● Ange du bent-SSGの製作 (Part-5)


● 主翼の抜きに入りました。尾翼程簡単には抜きは進みません。全長900mm・最大幅400弱のシートを抜き捲る訳ですが、両翼合わせて120か所以上の大小細々した箇所を抜いていきます。暫くは・・・単純作業の時間でしょうね。私の記事の面白さを解ってくれるモデラーさんの弁ですが、製作過程毎の大変さが良く解るとの事。タイムワープばっかりの記事は三時のオヤツの閲覧記事としては面白くないそうですよ。

● コメントしないけど見てるよ~っていう大御所さんが多いのも私のページの特長です。リアルタイムというか、製作時間の経過具合が自分の経験値と似通ってると面白く読めるみたいですね。自分達の時代には無かった素材を多用して、昔の機体を作る過程が共感を呼ぶのだそうで・・・。専門の加工機械を使わなくても作れる昔欲しかった機体の製作記事ですからね~・・・。もう・・・歳だから無理だあああああ~って、諦めかけていた昭和二十年代生まれのツワモノモデラーさん達が続々と復活参戦してきています。身体は衰えても頭の中は昔の杵柄振り回しも可能です。この工法なら、飛行機だけに留まらず・・・ヨットやパワーボートも作れます。多くの昭和のモデラーさんの復活参戦を望みます。

● 基本的には完全対称翼も半対称翼も作図は同じなんですが、本機の主翼は半対称翼なので切り取り加工は少々複雑になります。よく切れる薄刃のカッターナイフを使って、何度もなぞりながらボールペンでトレースした約1mm外側を切り落とします。少々斜めに切れても良いですが、翼側に傾き過ぎない様にカットします。

● 部材を5mm程浮かします。直角の出ているサンドホルダーで翼型の小口を成形していきます。この時、一か所を集中して削らず、全体面を均等に削る感じで少しずつ落としていきます。ホルダー番数は60番から80番の粗目のサンドペーパーを使って下さい。削りが進むと返りが出て来ます。削る感覚を覚えると削り過ぎなくなりますが、目安としてボールペンでケガいた線が一部浮いて来たら、それ以上進むと削り過ぎになります。

● リブの両端に見える二本の短い線が、上下のリブ材のカットラインとなります。最初に翼下面からの作業となります。ボールペンでトレースした線の真ん中を切る感覚です。この時はなるべくカッターの刃先はスチレン材に直角に入る様に慎重に作業してください。

● 加工する時のスケールは材料寸法よりも若干長め・・・材質的に重め・・・そして厚めの物を使うと良いと思います。主翼の下面ですからかなり細く薄い部材となりますので、慎重に加工しましょう。

● これだけ広範囲に抜いてもまだ最初に設定した形状を維持していますが、持ち上げるとペラペラです。此処に加工したリブ材下面分をセメダイン接着剤で貼り込んでいきます。木工接着剤よりも確実です。何故なら有機溶剤なので、スチロールの表面を溶かしながら、溶着という化学変化で接着硬化するからです。

● 主翼上面のリブ材を貼り込む前の加工です。幅が狭くなるので加工し易い様に範囲を広げます。カッターで切り込む際の手持ち部分の範囲を広げる為、大きめのスチレン材とセロテープを使って合体させます。この時、両方の接合面をそれぞれ正確に直角加工しておくと作業が大変やり易いです。接合して持ち易くなりましたので、下面加工と同じ要領で作業を進めます。

● 下面加工と違いセロテープで固定した面を押さえてサンドホルダーで削り落としますが、この時接合面が綺麗に直角同士でないと、リブ側が浮き上がり削り小口面が斜めに仕上がってしまいますので注意しましょう。画像ではリブ材がはみ出していますが、翼中央側を基準でトレースしたので、それを基準に貼り込みます。厚みが5mmあるので、全後縁に沿って切り落とします。

● 主翼に埋め込むパイプ型のカンザシを受ける外パイプを収める断面正方形(17mm角)の箱を作ります。このスチレン構造は、何度か試して・・・意外と具合が良いので今回も採用しました。ただし、直径14mmの丸いパイプを厚さ5mmのスチレン板のど真ん中に正確に固定するのは至難の業と言えます。

