●バンジーのススメ



● スケールバンジー機の元祖である(SLOPE-CAT)の語源は屋根の上の飼い猫と言う意味です。我が家の屋根の上は画像の飼い猫ピアさんの縄張りの筈なんですが、地区の班毎のサイズで見ればS田家の大ボス白猫(グレート・ニタ)の縄張りです。元来猫族はジャングルサイズなら我が家の草ボウボウの庭は広大なサバンナですし、家屋の外回りは岩山に過ぎません。生息期間から見てもグレート・ニタ氏の方が先任?ですので、引き下がるべき猫はピアさんの方です。秋口になるとテレビのアンテナ付近に陣取って世間を観望しているんですが、グレート・ニタ氏が現れるとこの屋根のスロープを一目散に走り抜け・・・、追いかけられて逃げ道が無くなると二階の屋根からのフルダイビング・・・、庭の植え込みにある軟らかそうな干し草の上まで飛んで来ます。猫ってね!。一度可能だ!って認識したら無謀な事でもやっちゃうから車に轢かれて死んじゃうんですよ。ただし・・・トンビ家の廻りの住人達は売られた喧嘩以外は絶対ゴロを巻かないピアさんの性格を知っていますので、毛嫌いしないで住民の一人として見守ってくれています。決して可愛いって部類の顔つきの猫では無いんですが、他人の家の植え込みの花々をじっと眺めていたり、小さな女の子と何やら会話したりと・・・、お孫さんを乳母車に乗せて散歩している近所のお姑さんからも可愛がって貰っています。スロープキャットって名前だからって、最大翼厚10%の完全対称翼のキャットさんは小指をピン!と立ててヒラリと投げる軽量ハンドランチグライダーではありませんので、ラジコングライダー初心者用の飛行機ではありません。機体のフォルムは初心者ウケする形なんですけどねえ〜・・・。風速10mでも満足に浮きませんし飛ばないんですよ。減速させたら・・・。意図的にエレベーターダウンをバシバシ打ち込めるフライヤーでなければ・・・飛ばせないでしょう。ネット物知り博士のネット掲示板内一流コンテストフライヤーさんには無理だと思います。二階のベランダ側の網戸は全部ピアさんに引き裂かれました。何時もはクーラーの室外機から飛び移って画像の場所に居るんですが、室外機の上にニタ氏がいたら体操の内村選手みたいな離れ業で画像の位置からベランダにダイブするんですが、この時のブレーキ装置が網戸です。修理する俺の身にも成ってくれい!。

★★★ E・B・F掲示板(EARLY−BIRD−FIGHTERS)のお仲間さん達が、来日する度に持ち込む機体はWAR−BIRD−FIGHTで使用する大型大戦スケール機・亜音速ジェットスケール機の他に、ハーフAクラスのバンジー用ジェットスケール無動力グライダーです。基本的に機体の全長と翼長が900×900の畳半畳内で納まれば、どの様なデザインの無動力グライダーでも構わないというE・B・Fチームが独自に決めたローカル・ルールで競技が行われています。ジェットスケールだからと迫り出しのインテークなんか着けても・・・、単純に空気抵抗にしか成りませんので最初から付いていません。エントリーフライヤー自身が「此れはF−18ホーネットだ!。」と申告時に言い張れば・・・、その機体はインテークが無かろうが・・・ストレーキーが一枚板だろうが・・・F−18です。このローカル・ルールの原点は平尾台の恒例のスロープグライダー大会においてのスケール機専用のアバウトなルールを参考にしています。大会役員さんの寛大な心意気を、そのまま世界35ヶ国のマニアが集うW・B・Fの競技ルールに採用させて貰いました。おかげ様で自由な発想のジェットスケール・グライダーが多数機、毎年の様に参加して来ます。

