ASK-8 (Alexander Schleicher) 胴体の組立 Part-4

 
● 三角胴枠を取り付けた天板(底板)を、木製定盤に固定しました。三角胴枠から型抜いた不要なベニヤをビス止めの押さえとして使っています。別に木部材の空きスペースを直接ビスやピンで固定しても良いとは思いますが、勘合部品をどんどん取り付けて行くと・・・指もペンチもドライバーも入らなく可能性がありますので、トラス組の完成図を見ながら位置を決定した方が良いと思われます。ストリング材が組み付くと・・・ドライバーの先が入れられなくなる場合も予想されますので、今回の方法を採用しました。
 
● 三角胴枠の側板部材である(159)・(160)をジョイント部で繋いで貼り込みました。この側板もスロット溝は4mmですので、天板と同じ様に前面合わせで接着します。2mm厚のラワン側板と三角胴枠の桁部を足すと10mmですので。小型の事務用クリップで挟めば、プランク材と胴枠は適度に圧着出来ます。
 
● 主翼の取り付け付近の胴体を組立てています。ダブルのキール材は、胴体の中心線から左右対称でテーパー配置ですので、胴枠側も若干ですが斜めに削りを入れました。削ったのは本当にほんの僅かです。しかし、この削りを入れるか入れないかで、組み立てが楽に成ります。全体的に削ると、逆にスロット加工が甘くなり過ぎて基準がズレたりしますので、本当!ごく僅かに削りを入れて下さい。
 
● 上記画像の胴体部材を、後部胴体と一部接着したら・・・定盤に固定する為のブラケット部品を作っています。PVCの角材(14×22mm)を長さ40mmにカットしました。画像の様に、角材の表面をペーパーで荒らすと鉛筆の乗りが良くなりますので、比較的スムーズに寸法線が描けます。
          
● 私も・・・もう直ぐ・・・還暦・・・。やりたい事は沢山あるので、考える事は山ほど有るんですが・・・身体が着いていきません。とにかく持続力と夜更かしが・・・直ぐに電池が切れる・・・。甘~い糖分抜群のコーヒー牛乳を飲みながら、製作続行!。扶養家族がいないというのは・・・寂しき人生みたいですけど、独身貴族を続けていると此れが当たり前ですし、ガミガミ煩い相方は・・・あの世だし・・・。チビチビ飲みながら、糖分補給で頭脳スッキリ!・・・。

● ブラケットはこの位置で固定します。ダブルキールの抜き面に橋渡しでシム材を通し、此れをビス止めして定盤に圧着固定します。まあ・・・機首側の胴枠を正確に定盤に固定する為の、色々なブラケットが今後もどんどん出て来ます。多分・・・閲覧中のモデラーさんの中には、もっとハイテクな固定技術もお持ちでしょうから、其方をお使い下さいね。この固定用の自作ブラケットは・・・昭和の一条さん(ガルモデル)なら、こういうローテクで作るだろう・・・を想定して記載しています。
          
● ビス止めの孔位置を作図して、ボール盤で垂直の孔を開けています。こういう治具となるブラケット類の基本は、垂直・直角・平行が基準と成ります。これ等の部品を作って使う事で、正確にキットが組めると思って下さい。至れり尽くせりのガッチガチなレーザー加工のキットではありませんので、其れなりの治具は必要です。
 
● 定盤に長めのタッピングビスで固定しています。ダブルキールの側面にピタリと沿う位置で固定していますが、この位置の決定は今後・・・取り付けられる各種ストリング材が邪魔にならず・・・尚且つ、固定ブロックに更に勘合するキールを押さえるブラケットの取り外しにも支障が起きない位置を選んで固定しています。
 
● 胴枠等を型抜きした残りのベニヤを加工して、押さえの部品を作りました。胴枠は厚さ3mm(二枚貼り合わせで6mm)ありますので、ビスで締め付けると適度なしなりが得られるんですが・・・長時間の締め付けっ放しだと湾曲してしまいます。そこで、ヒノキ材を両端に接着して、適度にしならせる構造としました。締め付けは梃子の原理を使ってます。
          
● 三角の基準フレームに本来の多角形胴体の部材を貼り込んでいます。この基準構造である鋭角二等辺三角形は。画像の様に底辺を定盤に固定すると、基準が大変取り易いのが特長です。ただし・・・小型のグライダー(軽量ハンドランチ・グライダー)に採用すると、重く成ってしまう傾向にありますのであまり使われる事はありませんでした。しかし・・・工作室の殆どを使って組み立てる様な大型機の場合は、構造も其れなりに丈夫にしないとなりません。まずは・・・基準となる内治具を構造体に組み込み。実機と同じ様に定盤レベルの治具に組み込んで製作します。この構造は、このクラスの自作グライダーには大変有効な構造だと思いますので、機会があれば他の機体にも採用したいと思います。
          
