第二弾!

★★★・・・・・なんちゃってリブ組みエルロンの作り方

● なんちゃってリブ組みエルロンとはその名の通り、普通のリブ組みエルロン材ではありません。廻りクドク面倒臭い作り方なんですが、その作り方を覚えると初心者のマニアでもカスタム屋さん並みの仕上がりの正確なリブ組みエルロンを作る事が出来ます。ただし!廻りクドイ面倒臭い作り方を普通にこなせる位の物好きかお馬鹿さん(ラジコン飛行機中毒者)しか対応していない作り方ですので、廻りくどく面倒臭いのが生理的に駄目!っていうマニアは閲覧しないで下さい。

● エルロン材には大きく分けて二種類あります。翼端まで同じ幅のフラット型エルロンと主翼のテーパー比に合わせて、翼端に行くに従って幅も厚みも小さくなるテーパー型エルロンです。使用するエルロン材は市販品のムクのフラット型エルロン材を利用して、リブ組みエルロンに作り変えます。最初に外形が決まっていますので使用するエルロンの形状に変えなければなりません。ここではフラット幅エルロンとテーパー型エルロンの基本的な切り出し方法とテーパーエルロン材の製作方法を説明します。物が出来ないと先のリブ組みには進めませんので、作りたいマニアの方は良〜く見て・・・読んで・・・作って下さい。


● 今回は大きく見栄えをする様に木村バルサから100本買いした幅50mmのVカット済みエルロン材(定尺=900mm)を使用します。このエルロン材は定尺900mm表示なんですが、木村バルサの基準なので定尺910mmあります。このエルロン材を半分に切断して455mm弱にカットします。

● フラット幅50mmのエルロン材をテーパーエルロン材に改造します。画像奥の端を50mmに設定して画像手前を30mmにし、定規を使って直線を引きます。基準は後縁側です。工具は溝入れのレザーソウで下溝を着けます。仕上がり寸法よりも3mm程大きく切り出します。後はカッターナイフを使って切り出すんですが、何度もスライドさせて少しずつ切り出します。最後は厚さ2mmのアルミアングルで作った直線出し用のサンドホルダーで指定寸法まで削っていきます。

● 翼根と翼端の幅の違うエルロン材が出来ました。ここから新たにテーパーエルロン型のVカットに仕上げ直します。エルロン前縁側一面を油性の黒マジックで塗りつぶします。

● エルロン材にVカットの基準となるラインを入れます。センターヒンジの場合は幅3mm程度・トップヒンジの場合は翼下面に成る側に幅6mm程度のラインを入れます。画像のサンドホルダーはセンターヒンジ専用のVカット面の仕上げ削り用です。

● 先ほどボールペンで記したラインを基準に大まかなVカットをバルサカンナで削ります。この時・・・目検討でセンターラインを残す様に削って下さい。約3mm位を残して画像のホルダーに持ち替えて画像の様にホルダーを当ててVカット面を仕上げて行きます。このVカット面の角度出しにはキットメーカーでは昇降盤を使います。畳半畳程の極めて平らな鉄製の定盤の真ん中付近から直径40cm程の丸鋸板が覗いています。エルロン材の幅を切り出す時は定盤から60mm程覗いているんですが・・・、Vカットのエルロン材を切り出す為にノコ刃を斜めに傾けて、必要な厚みのエルロン材を切り出します。前縁のVカットには更にノコ刃を傾けて両面同じ量を切ればセンターヒンジのVカット・片面のみ切り出せばトップヒンジの斜めカットが完成します。