● どんな構造でもどんな機体でも主翼二分割で、胴体側面にカンザシで結合させる構造は慎重にやらないと必ずズレます。ズレの矛先は・・・主翼の捻じれ・・・が代表格ですね。主翼自体は左右とも捻じれていないのですが、胴体のカンザシを通すと捻じれます。何か解決方法は無いのか・・・、一応あるんですが、果たして・・・閲覧中のモデラーさんが利用するか!疑問です。

● オーギセイルプレーンのフロッシュ(ケロちゃん)のキットを作った人なら知っています。私の機体では、(Lo-100)の主翼取り付け部分で採用しています。基本的には、ショルダー翼でも胴体のセンターブチ抜き翼でも、この構造を使えば狂いの無い主翼接合が可能になります。一応来年のラインナップにこの構造を用いた機体の製作が始まります。多分・・・自作モデラーならば、理解は早いと思いますよ。胴体から流れる様なフィレットも自由自在ですから。一部は(EP-HUNTER)でも使ってます。

● L型のバルサの部材にパイプ直径と同じ幅14mmの胴枠を入れます。この枠は単なる幅出しの衝立に過ぎませんので、瞬間高粘度をスポットの範囲で接着します。後で取り去りますので・・・。

● コの字型のバルサの箱を作りました。箱の高さは14mm、パイプの外径と同じです。私の機体の殆どが二分割主翼の場合は、パイプ孔を正方形の角孔で加工しています。キットは丸穴が普通なんですが、製作上のミスでこの丸穴がどれかのリブでズレた場合、組み込まれたパイプ孔を移動させるには・・・綺麗な半円を削らなければパイプは移動してくれません。

● しかし、パイプの外径にぴったりの角孔の場合は、移動させる面のセンターのみを僅かに削るだけでパイプはスムーズに移動します。移動が完了したらエポキシで角孔とパイプの隙間を埋めてやれば良いのです。今回は角パイプの方が主翼に収まり易いので、丸パイプなんですが外見は角パイプにしました。(続く)

◎ Ange Du Vent(Blue-Angel-SSG)の製作記事再開

● 昨年より掲載して来た(Ange-SSG)の記事なんですが、製作途中で仕様変更となりましたので一時ストップしていました。その間・・・製作記事再開のご要望メールが沢山来ましたので、続きを書き進めて行きます。実は既に製作したサンダーバードSSG(サンダーバード60F3A)・スカイマスターSSG(スカイマスター60F3A)の二機種(モーメントカテゴリーはワイルドボアⅠ型)の不具合箇所の変更が重篤だった為、その改善に時間が掛かってしまいました。

● 上記のアルミパイプによる主翼二分割構造で製作した二機種だったんですが、飛行中には何ら異常は無かったのですが、着陸の衝撃に耐えられず・・・アルミパイプが僅かなんですが湾曲したらしいと各オーナー氏から連絡あり・・・。サンダーバードは日本国内某サイトから・・・スカイマスターはドバイから(強烈な熱上昇風とスロープサイトを沢山持ってるお国です。日本の砂丘なんて子供騙しだああああ!。無動力SSGがプカプカ浮いちまうサイト・・・羨ましい限りで・・・。)

● アルミパイプのカンザシは今回も使用してるんですが、分割主翼側のカンザシ受けに大きな変更を行いました。ヤフーブログ・ラジ絶さんのシュワイツァー1-26の受け構造をそのまま採用させてもらいました。ただし・・・主翼がシュワイツァーよりも薄いテーパー翼ですので短いんですが、その分胴体固定のカンザシユニットのアルミパイプの直径を大きくしました。上記二機種のオーナーさん其々には、主翼のスチレンベースとリブの形紙を其々送って丸投げ製作をお願いした次第です。愛知の(hukihaurab)さんへ・・・、ラジ絶さんの過去記事から1-26のカンザシ受けの製作画像を探して下さい。まんま同じ構造になりますから。