● PVCの角材(6×12mm)を加工して、今度は後部胴体の固定用のブラケットを作ります。両端の孔は3mm・・・手前寄りの中の孔は2mmで開けてあります。ブラケットの床面に対して完全なる直角が出ないと正確な固定が出来ませんので、ボール盤を使って穴開け加工を行いました。

● 今回の押さえなんですが、固定する面が厚さ2mmしかありません。主翼固定の胴体部では、固定面が12mmと幅広く頑丈でしたので、押さえ自体にも強度が必要でしたが、今回は押さえ自体にしなりを持ってもらわないと後部胴体の部材が歪む可能性も出て来ます。そこで、厚さ3mmのベニヤ単板としています。
 
● 床面を押さえていた単板は、今後の工作だとドライバー等が入れられなくなりますので、新型のブラケットで胴体を固定したら外してしまいます。この後部胴体のヨー軸の湾曲は、PVCブラケットの先端で拘束し、更に胴体自体が浮き上がらない様に、3mmベニヤで定盤に押さえ込んでいます。本機の構造の特徴なんですが、後部胴体に関しては一切外部プランクを行いません。代わりにかなり頑丈なストリング材を何本も這わせる構造に成っています。そして、このストリング材自体が頑丈ですので、基準となる胴体は、確実に固定しておかないと・・・定盤から外した時点で胴体にロール軸方向の捻じれが出る可能性もあります。こういう大型機のロール軸の捻じれは・・・修正が利かないので正確に組み立てるには、其れなりの治具も必要になります。
 
● 解説図に前部胴体の胴枠位置が指定してあります。この胴体は上下を逆にして組み立てる為・・・、コクピット付近は高さが足らないので、脚を付けて基準を採ってあります。図面では上部に成りますが、大きめのスキッド材を組み込む為に複雑なスロット加工をした部材を組み込むので、間隔は出そうにも見えますが・・・このコクピット付近の胴枠は、全て定盤に対して垂直に立てなければなりません。材説図に胴枠の前面合わせで寸法が表記してありますので、形紙に書き写して胴枠位置を定盤に記します。
 
● 今回は、この胴枠を指定の位置に正確に固定するブラケットを作ります。画像はPVC素材の角棒(10×12)です。長さを20mmでカットした物を16個切り出しました。釘止めしたベニヤパーツは、ブラケットの台座に成ります。厚さ4mmのベニヤで作っています。
 
● 厚さ6mmの胴枠をコの字にくり抜いた溝に嵌め込んで、センターの基準を出しています。しかし・・・此れだけでは胴枠の垂直立ちは出来ませんので、PVCのブロック材で挟み自立できる様にしています。
          
● 結局の所・・・今固定して胴枠を自立させている四角い抜き面は、胴体が完成したら全部切り取ってしまう部分です。しかし、この胴枠のセンターをしっかりと出し平行配置としなければ、胴体側板に取り付けるストリング材やパネルが左右対称に固定出来なく成り・・・治具から外すし機首先端から機尾を見た場合・・・どちらかに湾曲するかもしれません。胴体の中心をしっかり出す為の一番面倒臭い作業ではありますが・・・。
 
● 画像を見て貰えば・・・ホームセンターで全部揃えられる材料と部品だけで構成しています。PVCの角棒に皿を揉んでいますが、小型のスピンドル・チャックに皿揉み用の工具を取り付けて、本来ならドリルとかボール盤で加工・・・なんでしょうけど、金属よりも遥かに柔らかい素材ですので、手回しで皿を揉んでいます。皿ビスの数が足らず・・・4本だけ鍋頭のビスを使っていますが、締め込むだけなので、どちらでも良いと思います。
 
● ブラケットを固定しました。ベニヤの台座の間隔に嵌め込むと胴体のヨー軸が固定され、胴体のセンターラインが直線で固定されます。PVCのブロック材はピッチ軸の正確な胴枠の配置の目的が有り・・・テンションの掛かった輪ゴムで、胴体のロール軸の捻じれを無くしています。やっと・・・本機の胴枠の間隔の寸法出しが済みました。
 
● 後部胴体・下部先端には部品番号(167=ラミンの丸棒))が取り付けられる指示なんですが、指示通りに接着すると主翼後縁の胴枠(147)(148)を跨いで取り付ける様に成ってはいるんですが・・・。この主翼側の丸棒は、フリーなんです。要するに・・・こういう逆三角形の胴体の場合、前部胴体と後部胴体を繋ぐ部品として機能しなくては、必要な強度を得られません。何度も解説文を読み返しましたが・・・特別な固定指示はありませんでした。

● 此れがフルプランクの胴体なら其れでも解りますが、この機体は主翼のメインスパー後部付近の胴体から、トラス組オンリーのスケルトン胴体です。太めのストリング部材で強度を確保する目的なんですが、この下部キールに該当する部材の取付に不安が残りましたので、補強部材を追加しました。
 
● 右側画像の様に、キールの丸棒はフリー状態のまま、キール外壁で覆う指示でしたが・・・、丸棒の下にシムを入れて、前部胴体の内蔵パネルと接着固定しました。このシム材は、丸棒に接する面を、半円状に削り込み接着しています。この加工を済ませてから外壁パネルを取り付けて行きます。
          
