● 初期型GANBAを購入されたオーナーさんからのご要望で、画像による組立説明が欲しいとの事でしたので作ってみました。この奉仕品のGANBAは以後このセットでは製造しません。もし今後製造する事があるとしたら完全なるキットになるだろうと思います。価格は多分・・・ジャスト¥10000でしょうね・・・。今回の組立説明画像はまだ製作中ですが、初期型を購入されたオーナーさんの参考に成ればと思います。あと二日程で完全版になる予定です。


 ● 初期型のGANBAですが構造的には後期型と然程大きな変化はありません。概ね手書きの組立説明書と同じ工程で画像を進めていきます。今回の組立で既にカスタムのGANBAで採用している組立冶具を一部内蔵しました。尾翼の調整と接着が飛躍的に楽になると思います。

 ☆ 主翼の組立

● この様な形状のバルサシートが入っています。画像の様にカットして下さい。片側3mm程度残してカットするのが良いと思います。この棒材をプランクシートの端に貼る事でプランク材の割れの防止とリブのアールに沿い易い反りを実現できます。右画像の様に小口は直角で落としてください。

● 先程加工した中央翼のリブプランク材の寸法加工をします。中央翼のリブは一回り小さく作られて組み込んであります。プランク材を貼りこむ事でその他のリブとサイズが同じになります。後縁材に突き当たりで主翼下面と同じ様にリブに沿わせて寸法を決めます。前縁の丸棒の中心ぐらいで寸法をカットしてください。後縁側の突き当たりの時セロテープで固定すると寸法が出し易くなります。寸法が決まったらもう一度セロテープを使って、中央翼リブ上面に仮固定してください。

● 中央翼リブのプランク材は幅を少し広めに取ってあります。主翼をひっくり返して、はみ出した余分なバルサシートをリブに沿ってボールペンで線をケガいてください。ややアールがかった線が引けたハズです。これは上半角の為リブが傾いて組み込まれているからです。線の外側・約1mmを残してカッターナイフで切り落としてください。主翼の前縁側は丸棒ですので中央画像の様に約4mmの幅で線を引き、斜線部分を右画像の様に斜めに削ってください。削った先は目見当で0,5〜0,8mm残れば良いと思います。要するに1mm弱という事です。

● 先程ケガいた線を基準にプランク材をもう一度リブに沿わせてセロテープで後縁と前縁を固定します。リブに沿って所々をマチ針で固定してください。プランク材が動かない程度に固定出来たら、セットに付属しているアイロン型のサンドペーパーホルダーを組み立てて、お手持ちの両面テープとサンドペーパーを貼り込んで削ってください。サンドペーパーの番数は木工用の80〜120番の荒めのペーパーを貼り込み、バルサの小口に軽く当てる感じで少しずつ削ると綺麗に仕上がります。左右の主翼共削り終えたらプランク材を外してください。
● 仕上がったプランク材の裏面に左右の方向が解かる様に印を入れておきます。緩いアールを形成していますが、これがGANBAの上半角です。この加工をしておくと主翼を結合した後のプランク材の貼り込みが大変楽になります。

● 左右の主翼を結合する為のベニヤ・カンザシの入る溝を作ります。メインスパーの直ぐ後ろを幅2mmで切り落としてください。田宮のレザーソウは薄刃ですので加工し易いと思います。少々広くなっても構いませんので下面のプランク材は必ず残して、内部の出っ張り等が残らない様に綺麗に削り取ってしまいます。右画像は厚さ2mmのベニヤのカンザシ板です。何やら中央に埋まっている様に見えますが・・・、実際に直径2mmのピアノ線が封入してあります。ベニヤと言えどもマニアの機体の扱い方は千差万別ですので、荷重オーバーのGを掛けるかもしれませんので、主翼のバンザイ対策だと思ってください。カンザシ板の中央に印を付けて溝に差し込んでください。
● カンザシの中央をリブ面の外面に合わせてボールペンで線を引いてください。左画像のカンザシの線がカンザシ板の中央になりますので、接着する際の目安になります。一度事務用クリップ等を使って左右の主翼を仮組みしてみてください。不具合な部分があればこの時修整しておきます。

● 主翼の結合はエポキシ接着剤を使って片翼ずつ行ってください。この時余ったエポキシ接着剤の混合溶剤はカンザシ周りのリブやスパー材の接着面に盛る感じで塗り込んでおくと、更に強度が増します。片翼が完全に硬化したら結合するリブ面にもエポキシ接着剤をたっぷり塗り込み接着します。この時ヒートガンを使いエポキシを柔らかくすると、細かい隙間にもエポキシを充噴させる事が出来ます。しかし、温度が高すぎるとエポキシ溶剤が泡を吹きついでにバルサ自体を歪ませる事もありますので注意してください。

