★★★・・・・・WILD−BOAR・UB量産型試作機の製作画像


● 本機は初心者対応機ではありません。適当投げでは揚力が発生しない為にコントロールが難しく、自律安定性は初心者対応の軽量ハンドランチには敵いません。低速に成れば成る程(失速状態含む)ロール軸の安定性が悪くなりますので、エルロンスティックの打てない初心者の方にはコントロール出来ません。基本的にグランド飛行場においてF3A機を楽しまれた方のスロープアクロバット入門機といった位置付けで設計しましたので、本機でナイフエッジ・ループに挑戦出来て其れなりに成功出来るマニア向けの機体です。量産型試作機にはフラップ機能が追加されますので、猫の額みたいなスロープエリアの着陸ポイントにピタリと降ろせる様に、バタフライブレーキが使える様にしました。

● 主翼・外翼には捻り下げがついていますし、エルロンはリブ組みとなっていますので主翼同様の捻り下げを付けられる構造です。今回は画像の骨格組み立て後の製作画像の紹介です。E・B・Fのメンバーズ掲示板内では、シャーレー構造の同型機が既に量産されて販売されていますが、2〜3万円のレベルでは無く12〜3万円のレベルですので国内一般販売は致しません。初心者が持ってしまうと人身事故を起こしかねない程頑丈な機体だからです。「人に当てても大丈・V!!。」と勘違いされた初心者のネット一流コンテストフライヤー氏には、絶対に購入して欲しく無いからです。どうぞ!ご理解下さい。

● 本機はセンターキール構造を採用したベニヤとバルサを適材適所で使用する無動力専用のスロープスタントグライダーです。最近流行のロングノーズ・モーメントに属するグライダーですので、水平尾翼を大きく設定したのでエレベータ操作がかなり鋭敏な反応を示します。小舵の打てない初心者にはオーバーコントロールに成り易いので飛ばし難い機体に属します。

● 本機の竜骨にあたるセンターキールフレームを直線冶具に固定してから、左右の胴枠をキールフレームに接着します。接着面の角度は必ず直角です。この胴枠がキールフレーム面に必ず直角を維持していれば、胴体の左右の側板のラインは同じアールラインを形成します。必然的に垂直尾翼はキールフレームセンターに取り付きますので・・・、後は左右の傾きだけに神経を集中すれば良くなります。胴体の中心線が曖昧だと・・・垂直尾翼の基準・・・取り難いですよ〜!。

● この構造にも泣き所があるんですよ〜・・・。左の画像はキールのセンターを出しつつ・・・、ロール軸方向の胴体の捻れを虚勢し外皮のプランクをやりつつ・・・、胴体の捻れを拘束する為の冶具です。基本的に胴体は角型でも丸型でも全体の70%をプランクすると、冶具から外しても最初に設定された状態を維持します。ラジコン飛行機のキットを組まれた方ならご存知の筈ですよ。メーカーのキットのリンケージ先入れ構造時の状況は、概ね70%プランク後の胴体構造からのリンケージ指示に成っている筈です。

● 本機独特の構造を少し紹介するとすれば・・・、左画像のベニヤとバルサの複雑なジョイント方法にあります。画像右方向が機首3mmベニヤのキール材で、画像左がテール方向3mmバルサです。画像の胴枠中心が、図面上で求めた重心位置ですので使用する材料の量から判断して、この材料配置としました。この材料配置はスロープキャット・シリーズ全機種にも採用していますので、なるべく余分のバラスト搭載をしないのと機首下部のスキッド(ソリ)を兼用出来る構造で製作してあります。

