。ただし、グランドでの胴体着陸は不可能なんですがスロープは草むらが当たり前ですので、堂々とフルダウンが可能です。ネット物知り博士を含む掲示板内の大御所さん達は、本機を動力機として改造すれば高性能である!といった会話をされているんですが・・・、普通にノーズをゴリゴリ切り落として十字プレートでブラシレスを取り付けても・・・、ダウンスラストを最大10度近く付けないと水平飛行は不可能な翼型を採用しています。明らかにスピンナーもプロペラも下を向いていますので・・・、かなり格好の悪い飛行機に成るでしょう。

● この状態で未だ950g・・・もちっと重くなってくれたろか・・・・と思ってたんですが、このままだとまた・・・試作機と同じ1400gで仕上がりそうです。本機の基本翼面荷重は中風〜強風域で安定した飛行を可能にする為の設定なので、全備重量は1600g欲しいと思っていたんですが・・・、今回もバラスト搭載確定です・・・。プランク材やら補強材やら・・・かなり硬くて重い材質ばかりで組んだつもりだったんですけどねえ・・・。内部構造補強のエポキシ接着剤だって試作機の倍の量を塗り込んだ筈なんですが・・・。

● 嵌って貼り込んだら1日12時間労働で丸二日かかってやっと此処まで被覆出来ました。フィルム用の型紙を全部作図して、定尺フィルムから無駄無く効率良く材料取りしたおかげで、動翼用のフィルムまで何とか全部賄えそうです。同じ光量のデジカメの画像なんですが、室内の蛍光灯の灯りと屋外の太陽光線とではロイヤルブルーの明度がはっきりと変化します。室内で色を決めるとフィルムを通販で購入した時点で、色違いに気付いても遅いと思います。(無い工具は作ってしまえ!=自作工具の紹介)の中にオラカバフィルムの色見本帳の項がありますので、良く読んで取り寄せてみてはどうでしょうか。ネット画像の色見本は室内ですので色調が変化していると思います。こういう時の為のアナログ本です。プロッターを使ってカッティング文字を切り・・・看板体に貼り込む看板屋さんでも、色見本片手に担当さんと直射日光の中色調を決めると失敗がありませんでした。

● 本機のフィルム張りに使用した各部所の型紙です。垂直尾翼だけを例にとるとすれば・・・、左右の面のサイズは同じなんですが、片側のみの形で材料取りしてしまうとどちらかの一面しか貼り込めなくなります。テーパー比の強い本機の主翼にも同じ事が言えるのです。もし!同じ方向で4枚のフィルムを切り出してしまったら・・・、最悪・・・2面は貼り込める状況ではなくなります。一例なんですが同じ方向の4面フィルムの場合は、左の主翼の上面と右の主翼の下面は貼れるんですが・・・、残りの2面が貼れないという事態に成ります。本機はこの型紙のおかげで定尺オラカバフィルムを丸々二本使いましたが、足らなくなって三本目に突入!という事態には成りませんでした。

● 本機の各動翼の画像です。左からエルロン・フラップ・エレベータ・ラダーの順です。フィルムを少しでもケチって使いますので何時もなら両面と小口の一体一枚張りなんですが、捨てる部分が大きく成りますので部分分けで貼り込む加工にしています。他の部所の貼り込みの端材を使って小口のみを先貼りしておくと、各動翼に貼り込むフィルムのサイズが少々なんですが減少してくれます。大手のメーカーさんならこういう細かい所も充分計算して主要諸元を決定するんですけどね。そういう理由も含めて各動翼のサイズを決めています。本機に限らず当工房の商品を購入された方でフィルム張りをされる方には、この型紙を全部所分・・・無料で付録としています。GANBAサイズならば定尺フィルムの2/3位で事足ります。型紙を使って少しでも節約して下さい。

