ネットオークションの賞味期限切れフィルムには要注意!

 ※ 木製ラジコン飛行機に被覆する各メーカーのフィルムには使用できる期間が限定されているのはご存知でしょうか?・・・。ネットオークション等で出品されているフィルムには、既に使用期間を過ぎている粗悪品も混じっています。格安だからと落札した後、手にして初めて落胆する結果と成ります。特に出品者側からの「ノークレームでお願い!・・・。」の一文の場合は最重要レベルの要注意です。むしろ・・・出品する側のご本人も知らない知識だったりするので、落札者側からの文句を素直に受け入れられない心境ではあるんですけどね・・・。
 
● このフィルムは平成17年くらいに大阪の模型店からネット注文して仕入れたものです。保管には充分注意をしていたんですが・・・、約10年後にビニール製の封を解いてみたらこの状態・・・。封を剥がして解る経年変化後のフィルムの劣化状態です。まあ・・・塗料なので風化する事はあり得る状況・・・。此処まで風化してしまうと貼り込める状態ではありません。そして怖くなったネットオークション上の出品されているフィルムの状態・・・。多分・・・出品する側に、こういったフィルムの経年変化の知識を持たないモデラーなら、外部の透明フィルムを剥がして状況を確認してから出品するなんて事は考えもしないでしょうなあ・・・。外部フィルムを破ってしまうと商品価値が下がるって勘違いしてるでしょうしねえ・・・。

● 実は期限切れ状態には、その予兆というものがありまして・・・。フィルムのロールを解いて、さあ!裁断する状態までは普通の良品のフィルムとは何ら変わった点は無いんですが・・・、アイロンを当てて熱を加えても貼り込めなかったり・・・貼り込めても収縮させようとすると、顔料は生地に食い付きますが、透明なフィルムのみが剥がれて収縮したりします。元々・・・顔料側に接着力がありますので、この顔料が経年変化の劣化で透明フィルムとの食い付きが弱く成った状態と言えます。結局の所・・・浮いてしまった透明なフィルムを摘まむと、生地に顔料を残したまま透明なフィルムのみが簡単にペラりと捲れてしまった・・・なんて事も有るんですよねえ・・・。よって!個人が出品する製造年月日から経過年数が多いフィルムは、どんなに安くても購入するのは控えた方が良いですよ。模型店で購入する際は、まず製造年月日を確認して・・・もし、不良状態が有った場合、返品もしくは交換が可能なのかどうか店主に確認するのも良いですし、購入後に店舗内で包装を解き・・・フィルムの端を捲って顔料の状態を確認するのも一つの手段・・・。

● 何時もの老舗の信頼ある行きつけのお店の場合、保管状態は徹底してありますし数年経過のフィルムは店主自身が包装を解いて検品し、何かの大会の賞品にしたり・・・自分の飛行機に貼り込んだりするみたいです。老舗の通販店(関西の電気街=現在はもう在りません))の場合・・・賞味期限切れと思われるフィルムは、商品輸送の為の包装紙の代わりに使ってました。ちゃんと納品書には、包装に使ったフィルムは期限切れなので再使用は不可!の注釈が・・・。捲ってなるほど!顔料がポロポロと剥がれる状態・・・。此れがフィルムの寿命です。ネットオークションサイトの格安フィルムには要注意・・・。

● むしろ・・・そういった知識が有るのに騙し目的で出品するモデラーは言語道断!。購入する側はコメント欄に「封を切って中身の状態を確認してくれ!。其れでも状態が良ければ購入する・・・。」の一文は添えて、返事が来てから送金するべきでしょうなあ・・・。そら!購入してもらえるんだもの、知識を持たないモデラーは封を剥がして初めて知る粗悪な劣化状態・・・本来ならその時点で出品は取り下げるべきなんだが・・・。コロナ禍の一年だった昨年には、お小遣いの乏しいモデラーさん達の投げ売り模型がオークション上には蔓延してましたなあ・・・。落札後の落とし穴にハマりたく無かったら・・・こういった知識も持っておくべきでしょうなあ・・・。更に出品する側は、製造日を確認後、包装を剥がして中身を確認後オークションに出品した方が信頼度は上がるって状況を知識として持っておきましょう。模型店から購入したのなら、包装を破る前にシールしてあるタグの製造年月日を確認しましょう。
 
● オラカバフィルムの製造年月日は(Production-nr)の項・・・左のクローム色は(02042007=西暦2007年4月2日)、右画像のホワイト色は(28052020=西暦2020年5月28日)です。流石に2007年製のフィルムは、もう期限切れ必至でしょうなあ・・・。ホワイト色は昨年のコロナ騒ぎの最中のドイツ製(笑)・・・。信頼度合いから見れば、2020年製の方が安心して使える状態と言えますなあ・・・。オークションに出品する前に、この製造年月日を確認する事をお勧めします。更に購入される側は、出品者に製造年月日の確認と包装を剥がしてのフィルムを状態を確認させてからの値踏み合戦に参加するべきでしょうね。

● 要するに・・・出来て間もないフィルムを購入しても、使わずに自宅工房に在庫した場合・・・生地完成状態のキット組み立て品とか、未開封のバルサキットよりも朽ち果てる経過年数がフィルムの場合は早くやってくると言う事です。出品する際はフィルムの状態を確認する為に包装を解き・・・端っこの裏紙を少し剥がして状態を確認、使える事を確認してからサイトに出品しましょう・・・。其の際に購入年月日と製造年月日も正直に記載して、確認の為に包装を外して確認する事を検品と言います。検品している事が購入者に解れば、何もしてない情報の見えない出品のフィルムよりは高額を付けるモデラーも多いと思いますよ。不良品一式の中華製完成機のセットを良品と偽り・・・検品してるの一文を付け加えて高額販売するネットショップは考え物ですけどね?・・・。