● ホルダーを使ってサンディングしたら1mmの平面残しが途中で途切れた場合は、其処だけ出っ張っていたという事です。横から見れば僅かに山型に成っている筈ですから、更に削って構いません。画像右側は私の左の親指です。エルロン材を切り出すと・・・バルサの性質で切り出す前と後では、反り返ったり割れたりします。これは・・・予防も予測も着かないんですよ。いきなりやって来ます。厚さ0,8mmの直径300mmのノコ刃を使って、後縁側1mm厚・幅25mm・前縁側厚さ7mmの定尺900mmを切り出し中に・・・、いきなりバルサが割れ・・・親指は丸ノコ刃の中に・・・、当然なんですが指は真っ二つでした。神経はズタズタに切断され爪と骨は深さ4cmの溝入れ状態・・・。ところが!神経が切れているので痛みがありません。大量に出血する親指にタオルを巻いて右手で止血しながら、会社から歩いて30分の病院に行きました。道ですれ違う人達は・・・びっくりしてたんですが、当のご本人は痛みが無いので信号待ちも気に成りません。したたる血液を作業服に滲ませながら・・・指定された外科病院まで歩いていきました。現在の親指ですが、20年以上経っても冬場は痛みますが、針を刺しても痛みが無いのである意味都合が良い時もありますが、プロポのエレベータ操作は可能なんですが・・・、ラダー操作は感覚が無いので動かしているつもりなんですが、指自体は動きません。よって、ラダー操作が出来ないので・・・F3Aは専用ワンスティック・プロポです。左手の親指が機能しませんので、ラジコンカーのピストルグリップをひとさし指で操作して、スロットルコントロールをしています。ですから・・・ツースティックのお仲間さんのF3A機のプロポは触れないんですよ。使用しているプロポにピストルグリップの移植は簡単でしたよ。同じメーカー同士ですしね。

● ある日の飛行場でのお話です。ファンフライからラジコン飛行機に目覚めたパークフライの自称・大御所?君32歳・・・。ネット物知り博士らしいぶっ飛んだ講釈を噛ましてくれました。昭和からの大御所さん達は苦笑いしてましたよ。「トンビさんって飛行機の造りが上手なのか下手なのか?解からなく成る時があるんですよ。」まあ〜今度は何を言いだすんだろなあ・・・と思っていたら、「ヒンジラインがどうして斜めに成ってるんですかあ?。僕のテーパー翼は翼端まで同じ幅で仕上げてあるのに・・・。普通は同じ幅ですよね。エルロン材適当に削ったんでしょう。そんな造りじゃ笑われますよ。」って、お前馬鹿じゃねえか?。

● 左のイラストを見てください。翼の付け根(A)から翼端にかけて相似形リブの均等座標でテーパー型エルロン材を作るのが普通です。大御所のネット物知り博士が指摘したのは、センターヒンジのエルロン材がニュートラルの時・・・、(A)のリブ位置のエルロン材のVカット幅と翼端リブ(B)のVカット幅のラインが違っているので、いい加減な削りだ!と主張しています。自分のファンフライではこう言う同じ幅のVカット面が正解である!と断言していました。もし!相似形リブで均等座標のエルロン材を作って、博士の主張通りのエルロン材に仕上げてしまったら、(D)のエルロン部分は動翼を一杯に動かした時・・・主翼の後縁材とツライチにはなるんですが、翼端に向って少しずつ隙間が開いて行きます。

● 博士はこの事実に気付いていませんでした。博士の言う通りの加工をしたとして・・・、動かしたらどうなるか?って聞いたら、自信たっぷりに「綺麗に沿いますよお。トンビさんの勘違いと設計ミスだと思います。」ってか!。反論しない私を横目に彼の勘違い知識の一大講釈大会が始まってしまいました。言い返そうかと思った矢先の昭和の大御所さんの一言・・・。「トンビ君の飛行機は当たり前の工作方法だぞ!。君の言ってる事の方がワシにはよう解からんばい!。」大御所さんは周波数のホワイトボードに水性マジックで間違い知識の修正版を書き出しました。そこでやっと解かった物知り博士・・・、私が飛ばしている間に消えていました。バツが悪かったんですねえ・・・。「あ!そうか!君の言う通りだよ!、どうも指摘してくれて有難う!。」でも、その場の取り繕い方は良かったんじゃないかって思いました。彼はクラブでは超有名な2チャンネル掲示板の常連さんだったからです。誰にも知られてないって思ってるのは博士ご本人のみなんですが、過去クラブの大御所さんの当然の注意に逆恨みの書き込み・・・、掲示板が炎上して博士の意味深な書き込みで大御所さんに実質的な嫌がらせが発生・・・。大御所さんの家族がとばっちりで家族の看護の為にクラブを脱退・・・。博士を怒らせると家族を殺されるかも・・・という悪い噂が流れてしまい・・・、誰も博士に反論しなくなっていました。


