Ask-8 (Alexander Schleicher) コクピット周りの塗装 Part-41
 
● キャノピー枠の塗装に入ります。容器が三つ並んでいます。右からアセトン溶液(筆洗い用)・・・クリアラッカー溶液(ニトロセルロース系ラッカーシンナー希釈済み)・・・ベビーパウダー(目止め粉の代用品)・・・。このクリアラッカー希釈溶液にベビーパウダーを混合します。
 
● 適度に混合すると乳白色の溶液が出来上がります。この混合液は、密閉し未使用状態で長時間保管すると・パウダーが沈殿してクリアラッカー溶液と分離しますが、再度使う時は撹拌すれば元に戻ります。この際の刷毛塗り時に、液が硬そうなら少量のシンナーを足すと塗り易くなります。しかし・・・多過ぎてジャブジャブに成ると、塗り込みはスムーズですが中々目止めが出来ません。私が習った塗装法では、刷毛塗りならばシンナー希釈はラッカー液の1,2倍・・・エアガン塗装の場合は1,8倍・・・。エアガンの場合は混合液が薄いと垂直面の塗布では流れ易く成るので、この希釈比率でした。
 
● 塗り終わった刷毛は、ラッカー薄め液で洗う・・・。ってどこぞのブログに書いてた人が居たんですが、この薄め液・・・。モノホンのラッカーシンナーよりも毒性が弱い・・・。よってホームセンターでも購入出来るんですが・・・。ホンマもんのシンナーは、塗料専門店に印鑑持参でないと購入不可能です。ならば代用品で!・・・って成った場合、刷毛洗い用に薄め液を使うと洗った傍から解けた塗料が付着するので、綺麗に洗うには莫大な量が必要になります。その点アセトンは脱脂にも使われるので、溶剤を溶かすだけでなく分解してしまいますので、少量のアセトンでも洗える訳です。じゃあ・・・希釈にも・・・って考えがちですが、溶剤を柔らかくするだけでなく分解してしまうので、塗った表面が溶けて流れて・・・って何時迄経っても仕上がらない事になります(笑)・・・。よってアセトンは、私の場合は金属面の脱脂と刷毛の洗浄に限定しています。

● 別の使用目的として、硬化剤の入ったウレタン塗料をエアガンで吹き付けた場合は、必ず精密分解を行って部品自体を完全に洗浄しないと二度と使えなく成ります。よってウレタン塗装の場合は、エアガンの分解洗浄の溶液として使います。尚・・・このアセトン・・・ラッカーシンナーよりも安価です。ただし・・・揮発性と引火性はシンナーよりも上位ですので、保管には注意しましょう。それと・・・易いからって、トルエンやらラッカーシンナーみたいに気持ち良く成る様な良い匂いはしません!。一度思いっ切り吸い込んでみれば・・・二度と吸いたいとは思わなくなるでしょう・・・。強烈な悪臭でゲロ吐き状態確定!。ホームセンターで購入出来ますが、使用目的を間違わない様に注意して下さい。
          
● 保管する時は必ず蓋をきつく締めて、なるべく気温が安定している日陰に収納します。ただし・・・画像の様なガラス瓶が良いのですが、蓋がプラ製なので長期間保存には不向きです。プラスチックなんか時間経過で劣化しますし、揮発の成分で徐々に蓋のプラスチックが分解されますので、ホームセンター等で購入出来る金属製の蓋の方が長持ちすると思います。
 
● まずは裏面の塗装ですが、濃いめの塗料を刷毛塗り一回で充分だと思います。もし・・・希釈がゆる過ぎた(薄めのジャブジャブ液の場合)場合は、何回か刷毛塗して塗布面の肉厚を上げましょう。キャノピーシートが取り付く表側は、基本ホワイト色で仕上げるつもりなので・・・最低でも4回は重ね塗る予定です。キャノピーシートはセメダインスーパーを使いますが、セメダインの成分で枠に塗り込んだラッカーを一部溶かして固まる溶着の方法を使います。よって下地はある程度丈夫な方が作業は楽です。刷毛塗りが硬化した後は、入念なペーパー掛けの必要はありません。特に表面の場合は、スポンジのペーパーを使って毛羽取り程度に抑えて再度重ね塗って行きます。最終的な仕上げは、全ての塗り込みが終わってからで良いと思います。

● ネットのブログでは博士の皆さんが、木枠に直接エポキシ溶剤を塗り込めば早く目止めが出来るし、一回で済むから作業が時短出来ます!って書いてますが、其れって堅牢に組まれた骨組みの場合であって・・・この様なバルサ製のひ弱な枠には不向きですよ。グラス塗布に使う様な溶剤は、硬化する時にかなり縮みますので目は留まりますが・・・構造がひ弱な場合は湾曲してしまいます。よってクリアラッカーの重ね塗りの方が縮みは微小ですので、この方法を使ってます。
 