● 右は量産用の試作機です。二機とも同じサイズなんですがボディが白いと膨らんで見え・・・青いと締まって見えます。ラジコン飛行機のカラーリングは個人の気分で決まるんですが、対称的な異なるカラーにしたので夏場のスロープサイト用と冬場のサイト用で其々使い分ける事も出来そうです。外見的な変更点はブルーボアの方にはフラップが追加搭載された位で、後は殆ど同じです。小型軽量機を好むパークフライ機マニアでも、この機体デザインは興味がある様ですね。ワザと複雑なファンクション設定にして敷居を高くしてる訳じゃあ無いんですよ。スロープパッシング競技だけならエルロンとエレベータの2chだけで操縦出来ますが、アクロバット系のスタント飛行を好まれるマニアは、上昇時のスピードと降下時のスピードにもこだわります。着陸だって格好良く決めたがるのは当たり前の成り行きです。ただ付けてりゃ良いってもんでも無いんですよ。あらゆる天候と風速域で何十回もの飛行を重ねて行くと・・・、付加装置のオグジュアリー(艤装)も充実させる必要が出て来ます。別にバタフライ設定は必要無いんですが、山の稜線に沿って安全な低速スピードで着陸させようと思ったら・・・、フラップも必要かと思い・・・搭載しました。

● 試作機と量産型の機体構造は同じですのでメカの搭載位置も同じです。上からラダーサーボ・エレベータサーボ×2・レシーバー・バッテリーの順です。主翼直下のフレームには必要に応じてバラストを搭載します。

● エレベータは左右単独のコントロールが出来るんですが、アクロバット飛行時にはエレボンとして機能しエルロンとのミキシングで相反エルロンとして作動します。ラダーはバックラッシュが出ない様に更に軽くスムーズに動ける様に、テグスワイヤーによる両引きを採用しました。胴体内部を複雑に回避する為に配管をカーブさせても、確実に作動できます。

● ラダーホーンが両面ともビスで留めてあるのに気づいたマニアは・・・、驚いている方と内部構造に気付いた方だと思います。超簡単な構造で敬遠されていたミテクレの悪いホーンが大変格好良く成ります。

● エルロンサーボの搭載画像です。2mmのベニヤに直接サーボを固定しています。この方法ならリードハーネスの引き回しとサーボの固定が楽に成りますので便利なんですが、このサーボを固定した蓋をいい加減に取りつけたら意味がありませんので確実に固定します。

● 試作型と量産型を機体後方から見ると・・・量産型の方が大きく見えてしまうんですが、前方から見ると同じ大きさです。多分・・・・・機体のベースカラーをフェラーリレッドにしたら、もっと大きく見えたかもしれません。女性誌のモデルさんのファッションの着こなし方で長身に見えたり低く見えたりするんですが、彼女達のプロフィールを見ると170cm近い女性でも標準身長に見えたりします。人間の目ん玉は実にいい加減に出来ています。騙しのテクニックも平和利用で上手に使うと・・・色々遊べるので今回の量産型は目にも鮮やかで、それでいて重厚な飛びに相応しいカラーデザインで仕上げてみようと思います。

● 長崎県にはサッカーチーム(V・ファーレン長崎)があります。このチームのカラーがブルーとオレンジがベースになっていますので、から揚げの移動販売(ヴィクトリーチキン)のお友達って事でサポーターの一人として加えてもらいました。そこで!チームカラーを使って量産型ワイルドボアのカラーデザインを決めました。ベースカラーがロイヤルブルーですのでひじょうに明度が濃く、上に乗せるカラーフィルムは裏打ちがクロム処理してある物でなければ透ける分濃くなってしまい本来の色調が出ません。塗装ならばストライプ面をマスキングしてから銀粉を噴くんですが、ブライトレッドをくっきり浮かび上がらせるならばまずホワイト色を塗布した方が良いと思うんですが・・・、行程が増えますので別の方法を考えてみました。

● ラジコン飛行機に入門仕立ての初心者にはお勧め出来ない方法なんですが、塗装する為の環境整備をするのに比べれば楽なんですけどねえ・・・。ベースカラーのロイヤルブルーの上にまずオラカバライトのシルバークロムを貼り込みました。その上から同じ型紙を使って切り抜いたブライトレッドのストライプフィルムを貼り込んでみました。フィルムの上からのフィルム張りは空気が抜けませんので、空気抜きを前提とした大変面倒臭い貼り方のテクニックが必要になります。これは!最初から誰でも簡単にホイホイと出来る作業ではありません。百戦錬磨のフィルム張り職人でも神経を使う張り込みですので、失敗を恐れずに貼り込んでみましょう。ある法則に法った貼り方さえマスターすれば誰にでも出来ますが、誰にでも簡単に!・・・とは言えません。私の技術がマニュアル(基本取り扱い説明書)にはなりません。マニア其々の技術の違いがあるからです。