● 今回の一件はクラブ内では日常茶飯事の出来事なんですが、博士のあの人を見下した様な目線と言動に既に奥さんを病気で亡くされた別の大御所が、カミナリを落としていました。きっと一桁掲示板が炎上するんだろうなと思っていたら・・・、何処にも本日の一件の事実歪曲の何時もの書き込みが見当たらないとお仲間さんからのご連絡多数。本日のご意見番の大御所に尋ねたらこれ以上のきついハッタリは無かろ!って言う位の耳打ち爆弾発言。「2チャンネルの書き込みで他人に家族を襲わせただろ。お前の知らん内に被害届け出しよったぞ○○さん。何れお前にも警察から呼び出しが有るかもな!。」どおりで直ぐに消える訳だ。

● テーパー翼にフラットエルロンを使用する場合は、相似形リブの翼端側のカットラインを変えれば良いのです。ただし!、翼端の一番高い部分よりも厚い後縁と厚いエルロン材は使えません。むしろ均等座標のテーパー型エルロン材を使用した方が、作りは簡単かもしれません。テーパー翼のフラットエルロン使用は図面の段階で綿密なシュミレーションを行い、尚且つ各リブの後縁側のカットラインを1mmでも間違うと・・・後縁材の直線は出し難くなります。しかし、複雑に考える必要は無いって後で気付きます。均等座標の後縁材はヒンジラインから見ると翼端側に沿ってテーパー状に薄く成って行きます。同じ幅のフラットエルロン材を使う時は通常のリブ位置よりも内側を均等にラインが通れば・・・、自動的に同じ幅の後縁材がピタリと取り付けられます。信じられないネット物知り博士はCADを使って、相似形リブを作図してフラットエルロンのラインでカットして寸法を見てみましょう。多分・・・打ち込みデータに不備が無い限り・・・、全部のリブの後縁側のカット幅は同じ寸法になります。主翼の立体三面図を頭の中で描いてみたら自作の出来るマニアなら誰でも知ってて当然なんですけどね。ネット物知り博士なら
特に!。

● リブ組みエルロンの座標を採る為に型紙を作ります。1mm方眼紙に直接作図して余分な切り代を少し残して方眼紙から切り取ります。

● スプレー糊を吹き付けて厚紙に貼り込んで型紙を作ります。専用の厚紙なので約1mmの厚さの型紙が出来ます。これを必要なラインを残してカッターナイフで切り抜いて行きます。

● 型紙の数箇所に入っている仕切りは型紙自体の補強です。ほぼ内側全部を丸抜きしてしまいますので、型紙自体もフニャフニャになります。正確な直線とリブ溝の位置がズレ捲くりますのでこの方法を使います。実際にトレースしたエルロン材にも同じ状況が起こりますので、エルロンの正確な幅を維持する為の補強として残します。最後はちゃんと切り取りますので・・・。

● ボール盤を使って抜きの部分の四隅に孔を開けます。大変面倒臭い作業なんですが、一孔毎に糸鋸の針を孔に通して固定し丸抜きして行きます。

● 画像の様な定規を使ってリブ溝の基準線を入れて行きます。その基準線に直接カッターナイフの刃を中てて、溝を作って行きます。あまり力を入れずに軽くなぞると、深さ1mm程度の溝は簡単に作れます。

● リブ材の作図なんですが・・・、フラット幅エルロン材とテーパー型エルロン材は共通した断面の同じテーパー角です。テーパー幅のエルロン材は後縁側を基準に寸法を採ってありますので、相似形の断面になります。ですのでフラット幅エルロンと共通のテーパー比のリブが使えるのです。画像の左二列がテーパーエルロン用のリブ材なんですが、斜線部分が不要の為リブ材を切り出した後寸法カットして使います。リブの厚みはエルロン材表面から其々1mm程度大きく成る様に作図しました。ピッタリの寸法の場合は、カッターの刃の入れ方一つで・・・、厚みが足らなくなったら後処理が大変難しくなるからです。

