🐦 いなか工房鳥型飛行機 どんどん進化するううううう!

          
● いなか工房の管理人(K氏)と言えば・・・ラジコン技術誌の愛読者ならば、昭和の時代から製作記事を定期的に掲載されているのでご存知のモデラーも多いと思います。氏のご子息の結婚相手は、当工房南島原市のお隣雲仙市のご出身です。一昨年の夏頃に雲仙市に来られた際、工房への見学を希望されたんですが・・・此方の不手際でお会いする事が出来ませんでした。メールに添付された画像には、愛車のツーリングワゴンに整然と積み込まれた歴代の鳥さん達が映っていました。

● ラジコン技術誌に氏の鳥型飛行機が掲載されて早三十年以上・・・インターネットが普及するとご自分のページでの製作模様や動画のアップ・・・近所の土手スロープから、日本中の有名スロープへ出向いて・・・鳥型飛行機を飛ばしておられます。世の中…いろんなモデラーさんが鳥型飛行機を製作しておられますが・・・個人のモデラーさんの鳥さん達は鳥の形の飛行機なので、その操縦形式は飛行機の動翼そのものが多いです。

● ところが・・・K氏の鳥さん達は、鳥の羽の動きを実に深く観察して生み出したスプリット・エルロン方式を採用されています。平たく言えば・・・片翼のみバタフライブレーキを出して旋回する様な飛び方と言えます。もし!仮に航空機と同じ様に、スポイラーを片翼のみ出しても似た様な動きはするんですが・・・揚力自体も損なうので不安定な飛びに成ります。しかし、このスプリット型ならば・・・主翼の揚力を確保したままバンク無しで旋回する鳥の動き其のまま実現出来ます。

● その動きを各種木材の機構のみで再現しようとする所に、多くのファンが魅了されています。作れるモデラーならば・・・誌面上の製作記事を観ながら、自分の自作機に応用出来るからです。ラジコン技術誌に掲載され続けて来た歴代のスロープ用無動力の鳥さん達も、翼型や翼自体の細かな動きまで再現しながら進化して来ました。遂、最近リタイヤされたとの事・・・。と!いう事は?・・・かなりお若い頃から研究されていた事に成ります。昨今の手っ取り早く有名人を目論もうとするお若い平成生まれのモデラーさん達は、この偉人の一途な探求心を見習う必要がありますなあ・・・。

● 自然界のサーマルを掴んで本能で飛んでる鳥さん達は、まあ代表格として頻繁に見られるラプター(猛禽類)を一種挙げるならば・・・人間が食べる物まで奪い取るトンビ君なんですが・・・。彼らの空中での旋回を我が工房のベランダ上空で見る限り、極めて浅いバンク角を維持しながら、羽を横滑りさせながら旋回しています。右に旋回する場合・・・尾っぽは逆に傾いています。V尾翼のエレベータとは逆の動き・・・。フライングスタビライザーでV尾翼を動かすと差動の付いたエレボンと同じ動きに見えます。

● 一時期・・・過去の自衛隊の研究機に、(CCV)と呼ばれる高機動航空機が存在します。機首をピッチング軸に上下に傾斜した状態で水平飛行・・・もしくは、ヨー軸を左右に振った状態での直進飛行・・・といった異次元の飛びをする航空機の研究だったんですが、その後・・・(F-2)の元に成った(F-16=ファイティング・ファルコン)でも、其れに近い動きが可能だと解ったので、研究は打ち切られた様です。まあ・・・形として飛んでる姿は、迷彩色で塗られた(CCV-T2)がゴジラ対ビオランテの特撮映画の中で登場してますが(笑)・・・。まあ・・・トンビ君は、この(CCV)の実験機みたいな飛びを普通にやってるって事ですよ。

● いなか工房のK氏が研究している鳥型飛行機は、言い換えれば鳥の動きを通して自衛隊機(CCV)の機能と同じ研究をしているって事に成りますなあ・・・。じゃあ!自衛隊は何でこういう特殊な姿勢で飛ぶ飛行機を研究していたのか・・・。早い話が・・・、パイロットの目の前に有る照準器の中心に、前方の敵機を長時間捕らえ易くする為って事ですよ。前方の敵機に確実に狙いを定めたかったら、敵機と同じ軸線に機体を移動させて狙い続けるのが一番確実なんですが・・・。敵の動きの予測は出来ないので、その都度同じ軸線まで移動しなければなりません・・・。

