「口之津カルタ」15年ぶり改訂 口之津史談会

新史実等盛り込み 令和6年9月24日改訂版発行

 文:島原新聞 2024年(令和6年)9月20日(金曜日)版より

郷土の歴史を幅広く取り上げ、調査研究を行う南島原市口之津町の口之津史談会(原田建夫会長)は24日、ご当地カルタ「口之津カルタ・改訂版」を発売する。

郷土の歴史や文化、自然、名所旧跡などを五・七・五の17文字に盛り込んだユニークなオリジナルカルタで、札のサイズは5.8cm×7.8cm 500セット制作、1セット1500円(税込)購入希望者口之津史談会事務局まで。


口之津史談会は口之津町の歴史研究を行うとともに、史跡や文化財等の顕彰保存に協力し、郷土文化の発展に貢献することを目的に、2005(平成17)年8月に発足。

現在、会員は郷土出身者の賛助会員と合わせて63人

2007(平成19)年に会誌「口之津の歴史と風土」第1号を発刊後、隔年刊行を継続している。

また、地域住民に生まれ育った土地の素晴らしさを再認識してもらおうと、2008(平成20)年に口之津カルタを発行。地元の歴史や文化を学ぶ「口之津検定」や大判を作成して学校や図書館などで活用されてきた。

初版は会員を中心に市民からも公募し、約200句が寄せられた。審査会では、作品の出来栄えだけでなく、郷土に対するこだわりや愛情なども織り込まれた50音順の48句が選出された。

しかし、初刊から15年以上が経過し、社会情勢の変化や少子高齢化、地域事情の変転などに伴って、会員らから「少し内容の見直しが必要ではないか?」との声が高まったことや地域住民の購入希望などもあり、昨年から改訂版の「口之津カルタ」制作に取り組んできた。

主な改編は、口之津史談会の調査で判明した新史実や歴史用語の変更などに基づいた2枚。「すり鉢に水が溜まった野田堤」を「楽じゃない皆で築いた野田堤」に、「乱に立つ口之津村のキリシタン」を「捨てきれず戦い起こすキリシタン」として、前回の「す」と「ら」を入れ替えた。

「口之津カルタ」は南島原市の木に指定されている「あこうの木」を詠んだ句から始まり、歴史では口之津教会跡や流死供養塔、からゆきさん、文化面では地元に足跡が残るとされる味噌五郎、口之津劇場、北村西望翁が寄進した聖観音、人物では郷土の発展に多大な功績を残したスウェーデン出身のピーター三や民話に登場する力持ちの伊之助など多種多彩。

「口之津カルタ」は魅力満載の48枚、解説文は原田会長が担当、パッケージ写真は田口芳史さん、島原藩最後の藩主・松平忠和公が設置したお台場跡などの写真は中尾輝昭さんの協力を得た、旧盆の風習だった石山宝連や牛に曳かれて回転する絞り機で甘蔗(サトウキビ)、味噌五郎、伊之助を描いた4枚は、広報みなみしまばらの挿絵を担当する大櫛公美さんが手掛けたイラストを使用している。

口之津史談会の森輝隆事務局長(58)は「時代にあったよいものができたと自負している。「くちのつ子どもまつり」などの各種イベントや家庭、学校などでゲームとして楽しんでもらえたらー」と期待を込めた

問合せは口之津史談会の森輝隆事務局長(090-9863-****)へ

口之津カルタKUCHINOTSU CARTA

制作・発行:口之津史談会 代表 原田建夫

事務局:森輝隆 
長崎県南島原市甲3261
mail akira3492@himawarinet.ne.jp