● 広めのサンドホルダーでエルロン材表面から出っ張っている余分なリブ面を削って行きます。画像右側の補強として最後まで正確なエルロン幅を維持してくれた、斜線部分を切り取ってしまいます。これでリブ組みエルロン材の完成です。

● 今回リブ組みエルロン材の製作過程を紹介したのには訳があります。GANBAの擬態ゼロ戦についてマニアの方からご指摘のメールを貰ったからです。「こんなボロいゼロ戦にリブ組みエルロンなんか使っても意味無いと思います。こんな性も無い事やって値段を吊り上げても誰も買わないと思います。」・・・、ちゃんと活字を読んで下さいね。この擬態ゼロ戦の主翼は実機ゼロ戦ほどの強いテーパー比を持った主翼ではありませんが、緩いテーパー比に沿って主翼に捻り下げを入れて組んであります。使用したエルロン材は35mm幅なんですが、主翼自体に捻り下げが付いているのでエルロン自体にも捻り下げが必要になりました。ところがムクのエルロン材は捻りたくても幾ら強い引きのフィルムを使ったとしても・・・、欲しい捻り下げの角度を購入されたマニア自身が付けるのは至難の業と言えます。

● そこで捻り易い様にリブ組みエルロンとしました。このクラスのエルロン材を冶具を作って最初から部品で組み立てると、時間を掛けて作った割にはコストは膨大になります。左右一対のリブ組みエルロン材を何機も寸分の狂いも無く量産するのは、作れば作るほど赤字を覚悟せねばなりません。確実に量産出来て寸法が一定する方法が、市販エルロン材の改造なんです。大変難しく見えるんですが・・・、機械慣れしている職人さんなら機械を使った方が精神的なストレスは軽減出来るんですよ。悪戯に自分の高等技術をひけらかして、セット価格を吊り上げている訳じゃありません。主翼を捻ったんだから動翼も捻るのは当たり前の事です。生地完成のセットなんですから捻り易いリブ組みエルロンに設定しただけです。


● これはGANBAの擬態ゼロ戦とプッシャー機用の主翼に捻り下げを入れる為の冶具です。この冶具に主翼を固定してからプランク材を貼り込んで行きます。メインスパーよりも前縁側のD−BOXを固定した主翼は冶具から外しても、捻り下げを維持したままの状態をキープします。当然主翼の後縁側も捻られた主翼の設定なので、捻じれた状態のエルロン材を使用しないと主翼中央側をニュートラル設定しても・・・、翼端側のエルロンは僅かにダウン設定(下げ舵)でニュートラルに落ち着いてしまいます。其のままでも飛ばせない事はないんですよ、フルパワーならば・・・。ところが着陸する為に減速したら・・・主翼は捻り上がった状態と同じですので翼端失速を起こし易くなってしまいます。翼端失速を避けたいのであれば・・・全速力で地面スレスレに降下して来て、草むらにでも突っ込ませないと着陸出来ないって事になっちゃいますよ?。解かりましたか?「通りすがりの名無しさん」。って・・・、文面だけ見ても何処の誰かさん位・・・モロバレでっせ!。特徴ある節回し・・・。Y山さんとこの掲示板に出没してる○岡君やろ?。もちっと捻った文章書かんとバレまっせえ〜・・・。特徴あるもん!君の文章・・・。漢字の変換間違い・・・一定してるしね!。

● ついでにエルロンホーンの付け方も紹介しておきます。画像左側のホーンはテトラ(丹菊モデルクラフト)製のM型ラダーホーンを取り付けてあります。市販のホーンと取り付け方が違っているのが解かりますか?。ミテクレが悪い!って今のネット物知り博士達は誰も使わないホーンの形態なんですけどね。一番確実で一番取れ難く・・・強烈なフラッターにも耐える構造の押さえ付きのホーンセットなんですが、ミテクレ第一主義の今の世の中・・・メーカーさんも頭が痛い・・・。このラダーホーンは両面共ビスで固定してあります。ホーンの裏面に押さえがありません・・・。使い方を変えれば両面ホーンなんてのも可能なんですよ。

