Always 空野式・機体構造の正しい考察

 ● 空野彦吉さんの作られる機体構造は独特です。しかし、其れは・・・ラジコン飛行機の基本構造に慣れ親しんだモデラーさんが、そう感じているだけで実機の構造と然程変わらないので、実機の内部構造体を知っているモデラーには何の違和感もありません。

 ● 空野さんの機体構造の製作方法が、飛行場で話題に成るのは昔も今も同じです。ただ・・・殆どのモデラーさんが、ラジコン技術掲載の製作記事の内容を誤った認識で知識としてもっておられる様ですね。「上半分の胴体と下半分の胴体を別々に作ってから、最後に合体させればええんやろう?。簡単やんか!胴枠は単純にまん丸やし!・・・。」ってな具合の回答が殆ど・・・。

 ● ただですねえ・・・。この回答してるのは、平成のインターネット普及後のモデラーさんにとても多いです。揃いも揃って、同じ回答・・・そして、同じ間違い・・・よって、同じ失敗・・・。最終的には、空野さんの機体は欠陥機!とまで言い切る始末・・・。こういうモデラーさんがネットの神と崇められると・・・、新しくラジコン飛行機に目覚めた初心者さんは、疑う事無く、この神の言う事を鵜呑みにしてしまう・・・。恐ろしいなあ・・・。ネットの世界って・・・。

 ● 手持ちの古~い製作記事が見つかったので、抜粋して掲載します。「上下別組み胴体?・・・。ワシ!何処にもそげな事、書いとらんぞおお!。」っと空野さん・・・憤慨しとりましたよ。文章読まなかったネットブログの教祖様!・・・似非神様のままだったら何れ信者は離れて行きますよ。ネットブログの教祖で居たかったら、正しい知識を身に付けましょう。と!言うよりも、空野さん自身が書かれた記事を丸暗記した方が良いと思います。理解しようがしまいが・・・とにかく、丸暗記して信者さんにお説教して下さいね。

● 何故、主翼の翼端エルロンを固定にするのか?・・・。何故、強い後退翼・・・大きいテーパー比なのに捻じり下げが必要無いのか?・・・。空野さんの解説は、実に解り易い・・・。ネットブログの教祖様!・・・勘違いのままの知識を正すのは勇気が要りますなあ・・・。せっかくの大勢の掲示板の信者さん達・・・失うかもしれません。でも・・・正しい教えを信者に伝授するのも、教祖の務めですよ。普通に飛行機が飛ばせる人なら、普通に理解できると思いますよ。この記事はミレニアム西暦2000年です。

● さて・・・「胴体は上下別々に作って、最後に合体・・・。」・・・出来ますかねえ?教祖様!。エンジンはサイドマウント・・・。完成胴体を上から被せるって、羽目殺しの胴体を上から被せて、エンジンマウントを確実に接着出来るんでしょうか・・・。胴枠は確実に半円同士で接着できますかね?確実に強度を持たせた状態で・・・。教祖様の御説通りなら、メカハッチは合体後に上部胴体のプランクを破って作るんですか?。スチレンペーパーじゃないから難しいでしょうなあ・・・。特に信者さんの中に居る多くの初心者さんには・・・。

● 正確には、定盤の上で胴体の下半分を作ります。この時、主翼も一緒に作ってしまいます。エンジンマウントは、バルサのカウリングと一体型・・・。主翼はメインスパー無しのバルサフルプランク構造です。当時の工作ならば、左右の主翼は、中央翼リブ同士を直接エポキシ接着で合体してます。そんなベタ付けで持つ訳が無いから、教祖様ならグラスを巻いて・・・って信者さんに説かれるでしょうなあ・・・。でもね・・・必要無いですよ・・・。

● 下側の組み上がった胴体に、一体に仕上がった主翼を埋め込む!・・・が正解です。胴体の外皮バルサと胴枠でガッチリと主翼を固定するので、グラス補強は必要ありませんよ。作図しておいた各胴枠の上半分を其々下半分の胴枠に接着します。主翼上面は、下面同様に胴枠は主翼のカーブに合わせて削り取ってから接着します。

● ラジコンメカを搭載する部分のプランクはせずに、それ以外の胴枠上をプランクするんですが、この時に図面上で求められたリンケージの配管位置に必要な孔を開けてパイプ等を通してからプランクした方が確実です。ただ・・・空野さんは、直径3mm程の長いピアノ線の先に、千枚通しのキリの先を溶接して穴開け工具を自作されたようですよ。プランク材も胴枠材も全てバルサ材だから、簡単に穴開け出来る専門工具とも言えますなあ(笑)・・・。

● 主翼の翼端エルロンを固定して、フラップとエレベータをミキシングする相反エルロンのリンケージです。左側の二つ並んだサーボが、フラッペロンとエレボンのミキシング機構です。動きは教祖様にも理解できる筈ですよ。ただし・・・現在は西暦2000年当時よりも更にサーボが小型に成ってますので、動翼一面に一個のサーボ・・・って考えるのが普通ですが、水平尾翼の専用サーボ搭載しても・・・確実に重量だけが増えてあまり意味が無い気も・・・。