● シルバークロムの上からブライトレッドを貼ってみました。元々このブライトレッドは航空自衛隊の(T)から始まる航空機には多用されています。今回の様に色調の強いブルー系に負けない位の発色能力がありますので・・・、疲れ目の方には目がチカチカするかもしれません。ある意味・・・派手な色の組み合わせって事です。V・ファーレンも凄いカラーを使ったな〜・・・と思いました。これが艶消しレベルの衣服ならば然程目はチカチカしないんですが・・・、艶有りになると最初は少し辛いかもしれませんね。F3A機のあのごちゃごちゃとしたストライプは、機体毎の姿勢をしっかり記憶させるのに役立っていますのでフライヤー自身のオリジナルカラーに成っています。上空を水平飛行で通過する時のデザインの最良の見え方を完全に記憶して、如何なる条件下でも何時もの飛行が出来る様に自分の目玉と脳ミソを養います。そういう観点でF3Aの演技を見れば・・・ある意味面白さが解かって来るのではないかと思いますよ。

● V・ファーレン長崎のチームカラーでストライプを入れてみたワイルドボアです。ストライプを全てV字で仕上げてみました。これだけでも視認性は大変良くなるんですが・・・。ここから本来のワイルドボア・オリジナルカラーを追加していきます。

● イエロー色を入れてみました。このイエローとホワイトのストライプはホームセンターで購入出来る普通の粘着シートです。型紙を作ってから切り出して貼り込んであります。サーマル機だったらこういうシートは極力避けるんですが・・・、とにかく!1600gを越えないとこの機体の翼面荷重の基本の値に成りません。軽すぎると風に翻弄されてスピードが出ませんし、重すぎると中風域の風速5mでも浮き難い飛行機になってしまいます。目指せ1600gなんですが・・・どうなる事やら・・・。バラスト追加!だけは避けたい所です。粘着シートでもフィルムでもストライプの先端は大変細いので剥がれ易くなります。そこで・・・クリヤラッカーをシンナーで薄めて極細の筆先で塗って行きます。先端から2cmぐらいで良いと思います。

● 全体的なフォルムですが・・・、基本的にブルーの下地にイエローストライプオンリーでブルーエンジェルカラーでも良かったかなあと思いました。ネット物知り博士の酷評である「ファントムの出来損ない」を其のまま肯定して、ブルーエンジェルスカラーでも立派に視認性の良い機体になったかもしれません。東西冷戦の申し子みたいなF-4(ファントム)なんですが、期間は他機種に比べて短い物の・・・ブルーエンジェルの歴代アクロバット機種を務めた事もあるんですよ。築城基地に配属されて最初の頃は、離陸時の爆音を聞く度に格納庫の端に行って見とれていたんですが、数年経つと・・・爆音が騒音に聞こえる様に成りました。腹痛の時と歯痛の時は、暴れたく成る位に煩かったです。肩にエアーバズーカ砲を担いで何回撃ち落そうとしたか・・・。現在で言うならエアーギターですね(笑)。

● 本機量産型のロゴを作図して主翼に貼り込みます。以前に切り出して使用した型紙を再利用します。基本的に厚みのあるケント用紙にスプレー糊で貼り付けてあった型紙なので、大事に保管していれば何時までも持たせる事が出来ます。数年前に試作型機に使う為に切り出したステンシルと、NV-01(エンタープライズ)デルタグライダーに使用したステンシルを一部組み合わせて再利用です。使用する粘着シールの表面に直接ボールペンで作図しました。細かい部分を修正したら、裏返して裏紙を補強します。この面は表側から文字を切り抜く為にカッターナイフで刃を入れるんですが、入れ方が強すぎると裏紙まで切り込んで文字がバラケる事が度々起きてしまいます。そこで・・・ガムテープを使って補強する事により、たとえ深めの入り刃でも裏紙が完全に切れてしまう事態を防いでくれます。

● 文字が切り抜けたら周りの要らない部分を取り除きます。一文字全部を切り抜いてから周りを抜くと・・・、切り抜き漏れがあった場合に必要な文字自体も破ってしまう事が起きます。そこで、直線カットの要領でシートの端までカットして細切れ状態で少しずつ取り除いた方が確実に抜き取れます。今回は看板屋さんでは最早当たり前の工具であるコンピ〜たあ仕掛けのプロッターを使わないアナログ工法です。多分・・・字書きの看板屋さんが廃業し手切りでシートを刻んでいた頃の技術です。