● 左画像の白い星型のスリーブが埋まっているのが見えますか?。これはOK模型のロングセラー・ミリオンヒットした(EZ)機に使用されていたフレキシブルロッドの中芯です。このEZのフレキシブルロッドの使用方法は、ロッドの両端に専用ねじ切りの金属ロッドを捻じ込んで、サーボ側と動翼側のホーンに其々のアジャスターを取り付けてリンケージするタイプです。ですからネジ込み前提のインナーロッドなんですよ。テトラからも同じ様な製品はあるんですが、OK模型よりも中芯材の直径と材質が違いますので・・・事、このタイプのホーンの取り付けには不向きです。OK模型の中芯の材質と直径ならば下孔加工無しで直径2mmのビスまで普通に捻じ込む事が出来ます。

● ホーンの裏面はストッパー代わりのワッシャーと短めのビスを使用して、(メクラ蓋)状態にして下さい。中芯の外直径よりもワッシャーの方が倍近く大きいので、キチンとビスが捻じ込んであればフラッターが起きて中芯が緩んでも抜け落ちてコントロール不能に陥る事態は起きません。蓋側のビスは極力短くても良いのですが、ホーン側がメインですので可能な限り長めのビスを使いましょう。2mmの小ビスのセットはホームセンターの方が充実しているかもしれませんよ。此処までの作業を全部施してから、一度部品を全部外してエルロンのフィルムを貼り込みます。その後小孔を突いてから部品を再度着けるとミテクレの大変良いエルロンホーンには成ろうかと思います。ホーンの裏面には鏡面仕上げのワッシャーとビスの頭しか見えませんしね!。


● 左画像はコンコルド型主翼を用いたNV-01(エンタープライズ)のエレボン動翼のホーンです。テグスワイヤーの両引きリンケージなので、両面に専用ホーンを自作して取り付けてあります。右の画像は殆どが各種幅と厚みの違うテーパー角の定尺(900mm)材です。良く見れば解かるんですけどね、直角を含んだテーパー断面の材料が多いでしょ?。ここからトップヒンジのエルロン材もセンターヒンジのVカットエルロン材もムク・もしくは中抜きのリブ組みも・・・、大型グライダーの後縁材だって翼型に合わせて使用出来るんですよ。フラット加工もテーパー加工のエルロン材も出来ます。裏技なら尾翼の後縁?・・・上反角の角度付け?・・・何でも利用出来ます。幅だけなら30〜50mmまで5mm刻みなんですが、33mmとか47mmとかの幅にも継ぎ足したり削ったりすれば対処可能です。

● さて!最後に例のパークの自称・大御所君の話の続きなんですが、(A)の主翼中央リブと(B)の翼端リブはVカットの角度を30度に固定して削ったので、エルロンがニュートラル位置の時はどうしても翼端側の方に狭くなって見えてしまいます。これは神様が創った三次元世界だから絶対に起きてしまう現象です。相似形の均等座標を用いたエルロン材ですから・・・。もし!翼端を(C)の角度で削ったとしたら、徐々に角度を深くせねばなりませんのでエルロン材のVカットは機械での作業は難しくなってしまいます。(C)断面の翼端仕上げの場合・・・、ニュートラルなら博士の言う通りに同じ幅に見えますので綺麗?なんでしょうけど・・・、動翼が上下一杯に動いたら・・・、先に主翼中央側のエルロンが主翼後縁に当ります。それ以上の角度は付かない状態で、翼端側に向くに従って徐々に隙間が開いて行きます。博士〜どうしたら良いんですかあ〜?。

● 博士の機体の主翼は中央側の翼型と翼端側の翼型が違っていました。よって後縁材は翼端まで同じ厚みなのでフラットエルロンならば完璧な仕上がりなんですが・・・、あれ?テーパーエルロンでっか?。Vカットの角度を合わせたので翼端側の翼型は究極の断面に成っていました。片翼にリブを何枚入れたか知りませんが・・・、CADを使った作図だったとしても難しかったろうなあ・・・って思っていたら、主翼のリブは片翼二枚だけ・・・?。通りで主翼がボコボコしてました・・・。まあ〜・・・スチレン素材のファンフライだし此れでも良いんじゃないですか?。ただし!思いつきの見切り発車の暴言だけはしない方が良いと思います。




