Foot stand up (福さんのお部屋 製作画像集 Part-1
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 ※ まずは・・・福さんへ・・・。此の機体の件なんですが、依頼された方が製作を断られた理由が解る気がしました。物理的になんですが、販売店の管理人さんが本機のセールスアピールを記載しておられるんですが、その通りの出来栄えには仕上げられないんじゃないかなあ・・・って思いました。

 
● まずはエンジンナセル・・・。通常EDFを搭載する場合は、吸入口(インテーク)の直径よりも排気口(エグゾースト)の直径を絞ると、極端に推力が低下します。よってEDFを搭載する場合は、なるべくドラム缶みたいなずん胴でダクトを形成するのが基本なんです。よってスケール的には大きく成るんですが、必要推力を得たい場合はナセルの直径を大きくしてダクトを作るのが普通です。

● 本機の場合・・・画像のエグゾーストの出口は直径35mmしか有りません・・・。インテーク側は60mmなので、推力的には半分以下まで下がります。何故にジェットエンジンも搭載可能!ってセールスしてるのか解り兼ねるんですが・・・吊下げアームが3mmベニヤの三枚積層だけでは荷重に耐えられません。

● 私が考察するに、本機の元々のコンセプトはダクト系推力ユニットでは無かったんじゃないか・・・って事ですね。左右のナセルのサービスハッチが対称で内向きになってますので、多分・・・ブラシレスモーター搭載のプロペラによる推進装置だった筈・・・。昭和40年代からやってる推進機構なんですが、ジェット機を作る場合・・・スケール的に合致できるエンジンダクトが無い場合は、プロペラを着けて飛ばすんですが、飛行中のプロペラは高速回転してるので見えません(笑)・・・。よって然程気に成らずに飛ばす事が出来るんです。今も昔も同じ事が言えるんですが、模型機に限ってはダクトユニットよりもプロペラ推進の方が、まだまだパワーは大きいって事実です。もしも・・・確実に飛ばす方向に持って行きたいなら、ユニットはプロペラ推進の方が良いですよ。

● キットを調べていて色々と疑問点が出て来ました。元々がプロペラ推進ならば・・・ダクト内部のモーターマウント等のベニヤパーツが入っていたと思うんですが・・・ご自宅に小袋パーツが残っていませんか?・・・。普通はセットされてる筈なんですが・・・。ナセルのサービスハッチが無いのも気に成るんですなあ・・・。わざわざ段付してるって事は、FRPのハッチが付いてた筈なんですが、入れ忘れたって事はありませんか?。販売元は推奨70mmダクトツインとなっていますが、それにしてもダクトユニットを所定の位置へ固定する為の、木部パーツの類が欲しい所・・・。
          
● 本機のリトラクト(引込脚)についてなんですが・・・何故に可動体が回転しないのか気に成ったんですが、色々と調べててわかったんですが、本機は引込脚ユニットは搭載してますが、仕様は固定脚ですよ・・・。イラストに示したのはサーボからの動きをユニットに伝える為のナックルシャフトなんですが、このリトラクトユニットには装備されていません。此れは特殊パーツなので、このメーカーの製品専用です。たぶん・・・他のメーカーのでは互換性が利きません。形状と材質はOK模型のリトラクトに似てますが・・・このOK模型のリトラクトは、オランダのハンノプレトナ氏(F3Aのワールドチャンピオン=であり・・・模型メーカーの社長さん)がライセンスを持ってるので、勝手にコピーがしたとしても・・・このナックルシャフトの互換性は無いでしょう・・・。

● ユニット側面にビスが埋まってるのが見えますか?・・・。此のビスが外側のケースと本来回転する筈の可動体ユニットを貫通しています。此れを外せば可動体は動けるんですが・・・元々が羽目殺しの可動体ユニットなので、かなりのガタが出るだろうとおもいます。
  
● 見事にビスが貫通してるでしょう?・・・。ナット側が六角で凹んでるって事は、インジェクションの金型自体からそうなってたってことですね。引込脚にも固定脚にも成る様に作ってあると思われます。よってビスで固定されているって事は・・・最初から固定脚しようなので、本来引込脚として装備される金属パーツが付属してない事も解る気がします。もし・・・どうしても引き込みたい!ってお考えなら、ユニット毎交換した方が良いと思います。ナックルシャフトと可動のガイド溝が2mmほど上下にズレてるって事は、ナックルシャフト自体もスムーズにスライド出来ませんし・・・。全備重量が5キロ近くに成るって販売元では記載してましたが、このリトラクトユニットの作りから見て・・・引込脚仕様にすると着陸で壊れるかもしれません・・・。ならば固定式にした方が良いとは思うんですが、それにしても・・・部品が欠損してるんですよねえ・・・。基本的な部分が・・・。
          
