Ask-8 (Alexander Schleicher) 主翼の組立 Part-29
 
● スポイラーユニットを取り付ける位置を組立てます。最初の部材検品で既に解っていた事なんですが・・・前ページのエルロン部のスパー材とこのスポイラー部の補強材は同一の材料・・・。本来ならば、全て幅6mmの棒材でなければ成らない筈なんですが、色々と幅が不揃いだったので好いとこ取りの手法で使ったので・・・最終的に残った一本が画像の様な幅の足らない棒材となりました。

● この棒材の加工なんですが・・・大手のキット製造メーカーならば必ず持っている特殊工具で棒材加工をしています。直径の小さい丸鋸が数枚付いた加工機にバルサシートを差し込むと、一定の幅で加工されて出て来る工具です。ところが・・・定尺幅のシートを加工する場合・・・端っこの寸法が微妙に狭い物も一緒に加工されて出て来るので、そういう材料は廃棄するのが普通なんですが・・・。

● 加藤無線ではパートのおばちゃん達がこの作業を行っていましたが、キットを購入されたモデラー諸氏の皆さん!材料の幅の不揃いに出くわした事って有りますか?。多分・・・無いと思いますよ。加藤無線では、こういう棒材の加工の時は・・・上下に木目の揃った二枚組のシートを其々加工して、上下の二本で一機分・・・としていたので、不揃いに成る事がありませんでした。

● しかし・・・必要本数分6本のフレイアのキットでは・・・全ての棒材の幅が不揃い・・・。考えられる事は、とにかくバラ材のシートをどんどん裁断加工して・・・無作為に6本取り出してワンセットとしキットに入れるとこういう事態となります。本来ならば幅が足らないのだから廃棄すべき棒材も・・・「多分、解らんやろ!。」って作業員が勝手に判断したら、こういう不良品が混入する事に成ります。パートのおばちゃんが加工した棒材を、一機分ずつ紙の粘着テープでまとめて・・・最終的に検品してるのは専務(三男さん)・・・。加藤無線株式会社は一族経営・・・長男さん(統括部長・・・パーツ類の検品・キャノピー成形・輸出の梱包・配達業務)・次男さん(代表取締役社長・・・NC加工機のプログラム・コンテストフライヤー兼任他・・・)三男さん(専務・・・キット全般の木工加工の検品他・・・)

● 旨い具合に適材適所・・・。だから不良品が出ない・・・。世界中で愛されたキットメーカーですね。数年前に廃業するなんて・・・夢にも思いませんでしたが・・・、世の中の時代の流れがキットを要求しなくなってしまった・・・。しかし・・・加藤無線の最高水準のキット加工の一部を、数年間ですが吸収できた私は運が良かった・・・。バルサという特殊木材の選別と製材・・・キット加工のノウハウが身に着いていますから・・・。
 
● 定尺900mmの両端をノギスで計測したら・・・4,6mm~5,3mm・・・必要寸法の6mmに足りません。此れでは補強材の意味が無い・・・。一番荷重の掛かる場所なのに、接着剤でなんぼ固めても・・・主翼に掛かる風圧は相当な荷重です。バンザ~イなんかさせたくありませんし・・・。こんな棒材在庫品で・・・って簡単には行かないんですよねえ・・・。閲覧中の追従モデラー全員のガラクタ箱に、同じ棒材が有るとは限りませんしねえ・・・。
 
● 本機のプランクシートはミリ換算で約1,6mmです。この切り落とした端材を使って棒材を太らせて本来の幅に戻しましょう。このスポイラー部の補強の棒材ですが、厚みは約3mmと一定していますので・・・3mm幅で裁断できる自作のカッターを使って画像の様な棒材を切り出します。
          
● 此れを小口に貼ると・・・幅6mm以上には成りますが、部材が完成します。狭い幅はガタが出ますが・・・広い幅は削れば必要寸法に戻せます。単純などうでも良い加工に見えるんですがねえ・・・。きっちり組み立てるときっちり組み上がる飛行機に成りますよ。だってねえ・・・わざわざスロット加工の溝作ってるのに・・・嵌め込む材料の手を抜いてたら意味が無いじゃないですか。こういう細かい部分の手を抜くか・・・ぴったり勘合出来る部品を作るか・・・によって、次もフレイアのキットを購入するか・・・しないかの選択基準に成るって事を、メーカーの開発部は肝に銘じなければなりませんなあ・・・。私は・・・もう!・・・お腹一杯・・・。