● 普通のマニアなら必要の無い世界の話なんですけどね、キットメーカーさんはたとえそれが・・・人件費の安い国だろうが何時も危険と隣り合わせなんですよ。幸い私の場合は指は元通りに自由に動かせる状態には戻りませんが、プロポの様式を変えるだけでフルハウスのコントロールは可能です。私の大型グライダーのコントロールがツースティック型の送信機の場合、エルロンとラダーを連動してるのは左指のラダー操作が出来ないからです。ですが、自転車のブレーキも握れるので戦車(フル装備のキャンピング車)も普通に乗れましたし、乗用車もマニュアルで普通に走れるし・・・指は普通にくっ付いてるし身障者認定なんかしてませんよ。使えないのなら使える機能をフルに活用すれば不可能な事を克服するのは可能なんですよ。

● 自作の飛行機を作りたいって考えてるマニアの方で、テーパーエルロンや必要幅のフラットエルロンが特注で欲しいって思ってる人は、迷わずキットメーカーさんや木村バルサにメールして聞いてみる事をお勧めします。ただし!一機分しか要らないからって一本だけの発注は、何処も受け付けてくれないでしょう。貴方の為だけの任意の寸法と幅と角度のエルロン材を一機分だけっていうのは、難しい注文になるんですよ。貴方の為だけに製材した厚みと長さのエルロン材を切り出す為の角材は、他のエルロン材の切り出しに使えない場合もあるからです。此処はど〜ん!と大人買いをして下さい。


★★★・・・レーザーカットの実際について(オールレーザーカットのキットは万能ではありません)

● 世の中のバルサキットが殆どレーザーカットへ移行した頃のネット掲示板にある有名なネット物知り博士が・・・ブッ飛んだ書き込みをして物議を呼んだ事があります。お仲間さんがネットオークションにて加藤無線のオーロラ25クラスのバルサキットを競り落とし・・・、これを掲示板で報告した所・・・書き込みは「うおおおお!。凄いですねえええ!。」一色になりました。しかしこの博士だけは違った見解を書き込んでいました。「加藤無線も最初からレーザーカットでキット作ったら、もっと低価格で良い製品を造れたのに・・・。時代に乗り切れて無いんじゃないですかあ〜?。」・・・知った風な事をスチレン製ファンフライのセロテープグルグル巻き飛行機から入門したアンタ!に言われたくありません。

● 上記イラストはレーザーカットの泣き所を示しています。国内の模型業界に最初にレーザーカットを持ち込んだのはOK模型と言われている様ですね。平成2年の中頃の事なんですが、工場長に誘われて当時開発部だった私と製造部だった大植君(現:ラトルスネーク代表)の3人で、インテックス大阪で開催された見本市にレーザーカットを見に行きました。一通り見学を終えた後・・・スナックブースでコーヒーを飲みながら・・・、工場長がボソリと呟いた言葉は20年以上経った今でも覚えています。「完璧じゃ無いんだよなあ〜・・・、レーザーカットって。」

● 切り抜く相手が1/1000mm精度の金属板ならば上記イラストの様な事態は起き難いのですが、事ベニヤとバルサにはこの事態が起こるべくして当たり前に起きてしまいます。レーザーカットの照射角度は板面に対して必ず直角に当てないと表と裏の寸法が狂います。ご存知の通りバルサのあの極力薄いシートは職人さんが一枚一枚手作業で仕上げています。手作業と言っても木工専用の加工工具を用いての話です。イラスト中のバルサのシートは厚さ3mm表示でも寸法公差は2,7〜3,3まで存在しています。何故この様な厚みの違いが出るのか・・・、バルサが木材だからです。どんなに精度を上げても最終仕上げのサンダ−加工において、同じ範囲のメディアムバルサでもハード系とソフト系では仕上げ段階のサンダー加工においてむしり取る加工面が硬度の違いで変化してしまいます。ハード系もソフト系も見た目は綺麗に仕上がっていますし、ダイカットレベルまでのバルサキットならば正確な原寸図に合わせて部品をマニア自身が調整しながら作り上げていましたので何の問題も無かったんですが・・・、レーザーカットは正確だ!が先行して認識されてしまったので、誰もが実際のレーザーキットを組んでみて疑問に思った昭和のマニアも多いと思います。