● 左の画像に見えるのは、ラダーとエレベータサーボの搭載マウントです。此処にサーボの取りつけ台座を固定するダブルマウント構造なんですが、重心位置から割り出せる図面上から先入れの状態で既にサーボ位置が決められるのも本機の特徴です。試作機としてオーナーさんにお渡しした機体は、ラダーをテグスワイヤーの両引き構造・エレベータをエレボン仕様とした左右動翼単独操作式としました。メカ積み完成状態で1600gを基準値としたんですが、1400gで仕上がったので重心位置に200gのバラストを追加搭載してもらいテストを繰り返してもらいました。無動力のスロープスタント機の設定ですので、翼面荷重から全体の寸法を決め材料を選別したのですが・・・、肉抜きをやりすぎた様です。ジョイント部分を基準にして、外皮プランク状況はノーズ方向を1,5mmのバルサのダブルプランク、テール方向を2mmバルサの単板構造として構成しています。

● 胴体に取り付けられたストリング材を胴枠のアールに沿ってプランクし易い角度まで削り込んでおきます。尾翼のラダーはテグスワイヤーによる両引き配線の為、外径2mmのパイプを左右単独で配管します。画像は右の配管パイプですが、センターキールフレームの後ろに左側の配管パイプが走っています。

● ピンボケなんですが、左画像はエレベータのリンケージロッドです。各胴枠毎にロッドガイドのパイプを固定してあります。この際使用するピアノ線のロッドを実際に差し込んで直線を出し、一番軽く動く所で台座を作って固定します。センターキール型胴体なので、内部骨格状態のみで既に胴体構造の正確な設定が済んでいます。従来の胴体のリンケージ内蔵方法とは違いますが、船舶模型も甲板張りの前にエンジンマウント付近やリンケージ関係を済ませてから組み立てるのが普通です。右画像は胴体側板を貼り込んだ状態です。ロッドの外部露出部分のみのプランク面を予め加工で凹ませてからプランク接着してあります。完全にプランクが済んだら、露出したパイプは斜めにカットして側板とツライチに成ります。

● 今回の機体(ワイルドボア)シリーズ機の胴体の外皮が二重張り構造と成っています。重心よりも後方は2mmの単板バルサのプランクなんですが、重心よりも前方の胴体は1,5mmのバルサシートを二重張りして3mm厚としてあります。後退翼はストレートテーパー翼よりも重心より後部の機体表面積が大きくなりますので、胴体を同一厚みのバルサでプランクするとテールヘビーが確定してしまいます。よって重心合わせのバラストをしこたま搭載する羽目に成り・・・、衝撃によるバラスとの僅かな移動でも機体内部を大きく壊す事態になる可能性が高く成ってしまいます。そこで!、重心よりも前方を二重張り構造として胴体自体の強度を増加させ、バラスト搭載を極限まで減らす構造を有しています。よって、胴体の外皮プランク材は通常の2倍近い作業が必要になるんですが、とにかく休まずドンドン張り込めるので画像の様なマチ針が大量に必要になります。一度購入すれば使用頻度が多くても1000本買いで7年経つと500本ぐらいに減ってしまいますが、一本辺りの単価が安いのであまり金銭的な負担にはなりません。今回は300本購入して補充しました。

● マチ針のケースには約1000本入っています。片翼2mの主翼のプランクで約300本使うんですが、両翼使っても600本なので本数足らずで慌てた事はありません。因みに余談なんですが、昭和の大御所である小倉ホビーの小橋さんは名機(バチ)の産みに親です。氏の機体の胴体の工作方法は、木型にバルサのシートを巻きつけて乾燥固定しながら構成するモノコック構造となっていました。氏いわく・・・「バルサがアールに馴染まん時は、こうすれば良かばい!。」っと、おもむろにパンストを取り出しバルサのシートに被せると瞬間接着剤でスポット接着・・・、後は手を離してもバルサは木型のシートに馴染んだまま形を維持していました。「使える道具は何でも使ったら良か!、恥ずかしがっとったら目の前の良かツールば見逃すったい!。実機には存在しても模型に使える専用工具は少ないけん、こがん姉ちゃんのアイテムも利用するったい!。」見方によっては沢山の手のひらを使って、接着剤が乾くまで圧着している状態と同じです。

