〇 HANGER−3専用・クラス分けの詳細

 ●  ラジコン業界には、大会に参加するフライヤーに対して修得したルール・マナー・飛行テクニックに応じてクラス分けがしてあります。初心者の方は上級者の大会には出場できません。フォーミュラー・レーシングの世界と同じように、段階を踏む必要があります。HANGER−3の機体はネット販売する以前は、口コミで広がったお客さんを相手に飛行機を作っていました。全員色んな飛行場で出会ったマニアの方です。元々機体のキットを作っていた人たちばかりなのですが、地位的に向上してお金に余裕が出てきたので製作依頼という方法をとっておられます。私からすれば、顔が見えて個人情報が解り、それぞれの飛行テクニックも解っていますので、お好みの機体を作ってあげる事が可能になるのです。


 ●  私自身、20代の若かりし頃、自分ではどうにもならない飛行機の性能向上がほしくて、カスタム屋さんに頼んだ事があります。自分ではとても此処までの仕上げは出来ないと思えるくらいの出来栄えでした。値段は各クラス中国製品の5倍から10倍はしていました。今の時代の様にネットオークションにて、出来の良い中古品や中国製の完成機のたらい回し品を安く購入する事ばかりやっているので、価値観というものが解からなくなっています。最終的にはメーカーやカスタム職人を恐喝して完成品を脅し取るマニアまで出てきました。

 ●  今回HANGER−3のホームページでのネットショップを始めましたが、ネット上の(ネット物知り博士)や(ネット掲示板内一流コンテスト・フライヤー)氏達の飛行テクニックが解からない状態ですので、私自身の判断でクラス分けを考えてみました。ただし私のクラス分けがそのまま業界の正式なクラス分けでは在りませんので、参考程度だと思ってください。殆どのフライヤー諸氏が実際に経験してきたクラス分けだと思います。


    ◎ エイリアン・クラス(プロポって何ですか?)

 ●  私の知り合いにも沢山います。はっきり言ってラジコンに興味の無い人と興味はあるけど何も解らない人の事です。興味の無い人はお付き合いの範囲の中で、宇宙人的な質問をしてきます。いわゆる外交事例というレベルです。宇宙人からの質問なので寄生されない程度に宇宙人的に答えてあげます。興味が無い人なのでラジコン飛行機は全部で100万円ぐらい掛かるよ!でも良いと思います。ところが興味を持っている人には、たとえ宇宙人でもまじめに答えてあげますし、私に発注があれば親身になって指導してあげます。ラジコンの真の面白さにハマったエイリアン・クラスの人たちは、どんどん上達していきます。ある程度まで上達したらほっといても勝手に楽しさを見つけていきます。ラジコン・マニアの王道パターンです。


    ◎ 初心者クラス(ラジコン・カーやってました〜。)

 ●  飛行機の入門者のパターンがこれです。ラジコンが無線操縦であるという基本を知っています。ラジコンカーは衝突事故で壊れる事を知っています。当然ラジコン飛行機は墜落すれば壊れる事も知っていますし、人に当てれば怪我をさせる事を知っています。要するに自分の置かれているレベルを自覚しています。ところがこのクラスの人の中の少数はネットの楽しい集いに参加したいのですが、飛行機初心者がばれると馬鹿にされるかも知れない恐怖感で、上手になるまでひとりでこっそり練習を始めてしまいます。実はこれが事故の元です。

 ●  ネット掲示板では皆に遅れを取りたくない一心でかなり背伸びした書き込みをしなければならなくなり、一生懸命練習に励みますがブーガチャンの繰り返しです。運良く上達できてネット主催の楽しい集いに参加できる人もいるんですが、中には物損事故や人身事故を起こして挫折してしまう人も出てきます。我流の一人っきりでの練習方法はかなりのギャンブルになりますので、本当にラジコン飛行機を飛ばせる様に成りたいと願っている初心者の方は、少々遠方でもインストラクター資格を持ったマニアの方が居られるクラブへの入会をお勧めします。

 ●  時々・・・初心者の我流に満ちたラジコン飛行機のホームページを見つける事があります。ホームページを立ち上げるのは個人の自由なんですが、ネット上には間違った航空理論も沢山存在しています。多分・・・初心者の方のページに記載してある高度な航空力学は、他人の考察の転記であると直ぐばれてしまいます。何故なら画像で私の愛機として紹介している飛行機と書いてある文面に知識と技術の差がはっきりと見てとれるからです。自分の書き込みに対して間違った知識を指摘し、解決策を見つけてくれるコメントには素直に従ったほうが良いと思います。初心者は知らなくて当たり前なので、自分にとって有効だと思える正しい知識を吸収して段階を踏んでいけば、技術と知識が同調してきます。ページを閲覧している上級者からのアドバイスも貰える様になると思いますし、皆で応援したくなってきます。

