✈ SAGITTA 600


● 昭和の超有名なグランドサーマルグライダーのサギッタです。画像は(サイズ600)のタイプですが、私の機体は(サイズ900)の方です。設計された(Bob Wallace)氏のオリジナルサイズに近い量産機はキットとして販売されていました。舶来キットなので記載されている文章は全て横文字でしたが、模型業界のみならず・・・航空自衛隊で戦闘機の(U・S・T・O=ダグラス社の技術指令書)を熟読しながらファントムの板金を修理していたので、専門用語は理解できますし・・・まあ!単語の拾い読みだけでも充分です。

● 基本的なデザインは、現在の軽量ハンドランチグライダーと然程変わりません。しかし・・・昨今の小型軽量のハンドランチグライダーには真似出来ない数々の内部構造体・・・。作りたいモデラーさんには生唾ごっくん!の機体でしょうなあ・・・。ネットのうけ狙いのお褒めパチパチ機とは路線の違うグライダーです。大型化しても更に小型化しても・・・重心が合ってれば、必ず良く飛ぶ機体の代名詞みたいなフォルムです。
 
● 当時はこういうタイプのスポイラーが最もポピュラーな時代でした。単純な細長い板を、テグスワイヤーや鋼線のワイヤーでリンケージする方法が一番確実に作動できたからです。特にグランドサーマル機は、翼面荷重の許容範囲でのモデラー自身の技術でオリジナルデザインの色んな機構が目白押しでした。
 
● 昭和の受信機は安全策の為の二重三重の防御が当たり前の時代でした。6chの受信機・・・デカいでしょう。実は・・・2chの受信機も同じサイズのケースだったので、大きかったですよ。ただ・・・当時はまだサーボ自体も大きかったので、国内のプロポメーカーは何処も大変信頼性が高かったです。実は・・・当工房のプロポは、今でもフタバ電子と日本遠隔制御(JR)・そしてSANWAの三社しか使いません。

● 特にSANWAのプロポは、ケースの繋ぎ目にシーリングゴムを挟んだ防水型が当たり前だったので、海で走らせる・・・飛ばす・・・が可能だったんですよ。今でも海岸のシーウォール・ソアリングをやる時は、防水処理の効いたサンワのプロポを使ってます。ギガヘルツ以前のメガヘルツですが・・・。海ポチャだって然程心配してませんし・・・飛行機本体は、ベランダで日干しすると潮を噴きますけど・・・お前!・・・ちと!・・・太ったかあ?。バルサ製の機体は水分を含んで膨張したら・・・そのまま乾燥するんで膨れてしまいます(笑)。


● サギッタの水平尾翼はクロスタイプの尾翼配置となっています。主翼の後流を受けて水平尾翼に被らない様に、水平尾翼の位置を上方に配置してあります。このフライングスタビライザー方式は、水平安定板自体の取り付け角を変化させる事で、機体のピッチング軸の姿勢を変えます。こういうフライング尾翼の構造は、如何に可動軸を丈夫に作るか!が、必要不可欠になりますが、頑丈に作り過ぎると・・・テールヘビー状態に陥ります。その対処には機首の先端に何倍もの重りを積まないと、重心が採れなくなる事態となります。

● ただ・・・画像に見える可動軸は、垂直尾翼の厚みだけで軸を保持しなければ成りませんので、その工作にはかなりの熟練した工作技術が必要になります。当工房の(NV-02 HEX)の製作記事でも使った同軸ダブルシャフト構造を簡略した形状で使用する事をお勧めします。尾翼の固定軸の中心が太く出来るので、尾翼保持に役立つでしょう。

 
● このサギッタが誕生した時代においても、主翼内部に完全搭載出来るサーボは存在していません。やっぱり・・・エルロンサーボの行き先は胴体でした。私が何を言いたいか・・・、二分割主翼の構造で、エルロンサーボが胴体側にある時は、まず胴体側の駆動サーボはしっかりと固定する事!。更に胴体にカンザシで勘合する主翼は、胴体にしっかりと固定する事!・・・主翼の抜け防止にと・・・緩いテンションのゴムやスプリングでは確実なエルロンの動きは得られないという事です。私の機体にはゴムやスプリングはありません。使い捨てのタイラップバンドで固定してます。強い衝撃が掛かると、例えばグランドループ気味の着陸をした場合は、バンドの爪が折れて主翼の破損を防ぎます。

● 使い捨てのタイラップバンドなんて・・・勿体ないじゃないですかああああ!。って言われますが、確実に固定出来るんだったらその方が良いのでは?・・・。100本入った細いタイプで充分ですし、一日分の安全確保なら百均ショップの工具コーナーに置いてありますよ?。

● 上記画像の胴枠の説明を見て・・・何か気づきませんか?。これは垂直尾翼の前縁付近の後部胴体断面です。胴枠は軽減孔を設けてない一枚板です。丸い小さな孔はフレキシブルパイプを通す為の孔でしょう。胴体上部にはかなり厚めのバルサ材を使用していますが、この材料使用がこのサギッタの後部胴体を軽量且つ頑丈に形成させる部材でもあります。尾翼取り付け部は軽量にしなければテールヘビーになるんですが、尾翼自体が重いので胴体にもある程度の硬性が必要になります。こういう場合は厚手のバルサを貼り込んで、極限まで無駄な箇所を削り落とすと良いと思いますよ。軽量のソフトバルサを使用しても、此れだけの厚みがあれば、胴体は頑丈になります。