● 競技内容はズバリ!一発芸です。グランドならば強力なバンジーゴムで時速250kmまで加速させ、そのまま垂直上昇し高度200メートル付近で反転急降下・・・、高度10m付近で水平飛行に入れてロールでもループでも好きな演技を一種目、そのままブレイクして着陸します。動力が無いのでこういった演目しか出来ないのですが、一人当たりの競技時間が一分少々ですので待ち時間の・・・あの・・・胃の痛〜く成る様な緊張感がありません。演目を統一してエントリー人数に合わせてラウンド数を決めたら、F3Aの演目の一部を完全消化する事が可能になります。このF3Aのアクロバットをジェットスケール・グライダーでやる事に意義があるんです。競技の内容やレギュレーションに合わせるとF3A機はどの機体も同じ様な形状に成って行きます。やってる競技者と見物している関係者には楽しめるんですが、只の一般見学者には競技の内容が全然理解出来ていませんので最初の2〜3機見たら飽きてしまいます。多くの競技人口を増やしたくても何処と無く透明な見えない壁みたいな物が立ちはだかり、どうしても閉鎖的なカテゴリーの競技に見られているのも事実です。

● 真のラジコンマニアの競技人口を増やすのであれば、明確な安全ルールは元より・・・一般見物者が長い時間見ていても飽きない競技をやれば良いのです。機体自体が往年の亜音速機から最近のステルス機まで、空気抵抗を極端に減らした機体デザインでありながら、一般見学者が見てもその機体名が解かる様な手抜き具合にすれば見ていて楽しく面白く・・・、新しいメンバーの獲得に繋がればと普及させています。


● 大観峰入山の際・・・私の機体をブラック一味の(B型Kentaka)氏が手持ちで運んでいる画像が、ジェッティなページの画像に載っていますので、誰もがこの機体の設計・製作者を(B型Kentaka)氏だと思っておられるマニアの方が多い様なんですが・・・。通りで訳の解からないメールが沢山来ていたんですが、「勝手に他人の機体を自分の物にしない方が良いですよ!、Kentakaさんの許可は取っているんですか?。」って具合の文章が、5通ほど来ていました。画像の両機は紛れも無く当HANGER−3の管理人の作品です。ブラックマウンテンキリシマ(ミ・ツ・イ)にしても・・・B型Kentaka氏にしても・・・、二度と関わりたく無い人物ですね。

● B型Kentaka氏は大観峰の駐車場から展望所に上る際に、このスカイホークを半ば無理矢理持って登ってくれました。自分で持つからいいですって・・、断ったんですけどね。「いいから持ってやるよお〜。」の真意は・・・、画像に運ぶ姿が映れば画像のコメント書きが何も無ければ・・・、この画像が真実の一枚になってしまいます。その後のKentaka氏の行動は・・・お礼要求前提の親切行動だった事が解かりました。飛行機を運んであげたんだから、3万円のアーリーバードの生地完成機をタダでよこせ?って無茶苦茶です。これって彼らの常套手段なんですよ。親切の先渡しで必ず何倍も高価なお礼を要求してきます。大変人当たりの良い人なのでうっかり親切を受けると後で後悔する事にもなりかねません。飛行場で出会っても普通に会話する分には大丈夫なんですが、何かの押し売りみたいな親切には必ずウラが在りますのでご注意下さい。Kentaka氏の要求を断ったばっかりに・・・同じ手口のブラック(ミ・ツ・イ)の恐喝行為込みの要求が3年以上続きました。この二人グルだったんですね。おかげで開発が3年遅れてしまいました。許せん!。その内イタリアのGARU−WING本社から告訴状が届くでしょう。

● このスカイホーク型バンジーグライダーは試作型スロープキャットの後継機です。上記E・B・Fのアバウトなバンジー・レギュレーションの範囲の中で作られています。強力なバンジーゴムの引張力に充分耐えられるように、キャット型同様のセンターキール構造で組み立ててあります。ゴムのテンションが掛かるのはフックのピアノ線の部分では無く、キール材が外部に露出しスキッドの一部として機能している一体物のベニヤ部分に掛かります。ピアノ線はバンジーゴムの先端に付属しているサルカンの脱落防止に過ぎません。このバンジーフックは機体の構造物の一部ですので、強力な引張力のバンジーゴムでも胴体を前後に引き千切る程のテンションが掛からない限り・・・外れる事はありません。