● このフレイアの本機のキット箱・・・素人さんとベテランさんでは持った時の印象が違うみたいですね。大きい廿楽と小さい廿楽の話って知ってるでしょう?。大きい廿楽は強欲・・・小さい廿楽は正直者・・・ってヤツです。しかし、キットの箱はどれも同じサイズ。本機のキット箱を持ったらズシリと重い・・・。素人さんなら中身がいっぱい詰まってると思い得した気分・・・。ところがベテランさんなら・・・なんじゃ?この重さは・・・と心配に成る(笑)・・・。キット箱の綺麗に仕上がった本機の写真・・・。此れに憧れて購入を決めた屍累々のモデラーさん。初心者さんもベテランさんも・・・一様に驚いただろうなあ・・・。途中でフリーズしちゃう初心者さんのお気持ち・・・良~く解ります・・・。ベテランでもぶん投げてるんだから(笑)・・・。
 
● 側面ガイド付きのホルダーで、幅を6mmに成るまで落としています。削り過ぎると元の木阿弥・・・。少し削ってはノギスで測り・・・を繰り返して調節しながら仕上げて行きます。削りが終わったら、木工ボンドで所定の位置へ接着・・・。此処からのスポイラースペースは、当工房のオリジナル加工・・・。キット指定ではこのリブの上下間は伽藍洞のままなので、スパーとリブの交差箇所を少々補強します。キット付属のベーク製スポイラーユニットよりも、当工房オリジナルのスポイラーユニットは、軽量ですが幅が広い。よって、落とすリブ幅も大きいので補強が必要に成りました。
 
● 主翼のスパン方向からグリン!と競り上がって来る本機のスターボードブレーキ・・・。取り付け面付近はメインスパーを挟む様に両面補助板を貼り込みます。普通に木工ボンドで貼り付けて・・・隙間は同じく白ボンドで目張りして・・・。クリップでは挟めませんし・・・マチ針よりもセロテープで貼った方が強力に圧着出来ますよ。バルサにセロテープだってえ?・・・。信じられないならやってみな!(笑)・・・。剥がし忘れて一週間もしたら・・・バルサ表面の皮一枚剥がす位の粘着力あるから・・・。

● 何故・・・このスポイラーを自作しようと思ったか・・・。画像を見て下さい。キット状態の本機キット付属のスポイラーの取り付け状態なんですが、このスポイラーは複合材料のベーク製・・・。組み立てると片翼分でもかなり重いです。重い部品なんですが・・・解説図の固定方法・・・横文字読んでも確実にこう取り付けなさいといった指示が無い・・・。画像は主翼の厚みを表示したスポイラースペースの断面図です。主翼の一番下は、1,6mmのバルサのシート・・・その上に高さの違うカイモノを入れてその上にスポイラー本体を載せてあります。

● 果たして・・・接着するのか?・・・ビス止めするのか?・・・の明確な指示が無い・・・。主翼の上からビス止めするなら、スポイラーの台座にバカ孔開けてその下の空間に堅木を入れてタッピングビスで固定・・・。主翼の下からバルサに孔を開けての固定なら、このスポイラーのベーク台座に小穴を突いてタップを切って小ビスで留めるのか?・・・。そういった指示が何処にも書いて無いのが不思議で成らない・・・。実は・・・もっと恐ろしい状況が、下の画像で解ります。
 
● スポイラー本体は主翼の上から入れる・・・それは解る・・・。その上から、スポイラー上板のみのくり抜き穴を作って周囲はプランクする・・・ん?????・・・。おい!もしかして・・・このスポイラーユニットって・・・羽目殺しかあ?・・・。ベーク板という材質、完全に接着できる接着剤が無いのがデメリット・・・。ボックス体を作るも積層するも・・・確実な固定はビス止めしかありません。もし・・・主翼に強い衝撃が加わったら・・・たとえエポキシでガッチリ固定していても、バルサの床板毎・・・剥がしてしまう位ユニット自体が重い・・・。もっと言わせてもらうと・・・可動部分が多い機構は、ホコリが溜まると動きが渋くなる・・・。何処から取り外してお掃除出来るんだあ?・・・。と!ひとしきり・・・一人でぶ~垂れて・・・、出した結論が・・・軽量なプラ板で自作するべ!・・・でした。