● もし・・・3mmバルサのシートが額面通りの正確な3,0mmのシートなら、イラスト中の3mm溝に同じ厚さ3mmのシートから抜き取った垂直に勘合する部品はすんなりと収まる筈です。ところが!同じ設定のまま寸法公差±0,3mmのバラついたシートを使ったら・・・、勘合するバルサの部品はギチギチだったりブカブカだったりします。もし!・・・三枚重ねて9mm材を9mmの溝に納める際・・・この厚みのバラついた3mm表示のバルサシートをレーザーカットしたら、そのままキットの箱には普通に収められてしまいます。実際にキットを購入したマニア自身が昭和のダイカット・バルサキットを作り倒したマニアなら、「レーザーカットもこの程度か!。でもダイカットよりは良いなあ〜・・・。」と思っただけで手持ちの工具をフル活用して組み立てるでしょう。ところが・・・レーザーキットからラジコン飛行機に入門したマニアは、昭和のダイカットもミシン切り加工品も印刷しただけのキットを自分で切り抜いて作るなんて世界を知りません。言いたい放題のワガママな発言が暴走すると物議を呼ぶ事になります。


● 工場長が何故レーザーカットを工場に導入したかったのか?というのは、人員削減のリストラでもなければ他社に差をを着けてトップを独占したかった訳ではありません。本社開発部の私と同室だったダイカットの職人さんの多過ぎる仕事量を軽減させる目的だったのです。結果的にレーザーカットは多用な汎用性を発揮しましたが、根本的な現状の解決策としてOK模型のレーザーカット導入は計画されていました。ダイカットの職人さんの仕事量は毎晩午前様確定です。専門職ですので私自身が完全に応援出来る内容でもありません。ダイカットの刃の寸法切断か丸抜きダイカット用の刃の加工ぐらいしかお手伝いには成りません。アームの奥行き1000mmのミシン(糸鋸盤)に厚さ18mmの合板ベニヤサブロク板(900×1800)を直接載せてトレースした線の上を正確に切り抜いてダイカット刃の固定溝を作って行きます。こういった加工の一部をレーザーカットに移行させる事で職人さんの仕事の軽減を狙っての導入計画でした。

● ラジコンブームは八年から十二年置きにやって来ます・・・。ブームに乗じて素人さん達がレーザー加工機を購入して、大したテスト期間も設けずに自作飛行機キットを、大手メーカー品を参考に見様見真似で販売・・・。ブームの最中だからねえ・・・作れば何でも売れる時代だし・・・。ただ・・・組めないし飛ばない飛行機を量産してもなあ・・・。購入しちゃった珍しもん好きのモデラーさん・・・此方も便乗組だから、そのキットが良品なのかも不良品なのかも解らないんだもの・・・。そういう飛行機を当工房に送って来て・・・「飛ぶように調整してくれ・・・。」って言われてもなあ(笑)・・・。そういうのはキットを販売したネットショップに言って欲しいなあ・・・。ブームの最中って模型業界では通用しない摩訶不思議な現象が色々と起こるんですなあ・・・。で!修復費を請求したら・・・「こんな不良品を販売したネットショップに請求しろ!・・・。」だと・・・。所謂・・・踏み倒し・・・。

● 何度請求しても払ってくれない・・・。その内、着信拒否にされたり・・・。で!どうしたかって?・・・。此れをネットの情報として流されて同じ手口が蔓延する前に、業界中にアドレスを拡散・・・。水際で食い止めてしまう作戦!・・・。色んな悪事を働くモデラー諸氏・・・業界中に貴方のアドレスは拡散しました。メールを打ってもスパム扱いなので、着信しても開かれる前に削除されるでしょうね(笑)・・・。