📚 図面作成の為の私的考察 

● 「トンビさんって・・・図面書くのが上手いですねえ・・・。」ってメールして来る人・・・。「トンビさんの書く図面って正式には通用しませんよ!・・・。それでよく飛行機なんか作れますね。」って嫌味丸出しの人・・・様々です。この方は、ラジコン技術誌に掲載されている個人の自作した模型の製作記事に付録した、精密な三面図の事を引き合いに出してる様なんですがね・・・。此の人・・・模型世界の裏事情ってモンを全く知らないんだなあ・・・って思いました。思わず・・・鼻で笑っちゃいましたよ~・・・。

● 私がまだ業界の開発部に居た頃の話なんですが、会社で決定した次回の新作機の図面を引き・・・試作機を作ってテストを重ね・・・さあ!発売も決まったから、今度は量産の為の準備に入るぞ!っと、使用する金属パーツや樹脂パーツには専用部品が必要なので、当然ながら金型やら治具やらの図面を引いて業者に発注せねばなりません・・・。

● ところがですなあ・・・。この専門の業者さんっていうのが、東大阪の町工場の中に有る一人親方のインジェクション成型屋さんだったりするんですが・・・、金属部品と樹脂部品を合体させた図面を持ち込んでも、其処から樹脂部品だけの寸法を拾う事自体を面倒臭がる親方って多かったですねえ・・・。結局・・・この一人親方さんってのは、親の工場を引き継いだ二世さんなんですが、親父の元で修行したので、必ずしも専門的な基本の知識を専門の学校で教わってない親方が多かったんですなあ(笑)・・・。

● よって!如何に正式で複雑な図面を一枚書いて、其れを専門業種の業者分コピーして其々説明に出向いても・・・全く持って理解して貰えませんでした。此れも当時の先代社長(OK模型=高松守氏)のスパルタ教育の一環でして・・・。戦後の高度成長期の戦友達と共に、OK模型は一塊の模型店からメーカーまで先代社長一代で築いてきたっていう誇りを、私にも教えたかったのだと思いました。そりゃそうやろなあ・・・親父のスパルタによる叩き上げで仕事して来たんだもの・・・。複雑な正式図面なんか観たって、面倒臭くてやってられんだろうなあ・・・って思います。社長曰く・・・「ワシのダチは一筋縄ではいかんやろ!。」って何時もの笑い顔・・・。「高学歴の親方と違ゃうんやからなあ・・・。もちっと必要な所だけ抜粋した図面でええんや!・・・。」・・・なんですと・・・。

● で!そらもう!・・・手抜きバリバリの三面図を書いて持って行ったら・・・今度は一発OK!・・・数日後には試作品が出来てました。その試作品を別の業者の金属パーツと組み合わせると、ピタリと勘合・・・。別にねえ?・・・正式図面じゃないと正確で専門的な部品は出来ないって世界でもないんですよねえ・・・。

● よって・・・私のページに掲載してる図面の数々・・・。工業専門学校卒業のネット物知り博士のモデラーさんからは、ネチネチとメールで嫌がらせ・・・されてます(笑)・・・。でも・・・高評価のモデラーさんも確かに居るんですよねえ・・・。模型飛行機の三面図ってゴチャゴチャしてるでしょう・・・。ラジコン技術誌に掲載されている製作記事を書いてるモデラーさん全員が、専門的な学校出身って訳でも無いんですよ・・・。送られて来る個人のモデラーさんからの原稿は、専門業者が校正してます(笑)・・・。図面もしかり・・・だから!・・・まるで全員が同じ様な正式図面なんだあ・・・。って所に、疑問くらい持って下さいナ~・・・。

● 私の書くイラスト三面図・・・アウトライン確認三面図・・・そして完全原寸大の三面図・・・。全部自分が解れば良いだけの、簡略された図面です・・・。言わば手抜き図面って事ですよ。要するに作業工程に必要なので手抜き図面でも良いんですなあ・・・。その自作する飛行機の構造ってのは、概ね個人毎のモデラー自身の製作方法ってモンがあるんですが、その為に必要な情報さえ書き記していれば良い訳で・・・。閲覧している博士さんからグチャグチャと文句言われる筋合いはありません。

● この博士のブログを観た事があるんですが(ご本人は私が閲覧した事実を知りません。)・・・、彼のページには正式な三面図なんて数年前の過去記事を観たって載ってませんでした。代わりと言えば・・・簡略化されたCADで作図した色付きのイラスト画像だけだった様な・・・。まあ・・・彼の言い分って、世の中の便利ツールを使い熟せていないページの主ってのは許せないんでしょうなあ・・・。だから最初からページの見出しに書いてるでしょうが!・・・。ハイテクな記事は一切出て来ないって・・・。複雑で綿密な図面を掲載しても、誰も理解出来ないんじゃ意味が無い・・・。複雑で綿密で理解不能な正式図面を載せてるモデラーさんってのは、言わばナルシスト・・・。どうだ!俺って凄いだろう!・・・ていう類の自意識過剰の管理人さんだったりします。自分の技術は誇示するんだが・・・絶対に追従出来んやろう・・・っといった性格の持ち主さんでしょうなあ・・・。そういう管理人さんのブログのカウンターって・・・ほぼ横ばいに近いですなあ・・・。(kinnsann)のブログを見習え!って言いたいですなあ・・・。等身大の管理人さんの模型歴が其のまま自作模型に反映されてるから共感(ノーマライゼーション)する閲覧者が多い・・・。よってカウンターは急角度で右肩上がりの連発です。
 