● キット指定よりもリブを多めに切り取る目的・・・。自作スポイラーユニットは、主翼下面から挿入しタッピングビスで固定します。その為の台座をスポイラースペースに組み込まなければなりません。ビス固定の台座を作る為には・・・補強の棒材の面にもバルサ板を貼り込まなければ台座が作れません。スポイラーユニットがビス止めにより固定出来たら、主翼上面のスポイラー板の出口を作ってプランクが可能に成ります。

● キット付属のスポイラーユニットには、外部にビス孔を設けられるだけのスペースがありません・・・。よって、ナイロン製のアングル材を使ってユニットを作りビス止めの孔を確保し・・・主翼下面から挿入できる構造としました。キット付属のベーク製ユニット・・・何に使おうかなあ・・・。引込式スキッドにでも改造しましょうかねえ・・・。数百円で買えるユニット部品でも無さそうだし・・・。この自作スポイラーユニット・・・数百円の材料とガラクタ箱の小ビスで完成しますが・・・ガタ無く作動させるには、其れなりの精密な機構も必要に成ります。多分・・・お馴染みのナイロン製の材料が沢山出て来ますが、全てホームセンターで購入出来ますので、有効だ!って思ったら追従して下さいね。あ!それと・・・OK模型のELFスポイラーユニットも寸法的に搭載可能かもしれません。その辺りも視野に入れて検討して下さい。
          
● う~む・・・。記事をアップしたら、即!質問のメールが来ました。此れが・・・携帯に転送されて来るから凄い!。メールの内容は、キットを十数機作った模型歴三年目のモデラーさん・・・。そろそろ簡単な自作機への移行を計画しているとの事・・・。国産のバルサキットを多数作って構造を熟知したけど、適材適所の木材の材料取りがイマイチ解らない・・・。初心者レベルでも解る程度の材料選別の知識が欲しいとの事・・・。メールの内容から察するに、こりゃ!本物のラジ馬鹿さんかもしれません。知りたい知識はネットで探すと間違い知識も多いらしい・・・。何も疑わずに・・・「へええ・・・そうなんだ!・・・。」と鵜呑みにして実践すると、あれ?と感じて失敗するんだそうですなァ・・・。

● 当工房・・・カスタム屋を始めたから身に着いたイラスト画像の知識では無いんです・・・。下積み時代のメーカー勤務で得られた知識をカスタム工房開設後に活かしています。イラストの上部の大割角材を製材してシートで仕上げる・・・。木村バルサと同じ作業をキットメーカーで学習し実践していました。だから・・・イラスト画像の様な知識が身に着いたとも言えるのです。

● このイラスト画像に記載してある事は、製材されたシートを使って自作飛行機を作る為のバルサ材の加工方法だけに特化しています。個人のモデラーさんが、バルサシートの製材メーカーや小売り模型店での袋詰めのバルサシートを使って、自作機を作る場合に大変有効な知識ですので・・・覚えておくと大変良いと思います。自分の作る飛行機がワンランク上がると思ってもらっても過言ではありません。

● 画像の上部左端に記載している大割角材を見て下さい。此れは木村バルサに100枚単位で発注した時の納品後の材料の状況です。年輪に沿って順番を変えずにひとまとめにして送られて来ます。前ページで紹介した板目製材も柾目製材も・・・年輪の順番を崩さず加工して角材から製材出来た枚数分ひとまとめに成っています。角材は偶数枚の場合もありますが、機数枚の場合もあります。このシートを素直に上から二枚取ると組みバルサ(二枚組)となります。この二枚組っていうのが模型飛行機造りには大事な知識です。飛行機は左右対称に作らなければ基本!バランスが崩れます。要するに・・・ロール軸のバランスが崩れる結果となります。左右の主翼が歪に湾曲したり・・・捻じれたりと・・・適当にバルサを使うと、修正できない位に仕上がったら・・・もうどうする事も出来なくなります。

● 左右対称の主翼や水平尾翼を作る場合の材料取りは、偶数枚取りの組バルサを使いましょう。リブ材の場合もプランクシートの場合も同様です。上下二枚で左右に振り分ければ、この部品の重さも材質も同じですのでバランスが崩れません。此れは板目のシートを使っても・・・柾目のシートを使っても・・・あるいは木目が歪んでいても・・・上下二枚のシートならバランスが崩れる事は無いですよ。

