🔧 年代物スライド丸鋸の修理

 
● 平成16年の年始の初売り(1月2日)に、地元のホームセンターで購入したスライド式の卓上丸鋸です。メーカーは(SHINKO)の(SSC-216A)型です。画像に見える位置で材料を切ると、切断面は当て版に対して直角に切れます。手前に見える円弧状の本体には上下に切れる溝が幾つか刻んであります。実は丸鋸の後方にはこの溝にはまり込むピンを解除するレバーが付いていました。ところが・・・この押して解除するピンを保持しているレバーのリンクが摩耗して、ピンが後方にスライドして抜けなくなったので、角度調節の解除が出来なくなりました・・・。

● 画像に見えるレバー位置のアルミパイプは、改造した一例です。もう15年以上経過していましたし、ホームセンターも業者が代わってしまったので修理が出来ませんでした。よって自分で修理する事に成ったのですが、バラしてみて・・・何でこんな構造にしてるんだろう・・・。って思っちゃいましたなあ・・・。まるで摩耗させるための機能みたい・・・。不思議な解除機構なので、斬新といえば斬新なんですがねえ・・・。解除機能が梃子の要領なんですが、摩耗したら解除不可能じゃん!ってラジヘリの愛好家ならすぐ判るような構造でしたなあ・・・。こりゃ!摩耗するわなあ・・・って思っちゃいますよねえ(笑)・・・。
 
● この解除ピンは後方に5mm程しか動きません。スライド用のホルダーが二か所なので、平行にスライドします。本体がダイキャスト・・・スライドのピンは焼き入りのシャフトなので、金属の硬度から言えばピンの方が硬いです。よってスライドするホルダー側のダイキャストにはグリス等を盛っておけば動きが渋く成る事は無いんですけどねえ・・・。ただこの解除機能・・・レバーを押巣動作の時に、押す力の加減で多分摩耗頻度が変わってしまうんですなあ・・・。切削するのは木材なんですが、ムクの木材やら合板やらと多種多様なんですが、特に硬い材質の合板の場合、木材の切りカスに混じって接着剤の粉も混じったりするんですが、此方の粉の方が小さいので・・・此れがシャフトのグリスに付着するとピンのスライドを妨げるんですなあ・・・。其れが丸鋸の解除レバーに不必要の荷重を与える結果とも言える・・・。多分・・・メーカー側でも販売後のユーザー側からの苦情で一番多い事例ではないでしょうか・・・。このレバー・・・ジュラコン製なんですが、この段付けの部分・・・真ん中が凹んでるでしょう?・・・此処が摩耗しているので、ピンに打ち込まれたスライド用のピンが動かなくなりました。

● よって、解除ピンの機能は其のままに仕様を変更・・・。見れば一目瞭然!・・・同型の丸鋸をお持ちで、同じ様な不具合にお悩みの方は、画像の様な改造を行って下さい。スライドシャフトの動きはメーカーオリジナルと同じです。シャフトが前後にスライドします。このシャフトの上に位置しているアルミの棒が、解除レバーの代わりです。手前に引けば本体の溝からシャフトが抜けますが、スプリングで押しているので次の溝に移動すると勝手にはまります。
 
● アルミパイプとスライドするシャフトが、其々平行に動くのが本機構を組み込めた要因です。ところがシャフトに打ち込まれていたカムと成るピンの直径は3,5mm・・・。代わりの固定ピンは3mmのビスです。このビスをシャフトにガッチリ固定する方法が必要なんですが、自己欽定型の緩み止め機能が有るナットが必要でした・・・。ところが取り付けと締め込みには特殊な工具が必要なので、画像の様な穴の直径に違うPVC樹脂のブロックを加工して取り付け・・・、ナットの代わりとしました。直径6mmのシャフトにピッタリとナイロンブロックがはまり・・・さらに3mmのねじ山を切ったブロックが上下でビスを貫通するので、緩み止めの役目も担っています。このビスが、更に並行配置のアルミパイプも貫通しているので長ビスが空回りする事も有りません。多分・・・オリジナルのレバー解除の機構よりも構造が簡単なので、今度はモーターがぶっ壊れるまでは大丈夫でしょう。15年以上経過しても、部品の取り寄せが利くお店での購入なら良いですけどね。量産組み立ては・・・西の大国・・・。多分、既に生産中止の機種なので交換部品は無いでしょう・・・。と!言うよりも・・・部品を取り寄せたとしても、素人さんでは組み込めませんし、専用工具が無いと組めませんので、ホームセンターで交換するのも無理かなあ・・・。壊れた時点が10年以上なら、諦めて新機種を購入するか、こういったパーツを自作するしか方法が無いかも知れませんなあ・・・。