 ●  飛行場において主翼に捻り下げを付けたらどうなりますかと聞いてみました。すると初心者の管理人さんは自身たっぷりに「翼端失速が無くなります!。」と答えてくれました。捻り下げを付けると翼端失速を遅らせる事は出来ても翼端失速を無くす事は出来ません。この辺を詳しく説明してあげたのですが・・・「○○さんのページにはそんな事書いてありませんでした!。」と怒られてしまいました。多分この○○さんも自分で実験せず誰かのページの丸写しだと思います。ネット物知り博士と最初に遭遇したのが彼でした。世の中には大御所と呼ばれるマニアの方は沢山居られます。ネットの情報が伝令ゲームの様に正しく伝わらないのは、ページの管理人さんの多くの方の知識と技術にギャップがあるからです。一流コンテストフライヤーは現実世界では極一握りしか存在しないんですが、ネットの中だけに存在しているネット一流コンテストフライヤーは管理人さんの数だけ存在しています。

 ●  もしもこの初心者HPの管理人さんがネット一流コンテストフライヤーではなく、等身大の普通の悩めるマニアだったら業界の大御所と呼ばれている専門誌の中のスターみたいな方達から、直接アドバイスを貰えたかもしれません。ところが・・・、今のままではハンドルネームで書き込んで来られる大御所さんにも平気で態度を硬化させる管理人さんです。暗闇の堂々巡りをしている初心者のページにいきなり上級者がメスを入れると、敵対行為と見なされ逆に攻撃されてしまいますので殆どの大御所さん達は敬遠されるそうです。謙虚な気持ちで教えを請いたい気持ちが正直に文面に溢れていたら、誰もがお気に入り登録で事ある毎に助けてくれると思います。ゴジラの無差別火炎放射みたいな私のページは好き嫌いが激しいと思いますが・・・。


      ◎ ほっとけ・クラス(もう・・・、解かったから・・・!ぐちゃぐちゃ言わんといてくれい!。)

  ●    上級者からマン・ツー・マンの飛行指導を卒業し単独飛行に移ったのはいいのですが、思うように着陸が決まりません。中級者と呼ばれている人達です。上空飛行は一通りの初歩的なアクロ系も含めて出来るようになりましたが、自分の機体の運命を決定づける着陸に今一自信が持てないと自覚している頃です。下手な着陸では馬鹿にされるかも知れないというプレッシャーの中、とにかく壊れないでくれと神頼みしながらランディング・トライの開始です。目の前通過の高度は50cm何もしないでほっとけ・ランディング・・・、草むらに突っ込み無傷で回収できました。お仲間さんからの拍手はもらえませんが、事故も起きませんでした。サンデー・フライヤーの当たり前の日常です。実は今後進む空物模型のカテゴリーが明確に分かれるのは、このほっとけ・クラスのフライヤーが一番多いです。世の中のそれぞれの分野の上級者達もここを通過していきました。

  ●  最初からパイロン機・F3A機・スケール機のどっぷり系のマニアはほとんどおりません。業界の有名人ほど初心者入門機であるポンコツ号ジロー・パイロットjrを飛ばした事がある様です。どちらも初心者入門機としてはあまりにも有名な飛行機です。私自身もこの2機で上空飛行と着陸をマスターしました。ラジコン機の演目の中で指定点着陸が一番難しいと思いますが、これを完全にコントロールしてマスターしたらエンジントラブルも怖くなくなります。

  ●   大観峰入山の最初の年は、スパン4mの大型機もスロープ専用機も場周飛行と着陸進入の練習だけに費やしました。お山のエスパー諸氏に指導して貰いながら、空気の色で見分けるサーマル発生ポイントや降下気流のエリアに必ず漂っているローレライのお姉さまの存在とか・・・、理解するのに7年掛かりましたが、やっと大御所達の教えを松任する事が出来ました。どんな分野の模型にも興味が尽きず、手を出しては返り討ちに合いますが決してめげないのが(ほっとけ・クラス)のフライヤーの特長です。模型業界にとっても一番のお得意様になるのがこのクラスの人達です。


       ◎ 上級者・クラス(飛行中の自分以外の機体も見えてる人)