● 次に・・・イラスト下部の左側を見て下さい・・・。二枚の組バルサをプランクシートに使う場合、リブ組枠の形状に製材出来たら、上側の一枚を方向を変えずに素直に裏返して下さい。此れでこの二枚のシートは木目も左右対称のプランクシートと成ります。後縁側の幅の狭いプランクシートを作る場合も同じ要領ですよ。

● さて・・・次は、この大割角材が奇数枚だった場合は・・・最後に必ず一枚だけ残ります。このシートが板目の場合も柾目の場合も木目が定尺方向に真っ直ぐだったら・・・真半分の寸法にカットして、方向を変えずに其のまま横に移動して二枚重ねると組みバルサと成ります。此のまま加工して上側一枚を裏返すと左右対称のシートに成ります。例えば・・・尾翼の枠組みをする場合は、このバラ一枚の材料取りを行い・・・上下一組で部材を加工すれば比重は同じなので、水平尾翼のバランスも崩れる事には成りません。

● イラスト下部の右側には、一番使用頻度の多い厚さ10mm~20mmのシート材の部品取りの状況を記載しています。板目の場合は寸法に余裕が有れば、左右振り分けの翼端ブロックの場合・・・画像の様な材料取りでも重さに変化は起きません。柾目の場合は幅80mmの方向には、硬い(重い)と柔らかい(軽い)材質が混同していますので、板目と同じ部品取りでは重さも硬さも違うのでバランスが崩れます。左右二つの部品を取る時は、定尺900mm方向に形紙等を使って左右対称に取ると重さに変化はありません。

● ただし・・・ソフト系の軽量バルサを購入した場合・・・保管状況が悪い状態で数年放置してると、板目は年輪に沿って・・・柾目は柔らかい方向に・・・其々湾曲します。嘘だろう?????・・・!って具合の湾曲度合いなので、定尺寸法のままの幅や厚みでの部品取りが難しく成りますので、無駄な在庫はせずに購入したら期間を開けずに使い切るのが良いかもしれませんね。此処までの説明をオークションで安く落札した昭和の遺物のバルサキットに置き換えてみましょう。胴体の側板材は2~3mmの厚みのバルサシートから部品取りしてあります。主に柾目材を使って・・・主翼側には硬い方を翼型にくり抜いてあるのが基本です。さて・・・お仲間掲示板にて紹介して・・・お褒めパチパチ沢山貰いました!。さあ!製作記事をば・・・。え???・・・。この側板材・・・どうなってんの?・・・。気付いた時には時既に遅し・・・。厚さ3mmの側板材は・・・湾曲してました・・・。此れに気づいたからこのモデラーさん流石です!。でも・・・気づかないのがネットの博士さん達・・・。側板材が湾曲してるって事は、水平尾翼の取り付け角が変わってるので、重心が図面通りでも・・・投げたらいきなり機首上げで失速か・・・投げたらいきなり地面と熱い口づけ~・・・。昭和の販売メーカーの悪口書き並べる前に・・・早く気づけよなあ(笑)・・・。

● 私の経験上・・・この組バルサをキチンと提供してくれたのは、木村バルサだけでしたね・・・。他にもメーカーさんは専門的なバルサの製材メーカーをご存知の様ですが・・・御社取引はやってるみたいですが、少量ロットの個人相手の販売をやってくれるメーカーは無いようですね・・・。厚みが1,5mm~3mm位までの袋詰めシートは、木村バルサからも販売されて個人模型店に卸されています。10枚組とか二枚組のシートは大割角材の年輪続きの偶数枚製材の場合が多いので、此方を購入されても良いかもしれませんね・・・。

● 最後に・・・私の現在の携帯番号は、飛行場で出会った素性のはっきり解らないモデラーさんには教えていません。まあ・・・記事の所々に埋め込まれている北九州在住の輩さんにリークされると・・・再び悪戯電話が始まりますので・・・(笑)・・・。この輩さんのお仲間には個人情報を扱う会社の社員さんも紛れています・・・。この輩さん・・・お友達に登録して貰ったら、必ず・・・このお仲間さんを使って個人情報をリークして貰ってる様ですよ。何かの要求をされて・・・断ったら、じわじわと入手した個人情報に嫌がらせを始めて来ます・・・。そして被害者に対して薄々感じ始めたなあ・・・と実感したら、再び要求を始めます・・・。そういう怖さがありますので・・・むやみやたらに個人アドレスの交換等しない方が襲われないで済むと思います。充分・・・ご注意を・・・。
 