● 胴体の上部は実機ファントムと同じアールで構成してありますので、大変素直な構造になっています。大変プランクし易いアールです。メディアム系のソフトバルサを片面霧吹きしてアール状に湾曲させて、乾燥するまで輪ゴムで固定しておきます。胴体のアールよりもきつめで湾曲させ、喰い付かせるアールの方が接着がやり易いと思います。胴体ノーズ付近の狭いプランク面も画像では解かり難いのですが、胴枠はアール面で構成されています。

● 一層目のプランク状況です。通常マチ針はバルサには立て易くベニヤには立て難いと言われるんですが、少し回転させながら捻じ込む感じで力を入れると比較的・・・楽に固定出来ます。バルサを貼ったらマチ針を固定するポイントにセロテープを貼り込んでから、針を立てると戻り止めと成ります。

● 左右分けのアール面のプランクを経験された方で、トップのプランクが上手く貼り込めない状況の時は、画像の様なゴム留めの固定道具を使うと良いと思います。この時トップ面にはバルサのカイモノを入れるとストリング材全面に均等に圧着が掛かるので、確実な固定が可能です。

● 二層目のプランク材貼り込み状況です。一層目はアール面の中央にストリング材が入っていましたので、二面に分けて貼り込みましたが、二層目は一層目全体が接着面となりますので、アール面の一体張りとしています。木工ボンドはケチらずに一面均等に塗り広げて下さい。

● 二層目のアール部分のプランクが終わったノーズ側の状況です。画像でも解かるとおりにノーズ側はベニヤ・テール側はバルサのキール(竜骨)です。此処に20mm厚(ノーズ側)・10mm厚(テール側)のバルサブロックを左右から接着して成形します。特にノーズ側は芯材がベニヤなので成形はしやすいのですが、人に当たったら「痛いじゃね〜か!。」では済まされませんので・・・、ネット物知り博士のグライダー諸氏は、同じ加工はしない方が身の為です。人に当てたら無傷で飛行機の回収は出来ますが、幾ら被害者に「妨害電波なんですよおおおお!。」と言い訳しても・・・、固定周波数の時代ではありませんので通用しませんよ。「悪り〜!悪り〜!痛かったあ〜?。」とニコニコ笑顔で言われても、返事出来ない位に痛いと思います。パークフライヤーのアクロバット飛行で有名な、プチトレーナーのフリヒラ飛行みたいなノリでは飛ばせませんので、お仲間さんの頭上をかすめる様な独り善がりの危険飛行は止めましょうね。

● 本機の下反角付き水平尾翼には前縁付近と後縁最後部に2mmベニヤのカンザシを入れてあります。更に画像でも見える様に中心に1,8mmのピアノ線を内蔵しています。内蔵方法は別項目の「何ちゃってカーボンカンザシ」と同じ製作工程ですので、然程難しくはありません。くれぐれも下反角付きベニヤカンザシを切り抜いてから・・・、ピアノ線の溝加工をしないで下さい。失敗ばかりでネットで誹謗中傷したくなる程・・・、作りが難しくなります。

● 胴体上部尾翼付近のセンターキール(竜骨)には、尾翼部品固定のジョイント材が設けてあります。垂直尾翼の前縁付近のジョイントは3mmベニヤの厚みのままなのですが、水平尾翼と交差するジョイントは一段目が厚さ6mmで構成され、水平尾翼に設けられた幅6mmの溝に勘合されます。この水平尾翼の取りつけはフィルムを貼り込んだ後からの接着となります。

● 垂直尾翼には画像の様なジョイント受けが内蔵されています。基本的にエポキシ接着剤での貼り込みですので、はみ出す位にタップリ塗り込んで接着します。画像ではまだ加工していませんが、垂直尾翼のリブ面にサブのストリング材を追加しています。フィルムが緩んでのタルミの発生を防ぐのが目的です。

● 本機の外主翼(アウターウィング)の画像です。後縁にはリブ組みのエルロン(何ちゃって・・・)が付きます。主翼全体から見るとテーパー比が結構きつめですので、約1度の捻り下げが付く予定です。結果!エルロンも捻らないと主翼のラインが揃いませんので、リブ組みエルロンの採用となりました。