● よって・・・今回の組立では、固定式の状態で仕上げたいと思います。その後の展開の事も考えて引込仕様にも出来る様にリンケージ類も調整しておきたいとは思いますけど・・・。福さんご本人が本機の着陸を実機並みの静かなタッチダウンにまで上達しないと、無理な衝撃ではリトラクトケースの方が悲鳴を挙げるかもしれません・・・。 
● 上記の現時点でのナセルの欠損パーツの件・・・もう一度ご確認下さい。販売店側が入れ忘れたとは考えにくいのですが、お客に渡す前に検品してます!って記載してますし・・・お手元に無い場合は、一度販売店側にご確認をお願いします。ノーズストラットギヤのジョイントシャフトも入ってないみたいですなあ・・・。とにかく説明書が無いんじゃ・・・ねえ!・・・。何が足らないのか・・・当方も手探りですので・・・。
 
● まずは手持ちのOK模型の69mmダクトファンを入れてみたんですが、内径だけなら充分収まるんですが、このファンユニットをポッドに固定する為の方法が解りません。単純に入れて蓋して・・・では意味が無い・・・。尚・・・このOK模型のユニットは、ポッド・・・もしくは胴体に確実に固定出来る様にマウントが着けられているんですが、この幅を含めるとこのキット付属のポッドに内蔵する事は不可能です。

● この販売元の本機の諸元には、70mmダクト推奨・・・とあるんですが、このタイプでは不向きという事に成ります。全てのメーカーのダクトユニットを、私自身が把握していません。まずは販売元に搭載出来るという推奨ユニットを聞いて貰えませんか?。多分・・・ダクト内部にねじ山を付けてあるユニットでなければ、まず・・・このポットには搭載出来ません。
 
● このポッドにエアー式のダクトユニットを搭載すると仮定して下さいね?。販売元は、ジェットエンジンも搭載できると記載してるんですが、この文言はある意味正解です・・・。ジェットエンジンと言っても吸入・圧縮・爆発・排気を行う内燃焼機関なので、レシプロエンジンと何ら変わりは有りません。燃焼室に圧縮空気を送り・・・燃料を噴射して点火!爆発が起きます。エンジンのインテーク側からは、常に圧縮された空気が入って来るので、燃焼ガスは後方に逃げるしかありません。この燃焼室には内部の羽根車が設けてあり燃焼ガスが後方に逃げる際に、強力な爆発力でこの羽根車を廻します。この羽根車はインテーク側に有る沢山の羽根車(ステーターべーン)と中心軸で直結しているので、爆発のエネルギーでこのベーンを回転させます。よって燃焼ガスは後方から出て行くしか無いんですが、この出口が燃焼室の直径よりも細いので圧力が発生・・・要するにこの軸流式のターボエンジンは、圧力の掛かった燃焼ガスを、エンジン後方に排出する事により推力を得る方法です。よってこのポットの形状なら、ジェットエンジンは搭載可能なんですが・・・このポッドを吊るしているパイロン本体が弱いんです。強度が全く無視されているので・・・多分、強力で小刻みに振動するジェットエンジンには耐えられません。

● では・・・エアー排出のダクトファンユニットはどうか・・・って言うと、このエアー式ダクトユニットはインテークから空気を取り入れて後方のダクトから排出するだけの機能しかありません。よって排出孔を絞るという事は、エアーの推力を落とすという事です。確かに狭い範囲からの排出なので、幾分の圧力は掛かりますが・・・飛行機本体の推力を飛躍的に向上させるとまでは行きません。よって本来の本機の推進装置は、プロペラによるブラシレスモーターの搭載だった筈です。販売元が考えた事を推察すれば・・・プロペラ推進なら4セルのリポ(14,8V)で飛べるので、メーカーは此方を推奨した筈です。ただ・・・この販売元の管理人さんが、ポッドの外直径は80mmあるので70mmのダクトファンなら搭載可能だと思い込んでしまいました。出口を絞れば推力が落ちるという事実を知らなかったとは思えないのですが、重量が5キロも有る機体なら4セルじゃ足らんだろうって事で、6セル(22,2V)なら飛べるんじゃないかと安易に考えて、セールスアピールしたものと思われます。この主翼面積で最大重量が5キログラム?・・・翼面荷重で行けば、多分6セルでも推力不足かなあ・・・。この機体で6セル搭載なら・・・静止推力も計算に入れて、最大重量は3,6キログラムが限界でしょうなあ・・・。でないと・・・いくらベテラン指導の下とはいえ、初心者が扱える諸元とも言えませんなあ~。

