〇 PLANET−URANUS・OBERON−U型(生地完成・9部組み)¥予定価格10万円


 全長・・・・・・1630mm

 翼長・・・・・・3400mm

 全備重量・・3300g

 翼面積・・・・83,3du

 翼型・・・・・・11,5%フラットボトム翼

 プロポ・・・・・3〜5ch

 仕様・・・・・・無動力・スロープソアラー

        (ロングノーズ・タイプ)


 ●  この機体はオベロンT型の基本データを元に最近流行のロングノーズ・ソアラーの基本データを採取する為に作りました。胴体全長はオベロンT型と然程変わりませんが、ロングノーズ・モーメント機なので尾翼面積をT型より大きく作ってあります。キャノピーは個人が自宅で作れるサイズを越えていますので、木型を作った後は外注して真空成型をします。キャノピー全長は50cmを超えますので木型本体は70cm近くになります。3灯式の電気ストーブでは対応が効かないサイズです。

 ●  胴体のモーメントはFOXの諸元を使いました。熊本の羽山氏から頂いたグラス胴体のFOXは氏が飛ばした限りでは欠陥だらけの最悪な機体だそうです。たぶん同型機だろうと思われる機体を大観峰で見た事がありますが、スピードに乗って飛ばしている時は各舵の動きも効きも大変シャープなのですが、着陸時に長いアプローチで低速飛行を続けるとヨーイング軸(垂直面)の不足から来るダッチロール現象が見られます。動力付きのFOXもありますが、同じ状態での着陸は同じ危険性が高くなるという事です。この機体は舶来品の様ですが、設計した人はレーシング感覚で考えたのではないかと思いました。シャーレーのレーシング機でも長時間の低速飛行ではダッチロール現象が見られます。過去乗客500人以上の犠牲者を出したボーイング747の事故でも垂直尾翼の殆どを失った状態では、直進させるのは容易な事では無かったと思います。

 ●  レーシンググライダーを自由自在に飛ばしていたお仲間さんは、着陸には物凄い集中力を発揮していました。リトライするには減速し過ぎた場合その先の機体の挙動は解らなくなります。運動性重視で安定性を殺してあるのがレーシング機の特徴ですから、ハンドキャッチ感覚の低速安定性は望めません。スロープサイトの風の動きを察知して一発勝負並みのスピードで進入し、急減速装置バタフライを使い軟着陸をさせると言うのが一番安全な方法だと思います。私もスティングを持っていますがシャーレー機とバルサ機のオベロンでは仕様が違いますので着陸方法も違ってきます。オベロンU型ではこういう事態に対処出来るように垂直尾翼は大きく作りました。

 ●  量産型のオベロンU型では主翼の上半角を試作型より少し多目に付けてあります。購入される方の技術が解りませんので安定性を重視しての処置だと思ってください。初心者に好まれるデザインだとは思いますが、超軽量の振り振り飛行の出来るハンドランチ機ではありません。どちらかと言えば実機のソアラーに似た飛行特性を示しますので、優雅なソアリング向きといったところです。ガンガンに走る事は出来ませんが超低速飛行でもダッチロール現象は見られませんので、着陸は容易だと思います。勘違いしないで欲しいのですが超軽量ハンドランチ機のフリフリ軟着陸は出来ません。しかし、ハイテク着陸バタフライ・スポイロン等を使わなくても主翼上面に取り付けた昔ながらのスポイラーのみで、着陸できます。スポイラーの効果とは減速なのですが、主翼上面に抵抗を与え降下角度を増大させる目的があります。ここにエレベータのアップ操作で機首を上げさせる力を与えると結果的に、水平姿勢を保ったまま減速・降下する事になります。