● ノーズコクピット内部のメカ搭載部分なんですが、センターキール型の構造の利点を生かして先入れのサーボマウントの台座を固定する事で、胴体の構造を比較的軽量に丈夫に組む事が可能になります。通常大手のメーカーのキットでは二枚側板の胴体構造なので、メカの汎用性に合わせた設計がされているんですが・・・、このカスタム機で採用している構造では最初から搭載するメカの種類とサイズと重さが決定していますので、シースルーの骨格状態の時点で各種搭載するメカの仮固定が可能になります。

● メカを仮固定した状態で内蔵されるリンケージの取りまわしの配線位置や、ロッドの配線に邪魔な箇所の先加工も出来ますのでかなり基本に忠実なリンケージの取り回しが可能です。昭和の時代のアナログリンケージとは違いますので、なるべく直線配管が理想となるんですが、プランクされた胴体内部の構造ではありませんのでこの構造が普及すればキット製作が楽しくなるでしょう。完成した胴体にリンケージ用の穴加工をするのは・・・、ベテランでも最大の注意と神経を使います。穴の開け直しで出来たミス穴を塞ぐのに・・・これまた時間を浪費せねば成らなくなる時が出て来るからです。

● 画像で見ても解かる様にサーボマウントの前後の中心に入っているのがキール材です。左右のアール胴枠は二枚重ねて釘で留めて、ミシン(糸鋸盤)で切り出しますので左右が必ず対称になります。これをスロットイン加工してセンターキール材にはめ込んで接着固定します。胴体の側面に取り付けられる前後に這わせるストリング材は、キール材の両面から接着固定される胴枠が必ず直角で固定されていれば左右の側面の曲線も左右対称になります。

● 重心位置よりも機首側の胴体プランクは、1,5mmバルサの二層張りの構造です。重心位置から後部の胴体は2mmバルサの一層張りとなっているんですが、本機の尾翼はテールモーメントが短い分尾翼の表面積自体を大きく作ってあります。その関係でなるべくブロックバルサを避けて複雑な骨組み構造で接着面を稼ぎ、プランク材の糊面を増やして強度を確保してあります。尾翼の内部骨格は実機スカイホークを参考にしました。実機も尾翼はデカイと思います。プランクされた航空アルミの表面のリベットの数は同サイズの他機種に比べても遥かに多いと思います。

● 実機スカイホークも同様なんですが、ジェット戦闘機らしくかなりの重量のエンジンを搭載する為に重心を合わせなければならず、ノーズモーメントが必然的に長くなってしまいます。機体を設計する場合はこの重心位置を基準とするノーズモーメントとテールモーメントに見合った尾翼のサイズにしないと、エレベータ操作によるピッチ軸とラダー操作によるヨー軸が不安定になり、操縦がかなり難しくなります。模型飛行機は実機の様に重心位置付近にパイロットが鎮座出来るコクピットも無ければ、三軸を安定させてくれる三軸ジャイロも搭載していませんので自律安定性能の良いセミスケールの機体を作らなければなりません。何故なら地上から見上げて機体の吊り合いの取れた姿勢を判断しなければならないからです。

● 本機スカイホークの場合は、単純に重心を合わせ易くする為に実機サイズのノーズモーメントにしました。かなりの下半身デブのデザインのスケール機ですから(笑)。時速200キロ以上のスピードを出せるバンジーゴムを使用しますので、エレベータのリンケージにも少々やりすぎとも思える位の安全対策を施し・・・、更に左右単独のリンケージをトルク5kgのデジタルサーボ一個で駆動させています。

● 本機の全体画像を見てもらえば解かる様に、主翼に搭載されている左右単独のエルロンサーボのリンケージロッドが主翼上面配置となっています。本機の構造上低翼機ですので胴体着陸が当たり前のスロープスタントグライダーなんですが、このカテゴリーの機体の性質を考えて・・・胴体下面の出っ張りは極力減らしてあります。サーボ室のハッチにサーボマウントを固定してリンケージを配管していますので、作業性は簡単な部類に入ります。右の画像は強力なバンジーゴムの引張力にしっかりと耐えなければなりませんので、テール部分は大きく絞らず片手の平でしっかりと持てる様に設計しました。内部はかなり複雑な骨格構造なんですが、ブロック材を使用してしまうと忽ち重くなってしまいますのでこの構造体でバルサプランクとしてあります。