● 実は・・・この管理人さんのページを閲覧して、この機体の製作画像を見たんですが・・・。画像を上手く細工してるなあ・・・っていうのが見て取れました。もし・・・百戦錬磨のダクトファン・フリークのモデラーならば・・・絶対に本機の購入はしませんよ。画像の細工の幾つかなんですが、EDFを搭載できるというポッドを、後方エグゾースト側から写した画像は有るんですが・・・その内部に搭載されている筈のダクトユニットの画像が一枚もありません。本来・・・こういったDF系ユニットを搭載した模型機の場合は、ポッドを正面から撮影して・・・ユニットの取り付け状況を見せるのがセオリーなんですが、其れがありません・・・。格好良く離陸して行くのは実物の飛行機ってのも疑わしい・・・。多分・・・本機は、例題機として組み立て中の機体画像は有りますが・・・ダクトユニットの搭載は・・・行っていないんじゃ無いかなあ・・・って思うんですが・・・。福さんはどう思われますか?。多分・・・私ならこの画像で疑りますね(笑)・・・。初心者さんなら、そういった細かい事情が解りませんからねえ・・・。上手い事・・・販売元の管理人さんのセールスアピールに乗せられた感があるとしか思えないんですが・・・。引込脚ユニットが別売り?・・・この7万円の価格なら、専用脚なんですから通常は標準セットの筈なんですけど・・・。別売りにしたばっかりに・・・本来固定脚に必要な部品まで欠損させてますし・・・其れも別売りにするつもりかなあ・・・。
 
● 先日メールでご連絡しましたが、EDF搭載ならばダクト搭載用のポッドを当工房で自作する事になりますね・・・。このキット付属のユニットなんですが、主翼に固定されたベニヤを削り込んで成形しないとグラス製のポッドとは合体出来ません。もし・・・パイロン側を削ってしまうと。今度は此方で自作するDF用のポッドとの互換性が出来なく成るんです・・・。よってビスによる両タイプのユニットを交換可能な構造にするには、この主翼に固定されたベニヤの積層板はいじれません・・・。平面のままなら勘合可能な構造にできますから・・・。最初・・・組み立てに一か月とご連絡しましたが、もう少し余分に期間を下さい。其れによる製作費の増大はありませんので・・・。
 
● 両タイプのユニットの互換性を得る為に、二種類のユニット分4個を作る事に成るんですが・・・主翼側のベニヤのパイロンは改造できないので、ポッド側をパイロンに合わせて製作します。本来のキット付属のポッドは使わず・・・同型のポッドをベニヤとバルサで構造体とします。ブラシレスモーターは高速回転を行いますので、冷却風をインテーク側から取り込んで後方から排気させます。この造りはブラシレスモーターの搭載機ならば当たり前だと思って下さいね。

● DFユニットの搭載の場合は、このポッドを幾分かはスケールアップさせないと成りません。インテーク側の直径其のままをエグゾースト側に設けないと、推力が落ちるのが理由です。よって実機スケールとは大きくかけ離れるポッドには成ると思いますけど、ご了承下さい。其れでも・・・飛行中は気に成りませんよ!・・・。なるべくポッドの外形状は似せますから・・・。まずはプロペラ推進で実機らしい離着陸の練習と上空飛行をマスターし・・・本機の操縦の挙動に馴れてから、DFユニットのポッドに交換して飛ばす・・・この方が愛機を長持ちさせる方法だと思いますので・・・。

● 因みに・・・私が過去に扱ったグローエンジンのDFスケール機の挙動なんですが、普通にプロペラ推進ならばアイドリング時のエンジンの回転数は、地上の離陸前で2500回転前後で充分なんです。何故かって言うとですね・・・大直径のプロペラ自体がフライホイルの役目をするんで、此処まで回転数を落としてもエンジンは安定して回るんですが、此れがDFと成るとこの回転数ではフライホイル効果が期待出来ずにエンジンの回転数が安定しません。よってDF機のアイドリング設定は、6000回転がボーダーラインと言われていました。プロペラ推進ならば、飛行機は滑走路を走れるスピードなんですが、DF機はその場を動こうともしません。此れがDF機の挙動の一つなんです。よってDF用エンジンは通常のエンジンよりも高速域を強化し・・・低速域はアイドリング時でも回転数が高いのが普通です。其れでも最高回転数は、ニトロ35%の合成系燃料で35000回転まで廻ってましたね。

