私の!私の! SALはァ~・・・左利きィ~
 
● 南阿蘇の大御所からハンドランチグライダーを頂きました。ニコニコしながら渡してくれたので・・・裏があるんじゃないかなァ~っと思います。数年前から念仏みたいに、会う度にニコニコしながら・・・お猿さんがなァ?・・・ワシの猿がなァ~?って言ってましたので、よっぽど欲しいんじゃないかなあ~?って思っていました。

● しかし・・・SAL自体が私の作風に合わないので、除外していたカテゴリーなんですが・・・。大御所は、カーボン製の高級で高性能なSALも持っているんですが・・・、何故かご自分でもオリジナリティ溢れるお猿さんを自作されます。実は理由がありまして・・・。この阿蘇の大御所は、左利きなんですよ。高級で高性能の機体は、購入しても右利き専用ばかり・・・。左利き専用機が無いのでご自分で改造・・・となります。

● ところが今度は自分専用なので、お仲間さんが右利きならばプレゼントが出来ません。で!大御所曰く・・・両利き出来る様にピボットの付け替えが出来る機体にしたら、売れるんじゃないか?って言ってます。なるほどなァ~って思います。私自身も・・・左手の親指が怪我の後遺症で自由に動きません。アメリカ製のワンスティックの送信機に、左手用のピストルグリップを自作で付けて使ってます。飛行機はツースティックのモードワンですが、ヘリコプターはピストル型のワンスティックが使い易いです。
 
● 最初に大御所から預かった時・・・正直言って驚きました。私は右利きなんで・・・投げられない・・・。もし・・・左利きのモデラーがオークションサイトで中古品を探す場合・・・困るだろうなあって思いました。右利きのSAL愛好者には、まず・・・ピン!と来ないでしょうね。ピボット付ける位・・・簡単やんか~!って思われるモデラーさんは、本物の猿マニアではありません。意外と荷重が大きく掛かる部分なので、手を抜くと翼端が捥げたりします。

● 大御所製作の実験機の特徴なんですが、主翼の前縁側はバルサのムク材を翼型に削って仕上げてあります。リブ組から後縁までは何と直線です。所謂・・・層流翼です。揚力係数は若干下がりますが、翼自体が薄いので走らせながら揚力を稼ぐ機体だと言えますね。翼型の部分プランクではないので、部分プランク特有のリブ間の凹みがありません。部分プランクでフィルムを貼ると、初心者さんは大いに悩むんですよね・・・。でも・・・貼り方が悪いんじゃなくて・・・神様が悪いんですよ。この世を作った神様が!。

● フィルムを貼っても凹まない様にするには、抜き面のリブを平面にすれば良いのです。初心者さんは、馬鹿にされるのを極端に嫌いますので、何とか解決策をとネットで探し回りますが・・・、その解決策は・・・此れしかありません。しかし・・・この・・・翼型は第二次大戦の優秀な戦闘能力を持つ(P-51・ムスタング)でも使われて高性能ぶりをアピールしてます。誰にも馬鹿にされませんので安心して使いましょう。

● 胴体構造が・・・またもや大御所らしいです。3mmのシナベニヤ単板で側板を形成してます。ネットの博士の皆さんが見たら・・・大いに馬鹿にするだろうけど・・・、侮るなかれ・・・最強の構造体ですよ。グラス補強も要らない・・・カーボンよりも作り易いし値段も安い・・・余計な内部補強も要らないので内部構造が広く出来ます。スロットイン加工も要りませんよ・・・。その代りに瞬間接着剤でチャッ!チャッ!と組んでるんじゃなくて、エポキシ練り練りガッチリ作ってあります。まるで昭和のバルサキットですわ!。

● 1グラムでも軽く・・・ではないのですよ・・・。ある程度の数値の翼面荷重で、適正角度と適正スピードで投げれば・・・無理無く適正高度が獲得できるお猿さんです。あとは飛行テクニック・・・自作機体のコンセプトを確認しながら調整していきます。一発勝負のネタ機では無いのです。構造は素人っぽく作ってますが・・・。昭和50年代に山本さんが製作した、時代を先取りしたみたいなリブ組のブーメラン投げグライダーって平成のモデラーさんは知らないでしょうね。マイクロサーボの無い時代でも、軽量の部類に入るハンドランチグライダーを自作できる技術は、今のモデラーは真似出来ないでしょう・・・。