  ●   私の知り合いの中で一人だけこのクラスの人がいます。周りが良く見えていますので、私の目の前を通過しても全然怖くありません。お互いの信頼関係もありますが、彼のフライトは右パス・左パスは同じライン上を通過していきます。取り巻きの人物の中には、ネット掲示板内一流コンテスト・フライヤーも混じっています。彼にくっ付いていれば自分も一流扱いになれると思っているようですが、実はスチレン製の軽量機でフリヒラ飛行は出来ますが、水平飛行が出来ません。着陸もドサッ!と・ランディングしか見た事がありません。ネット掲示板の世界では全員が超一流のコンテスト・フライヤーに変身できますが、現実世界では殆どの人のメッキが剥がれてしまいます。口で飛ばさず手で飛ばして欲しいと思います。

  ●  上級者の中には自分より下手くそだと確信したフライヤーは、けちょんけちょんに馬鹿にして楽しむ罰当たりな人もいます。こういう人は必ず存在しますが、空気扱いされています。本人さんはベテラン・フライヤーのつもりですが、誰も上級者(エキスパート・クラス)とは思っていませんので、自分が危なくなっても頼ったりしません。早く気づけよ〜と思っています。皆から信頼される上級者は自分より下手くそなフライヤーを馬鹿にしません。自分も同じ下手くそフライヤーを経験しているからです。下手くそフライヤーの気持ちが解かっているから、上手になるまで面倒を見てくれるのです。クチは悪いけど好い人と評される人は、人柄を知っている一部の人からは好かれますが、大多数の人の評価は逆のものになります。


       ◎ うる爺・クラス(危機管理がしっかりできた役員さん)

  ●  クラブの内外から嫌われる確立の高い役回りの人ですが、飛行テクニックもマナーも超一流です。ただ・・・口うるさいので敬遠されがちですが、クラブの会長さんからは全面的な信頼があります。事務局長と呼ばれる人にこの役回りが多いそうです。事務局長がアグラをかいた倶楽部は自己崩壊が早いと言われています。倶楽部にひとりは必要な存在だと思います。事務局長が縁の下でしっかりと倶楽部の屋台骨を支えているので、老舗と呼ばれる倶楽部も日本中に沢山残っています。日本中の事務局長さん、頑張ってください。


      ◎ 仙人・クラス(飛行機と会話できるジェダイ・マスター)

  ●   休日の飛行場に現れるのはいつも最後です。社長出勤ですのでお昼前に到着されます。いつも笑顔を絶やさず怒った姿を見た事がありません。仙人さまが来られた休日の飛行場は、活気に満ち溢れ雑草はお花畑に変わりますし、何故か見物人も大勢現れ河川敷の土手にお地蔵さんのように並んで座っています。

  ●   仙人様はクラブ員の飛行機を見て回りますが、ほっとけ・クラスのメンバーの機体は特に入念にご覧になられます。じっと立ち止まって機体を見つめておられたか思ったら、オーナー・フライヤーに一言声をかけられました。「エレベーターの内部リンケージが甘いで!、フラッター起きてへんか〜?。」いきなりの指摘です。仙人様が出勤される前に一度飛ばして原因が解らず途方に暮れていたフライヤーにとって、暗闇のトンネルからやっと抜け出せた想いでした。

  ●   私は仙人様に見ただけでどうして解るのか聞いてみました。すると仙人様は「飛行機がワシに訴えてん!、早よう治してくれってなあ〜。動かす度んびにブルブル震えて関節痛に成りそうやって・・・、飛行機が言ってん。」私はびっくりしてしまいました。SF映画にはこういったシャーマン的な能力を持った登場人物が出てきますが、実際に目の前で遭遇すると緊張して土手に並ぶお地蔵さんと同じく、飛行場の端っこで郵便ポスト状態になってしまいました。確かに仙人様にも初心者時代が存在していました。長い長い修行の果てに悟りを開かれすべてを受け入れた時、理の力(フォース)が習得できるのです。アメリカ大陸の先住民であるネイティブアメリカンの長が語っておられた様に、自然の調和を乱さず常に自然から得られる恵みに感謝の気持ちを持つ事が大切であり、地球上に存在する全ての物質には存在理由があり心が宿っている。自然の材料を使って組み立てられたラジコン飛行機に心が宿っても可笑しくないと思います。クラブ員の一人であるこの仙人クラスの人達には、全てを超越した世界観が広がっているのだと思いました。

  ●   阿蘇にお住まいの羽山氏も近じか仙人・クラスの仲間入りです。自分は仙人である!と勘違いされたご老体もおられますが、仙人として認められる人物は、その領域に達していない下のクラスの人達が決めることです。宗教世界で教祖として祭られる人を決めるのも信者さんです。この人について行けば必ず楽しいラジコンライフの待つエルサレムへ連れて行ってもらえる・・・、とクラブ員から頼りにされる人達の事を仙人クラス(マスターズ)と言います。