● 都合・・・日陰の風通しの良いベランダにおいて、6時間の乾燥時間を空けながら4回塗り込みました。一度塗る度に毛羽取りをしながら最終的には、240番のサンドペーパーでちょっと入念に仕上げてあります。この上にホワイト色を吹き付けてキャノピー枠の塗装は完了します。因みに・・・今回使用したクリアラッカー溶液にベビーパウダーを混入させた混合溶液は、市販の家具塗料の代用品にすぎません。正式名称は、サンディング・シーラ―と言いますが・・・家具屋の塗装の下塗りで使っているかなりポピュラーな塗料です。

● 通常エアガンで塗布できる位までに希釈して吹き付けますが、最低でも3回以上吹き付けて皮膜を作りサンドペーパーでサンディングします。最後はクリアラッカーを吹き付けて仕上げます。今回は同じ様な工程を刷毛塗りで行いましたが、手順は同じですのでお近くに塗料店が在り・・・塗装ブースが確保出来そうなモデラーさんは吹き付け塗装に挑戦して下さい。
 
● 紙のマスキングテープを幅5mmに短冊加工して、キャノピーシートの接着面を覆います。使用する接着剤がセメダインスーパーですので、アクリルラッカーのホワイト色を塗り込んだ後だと・・・ホワイト色には食い付きますが、下塗り積層面のクリアラッカーには確実な接着が望めませんので、この接着面のみアクリルラッカーが付着しない様にテープを貼り込みました。
          
● 空気乾燥を一時間置きに二回繰り返し・・・三回塗布しました。実はこのホワイト色が完成ではありません。本機パッケージが基本色とするならば、この上に胴体のカラーデザインが上乗せされますので、色が乗せ易いホワイト色としてあります。此処から先の工程は胴体の絹張り完成後・・・ホワイト色のサンディングシーラーで中塗りを行った後の作業と成ります。
          
● 養生テープを剥がすと、画像の様に成形キャノピーの接着面のみが現れます。殆どがバルサ材で構成されたキャノピーの枠なんですが・・・見るからにひ弱そうに見えますが・・・。本機のキットに付属していた透明キャノピーの成形品なんですが、多分一番薄いだろうと思われる部分でも0,8mm以上・・・。切り出すのに苦労する位ぶ厚いシートでした。よって、この成形品の周囲を立体的に拘束すると、どないに成るんやろう・・・。何度もキャノピー枠を自作していたら、何れは気づくんですが・・・成形キャノピー自体が丈夫なら・・・キャノピーの枠は然程頑丈にしなくても良いんじゃねッ?・・・という事実に(笑)・・・。

● ネットブログの自作キャノピーを成形している博士さんの多くは、多分・・・0,5mmのシートを成形してキャノピーを作ってると思います。薄いシートだから比較的簡単に成形出来ますが、此れが1,2mmのシートをバキュームっとなると・・・あれ?なんで上手く成形出来ないんだろう・・・って成ります。そのノウハウを知りたければ(kinnsann)に聞いてみましょうね。ただ・・・手順を聞いたとしても・・・一発で完成するか?って言うと・・・まあ、失敗する方が大でしょうなあ・・・。このバキュームって技術・・・実に奥が深い。誰でも簡単に・・・って成ったら、世の中の型屋さんは全て廃業ですなあ(笑)・・・。まあ・・・ね。其れは有り得ませんが、1~2個程度のバキュームって訳じゃないでしょ?・・・。何千何万個って型押ししないと利益は出ないし、そういう型って言うのは硬い金属製です。削り易いからってソフトバルサで作っても、熱を加えたら木型が収縮してヒビが入った・・・って事態・・・経験してませんか。合わせ木の接着剤に瞬間接着剤を使うと失敗します。熱に強いのは二液混合の練り練り接着するエポキシでしょうなあ・・・。だったら5分硬化で・・・???。いやいや・・・一時間硬化位の練り練り材でないと、スーパーハードバルサは接着出来ませんよ。

