VEGA-Ⅲ型 (No-14) 山本昇氏オリジナル設計機 Part-5
          
● 本機の胴体の形紙一式分・・・先ほど切り抜けました~・・・。何やら・・・不思議な形状の形紙も見えますが、まあ・・・スケベ心丸出しの私的改造って訳でも無いので、本機オリジナルの飛行性能には一切支障はありません。ただ・・・オリジナル機の飛行場所ってのが、関東の玄岳周辺だったので・・・過去、ロードバイク(ロードレーサーの事)で峠チャレンジをやったついでに登ってみたんですが・・・。その時感じた自生植物の感じから、此方九州の阿蘇とは大部違う感覚がありました。

● 此方九州の平尾台や大観峰・・・俵山の自生の草原の方が、硬い植物が多く・・・オリジナルの主翼では直ぐにフィルムが破損するかも・・・といった一抹の不安も有り、主翼の一部を九州のサイト仕様に変更する事にしました。当時の本機は4線式デュプロ(日之出電工製)のプロポなので、メカ自体が大変重く・・・それでも2ch装備で300グラム近く・・・。機体の全備重量は約800グラムで仕上がっていたのなら、現在のプロポを使えばメカが軽量に成った分、飛行機本体の構造増加分に回せるので・・・今回の私的改造が可能と成りました。其れでもアウトラインは一切変更が無いので、本来の飛行性能にも影響が有りません。
 
● 画像左側は補助胴枠です。メインの胴枠は3mmのシナベニヤの加工品ですが、此方は3mmのバルサ材で作ります。部品としては小さい部類で形も似通っていますので、上下で間違わない様に対でトレース出来る様にしてあります。画像右側は機首の先端に取り付ける構造体です。オリジナルでは一枚板のベニヤだったんですが、その機種の絞り方が極端に大きいので・・・固定自体が難しく、作業性と確実性に欠けると判断し・・・構造体に変更しました。この機首のキャノピー直下なんですが、メカの搭載が一切ありませんので、オリジナル機でもメカ保護の構造装備が簡素化されています。

● しかしながら・・・山本氏なら作れる構造体でも、さて・・・現在のモデラ―にも当時の構造体のまま作れるかどうか疑問に成ったので、確実な接着が可能に成る様に一枚板から接着面積の増える構造体に変更しました。
 
● 形紙は4枚ですが、合計6ピースの部品で構造体と成ります。本機の場合は糸鋸盤での部品切り出しなんですが、この部材をレーザー加工機でも使える様に設計してあります。今後・・・こういった機首先端の極端な絞りを有する機体にも有効な構造体だと思い…今回採用する事にしました。
 
● 本機ヴェガシリーズ三機目の流れから・・・同じ形状のキャノピーを使用するのに、已むに已まれず・・・こう成らざるを得なかったとも言えるのでは・・・が私の見解です。最大幅80mmの胴体を僅か150mmで此処まで絞るのは大変難しいと思います。それも側板の先端は僅か上下に6mmしかありません。胴体の側面下方は全てアールで構成される為側板材が此れだけしか採れなかった苦肉の構造でもあるんです。

● 当時の私はまだ中学三年くらいでしょうか・・・。こういった形状の飛行機に大変興味は有っても、其れを複製できる技術は全く持って有りませんでした。長い長い道のりだったなあ・・・と実感しますが、今の私ならこの機首部分の新たな工作法も自由自在です。スチレン構造体でも作れるでしょう・・・。ただ、今回のコンセプトは・・・この三機種の詳しい画像組立マニュアルを作成する事にあります。

● 何故に此れだけ多くのモデラーを魅了する様なデザインなのに・・・殆どのモデラーが複製にトライしていません。もし!多くのモデラーが複製していたなら・・・このフォルムに付随する更に進化したヴェガの複製モデルが誕生して現在に至っていた筈です。ところが・・・飛行場で話題には成っても、じゃあ複製しましょうよ!って雰囲気には至らないのが不思議で成らない・・・。まあ・・・私に出来るとすれば・・・閲覧している多くのモデラ―の中には追従する人も出て来るんじゃないかと思い、この記事を書き進めています。
昭和74年~75年のラジコン技術誌のバックナンバーをお持ちのモデラーさん!是非複製に挑戦して下さい!・・・。このヴェガの製作記事だけでは、その構造の組立に今のモデラーは理解不能な面も沢山出て来ます。とにかく私達の時代の様に、バルサキットには原寸大三面図一枚のみ・・・では、今のモデラーには無理かも知れません。当時・・・この様な画像組立解説書が普及していれば、比較的に多くのモデラーがラジコン技術誌の製作記事から色んな機体の複製にチャレンジしたかも知れません・・・。だとすると、今現在の空物ラジコンの世界は・・・もっと違った未来に成っていたかも・・・。こんな酷な状態には成っていませんでした・・・。
          
● 本機の胴体の各種胴枠をベニヤにトレースしました。周りに見える円陣は別件ですので・・・見なかった事にして下さいね。切り出すのに骨が要る部品ですけど・・・。
          
● この三型機(No-14)はほぼ主翼なので、胴体は主翼に埋まって殆ど主張してない様に見えるんですなあ・・・。実際・・・当工房の(NVシリーズ)のデルタ機は、胴体は後で付け足してますし・・・。構造的にはどちらでも良いとは思うんですがねえ・・・。この時代はメカが大きいので、主翼に埋め込む事が出来ませんしねえ・・・。電気ミキシング機能も無い時代なので、胴体と主翼を合体させるんですが、胴体内部にメカが集中するので当時のデルタ機の主翼内の構造って、かなりシンプルなんですよ。だから・・・壊れる時は主翼でショックを吸収させて、大事なメカを守る・・・。当時のプロポは高価でしたよ。4チャンネルで5万円前後・・・。プロポ二台分で、ホンダのシャリー(原チャリバイク)が買えた時代ですから・・・。