● 余分なシートを全部取り除くと画像の状態になります。プロッターで正確に切り抜いた状態だったら・・・全部繋がった状態で正確に切り抜いてくれるんですが、余分な部分を剥がす時に切り分け作業をしないと必要なステンシルまで持っていかれる時がありますので注意しましょう。ちょっと力を入れすぎて切ると・・・、画像の様に切り抜けてしまいます。裏紙にガムテープで補強していて良かったと思います。粘着質のシートをカッターで切ると途中でカッターの刃が切れなく成って来ます。無理に切ると画像みたいに切りすぎてしまいます。ただし・・・刃こぼれしている訳ではではありませんので、もし切れが悪いなあと思ったらシンナー液もしくはアセトン(メチルエチルケトン)液に数分浸すと・・・、粘着質が取れて切れ味が戻る場合もあります。

● 今切り抜いたステンシル面に、紙製の粘着テープ(塗装養生用のマスキングテープ)を全面に貼り込みます。字体のサイズに合わせて周囲の余分なシートを切り取ります。この状態のステンシルを裏紙から剥がすと、反転した文字の状態で養生テープに貼り付いています。主翼に貼りこんだテープは、ステンシルの貼り込みの基準ラインを示しています。

● 文字の下面ラインを合わせてステンシル全体を主翼に馴染ませます。表面のタックシート(粘着テープ)を画像の要領で剥がして行きます。一度に全部だったり・・・テープを上に剥がすとステンシルの弱い部分も一緒に剥がれて千切れる場合もありますので
綺麗に仕上げたい時は急がない事です。

● 概ね試作型と同じ位置にロゴを貼り込んだのですが、ブルースモークに白地とロイヤルブルーに白地では確実に後者の方が文字がくっきりと浮かびます。文字は飛行中・・・機体が視界から遠ざかると字体自体は見えなくなるんですが、機体の裏と表の区別が付く位のは色調で良いと思います。これ以上のスパン方向のストライプは見た目ゴージャスで綺麗なんですが・・・、それは地上展示のみ・・・もしくは見本市の展示ブース用ですね。グランド仕様のF3A機は太陽光線の加減で機体の裏表がはっきり解かるんですが・・・、スロープ機の水平飛行はグランド機の見上げる水平姿勢では無く、同じ目線の水平姿勢が多いので裏と表がはっきり区別出来るカラー配置が視認し易いと思います。

● 全体的なカラー配置はまとまって来たんですが・・・、そうなると気になるのが垂直面の(イノゴン)マークです。試作機では白地に黒のシートでステッカーを作って貼り込んだので、かなり目立った悪ゴロ振りだったんですが、イエロー色になったら立場の逆転したひ弱な(イノちゃん)マークになっています。そこで!ステッカーの型紙を切り直して・・・もちっとワイルドな(イノさん)位にはしたかったのでデザインに手を加えてみました。

● う〜ム・・・、ダーティーな悪役(イノゴン)にはまだ遠いのですが・・・、今は善玉(イノレンジャー?)ってところですね。もちっと悪ゴロオヤジでも良いとは思ってるんですが・・・。飛びの性格がそれっぽいので・・・。高速飛行中のナイフエッジ状態は慣性飛行の距離を越えています。大きく採った胴体の側面積と垂直尾翼がハイスピード時の翼面効果を保っている感覚です、パッシングレースで効果を発揮できますので・・・コンセプトはピタリと当たりました。ヨーイ!で旋回の準備。ターン!でバンク後旋回・・・では、レーシング機には敵いません。が!・・・、ヨーイ!でナイフエッジ状態を長くキープ出来ればターン!の合図で旋回行動に移れれば、勝つ見込みは少なからず生まれます。相手がレーシングでも勝てるチャンスがあるかもしれません。レーシングは前面抵抗が少ないんですが、側面抵抗も少ないので慣性飛行中のナイフエッジ状態はありますが・・・、意図的なナイフエッジ状態は長く続きません。さあ!・・・何時ごろ実戦デビューしましょうかね・・・。いっぺんで良いからフルスパンシャーレーのレーシングに勝ちたいと思います。相手がなるべく調整不足の初心者レーシングフライヤーに当たりますように・・・お願い!。神様!。(Part−6に続く)