● リンケージは確かに簡単ですが、サーボ二個分増えるのは、重量増加だけではありませんよ・・・。消費する電力も増える。空野さんの1970年代の一号機は、スライドサーボ仕様のアナログミキシングでしたが、そらもう!・・・此れよりもっとメカニカル!。消費電力だけでも馬鹿に成らず、燃料タンクは小型で対応。数分飛ばせばエンジンストップだから、強制的に着陸です。よって電池切れのノーコンも回避・・・。

● ならば画像のリンケージの方が確実ですよ。リンケージがアナログっぽいですが、サーボは二つで充分ですし、ミキシングも一種類で良いし・・・。
 
● 空野さんは一つの機種に対してスケールサイズの違う機体を多く製作されました。左は1/14,3・09エンジン仕様機です。製作記事の例題機ですね。右側は1/12,5・45エンジン搭載機です。スケール的には僅かに大きく成っただけですが・・・そのハイパー振りは・・・VHSテープの古い動画ですが・・・まるで実機の様・・・。ローパスからの急上昇!そのまま垂直上昇ロール・・・。

● 翼端エルロンを固定して、フラッペロンとエレボンを連動するコントロール方式・・・。私は、スロープ機で多用してますが・・・、YF22・ライトニングⅡが・・・異次元飛行してますよ。ただし・・・風速10m以上の大観峰サイト限定ですけど(笑)。

● 飛行機画像を見てテーパー比の大きい主翼なのに、捻じり下げの要らない理由をもう一回記載します。主翼のフラップが下がった状態でエルロンがニュートラルで固定されているという事は、言わば捻じり下げを付けた主翼の状態と同じだっていう事です。よって着陸する時に、エンジンを絞りフラップを下げると機首が上を向きます。エレベータと連動してますからね。もし!フルエルロンなら、翼弦の短い翼端側も同時にフラップが下がるのでテーパー比の大きい主翼は翼端側の気流の剥離が早いので、翼端失速を起こしてしまいます。よって、着陸中にロール軸に傾いて気流が剥離しているので失速してますから、抵抗板の効果が期待出来ません。

● しかし、翼端エルロンがニュートラルで固定されている状態ならば、機首上げ状態でも気流は剥離しておりませんので、まだ失速状態には達していません。よって揚力は残っています。ただし・・・ニュートラルで固定してあるので動きません。だったら横安定が悪く成りますよね・・・。フラッペロンの作動だけでは反応が鈍い・・・。そこで、相反エルロンの出番です。フラッペロンにミキシングされたエレベータが、左右のフラップに連動してエレボンの動きをします。フラップの横安定の反応の鈍さを、左右の水平尾翼が交互に上下して補う機構・・・其れが相反エルロンなんですよ。
 
● どちらも空野彦吉(三宅優氏)さんですよ~・・・。昭和40年代初期から平成初期にかけての空野さんの自作模型ですなあ。特にYF-22ライトニングⅡには日の丸が着いてますが・・・日本国自衛隊はその後のF-35ラプターを防空の要にする予定・・・。空野さんの自作ライトニングは、まだ量産仕様のF-22型ラプターが部隊配属以前のYF-22量産型耐用年数試作機を一早く模型化されました。スチレン世代のモデラーさんには、EDFっぽく見えてるかなあ?・・・。此の時代は、まだまだ汎用ブラシレスモーターは世の中に出回っておりません・・・。じゃあ・・・グローENGのDFだろうってか!・・・。違うんだなあ・・・。グローエンジンを機首と機尾に搭載した二軸反転推進システムを採用してます。二重反転じゃねえぞ!。

● 機首側は普通にプロペラ正ピッチでエンジン搭載トラクター式・・・機尾側はプロペラ逆ピッチでエンジン搭載プッシャー式・・・両方のエンジンの回転数をアナログで同期させると・・・前後のエンジンは其々正回転してるが、プロペラは其々が正転と逆転をしてるので、お互いの反トルクを打ち消し合う性質を持ってます。此れってどういう事かって言うと・・・二重反転の推進システムと同じ挙動を示します。平たく言えば・・・パワーはパイロン機以上なので馬鹿みたいに速度が速い飛行物体なんだが、初心者さんがラダー機からエルロン機にステップアップする時の、ショルダー型エルロン機よりも飛ばし易いジェットスケール機・・・って事ですなあ・・・。飛行中はプロペラが高速回転してるから見えないも~ん・・・っていう、昭和の定説を地で行く様な当たり前の工作技術でもある。