● 隣町の加津佐町の老舗の文具店に出向いて、何時もの厚紙(800×1200mm)・・・1ミリ方眼紙B1サイズ(700×1000mm)を其々10枚ずつ購入して来ました。早急に欲しかったので買いに行ったんですが・・・ご主人から・・・「そんなに頻繁に方眼紙が必要だったんなら、ロール巻きで購入した方が安上りだよ?・・・。」って早く言って下さいよおおおおお!・・・・とまあ、取り敢えず愚痴ってはみたんだけど、注文品だから早くても一週間は待たされます・・・。で!今後も必要だからって発注掛けて来ました・・・。サイズがですなあ・・・良いんですよねえ・・・。(850×45メートル)・・・。値段は、このB1用紙一枚買うよりも遥かに割安・・・。

● 今回のヴェガシリーズ・・・全長が三機種とも1000mm越えてるんで、途中で用紙を繋ぐ必要があるんですなあ・・・。更に、ヴェガのⅠ型は胴体の中心から翼端までが760mmなので、幅が700mmしかない用紙では足りません。よって図面が分解表示になってしまい・・・全体図が掴み難いんですなあ・・・。幅が850mmあれば充分なんですがねえ・・・。ヴェガⅢ型の主翼なんか、余裕を持って左右一体で記載出来るし・・・。用紙を継ぐ必要も無いので、方眼紙のマス目がズレる事もありません。よって必要寸法の直線が簡単に引けるのも魅力です。
 
● ヴェガ三機種とも機体の実寸大寸法が1000mmを越えてます。よって用紙を継ぎ足す必要があります。一番長いのはヴェガⅡ型の1350mmです・・・。用紙を450mmで正確に切断し、50mm程の広範囲にスプレー糊を塗布して結合しました。よって作図は比較的楽なんですが・・・卓上での図面引きですので、限りある工作台ではちょっと手狭な気もしますなあ・・・。先人のモデラー諸氏に習うなら・・・六畳以上の仏間や客間に図面台を置いて、グルグル回しながらの方が障害物が無くて引き易いんだそう・・・。
          
● この手の方眼紙っていうのは、元々が教材のレベルなんで正式な図面には使えません。よって途中で継ぐとそのレベルがハッキリと表面化するんですなあ・・・。画像では見え難いんですが・・・鉛筆で線を書き入れた様な直線部分が用紙を繋いだ所です。綺麗に繋がってる様に見えますが。0コンマ数ミリのレベルで用紙がズレるんですなあ・・・。此の状況は工作場の湿度やら気温にも左右されるので、出来ればエアコンで湿度を下げた方が用紙の不具合は出難いと思いますなあ・・・。もしも、其れでも正確な図面が引きたいのであれば、湿度に左右され難いビニールトレースの印刷方眼紙の方が良いかもしれませんね。しかし・・・10メートル巻きってのが標準なので、安い買い物ではありません・・・。此方は方眼の寸法が気温での変化に耐用出来るので、正式な図面を書く時に良いでしょう・・・。コピーする時も汚れが無ければ青刷りも綺麗に表現出来ますし・・・。
 
● この三種類のヴェガの特徴なんですが・・・ヴェガのⅠ型(No-11)よりも穏やかな性格のⅡ型の其々のスパン(翼長)なんですが、Ⅱ型の方が遥かに短いんですなあ・・・。翼面積はⅡ型の方が数d㎡広いんですがねえ・・・。こういうタイプのスパンが短い機体ってのはロール軸の安定には貢献するんでしょうけど・・・。
 
● 全長はⅡ型の方がかなり長いでしょう・・・。デルタの度合いもステルス機並みですし・・・。しかしながら昭和40年代の軍用機なんて、まだまだ亜音速の時代・・・。こういった変則的な翼の形状なんて、軍の秘密基地では研究されてたかも知れませんが・・・実際に当時としては有効だとは認識されてなかったんじゃないかなァ・・・って思いますなあ・・・。でも其れなりに試験的に研究された実験機のレベルなら、やっぱり何かの使用目的に限定させれば有効!って事で秘密裏に研究されてたって事なんでしょうなあ・・・。だから現在の戦闘機の形状がヴェガⅡ型に酷似するんでしょうなあ・・・。そう考えると、この山本昇さんって何者?・・・って疑問が湧くんですが・・・。その疑問には尊敬にも値する気持ちも混じってたりします。ヴェガⅢ型もしかり・・・。この鋭角デルタ型の主翼のメリットなんですが、薄い翼型で構成された形状で・・・音速の数倍のスピードで飛んでも主翼本体が捻じれないんですなあ・・・。でもですなあ・・・このデルタ翼を組立てる時に必要の無い捻じれが着いちゃうと、今度は元に戻せないってデメリットもあるんですなあ(笑)・・・。ネット物知り博士が悩んでましたなあ・・・。フィルムを貼り込んで捻じってシワを取ればって、捻じれが直らあああああ~ん!ってほざいてましたなあ(笑)・・・。どうだ!鋭角デルタ翼の捻じれの洗礼・・・思い知ったかあああああ!。明日は我が身なので、自作モデラーの皆さん!教訓にして下さいね(爆笑)・・・。