● 当工房のハードバルサの合わせ木の木型は、失敗を恐れる素人のやり方って揶揄してる博士のブログを観た事有るんですが・・・だったらこのブログの博士さんが崇拝している四国のフライトホビーも素人って事に成る・・・。模型飛行機のメーカーなら試作は木型・・・量産は木型からデータを採り、樹脂にアルミの粉を混ぜて作った強固な樹脂型って決まってるんだが・・・。大手メーカーの基本的な技術を素人って言い切る博士の木型は、頑丈なんですかねえ・・・。成形品を掲載して自慢してたけど、薄い筋目やら…凹みやら・・・全部瞬間接着剤で継いだ接着面付近の傷・・・。表面処理も素人って言ってたけど、博士のキャノピーよりも傷が無く筋目も出ないで仕上がるんだったら、表面処理の樹脂塗装は必須だと思うんだが・・・。滅茶苦茶軽量ですこぶる硬くて頑丈なバルサの木型を、フカフカのソフトバルサじゃ作れないって事実を、誰かこの博士さんに教えてやってくれい!・・・。
 
● セメダインスーパーをインパネの裏面に塗り込んで接着しました。まあ・・・本機の場合、此処までの改造は指定されてないので、個人のオリジナル技術を盛り込みました!ってレベルですので、この通りにやりましょう!って訳でもないですよ。この半練りのセメダインの歴史はかなり古く・・・かの空野彦吉さんのミグシリーズやホーカーシリーズの組立にも多用されてたんですよ。昭和40年代から・・・。当時はスーパーも・・・スーパーエックスも無い時代のセメダインでしたが・・・。
          
● キャノピーシートの接着です。コクピットにキャノピーの枠を固定した状態でキャノピーシートを接着します。単純に枠の側面に接着しようとすると、接着硬化中にキャノピーシートと枠がズレて硬化したり、捻じれて接着硬化されて合わせ目に隙間が出たりしますので、段付きの枠を自作しました。此れなら歪まず湾曲せず・・・確実に接着出来ますし・・・。シートの裏側から塗装すると、塗料が剥がれる危険性が無いので、セロテープを使って圧着なんてローテクも普通に使えたりするんですなあ・・・。

● 本日6月26日・・・やっと梅雨入りです。梅雨時期の模型製作・・・特にグライダー関係には不利な時期とも言えますなあ・・・。一般のモデラーさんの工作室・・・もしくは工作スペースと、当工房の工作室は然程変化は無いんですがねえ。ただ一つ違うのは、湿気に影響され易い軽量木材を扱うので、工作室の気温と湿度には神経を使っています。市販品の水取象さん他湿気対策には充分注意してますね。此の辺りをおざなりにすると・・・湿気を含んだ軽量木材を多数在庫した場合、季節に寄る気温と湿度に敏感なので、湿気を含んで湾曲し・・・乾燥すると湾曲を維持してしまうので、特に厚さ10mmとか20mmの定尺バルサ(80×900)は指定の厚さよりも薄い角材しか採れなくなったりします。板目の厚さ20mmのシートが普通に木目に沿って湾曲するんですなあ・・・。脅威と言えば脅威・・・。
          
● (Part-7・8)辺りで製作してストップしていた尾翼周りの取り付け加工を行います。当工房に対抗意識をメラメラと燃やし捲って独自の製作記事を記載していたネット物知り博士のモデラーさん・・・。大手メーカーのレーザーキットすら真面に組めない彼に・・・このキットは難しいだろうなあ・・・って思ってましたが・・・。やはりか~・・・水平尾翼の迎角を間違えて、お山からモーター全開でぶん投げた???・・・らあ?・・・。モーター全開のまま谷底へ真っ逆様あああああ(笑)・・・。必死のプロポのアップ操作も効果無く・・・。馬鹿みたいに何セル搭載したの?・・・。モーターのパワー魔改造・・・水平尾翼の迎角ミス・・・改良と称した無謀な改造を知識も無いまま行うと、大事故に繋がります。お山の麓は牧場・・・。牛舎の屋根に刺さる勢いで墜落したみたい・・・。ラジコン保険無加入の博士君・・・一生懸命!お仲間掲示板にて、飛行機メーカーのキットやらプロポメーカーの欠陥を訴えていたが・・・全てアンタの無謀な改造が引き起こした過失だって事に、早く気づいてくれよ。・・・って・・・このお仲間掲示板のモデラー諸氏全員、同じ穴のムジナだから、永久に原因究明には至らないでしょうなあ・・・。

● まあ・・・確かに、この解説図と好い加減なバルサブロックの部品の内容ではねえ・・・。ネット物知り博士には永遠に理解不能だよなあ・・・。多分印刷ミスだろうとは思うんだが、水平尾翼の迎角(+1,5度)と表記してるんだが・・・実際には(-1,5度)と表記して欲しかったよなあ・・・。水平尾翼の迎角ってのは、機首上げ方向に働く表記なので・・・画像の場合は機首下げ・・・マイナス数字の表記なら解り易いんだが・・・。この指定の迎角・・・実際に正確に付いてるのかさえ解らない・・・。フラットな一枚板のスタビライザーなら測れるんだが、両面に均等なアールを有するスタビライザーの場合、実際に組立てた後では正確に付いてんのか?って判断も難しい・・・。で!・・・キットには存在しなかった本機の水平尾翼専用のゲージを作る事になりそうですなあ・・・。
 