● まずは・・・搭載予定のDFユニットを一基・・・其方で購入して送って下さい・・・。OK模型みたいなマウント付きにするのか、もしくはマウントがダクト内に内蔵されたタイプにするのか・・・多分、双発なので6セル仕様に耐えられるモーター搭載ユニットでなくても良いんじゃないかと思うんですが、販売元に聞いて揃えるか・・・その他のネットの専門ショップに聞いてみるとか…方法は色々と有りますので、なるべく早く準備して下さい。マウント付きか内臓かで、一部構造が変化しますのでよろしくお願いします。
 
● 左右の主翼の重さを計測したんですが・・・右で355グラム、左で380グラム・・・。此れが中華製の悪い所・・・。右の主翼の組立担当職人さんと、左側の担当職人さんが別々で組んでしまうのでこういう事態に成るんですよ。工程毎の職人は違えど・・・左右分割の一対モノを作る場合は、同じ担当職人でないと・・・最悪こういったバラつきが出るんですなあ・・・。必ず工作台に量りを置くってのが、日本国内の完成機製造メーカーの鉄則なんですがねえ・・・。塗り込む接着剤の量で調節できるし・・・。中国の技術は最近目覚ましい発展をしてますが、その内部ってのがいい加減なんですなあ・・・。此処がメイドインジャパンとチャイナの差だと思いますなあ・・・。翼端のウィングレットは、グラス樹脂を固めたムク材仕様・・・。一個50グラムも有る・・・。この主翼のバラツキをウィングレットに内蔵する糸鉛で調節・・・ってのが国産品なんですが、此れでは調節不可・・・。胴体に近くなればなるほど左右のバランス調整には重いバラストが必要になりますので・・・。
          
● バーチカルユニットが330グラム・・・ラダーのみで50グラム???・・・。物凄く小さい方向舵なんですが、樹脂のムク材なのでズシリと重く・・・此れを片引きの極細のピアノ線でリンケージ・・・の指定なんですが、多分フラッターが発生するでしょう・・・。販売元はこの補助エンジンにもDFユニットが搭載可能だとアピールしてるんですが、う~む・・・まるで素人さんの発想・・・。DFユニットを搭載したら、ラダーサーボのリードハーネスの処理はどうするんだろう・・・。機体の外にセロテープで貼るんだろうか・・・。
 
● 販売元の管理人さんは・・・真面目にDF搭載模型を販売しようと思ってるのか・・・私は心配に成ってます。本来のDFユニットの搭載ダクトは、ギリギリのサイズのユニットを搭載しては駄目なんです。ダクト後方はなるべく凹凸の無い滑らかな延長ダクトが必須です。凸凹した延長ダクトでは、流れる空気の気流が乱れて渦が発生・・・。必要な推力が得られなく成ります。入れば良い!って訳でも無いんですがねえ・・・。このエグゾーストは歪な円形で且つインテーク側の半分以下の面積しか無い・・・。おまけに出口手前には段差も有る・・・。これでは額面通りの推力は出せませんし・・・大きく改造が出来る構造でも無いので、この筒にはダクト搭載は止めた方がいいですね。DF模型を極めてるモデラーの搭載状況を見れば直ぐに解る事なんですが、胴体内部のDFユニットと胴体内部の容積には余裕が在る筈です。余裕があるから綺麗で滑らかな延長ダクトが作れるんですけどね・・・。
          
● 上がハイペリオン(Z-3025)4セル(14,8V)対応ブラシレスモーターです。多分・・・メーカー指定はこのサイズだった筈なんですけどねえ・・・。此れならグラスポッドの内部が、凸凹してても全く支障が出ませんし・・・。下はOK模型の(IR282534DF)同じく4セル対応ブラシレスモーターです。私が思うに・・・この4セルDFモーター二基で、軽量化を施せばアクロ飛行は出来ないまでも・・・通常の旅客機らしい飛びは出来るんじゃないかと・・・。
          