● 内・主翼(センターウィング)のプランク画像です。本機はセンターウィングと呼ぶ内・主翼とアウターウィングと呼ばれる外・主翼(左右)の3ピース翼を最後に一体化し、組み立てる構造の主翼です。内翼端と外翼の結合部には其々上反角が付きますが、内翼中央結合部の上反角は0°としてあります。其々の結合部は専用のカンザシを内蔵して使用します。

● 主翼中央部の左右の主翼は、画像の様にメインスパーに後退角が付いています。通常のストレートなテーパー翼ならば通しのベニヤ製板カンザシが使えるんですが・・・、こういうタイプの主翼の場合は一先ず角度の付いた結合部材を入れて、中央リブとベニヤカンザシ取りつけ面を直角配置に代えなければ・・・、ストレートな板カンザシの使用は出来ません。スチレン世代のマニアには、何の意味の部品なのか?掲示板で散々酷ってましたが・・・こういう部品なんですよ!。昭和の後退角付きのF3A機の主翼結合部には、当たり前に組み込まれた部品です。リブ一区間のみのカンザシなので弱いと思われている平成時代のスチレン世代のネット物知り博士諸氏!、一度組み込んでみたら考え方が変わりますよ・・・。ちゃんとエポキシ使って接着してれば・・・の話です。

● 加藤無線(MK)の後退翼のキットには必ず入っていたこの部材なんですが、マニア時代にはどうやって加工してるのか疑問だったんですが・・・。縁が有って社員に成ってみて・・・キット製造をやって初めて加工方法を知りました。ネット物知り博士のページに頻繁に出てくる卓上バンド・ソウのデッカイ版・帯鋸と呼ばれる木工の加工重機です。身の丈は私の身長を遥かに越える直径3mのオーバル型の鋸刃が・・・、かなりのスピードで回転しています。この刃の中に冶具に固定されたブロック材を切り込ませて・・・、この部品を加工するんですが・・・、多分!殆どのネット物知り博士はビビって尻込みするでしょう。何故ならば・・・サメの歯みたいな鋭い鋸刃が上から定盤の細溝に向って降りて来ます・・・。その中に自分の大切な指を滑り込ませなければ・・・、この部品の角度加工は出来ません。

● 本機の中央結合材は20mmバルサを二枚貼り合せて組んであるんですが、2mmベニヤを間に挟み込み更にスロットイン加工で後部ベニヤ板に噛み込ませて接着しています。これらの組立には段階を踏んで数回に分けて、エポキシにて接着組み立てしています。一つの知識として持っておくと大変便利なんですが、スロットイン加工して接着組み立てした(T型)ベニヤの部品に、バルサブロックを組み込むと大変丈夫なブロック体に成ります。こんなに短いカンザシなんですが、1ピース・スパン1800mmの主翼が荷重が思い切り掛かっても・・・主翼は撓るばかりでバンザイしません。要するに!荷重に耐えられない接着剤を使用するから、しなる筈の主翼がバンザイするのです。適正接着剤を充分使用して1ピース翼にすれば・・・、適度にしなって余分な荷重を逃がしてバンザイを避ける主翼が完成します。私の設計する飛行機は、この構造を遵守していますので今までに一度もバンザイした事がありません。

● 中央翼の結合を行う為の加工と部品の取り付けを行います。この様な後退翼を結合する場合は、画像の様なブロックバルサを使用します。過去の機体で言うならば、加藤無線(MK)のF3A機のキットではお馴染みの部品なので、ご存知のモデラーも多いかと思います。

● メインスパーが直線で結合される翼ならば、3mm程度の厚さのベニヤカンザシで結合すれば然程難しくはありませんが、こういう形状の翼の場合は、画像の様なブロックバルサで結合します。この部品は・・・レーザー加工は不可能なんですよ。帯鋸という大きな専用機械で加工するしか方法がないんです。卓上帯鋸盤の大きい版って思って下さい。身長185センチの私よりも大きい帯鋸盤です。(製作記事Part-2に続く)