✈ ROSS RS-1 ZANONIA


● ガルモデルの名機中の名機であるザノニアです。図面の長さが150cmを越えるので、画像に入り切れませんでした。ガルモデルのザノニアは、スケール機に分類されます。過去・・・ネット検索をしていたら、たった一枚だけですが実機のザノニアの画像を見つけました。

● 最初の発売から約十年以上に渡り製造されたガルモデルの人気機種の一つです。アウトラインを一切変更せずに、内部の仕様のみを時代の流れに沿って変更されて来ました。主翼は二分割構造なんですが、初号機の頃のカンザシと受けパイプは、ピアノ線と塩ビのパイプでしたが、仕様変更後の後続機では焼の入った鋼製のムクのカンザシとクリアランスがかなり小さくてガタの出難い真鍮製のパイプに成りました。

● ガルモデルのバルサキットを製作する際・・・一条さんの書かれた原寸大の図面を斜め読みして、ドツボに落っこちたモデラーさんは、かなり多い様ですね。掲示板を見ていて・・・その斜め読みの実態が見えてきました。

● 3mmバルサの側板に内張りの3mmベニヤなんか貼り込んだら、どうやって胴枠に合わせて側板曲げたら良いんだあ?・・・・・。斜めにしか図面を見ないから一番大事な事を見落としています。

● ガルモデルの原寸大の三面図の向かって右側の上・・・隅の方に書かれていた側板の作り方です。決して3mmバルサの側板と3mmベニヤの内張り材は、平面状の工作台で接着硬化させてはいけません。上記の方法で湾曲させてエポキシ接着剤を用いて時間を掛けて接着するのが正解です。

● 図面には胴体を上から見た上面図が記載されていますが、胴体の中心となる直線も書き入れてあります。カイモノの高さの寸法は、三面図から算出できますので画像の様に湾曲させた状態が正規の側板の貼り方となります。この工作ならばザノニアの機首部分の大きくカーブした胴体にも対応出来るんですよ。お手持ちのバルサキット・・・もしくは、此れから製作しようと思っている自作機の側板製作にて実践される事をお勧めします。

● ヤフーブログのラジ絶さんのページに、九帝五型の製作中の記事があります。平成29年11月19日の記事に、湾曲側板の加工記事が掲載されています。当工房の方法とは違いますが、此方の記事の方が組立て易いと思います。画像に出て来るデッカい重りですが、商品タグが付いたままって事は、お店で購入可能です。

● 当工房の現在開発中のバルサ製グライダーキットに、標準装備で入れようかなあって思っていた冶具と同じ原理ですので、試してみても損はありませんよ。むしろ・・・ヴィンテージスケールグライダーの自作に抵抗感のあったモデラーさんの助けに成ろうかと思います。臆せず安心して追従して下さい。ラジ絶で検索すると、直出て来ます。

● 画像は当工房の胴体の基本内部構造の一例を示しています。従来の胴体内部とは違う構造になっています。この構造は近代ジェット戦闘機の胴体の内部構造と同じだと思って下さい。機首先端に空気取り入れ口を設けた戦闘機は、胴枠内部にも外皮版を貼り込んであります。

● 最初に正確な冶具を使って胴体のキール材を固定したら、各位置の胴枠をキール材に直角に固定していきます。この状態で胴枠の外側からも拘束冶具を取り付けたら、各胴枠の内側から必要な外皮板をリベットで鉸め固定します。この胴体の胴枠内側の外皮板が全て取り付けられたら、外側の拘束冶具を前部取り外しても・・・この構造体は正確な骨組み状態をキープしています。後は必要な配線配管をレイアウトして、外部外皮板を貼り込めば完成です。

● 最近のプロポは、全ての調整を送信機本体で出来る様になりました。よって、胴体内部のメカ類は、なるべく遊びの出ない直線方向のリンケージをすれば良くなりました。胴体の側板はガルモデル機も当工房機も同じアールで形成されます。当工房の工作方法では、胴体のアールによって変化する胴枠自体の幅寸法でも、内部の外皮板は必ず直方体を維持する構造で組立てられます。

● この内側から取り付ける外皮板は、二枚を釘で留めて糸鋸盤で加工する為・・・胴枠をはめ込むスロットインの溝も必ず同じ位置となりますので、全ての胴枠は必ず平行配置となりますし、内部側板材には直角で交差します。よってカンザシを通す孔も同じ位置に開き・・・胴枠に必ず平行となります。この状態で、左右のバルサの側板材を貼り込むと、必ず同じ様に湾曲しますから、胴体の中心線は必ず直線で仕上げる事が出来ます。

● 最初にこの胴体の内部構造を大観峰のネット物知り博士に見せたら・・・無駄に重量増加するだけの、意味の無い二重構造って言われて失笑されました。しかし・・・あれから十年・・・、未だにネット掲示板には昭和のバルサキットの構造に対する誹謗中傷が後をたちません・・・。あの日・・・構造を理解していない有名なネット物知り博士の皆さん・・・まだ・・・堂々巡りやってました。彼らのオツムは・・・いつ・・・進化するんでしょうか・・・。
 
● 図面が色あせて解り辛いですが、エルロンとラダーのアナログリンケージを示した説明が書かれています。今なら・・・薄い主翼にこれまた薄いエルロン専用サーボが搭載可能な時代です。しかし・・・昭和の終わりまでは、まだまだグライダー用の翼内搭載の独立サーボは、事ザノニアの主翼には難しい頃でした。

● 主翼の内部に取り付けるアナログ機構のスポイラーの工作方法を示してあります。当工房のオベロンⅡ型は、超小型のマイクロサーボをこのスポイラー室内部に搭載して、結束リンケージを使用しない方法で作動させています。よって、ザノニアのスポイラー機構で、スポイラーを収納した後の固定方法に同じ構造のパーツを使っています。言わば・・・アナログ機構の上手な利用方法ってところですね。この機構は、ハビヒトでも採用しました。
  
● オベロンⅡ型のスポイラー開閉機構の画像です。もし・・・結合機構ならばテンションゴムなんか使わないのですが、このスペースしか確保出来なかったので、こういう構造にしました。もし・・・直結リンケージしていたら・・・、サーボが故障したらスポイラー板を壊さないとサーボ交換は不可能です。しかし、閉めるだけの機能のテンションゴムならば・・・自由に開ける事が出来ます。よって、サーボとスポイラー板を直結しない機構を取り付けました。サーボの回転運動により、スポイラー板を押し上げている単純な機構です。開いてもサーボ本体のモーターやギヤには荷重が掛からないので、踏ん張る為の余計な消費電力は発生しません。ホーンが滑り易い様にステンレスの薄い板を貼り込んだだけの機構です。