● ところが・・・機首が常に敵機を捉えた状態で固定された飛び方ならば、同じ軸線に居なくても常に照準器の中心に敵機を捉えておく事が可能になります・・・。だから水平カナードと垂直カナードが追加されて研究されていたって事です。あまり知られていない事実なんですが、初代ウルトラマンに登場した科学特捜隊のビートルの飛行中の動きを覚えていますか?。ワイヤーで吊られていたから、あんな飛行をしてたんじゃないんですよ・・・。怪獣を攻撃するには、水平カナードと垂直カナードをコントロールしながら、横滑りを含むバンク無しの旋回をした方が確実に命中させられるので、あの様な飛び方をしていたのでした(笑)・・・。まるでトンビ君の索敵飛行みたいでしょ?。当時の私は、まだ子供だったので解りませんでしたけどね・・・。という事は・・・(CCV)の高機動航空機の研究は、実際に航空業界では秘密裏に研究されていたって事ですなあ・・・。

● 円谷氏の架空世界の航空機であるビートルは、そのままVTOL発進が可能な航空機の設定でした。円谷氏自身が航空力学に精通された方だと聞いた事があります。こういうSFの特撮モノに登場する背景には、その当時の色んな研究資料が使われたりするんですが、昨今の世の中の文明の利器を観れば・・・秘密裏に研究されていたありふれた文明の利器は、三十年前には既に存在し確立されていた軍事目的の利器の応用品に過ぎません。現在のスマホやタブレット・・・NASAにはその元に成る端末が既に存在していたみたいですなあ・・・。当時、NASAに研究室を持っていた弟が、当時語ってたから・・・。「兄貴が50代くらいに成ったら、手の平サイズのパソコンの端末が、普通に誰でも持てる時代が来るよ!・・・。」・・・今思えば・・・実現してる・・・。当時の私は大阪の模型業界時代・・・26歳でした・・・。さて・・・いなか工房のK氏・・・何処まで進化させるか・・・。

● 冒頭の画像から解る情報として・・・この飛翔体は、羽ばたき出来る機能を有しています。ただ・・・固定された翼の複合体なので、実物の鳥の羽の滑らかなしなりの動きをさせる所までは達していない構造の様です。しかし・・・私の推測の域なので詳しい事までは解りませんが、内翼と外翼の間に少しだけ見えるロッド棒の存在・・・。主翼の付け根が下がると、胴体に固定されたロッドと外翼が連動して、ガル翼から直線翼に変化する複雑な動きをするのかもしれませんね。鳥の羽の羽ばたく動きを横から見ると、単純な上下の動きじゃ無いんです・・・。立ち泳ぎの手の動きの様に、横八の字に動いています。ガル翼の時の外翼は大きく迎角が付いていますが・・・羽が下がると内翼と同じ様に迎角が無くなる様な動きに成るのではと思われます。かげに成って見えませんが、内翼と外翼のジョイント部分には強固なボールジョイントが使われていて、二方向の動きに対応する構造ではないかと思われますなあ・・・。あくまでも推測の域なんですが・・・。エンジンヘリのスワッシュプレート周りのボールジョイントのデッカイ版かもしれませんね。K氏なら・・・考えそうな構造です・・・。
          
● 今年の連休辺りから・・・我が家は、海の家兼工房の二足の草鞋生活に成ります・・・。我が家には多くのウィンドサーファーと海外組を含む多くのチャリダーが宿泊することでしょうね(笑い)・・・。まあ、其れに乗じて・・・年がら年中、雨の降らない日は素直に浜辺に正対した海風(西風)が吹くので、HLGを持参した仙人様達が始終入り浸る日々が続くでしょう・・・。いなか工房の主様・・・画像の水兵さんを持参しておいで下さい。お待ちしています。ただ・・・食事の提供がありません。アイランドキッチンは備えてありますので、近所のショッピングモールから食材を購入して・・・ご自分で調理して下さい、尚!・・・浜辺での投げ釣りも可能ですのでので魚釣りも出来ます。夏場は暑さも増しますが、仏間の西向きの窓からの海風が、東向きの縁側を吹き抜ける時は、実に身体に心地良い涼風へと変わります。夜は二階の屋根上に設置した星見台に登って、赤く輝くオリオン座のベテルギウスでも眺めて下さい・・・。