● 本来の解説の指定なら、左右分割の主翼も・・・水平尾翼も・・・其々6mm×4本と5mm×2本のナイロンボルトで、其々胴体に固定せよ!って記載してあるんだが・・・。まあ・・・本機自体が初心者でも扱えます的なキット構造と飛行性能では無いです。どちらかと言えばキットを作り倒す玄人向けの内容・・・。本機の場合は主翼の固定にはナイロンボルトからステンボルトに変更する為に、水平尾翼の固定は主翼用の6mmのナイロンボルトを使用します。よって寸法カット・・・。本機をキット化したリチャード氏は、手っ取り早く有名人を目論む日本国内のモデラーにも対応出来る内容にするんだったら・・・主翼用のウィングボルトは金属製にするべきだった・・・。とにかく手っ取り早く・・・のモデラー諸氏は、スロープサイトにおける着陸が下手くそです。斜面においての着陸はグランドループが当たり前・・・減速無しで突っ込むグランドループ・・・そら!胴体から主翼がモゲルわなあ・・・。
          
● 水平尾翼を胴体に固定する為の、ボルト用台座と成る爪付きナットを取り付けます。ただですなあ・・・この径のボルトに対してならではのごっつい爪付きナットにも関わらず・・・埋め込む台座側のひ弱な事・・・。取り付け後に何らかの手段を講じて補強を加える必要が有りそうです。
 
● 本来の爪付きナットはカチ込むのが普通なんですが、内部構造が出来てしまった状態ではカチ込む事は不可能です。よって外側から代用の金属ボルトを締め込んで圧着させ・・・サイド抜き取ってから爪付き面にエポキシ接着剤を充填して締め込んで密着したら、その周りも目張りする様にエポキシで塞ぎます。
 
● 内径が6,1mmのビニールパイプをスタビライザー(水平安定板)に埋め込み、翼型に合わせてサンドホルダーで成形しました。胴体側の固定ナットはピッチ66mmで設定して取り付けましたが、この決定はスタビライザー側のピッチが先に決定しましたので其れに順じてあります。
          
● 本機はキット指示とは違い、バーチカル(垂直安定板)とラダー(方向舵)をビス二本で分離できる様に改造しています。よって構造を変更すれば、胴体機尾の先端板に爪付きナットを埋め込めば垂直尾翼本体も分離する事も出来ます。しかしながら・・・閲覧モデラー自身が全員追従できる改造でもありませんので、本機のバーチカルは接着固定する予定です。ところが・・・本機のこの垂直尾翼は、他の同サイズの機体から見ても50%以上デカいので、取り付けてしまうとその後の作業の妨げにも成ります・・・。よって最後に接着固定する工程で作業を進めます。
 
● 成形キャノピーの上部から露出していたコクピット固定用のビスのガイドパイプですが、このままでは削り落とす時に振動で外れてしまう事も考えられましたので、グルーガンを使って成形キャノピーの両面から溶剤を充填して固定しました。よってガン先の熱で成形キャノピーが変形しない様に・・・または余計な所に溶剤が拡がらない様にマスキングして充填しました。
          
● 本来ならスモークブルーの溶剤がベストなんですが・・・ほんの僅かしか使わないので、数十本入りの溶剤を別途購入するのも勿体ないので、ドラ君イルミ用の少量溶剤で代用しました。このキャノピーは此処で塗装が終わった訳ではありません。まだまだ胴体の本来の塗装が残っていますので、絹張り完成後の作業でキャノピー自体にも艤装としてのライン塗装が待ってます。
          
● 機首側のスキッド(番号218)の取り付けに入ります。このスキッドの解説をしている(15F)の項の文中に出て来る(Front of the skid(178)・・・の件・・・、(178)は胴体のフレームの部品ですので、多分印刷ミス・・・。本項の組立には一切関与していません。よって解説図の通りにスキッド(218)を優先しましょう。

● 本機のスキッドは、キット仕様とほぼ同じ取り付けなんですが・・・。胴体最下に位置する曳航索のレリーズフックがキット仕様とは根本から変更されますので、一部加工に寄る改造を行わなければ成りません。よって此のレリーズフックは・・・キット付属のアルミパーツを使った当工房オリジナルの自作ユニットと変更されます。(Part-42へ続く)