● 部品番号(61)主翼上のメインスパー後方とエルロンスパーの間のテーパー状のプランクシートを加工します。此の箇所のプランクシートの切り出しが、本機の主翼のプランク面で一番面倒臭いので・・・敢えて紹介します。図面指定から見ても解る様に、エルロンスパーとのプランクシート分の厚みの隙間に差し込みながら接着するという作業です。此れなら主翼中央部のプランクと然程変わらないので、不思議でも何でもない作業なんですが・・・。此処のプランクの手を抜くと・・・エルロン作動中にフラッターが起きるかもしれないので補強します。といった作業です。

● スパン2000mm程度の中型機ならば、あまり気にせずとも良いので省略しても良いと思います。しかしながら・・・問題は此処から・・・。2000mmグライダーも4000mmグライダーも・・・使ってるプランクシートは同じ厚みなので、主翼が長くなればなるほど主翼の硬性が甘いと捻じれ易くなります。此処で言う捻じれとは、飛行中に主翼が受ける風圧の荷重です。翼弦に対してエルロンの幅が広いので、こういった補強が必要に成ります。本機の場合は主翼がテーパーなのに、エルロンは翼端まで同じ幅のフラットエルロン・・・。翼端側では翼弦の40%をエルロン動翼が占めていますので、作動中の風圧荷重は相当なモノに成る筈です。此処までの補強をしないで良い方法が有るとすれば、翼弦に均等なテーパーエルロンなら此処までの補強は必要無いでしょう。まあ設計者が忠実に実機をスケールダウンしたのでこういう面倒臭い構造も必要に成ったってとこでしょうね。
 
● 上記右側の画像と共に説明します。上記のテーパー状のシートは、メインスパーと前縁までの間を広く覆ったプランクシートの残りです。こういうシートを余ったけど使えそうに無いと廃棄しないで残しておくと、こういった箇所のプランクに充分使えたりします。寸法カットが終わったら、一度セロテープで仮止めしてエルロンスパー側に翼の内側から、ボールペンで記しを入れます。入れ終わったら今度は外して寸法カットなんですが・・・ボールペンの先端はオフセットなので、記したインクの外側のラインを僅かに空けてカッターナイフで切断しましょう。実際に嵌め込んでみてきつい様なら木口を擦り合わせて削って行けばピタリと収まる様になります。今回は木工ボンドを使いますので、木口に塗り込みますがピッタリ寸法だときつくて入らない場合もありますので・・・少々甘く僅かに隙間を作る方が、スムーズに接着出来るでしょう。
 
● ピッタリとプランク材が収まったら、更なる加工です。シートの広い方を幅4mmほど切り落として下さい。この作業は当工房ではプランクシートの木口を補強する目的で、必ず行う作業です。メーカーさんならやらない作業なんですがね・・・日本国内も・・・海外も・・・。しかしながら、今回の本機のプランクシートが禁断のスカスカなソフト系バルサの部位を含んでいたので使う事に成りました。出来れば・・・プランクシートは板目も柾目も・・・メディアムシートにして欲しかった・・・。国産のバルサキットなら当たり前の材質配分なんですけどねえ・・・。
 
● 切り落とした木口に木目の方向を90度変えた端材を木工ボンドで貼り込んで、セロテープで両面固定・・・乾燥硬化するまで待ちましょう・・・。硬化したらテープを剥がして木口から5mm残して切り落とします。此れでプランクシートの木口は補強完了です。面倒臭く・・・どうでもいいじゃん!そんなの・・・って言いたくなる補強なんですが・・・(笑)・・・。ネット物知り博士の若きモデラーさんは必ず実施すべし!・・・。彼らの自作模型の製作記事を観ていて何時も思う事・・・。主翼のプランクシートに、スカスカのソフトバルサなんか貼らない方が良い!・・・。曲げ易いし・・・翼リブに沿わせ易いし・・・1グラムでも軽量化!を謳ってるけど・・・。フィルム貼りの最中に、プランクシートが割れたら木村バルサの不始末だああああ!って文句言うのはお門違いだぜい!。木口が割れたのはプランクシートがスカスカだから・・・割れ易いって事であって・・・まさか木村バルサの職人さんも、そんな箇所に使われるなんて予想もしなかったでしょうね。
 