● 主翼の結合が完了したら上面プランク材の接着面が滑らかに貼れる様に出っ張り等を修整します。上面のプランク材の貼り込みには木工白ボンドの速乾を使用します。ボンドを塗り広げたら先程のプランク材を貼りこんで行きますが、左右のプランク材を間違えない様に接着して下さい。マチ針は間隔を詰めて確実に接着してください。ボンドが完全に硬化したらマチ針を抜いてバルサパテを用いて小穴等の修整をしておきます。

● リブキャップならぬスパーキャップを取り付けます。まずリブ溝にスパーキャップを仮にはめ込み、翼端材に溝を付けます。スパーに木工接着剤を薄く塗り込みスパーキャップを接着します。キャップは長めになっていますので、翼端材のアールに沿ってカッターナイフで切り取ってください。この接着にもマチ針が効果的だと思います。
● 翼端材の高さの成形に入ります。画像では翼端材がリブ面よりも高いので隙間が開いています。この隙間が無くなりリブ面に均等に沿う様になったら翼端材の面は翼型に沿う形に成形されたという事になります。

● GANBAの翼端は大変丈夫に出来ています。左の画像の様に左手の指でしっかりと持ってもビクともしません。この状態でしっかりと持ちアイロン型のサンドホルダーで翼端材の削り込みを行ってください。中央の画像は概ね削り上がった状態です。更に右画像は翼端にアールを付けて仕上げたところです。翼端材をしっかり作っておかないと着陸時に胴体よりも先に主翼の翼端が地面に接触した際に、主翼の翼端が外れるんですが・・・、この時の衝撃で後縁材までもぎ取ってしまい修理がとても難しくなってしまいます。翼端が踏ん張ってくれると他の部分が小破する可能性があるのですが、多分治せない修理ではありません。翼端を丈夫に取り付けると機体の修理が減るので結局そちらの方が楽だったりします。

 ☆ 胴体の組立

● GANBAの胴体のモーターマウントはベニヤ製なんですが、厚みを6mmとしています。これにはある切実なマニアの要望がこの構造のきっかけを作りました。GWSの2205で飛行機を飛ばしていて着陸させたら3×5の皿ビスが二本抜けていたそうです。アルミのマウントを交換した際に閉め忘れたんだそうですが、更に悪い事に飛行場でモーターのシャフトの偏芯揺れに気付き現場で交換中に外した皿ビスを足元の草むらに落っことしてしまい・・・、スペアのビスも無く流石に一本では難しいと諦め・・・、結局模型屋さんに行ってビスだけ購入したそうです。アルミの2mm厚のマウントなら3×5の皿ビスでも大丈夫なんですが、紛失するとどうにもこうにも購入するにもホームセンターにも置いてありませんので、少々使い勝手が悪いとの事・・・。ホームセンターの3mm皿ビスが自由に使えたら楽なんだよナ・・・と、しみじみと電話で話していたお客さんがいました。

● そこで本機GANBAでは飛行場でビスを無くしてもホームセンターで購入出来る最短皿ビス寸法の3×10が使える様にマウントをワザワザ6mmとしてあります。機体のノーズ付近を見た昭和の大御所達は一目で私が何処のメーカー出身かわかったそうです。加藤無線(MK)のF3Aスタント機のノーズ付近は、厚さ3mm以上のベニヤ板とサクラ材を組み合わせて強固なエンジンマウントを形作っているのですが、その空間に1/10mm精度のバルサブロック材を勘合させて流れる様な胴体のラインを出せる様になっています。この構造をGANBAのノーズ・モーターマウントに応用しました。ベニヤでマウント本体を形作るのではなく、古巣の大手メーカーの後輩であるラトルスネイクの大植氏に昇降盤加工の技術を振るってもらい、正確な角度切りのバルサブロックをベニヤ組みのフレームの間にスコン!という精度で挿入させ、エポキシでガッチリ硬化させています。箱河豚らしくノーズ付近は大変強固な造りとなりました。実際に垂直に近い角度でフルダイブさせて地面に激突させれば、その丈夫さは解かります。コンクリート面に高度40メートルから胴体だけで落ちて来て、激突したそうですが・・・モーターシャフトがクニャリと曲がっただけでGANBAの胴体にもメカにも異常は無かったそうです。と言う事は人に当てたら大怪我確定の危険なラジコン機と平成15年以降にラジコンに目覚めたマニアは言うんですけどね、そもそも人に当てても大丈夫!なんて、ラジコン飛行機自体が存在しません。扱うマニアのモラルの問題だけなんですよ。GANBAは昭和のエッセンスを多く盛り込んだ普通のラジコン飛行機です。飛ばす場所は屋外の飛行場のみの限定機です。室内では飛ばさないで下さいね。