● そんなのジェットスケール機なんかに使ったら笑われますよおおおお!って言うであろう平成のネット物知り博士・・・。ブラシレスモーター仕様のEDFって、誰でも簡単に作れて初心者でも直ぐにベテランみたいな飛びが約束されてるんだろうか・・・。それは有り得ないお話・・・。ブラシレスが出回り始めた時代に、そんな夢みたいな飛行機が存在してたら・・・ラジコン該当の航空法規改正なんて起きて無いんだぜい?・・・。初心者さんが飛ばせない様なベテラン仕様機を、ネットで購入して初心者のままだったら飛行場で皆にバレるのが嫌だった理由だけで、飛行禁止空域の広っぱで上手に成るまで一人で練習なんかするから事故多発・・・。誰でも最初は初心者だあ?・・・。飛行場で教えてもらいながら上手に成って行く・・・。お仲間掲示板の管理人さん!掲示板に書き込んでるお友達の素性を全部ご存知か?・・・。会話に一生懸命着いて行こうと、かなり背伸びしている顔無し君も混じってるぞ!。お仲間飛行場を知っているなら、独りで練習事故勃発が起きる前に・・・救済してあげましょうね。

● 若かりし頃の空野さんの持ってる飛行機・・・当時はコンピュータープログラムの出来るプロポなんて存在しておりません。当時の送信機は、ボタン打ち・・・もしくはトグルスイッチのみ・・・。今のプロポにも付いてるでしょう?。AUX(艤装SW)って表示のトグルスイッチとボタンスイッチが・・・。当時の送信機は此れが主流なんだなあ・・・。
 
● 此れ見りゃ解んべ!・・・。飛行機の形状は今でも通用するが、当時は今みたいなプロポーショナルなメカが無い時代・・・。動翼はラダーしか無い時代・・・。胴体横のまんまサイズのトグルスイッチ(受信機電源起動SW)が物語る事は、当時の家電のスイッチの転用だって事・・・。画像を見る限り・・・このコントロール方式はギャロッピングゴーストシステムみたいですなあ・・・。ラダーのヒンジラインにホーンが無い・・・。その代りにラダー後部に見えるのがラダーホーン・・・。胴体後部に見えるのは、丸いトルクロッドですなあ・・・。

● このトルクロッドは、常に左右に一定角度で回転してます。よって連動してるラダーも左右にパタパタと高速で動いてます。機体を右に傾けたい時は、送信機のトグルスイッチを右に打つと・・・このトルクロッドに隣接する電磁石が動いてロッドを右に固定すると、ラダーが一定の角度だけ右に傾き・・・機体が旋回する。水平に戻す時はトグルスイッチを左に打ち直すと、今度はラダーが左に傾く・・・此れが当て舵・・・。機体が水平に戻ったらトグルスイッチをニュートラルに戻すと・・・再びラダーはパタパタと高速で動き出します。要するに・・・機体の水平姿勢を維持しているのは、このラダーのパタパタ運動です。機体が右に傾く前にラダーは左に傾くので機体は水平姿勢を崩せません・・・。いやあ・・・発想の転換なんですなあ・・・。比例方式のプロポが出現するまでの数年間を此れで繋いでたんだから・・・ラジコンの世界は日進月歩ですなあ・・・。

● スマホのパネルを親指でなぞると、ラジコン機の動翼が動く・・・最新のシステム・・・。昭和の終わり頃のラジコン技術誌に掲載されていた記事に書いてあったけど・・・。コンピュータが進化すると、キーボードが要らない時代が来る・・・。直接モニターを指で触って操作する時代が来るだろう・・・。その時代のラジコン用のプロポからは二本のスティックが消えるだろう・・・。よって、下敷きみたいな薄い液晶パネルで、使わない時は丸めて筒に入れたり・・・折りたたんで胸ポケットに仕舞ったり・・・といったプロポが出て来るかも知れない・・・。で!現在・・・小型のクワッドローター機の操縦は、スマホの液晶送信機・・・。でもなあ・・・ラジコンプロポは、やっぱり二本の棒が着いて無きゃ面白くないですなあ・・・。その代りに・・・スティックを傾けた時の、飛行中の機体の風圧をセンサーで感知して、オペレーターの指先に荷重として伝える・・・って装置を加えた方が、面白さは増すんじゃないかなあ・・・。

● カナダのアブロ社が、音速で飛べる近代戦闘機(ARROW)に、初めて初期型のフライバイワイヤ・システムを導入した時に、テストパイロットが要求した事・・・。操縦桿に全く動翼の重さが伝わらないと異常も解らなくなる・・・。出来れば風圧を感じられる様に操縦桿に荷重を感じられる様な装置を着けて欲しい・・・。ラジコンプロポの二本のスティックに欠けてる事・・・愛機の動翼作動時の風圧の挙動を全く感じない事・・・。よってフラッターの発生は、機体が空中分解する前には目で見て判断するか、空中分解してからでないと解らない・・・。もし!このフラッターの振動が送信機の指先に伝わってくれたら、機体の異常に壊す前に気が着く筈なんだが・・・。ハイテクに成って行くラジコン業界だけど・・・何か進化の方向が間違ってるんじゃないだろうか・・・。こういうアナログっぽい技術を進化させた方が、時代を追いかけてる古株モデラーには有り難いですなあ・・・。