● 主翼下面の四角い窪みは指掛けの孔です。風速15mを越えた辺りでこのタイプの機体の本領が発揮されます。元々このカテゴリーのバンジー機は、高翼面荷重タイプなので風速10m程度の強風域でも満足に飛びません。風速15mを越える辺りからの爆風と呼ばれる空域でのスロープなら、実機ジェットスケール並みのスケールスピードで飛行します。脳内ではツインのジェットエンジンを搭載したF−15を自由に飛ばせる初心者なんですが、実際にはラダークラスのプチトレーナーでフリヒラの自由飛行がやっと出来るっていうレベルのスロープグライダー・マニアでは、このカテゴリーの機体のコントロールは不可能です。

● 飛行機の姿勢を一点に見つめて飛ばす初心者の飛行スタイルでは、飛行場エリアの全体が全く見えていません。結局飛行禁止区域の上空でもお構い無しに侵入してしまい・・・、ベテラン氏にプロポを奪われてしまいます。実の所・・・飛行場全体が見える様になり、自分の飛行機を自由にコントロール出来るまでに腕を上げたフライヤーでも・・・風速15m以上の爆風域のスロープではちょっとしたコントロールミスで、山の裏斜面・もしくは斜面にへばり付いて見物している生身のお仲間さんにぶつけて無傷で機体回収と成るでしょう。このタイプの機体のコントロールには見栄をかなぐり捨てたクソ度胸のコントロール技術が必要です。

● 常に斜面より離れた空域で意図的なエレベータのダウン操作で機体を走らせて飛ばす技術が必要です。そよ風程度の風速域で軽量ハンドランチ・グライダーをやっと飛ばせる程度の飛行技術の初心者クラスのフライヤーには、全くと言って良いほど機体の制御が出来ません。最悪な事態を想定するならば・・・、斜面に対して吹き上げて来る爆風に押し戻された機体が斜面に陣取って見物しているお仲間さん目掛けて駆け上って来ます。馬鹿にされたくないって思っている初心者のパイロットは、何とか機体を制御しようとしますが・・・風下に乗ってしまった飛行機は各舵面の制御が大変甘くなり、舵が言う事を効かなくなります。壊してしまうと馬鹿にされるって思っている初心者のマニアには、自分の飛行機を安全確保の為に自爆させるという行為が出来ません。このカテゴリーの機体を飛ばすマニアに必要な資質は、常に安全第一を鉄則とし・・・不測の事態には臨機応変に対応しながらどうにもならない事態の場合はためらい無く自機を自爆させて、安全を優先させなければなりません。自分でも何処に落ちるか解からなくなった状況で斜面にへばり付いているお仲間さんに対して「どけえ〜ッ!。」って言っても何処に逃げれば良いんですか?。こういう場合は自滅が一番です。多分・・・誰も馬鹿にしません!。過去・・・自分自身も同じ状況に陥った事があるからです。

● 世界中から来日して来る各国のお仲間さんに共通しているのは、自爆を恐れない自作マニアが多いという点です。飛行機の出来栄えは、ネット掲示板お決まりの驚嘆言葉を引用するならば・・・「うおおおお!凄いですねええええ〜!。」と表現出来るでしょう。多分自作派の大御所達が見ても・・・「うおおおおお!凄いですねえええええ!。」のレベルです。しかし!安全確保の自爆を恐れない彼らの運んできた荷物は飛行機だけではありません。コンパクトに纏められたオリジナルの修理道具の数々です。自爆するって事は飛行場では修理出来ない位に壊れるって事です。お宿に帰ったら国の違う者同士でも楽しむ趣味は同じですので、皆で寄って集って治します。分担作業が可能な位・・・普段はネット掲示板であるE・B・Fでワイワイやってるって事です。