● このイラスト作図面は、取り敢えずの叩き図面だと思って下さい。上記のターボプロップ仕様は直径80mmです。ブラシレスモーターの搭載例です。厚さ6mmのベニヤのマウントに、専用の当工房オリジナル厚さ2mmのアルミマウントをビス止めして、います。まず・・・モーターをアルミマウントに固定してから、ポッド本体にタッピングビスで固定します。

● 下記はDF用のポッドです。70mmのダクトファンを搭載する為、直径が100mmあります。インテーク側のカウルは既製品ですので、このカウルに合わせて形状を決めてあります。インテーク側は直径が70mmあるんですが、エグゾースト側も70mmに設定しています。ダクト自体が短いので・・・推力のロスは殆どありません。このポッドは今の所・・・このOK模型のDFユニット専用で設計していますが、他メーカーの場合でも直径は同じです。

● 取り敢えず・・・この二つのポッドを吊下げるパイロンなんですが、このパイロンを主翼側に追加構造体として改造します。実機旅客機のエンジンポットも、このパイロンに吊下げ式なので・・・このポッドもダクト内部からのビス止め型とする予定です。よって此の改造パイロンに共通で使える様に、ポッド側を設定しています。
          
● この補助エンジンポッド付きのバーチカル&ラダーは、飛行中大変な空気抵抗に成るでしょうし・・・ラダーサーボも含めると400グラムを平気で越えてしまいますので、此方の責任において・・・スチレン構造体によるバルサプランク仕様に変更させていただきます。此方の予定では、多分・・・200グラムを切る軽量化が可能だと思いますよ。尚・・・ラダーリンケージは、このバーチカル(垂直尾翼)内部に搭載方向を変更して、両引き仕様としますのでサーボの固定が確実ならフラッターは発生しないと思います。その際なんですが・・・この補助エンジンはダミーと成りますので、インテーク側は丸みを持った整流カバー(透明)で覆う事に成るでしょう・・・。どうかご了承ください。
          
● 此れがスチレン構造体です。この工法はキールフレーム構造と言って船舶構造を、飛行機に採用した特殊構造です。胴体の中心線を直線で固定し左右対称で成形された胴枠を配置すると、胴体を上面から見ると左右対称のカーブを描きます。通常のラジコン飛行機のキットは二枚側板の中に胴枠を配置するんですが、此れは馴れ不慣れによっては胴体が捻じれたり、左右どちらかに曲がったりして組み上がってしまいます。よって歪んだ胴体の中心に垂直尾翼を取り付けると・・・必ずヨーイング軸にクセがでてしまいます。しかし・・・この構造なら、胴体の中心が必ず直線で組立てられますので・・・垂直尾翼も必ず胴体の中心線に固定出来るという構造なんです。
          
● 両面からバルサでプランクして仕上げるとこうなります。中芯の白いのがスチレンペーパーです。その両面に左右対称のバルサ材を貼り込んで胴体と結合すると、必ず胴体中心に正確に取り付けられるんですよ。後は左右に倒れて無いかを目視で確認するだけなので、精神的ストレスの軽減と作業性の向上に役立ちますし・・・ね。この構造体を本機にも採用します。この垂直尾翼・・・このサイズで30グラムです。団扇一枚分くらいの面積が有るんですけどね・・・。
          
● このマウントを本機用に再設計して、厚さ2mmの7075-T6のとにかく硬いアルミ板で作ります。此れ・・・レーザー加工ではありません・・・。糸鋸盤による手切りです(笑)・・・。誰も信用しませんけど・・・。此れが本職・・・HANGER-3 AFR・・・とは、航空自衛隊築城基地時代の私の職場です。第三格納庫の機体修理分隊(AFR=aircraft frame repair)・・・。まあ・・・航空機に関しては、当時とあまり変わらない事やってるんで(笑)・・・。チタニウムもハステロイもアダマントも何でも来い!・・・全部孔開けたるでェ~・・・って息巻いてた二十代前半の私です。

● 因みに・・・ハステロイ(耐腐食性金属)は、まだ私達の時代(昭和五十年代)は、ハステロイーX(実験)でした。狂信的な宗教団体の化学兵器製造施設で有名に成っちゃったけど、その出所ってのはナチスドイツの時代まで遡り・・・ロケットエンジン搭載のコメートの燃料が、強酸性の最悪の燃料って言われてました。着陸失敗で機体に火が着くと・・・その燃焼添加物が金属やらパイロットもドロドロに溶かしてしまう性質が有ったそう・・・。其処で燃料漏れを起こさない様に、この耐腐食性金属の試作品が使われていたとの噂が・・・。