 ●  大変言い辛い事も書かなくてはなりません。ネット普及以後にラジコン飛行機を始められた初心者クラスのスロープグライダーマニアの中には、今の自分の飛行技術よりも馬鹿にされたくないという対面ばかりを気にして、思い切り背伸びをした機体を持ち込んできます。結果的にコントロール不能に陥り機体の自損事故なら良いのですが、お仲間さんの機体を道連れに爆死したり観光客にぶつけて無傷で回収したりします。ワザとでは無いにしても観光客に対して「痛かったですか〜?。」では、嫌われますよ。「まだ、調整ができてないんですよ〜。」と苦笑いでのいい訳は通用しません。飛ばせない機体を持ち込んで事故を起こすくらいなら、今の自分に合った等身大の機体を持ち込んで素直にベテランの言う事を聞いた方が良いと思います。私に反論したい人は飛行機を買ってくれなくても結構です!。等身大で満足される方のみご購入ください。

● オベロンU型のメカ室の画像です。私独自の二重構造を採用しています。昔のアナログリンケージ構造ではないので、リンケージは大変楽になりました。尾翼のコントロールリンケージは無駄なガタを極力防げる様に、全て直線配置を心がけています。

● 二分割主翼の結合ハッチの画像です。メインカンザシの内部パイプの補強には見え難いのですが、ホットメルトの溶剤を専用のヒートガンで流し込み充墳してあります。このメルト溶剤自体が少々弾力を有していますので、ハードランディングのグランドループにおいても衝撃を吸収して機体の破損を防いでくれる様です。数限りのグランドループを経験していますが、主翼の結束にタイラップバンドを使用していますので衝撃を分散している様です。ただし!緩んで爪の折れたバンドの再利用は不可能です。

● 尾翼の配置がクロスタイプになっています。この配置はリンケージが大変複雑になるんですが・・・。水平尾翼のスパンが700mm近いので持ち運びを容易にする為に、ビス二本で脱着出来る様になっています。更にI型のホーンを自作してロータリー型のリンケージを内蔵する事で、エレベータは左右単独のリンケージに出来ましたしボールリンクを採用しましたので、動翼のガタが殆どありませんのでフラッターが発生する事もありません。

● 主翼には単独サーボで起動するスポイラーを装備しています。ただし・・・左右のスポイラーを交互に出し入れしてエルロンにする事は出来ません。基本の知識の一つなんですが・・・、エルロンは小さくても翼端に近ければ近いほど良く利きます。

● 内部構造を見て下さい。突っ込み処が満載です。リンケージ自体が連結されていません。構造を極力簡素化する為に考えた苦肉の策なんですよ。スポイラー自体は裏面のフックを介してゴムの張力で閉じています。これをサーボホーンの回転運動とヒンジを介したスポイラー板の開閉運動と連動させて作動させています。複雑でシビアな内部リンケージが必要無いので構造自体は大変簡単になっています。サーボホーンが立ち上がるとスポイラー板をロックして約80度の角度を維持します。スポイラーの面積は小さいのですが、大変良く利きます。

● 大観峰での飛行中に若いネット物知り博士から・・・「背面飛行したら勝手にスポイラーが出てしまい、飛行性能が落ちるじゃないですかあ〜。」って、訳の解からない事を言われてしまいました。操縦中だったので細かい返答はしたくありませんでしたので、何時もの様に「すみません!以後気を着けます。」でお茶を濁そうか思ったんですが・・・。そばに居た茶髪の大御所が的確なフォローを入れてくれました。「この機体の翼型はフラットボトムばい!。どがんやって上昇さすっとや?。背面に入れてもアクロは出来んとばい!。」・・・。若いネット物知り博士は何も言葉が出せませんでした。知ったか振りの見切り発言が博士の知識レベルを露見させてしまった瞬間でした。いわゆる 自爆・・・って事ですね(笑)。

● 二分割主翼を結束させる為のヒートンの画像です。輪っかの部分は直径28mmあります。ホームセンターに行けば比較的お手ごろ価格で単体で購入出来ます。翼の内部にベニヤを積層してありますので、下孔を開けてから捻じ込んであります。20mm位捻じ込めば抜ける事はありません。グランドループで実証済みです。

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