● ノーズ先端は上手に削り込めば上部は20R下部は5R程度までなら大丈夫です。マウント内部のバルサの厚みと相談しながら更に個性的な顔にも変身出来ると思います。モーターシャフトの穴についてなんですが、箱詰めギリギリになってから代理店から連絡が入りGWS2205は初期型のEリングタイプから直径の大きいストッパータイプに変更になった事を聞き、慌てふためいてしまいました・・・。リーマーを使って直径9mmまで広げてあるんですが、更に余裕を見て10mm程度まで広げてください。直径8mmのバルサの丸棒をセットに入れておきますので、お手持ちの両面テープを貼りこんで此処に120番程度のサンドペーパーを貼り付けてご使用ください。
● セット付属のベニヤ製のサーボマウントに使用するサーボのサイズに合わせて加工を施します。実際にビス止めして下穴を開ける状態までを行って下さい。
● 加工したサーボマウントを胴体の中のこの位置に接着剤で貼り込みます。接着剤が硬化したらサーボマウント内部のバルサ面をくり抜いて下さい。

 ☆ 尾翼の組立

● 垂直尾翼(バーチカル)を一部加工します。この星型パイプを長さ8mmでカットします。(セットに20mmで付属しています。)寸法の右側が機首側になります。そこから36mmの所にパイプの中心が来る様に尾翼の下面を加工して下さい。パイプの付く面の出っ張りは水平尾翼の指定の溝に勘合するのですが、二段目の角が水平尾翼(スタビライザー)の前縁と揃わない時は画像左の様に一番下の左角を削り落として調整をしてください。

● 尾翼の厚み3mmに対して星型パイプは直径3,5mmですので、両面に僅かながらの出っ張りが出てしまいます。このパイプの接着は瞬間接着剤高粘度タイプかエポキシを使う限りテンションを掛けても外れてきませんので、どちらかの接着剤を使う様にしてください。完全硬化したら両面に均等にヤスリを掛けパイプ面がバルサ面とツライチになる様に加工してください。垂直尾翼と水平尾翼の後縁は同じラインになる様に溝を調整してください。
● 垂直安定板(バーチカル)・水平安定板(スタビライザー)は前縁側を方向舵(ラダー)・昇降舵(エレベータ)は後縁側を其々自由アールで仕上げてください。

● 昇降舵(エレベータ)はフィルムヒンジを推奨していますので、舵面下部のみを削り上げるトップヒンジとします。方向舵(ラダー)はテグスワイヤーによる両引きのリンケージを推奨していますので、紙製のヒンジが使える様にセンターヒンジとしていますので舵面の両側を均等に角度付けしてください。削り込む前に小口を黒いマジックで塗りつぶすとヒンジラインの基準が取り易いですよ。

● 此処から先はフィルムを貼りこんであると仮定して読んでください。上記の画像はバーチカルとスタビライザーのフィルムの貼り込み限界ラインを示しています。斜線部分はコーナーフィレット材が取り付けられる面ですので、フィルムの張り込みはしないで下さい。それぞれフィレット材からマイナス2mmでケガいてあります。
● お手持ちの2mmのビス(長さ10〜12mm)に付属のワッシャーを通して星型パイプをナット代わりに締めこんで、画像の様にねじ込んで使います。基本的に作業が終わったらビスは外してしまいますので、あまり複雑には考えないでください。しかし、この締め付け冶具を使うと尾翼の水平出しと接着が大変楽になります。

● 上記の画像は100円均一ショップで購入した三角定規に両面テープを貼り、バルサの角棒を固定しただけの垂直出しの冶具です。垂直尾翼(バーチカル)に木工接着剤を塗り込んで、この冶具を取り付け乾燥させています。
● 上記画像右側の小さい部品を小袋に入れてありますので、この部品を画像と同じ様に貼りこんで固定してください。水平尾翼の胴体への接着前に一度仮固定してみて、水平出しを調整します。その後調整が終わったら本格的にエポキシを使って接着するのですが、微調整をしながら最終的には圧着させて完成です。ビスはエレベータのリンケージに干渉する可能性がありますので、接着後は取り除いてください。決して尾翼の取り外し式にはしないでください。それを精度を上げて組める様には出来ていません。

● 尾翼のコーナーフィレットの加工です。少し大きめに加工してありますので、胴体のラインに合わせて滑らかに成る様にサンドホルダーで加工してください。尾翼がビスで仮固定されているので基準は取り易いと思います。


● 一番上の画像の様なシートが入っています。これをバリ取りしてからセロテープでつなぎ合わせます。裏返して二枚折にしてから木工ボンドを塗り広げてシートの小口を接着します。もう片面にもセロテープを貼りこんで硬化を待ちます。これはバッテリーのサービスハッチとなりますので、下中央画像の様にマチ針を使って仮固定します。少し大きめに作ってありますので導体のラインに合わせて、サンドホルダーを使って削り込んでください。(PART−2へ続く)