● しかし・・・アダマンチウムはどうなったんやろう・・・。ゴジラ映画では、信管も爆薬も搭載してないけど、すこぶる硬いミサイル先端がゴジラの皮膚を貫通するシーンで有名に成ったが・・・。ウルヴァリンの体内骨格もアダマンタリウムの設定だったけどなあ~。
 
● 現在・・・このジェット系の航空機は、殆どが軸流式のターボエンジンを模型機も実物機も採用しています。よって!本来はジェットエンジンでは無いのですが、搭載する航空機が(MD-11)型の旅客機なので、此方のページの呼称では(turbo prop )型とします。要するに現在の軸流式ターボエンジンは、推進方法をプロペラにするか・・・後方圧縮燃焼ガス排気にするかの違いだけで、エンジン本体はどちらも良く似たモンと言えますね。

● 今回製作するプロップ型ポッドも実機の機能を踏襲してまして・・・、推進の9割をプロペラで賄い・・・残りの1割の推進を排気で補う軸流式ターボプロップと同じポッドとしています。高速回転のモーターを冷却する目的で、アルミのマウントを使って熱伝導冷却効果を狙い・・・ポッド内部を冷却風が通過できる様に、排気口を設けています。ポッドの胴枠は主材をベニヤとしますが、構造体全てをベニヤにすると、かなりの重さに成るので・・・適度にバルサも使って軽量化を図るでしょう。熱伝導冷却効果とは、まあ・・・平たく言えばヒートシンクの事ですよ。エンジンラジコンカ―のシリンダーヘッドに付いてる放熱板と言えば、解り易いですかね・・・。
 
● 此方は軸流式ターボファンエンジンを模したDF型です。今後は(turbo fan)型と呼称します。上記のプロップ型よりも構造は軽くなりますが・・・同時に弱くなるので、胴枠の数を増やして応力外皮構造体(セミモノコック)を使います。プロップ型はポッド内部よりも・・・外部を如何に滑らかに仕上げるかを重視すれば良いんですが、このファン型は内部は勿論の事・・・外部も凹凸面が出来ない様に仕上げなければなりません。

● 昔に比べればエンジンダクトよりもブラシレスモーター・ダクトユニットの方が、同じ直径のブレードならば回転数はグローエンジンの約40%増しと言われてます。だから普及したんですが、此れも適当に知識を持たない技術力ならば・・・昔のエンジンダクト搭載機と同じ気苦労を重ねる結果と成ります。

● エンジンDF機の気苦労とは・・・ジェット戦闘機タイプなら、エンジンは重心位置付近に搭載しないと機体サイズに見合うダクト径が選べない点・・・。機体の排気口付近の搭載ならば、エンジン始動は楽ですし、推力は粗100%に成るんですが・・・重心合わせの為に機首先端にメカを集中しても、重心が吊りあわずに、更にバラストの追加搭載で・・・また全備重量が増え、今度は推力が足らなく成ると言った悪循環に陥ります。

● 重心付近の搭載ならつり合いは獲り易いのですが・・・今度は胴体内部にエンジン始動用のスターターを、手の平でしっかりと掴む事に成るので、今度は胴体の広さが限られて来ます・・・。手が入れられない時は、長い排気口の先端から、長い延長シャフトを着けたスターターを差し込んで始動するんですが、此れには助手が二人以上必要に成るので・・・助手さんと二人っきりでは人員が足りません。その点・・・モーターダクトならば、送信機のSW一つで始動出来るので、大変楽になりました。

● ただですなあ・・・。昔も今も一つだけ変わらないのは、延長ダクトの問題・・・。エンジンみたいに圧縮された燃焼ガスを高圧で排気するジェット推進ではないのです。ブレードの前方に有る空気を、高速の扇風機で後方に流してるだけなので・・・この延長ダクトが長ければ長い程、推力が低下します。所謂・・・空気の流れによる摩擦抵抗の問題・・・。よって延長ダクトは湿気を嫌い、毎回飛行前にワックスで磨いてるモデラーも居ますしね・・・。本機のキット付属のグラス製ダクトの凸凹の内部では、はっきり言って問題外!・・・。販売元の管理人さんは、そういったダクトファンの基本知識を持って無いんじゃないかなあ・・・。顔写真は模型歴の長いマスターズクラスみたいなんだけどねえ・・・。この本機の自作ポッドなんですが、サイズ的には短い部類なんですが・・・。この短いダクトでもファンユニットを何処に搭載するかで推力が違って来ます。(Part-2に続く)