● 木工ボンドを満遍なく塗り込んでプランクシートを貼り込みました。右側の画像・・・一番奥の青い頭のマチ針で固定した場所・・・針で押さえても浮き上がって来るので、見え難いですがセロテープを一枚貼り込んでからマチ針を刺してます。此れって・・・抜け止めの裏技なんですぜい!博士!・・・。セロテープにプチッと差し込むと、セロテープの裏面の粘着面がストッパーになるので、押さえた針の表面で止まってます。よって・・・セロテープで固定したプランク材が浮き上がって来ないんだなあ・・・。

● でも・・・幾ら刺しても浮いて来るうううう・・・って嘆いてる博士も居るんだなあ・・・。そんなん!ヤフーブログの自作モデラー諸氏に聞いてみりゃ好いだろうが!。深く刺すから抜けて来る・・・。針先の形状をよく観察してから刺しこめば綺麗に止まるんだけどなあ・・・。ネットで探しても見つからないだろうなあ・・・。老舗の個人経営の模型店のオヤジにでも聞いてみな!知ってるから・・・。
 
● プランクの一枚のみ・・・隙間が明らかに出てしまった状況を作ってみました。博士達からは、突っ込み所満載の失敗例をわざと作ってみました(( ´艸`)・・・。しかし・・・本機の様な構造体ならば、少々隙間が出来ても見た目は悪いですが、強度には全然支障は出ないので安心して下さいね。パテ埋めすれば良いだけですから・・・。何故強度に支障が無いのか・・・メインスパーの状態を見れば解んべ!・・・。解説の指定が、プランク材はメインスパーの半分のみ接着する様に記載してありました。

● この工作方法は、実機でも当たり前に採用しています。実機のメインスパーはチャンネル材の背中同士を組み合わせたH型構材となっています。メインスパー上で前後に分けてリベット留めをする為です。模型の場合は・・・このH型を再現するのに単板を組み合わせて構成しています。この半被せの構造を全面プランクにも応用出来ますし、本機の様な部分プランクの構造体にも使えます。よって、隙間は空いてますが・・・プランクシートはメインスパー上に確実に接着されているので、強度が落ちる事態にはならないのですよ。国産キットではあまり見られない手法なんですが・・・国産キットの場合は、必要な箇所のみバルサの細い桟木を取り付けてプランクする場合が多いですね。当工房のオリジナル大型グライダーの場合も同じ形状の構造を採用しています。

● 組み込んでしまうのでほぼ見えなくなってしまった機種もありますよ。WAR-BIRD-FIGHTで使用する大戦機型のスロープ機のメインスパーは変形のH型構造を持ったメインスパーを採用しています。片翼全長950mmのメインスパーは、断面が根元で10mm四方・・・翼端側で5mm四方・・・要するに、二面はテーパー状に加工してあります。ムク材を削ったのではなく・・・薄いヒノキを積層して組み合わせてエポキシで固めたスパー材です。中心にはテトラ製の1,5mmのピアノ線を入れて、其れをヒノキで囲む様に組み合わせた折れないスパー材を作りました。更に・・・プランクシートの接着面には、カーボンロービングを貼り込んでありますが、生地完成状態でも外からは見えませんよ(笑)・・・。
          
● 主翼のプランク状況とリブの断面図を見ても解るでしょう?・・・。当工房の同クラスの主翼構造ならば、リブキャップは着けますが・・・メインスパーと前縁のリブ間にサブのスパーを取り付け・・・同じく後縁側にもサブスパーを入れるのが当たり前なんですが、本機は中型機や小型機と同じリブ組構造なので、こういったプランクシートを多用して強度を得る構造だとご理解ください。多分・・・見た目が悪いとか・・・トンビと同じ構造は嫌だ!とか・・・キットの指定構造を無視した手抜き構造に変えちゃったら、この主翼・・・宙返りの最中に・・・良くて肩脱臼・・・悪くて画像ナンバー(69)辺りからポッキリコン!と骨折・・・するかもしれません。必ずキット指定で組立てて下さいね。航空機の基本構造無視の若きネット物知り博士の皆さんは特に!・・・。そんな飛行機持ってスロープサイトに来るんじゃねえぞ!。愛機を持って足場の悪いサイトを逃げ回るメンバーさんの気持ち・・・お察し致します・・・。
          