● 国産のバルサキットグライダーを作っていた時代から・・・其れなりの工作治具は自分で作っていましたが・・・。今回のフレイア製のキットほど、治具が無いと根本的に組めないぞ!と、実感した機体もありません。構造的には良く考えられているとは思いますが・・・、このキットをオークションで安く購入されたグライダー初心者さんは・・・蓋を開けて・・・フリーズしたんだろうなあって思いました(笑)・・・。

● この胴体を固定しているブラケットなんですが、別に既製品が無いからワザワザ作っているんじゃないですよ。多分・・・使える物も有るとは思いますが、既製品はオールマイティの飛行機に使えるって代物でもありません。むしろ・・・その既製品のブラケットに合う様に機体キット・・・もしくは自作機の材料を選択しなければなりません。ならば!オリジナルで特注した方が早い訳で・・・自作しています。これ等の部品を全てキットのダイカットシートの余白で作る事も可能だと思いますので、リチャードさん!多分・・・閲覧しておられると思いますので、キットに入れて下さい。海外モデラーなら現状キットでも其れなりに満足して普通に作ってしまうと思いますが・・・、日本国内のモデラーさんはちょこっと!・・・贅沢に成り過ぎて・・・。こういうキットには嫌悪感を示すみたいですね。是非・・・何らかの部品を追加してくれれば助かります。
 
● 当工房の大型グライダーでも頻繁に使用している、内嵌め型の側板構造なんですが、この機体ではスキッドとなる胴体下部のキール側板で使用されています。当工房の内部側板は、機首先端の胴枠から主翼後縁部までを平行配置の内部側板で固定する構造ですが、この機体の場合は・・・側板が湾曲配置なので、左画像の様なカイモノを入れないと胴枠に密着してくれません。よって確実なる接着固定を行うならば、胴枠の指定ミゾ幅から両側板の板厚を引いた長さの突っ張りの出来るカイモノを入れた方が作業が楽ですよ。
 
● 機首先端胴枠には、3mm厚のベニヤ積層12mmの内部キール材が取り付けられます。この内部側板は、アール状に機首側に固定されますので、幅12mmが確保出来ません。そこで、両側板の内側を削って幅12mmを確保して下さい。此処から先の接着には、強度が特に必要な箇所と成りますので、一時間硬化のエポキシ接着剤を使います。
 
● やっと此処まで来ました・・・。昭和50年代からの自衛隊の同期やリタイヤ組の上官達との工房開設との同時進行なので、かなりドタバタ作業です。北九州の苅田と南小倉に工房を構えた理由なんですが、高速のインターが近いので近県のお仲間なら引き取りに来易い点と、船便の大型貨物等(バルサ関係)が受け取り易く・・・直ぐに製材出来てシート加工がやり易い点・・・、まあ、出来立てホヤホヤのバルサシートなら、レーザー加工もし易い点が一番の強みでもある・・・。遭遇したくない人物のお膝元でもあるんですが、都会の街並みに紛れると見つけられ難い!という、自衛隊の戦闘訓練の鉄則を守れば意外と安全だったりします。

● 北九州の遭遇したくない人物は、休日のみのフライヤーさんだから・・・平日行動の私達との遭遇はありません。不敵な笑みを浮かべて工房に乗り込まれない為に・・・此方も其れなりの対策はしています。「警察官立ち寄り所」位の看板付けたって・・・この人物は堂々と乗り込んでくるので、工房内部に警察官の休憩室兼仮眠室を設けました。これなら、オラオラ系で踏み込んだら最後、即!近所の派出所へ連行!と成りますし・・・。さて・・・この人物・・・どんな手を使って乗り込んで来るでしょうなあ~・・・。まずは、新規採用兵隊さんでも乗り込ませて・・・状況把握!。状況が解れば・・・寝込みを襲う!なんて荒業を使うかもしれませんので、その点の対策もバッチリ!。まあ・・・銭形警部の発案で実現した工房開設!・・・。工房の従業員が、全員ピーポさんの可能性もある・・・。オラって乗り込んだこの人物・・・ピーポさん集団に出くわしたら、どういう態度に出るかなあ・・・。多分・・・表の顔に戻るでしょうなあ(笑)。

● 工房所在地等の詳細は、ブログをご覧下さい。突然来訪されても対応し兼ねますので・・・あらかじめメール等でご連絡の上、来社願います。尚!当工房にメールされても連絡先は教えませんよ(笑)・・・。因みに・・・ラジコン飛行機を自分で設計して自作できるピーポさんは意外と多いです。ミニスカポリスの中には、F3Aパターンを完璧に熟す女性フライヤーも居るし・・・舶来レーシングをキンキンに飛ばし捲る女の子も混じってます。意外と知られてませんけどね。多分・・・平尾台大会に出場すれば、上位入賞は確実かなあ・・・。                    (Part-5に続く)