● 細々してるプランクシートを貼り込んでる最中なんですが・・・。部品取りの皮算用をしちゃった追従モデラー氏が一人出ちゃいましたので・・・同じ失敗をしない様に記載いたします。エルロン取り付け部のスパー材と後縁プランク材の間の小さいプランクシートなんですが、画像向かって前縁側を基準に左側のプランク面と翼端側のプランク面は形状が違います。リブ間はどちらも30mmなんですが、後縁材の角度とエルロンのスパー材は、左側と右側では角度が一部違うので・・・まとめて寸法カットすると半分は使えなく成ります。
 
● 本機の後縁は二段前進角・・・。エルロン動翼の可動ラインを基準に、左側は5度設定・・・右側は8度設定に成っています。よってどちらのリブ間も30mmなんですが、翼端側はリブ間スパー間共に平行なんですが・・・左側のプランクシートはリブ間は平行配置ですが、後縁側は5度・・・スパー側は8度なので平行ではありません。細かい寸法の違いなんですが・・・全部同じ寸法で部品取りすると、半分は使えなく成ります。
 
● 上記画像のリブ間を埋めるプランクシートを作っています。このシートが・・・(( ´艸`))・・・スカスカの幅100mmシートの残りです。新品のカッターナイフの刃でも切断面がササクレる位にフカフカしてます。要するに・・・飛行機のプランクシートには本来使ってはならない部位なんですが・・・もう此れしか残っていないので、其れなりの表面処理と木口処理をして使います。ラジ絶さん!本機をお勧めしないのは・・・此れが理由です。片面小口に棒材を貼らないと・・・パリッと割れそうです・・・。部品のダイカットミス・・・ベニヤリブの反り・・・クロス木目で湾曲した後縁プランクシート・・・そしてフカフカした限りなくソフトに近いバルサの幅広シート・・・。見た目格好良いし、オークションの質流れ街道を多数グルグル廻ってるって事は、購入したモデラーさん達・・・蓋を開けて浦島太郎状態・・・。一遍に老け込む拷問キットですよ(笑)・・・。毎日女王様にムチで引っ叩かれてる心境ですなあ・・・。だから中々進まない・・・。蓋を開けて・・・俺には無理!って判断したモデラー諸氏へ・・・。迷わずオークションに出品して、拷問回避をした方が・・・。蓋を開けても白い煙は出ませんが、苦労のし過ぎで目の下にクマが出るのは確実です。ホント!生気を吸い取られるキットですなあ。しかしま~・・・オークションサイトのフレイアキットの多い事!・・・。

● 海外のオークションサイトを見ても・・・どんぶらこおおおお~・・・どんぶらこおおおお~・・・って回遊してるみたい・・・。浦島太郎に成ったのは・・・日本人だけじゃあ無いみたいですなあ・・・。スイスの大御所だってボヤく位だから相当な拷問度合いなのかも・・・。メールでお前!よく我慢して作ってるなあ・・・って驚き半分・・・呆れてるみたい(笑)・・・。正直に言って、私もパッケージの完成画像に心動かされた屍累々の一人だし・・・。まさか此処まで強烈だったとは、南阿蘇の大御所がぶん投げる気持ち解るなあ・・・。「ワシ~・・・作り切らんけどお~・・・。トンビ君なら作れるバイ!。」って言われたから作ってるけど・・・。手元に置きたいとは思いませんなあ・・・。島鉄さんが購入してくれたから良かったものの・・・。手元に置いといたら・・・夢に出そうで怖いですなあ・・・。早く次の機体を作りたいけど、今の状態で島鉄さんに渡すと必ずフリーズするしなあ・・・。
          
● 私は美味しい物は最後に食べる性格・・・。よって本機の製作記事・・・見てるモデラーにも拷問みたいな記事だろうけど・・・。こういう食わず嫌いの付け合わせから食べないと・・・最後に残すとお袋に怒られてたし・・・。よって我慢して閲覧してるモデラーさんには悪いですが、もう暫く野菜みたいな記事が続きます。今でも食えない生玉ねぎのスライスサラダ・・・。このサラダみたいな箇所の工作が・・・残ってるんですよ~・・・。此れが終わらないと美味しい豚カツにありつけない・・・。(Part-30に続く)