● 現在(またたび電器)の店主ネコバスさんと、電器屋稼業に明け暮れています。強烈な海風に晒されたまたたび電器本社ビル(二階建て店舗兼自宅)は鉄筋構造・・・。長年の経年変化で外壁はボロボロに・・・。ネコバス氏は今年還暦・・・赤いちゃんちゃんことベレー帽を授与されますが、本人は嫌がっています。我が町口之津町のアマチュアバンド(エビス)では、チュー二ング兼サイドギターで参加しておられます。「トンビは何か楽器は出来んのか?。」の問いに・・・「カスタネットぐらいなら・・・。」って答えたら、「聞いた俺がバカやったあああ・・・。」・・・。お役に立てずゴメンナサイ・・・です。でもでも・・・昔~しの杵柄ならば、基地の上官にトランプ麻雀で負けた代償として無理矢理入部させられた軽音部・・・。トランペットを身体がデカいからやれ!って・・・上官の命令には逆らえず・・・。飛行機作りながら口にはペットのマウスピース咥えて、ドレミ音階の練習・・・。現在でもスタートレックのメインテーマ(ウルトラクイズの主題歌)ぐらいなら吹けるかも・・・。で!またたび電器本社ビルの補修に明け暮れる毎日です。現在・・・電気溶接と格闘中・・・。どっちが本業か解らなくなってきた・・・。まだ~・・・ペンキ塗り・・・ブロック解体・・・生コンこねこね・・・何時終わるんやろ・・・。明日は地元お寺の保育園の壁面4メーター頭上のクーラー室外機の交換・・・。高所作業車なら簡単なんだが・・・二段ハシゴ(アップスライダー)と背負子で担ぎ上げですかあ・・・。う~む・・・体重90キロと30キロの室外機・・・此処までの体重増加・・・まだ経験ありません。

● 新しい発見なんですが、電器屋さんにもラジコン転用パーツが目白押しでした。主翼も胴体も自由にカーブ出来る配管パイプ(クーラーの水抜きドレーンパイプ・じゃばら式)・大小アルミパイプが沢山採れるテレビの屋外アンテナ・・・等、大ゴミ扱いのデスクトップ型パソコンにはCDロムモーター(多極型ブラシレスモーター)が・・・月一の家電ゴミ屋さんが来るまで、デスクトップからモーター抜き捲ってます。
 
● 水平尾翼に其々の前縁補助材・後縁補助材を取り付けます。中心軸材となる厚さ5mmのスチレンベース材の小口には、既にスチレンと同じ厚みの3×5mmのバルサを貼り込んでありますので、通常木工ボンドでバルサ材を接着する事が出来ます。この構造ならば分割翼にしなければ、設計図面に全く狂いの無い寸分違わない翼を作れます。
 
● バルサキットの主翼を作る場合・・・図面通りに組んでいるんですが、仕上がった主翼の後縁が若干凹み出っ張り気味に湾曲した経験はありませんか?。これは、材料自体の僅かな湾曲が組立てる際に他の湾曲材料の組み込みで増幅され、最終的に表面化した為に起きた現象です。

● この後修正の難しい後縁湾曲を皆無にする為の構造が、本機を含むスチレンベースの翼構造体となります。多分・・・百戦練磨のベテラン氏が組んでもキット初心者が組んでも・・・上記画像の様に後縁側・前縁側は必ず直線に仕上がります。よって、後縁側にはエレベータ(昇降安定板)が取り付きますが、必ず直線に成るのでヒンジラインが取り易くなります。ただし!・・・このスチレンベース材自体の前縁・後縁の小口が湾曲していたら、この仕上がりは得られません。製作画像を見ながら必ず直線に成る様にアングル材使用のサンドホルダーで小口の直線を出してから組み込みを進めましょう。
 
● リブにボールペンで予め記入してあった位置にメインスパーを取り付ける為の加工を行います。別に入れない場合は其のまま全面プランクでも良いのですが、本機の場合は内部構造が解り易い様に部分プランク仕上げとします。3×3mmのバルサ棒を専用卦引き工具にて切り出し、木工ボンドで取り付けています。

● このスチレンベースの翼構成なんですが、私が虫食いだらけのスチロールコアと呼称しているので、新しい構造だと平成のスチレン世代は勘違いしている様なんですが・・・。実は昭和40年代から当たり前に存在したスチロールコアの主翼と何ら変わりありません。スチレン世代・・・いわゆるネット普及後のマニアの最も悪い所なんですが、百戦錬磨のベテラン氏がスチロールコアを製作する熱線仕様の自作道具を掲載すると、一発勝負で誰でも簡単に作れて加工出来ると錯覚しています。

● このスチロールの切り出し工具ですが、本体製作も一発製作は無理ですし・・・コアの一発加工も無理です。必ずなんですが、切り出し工具の材料集めの段階で挫折してしまいます。細かい工夫の切り出し工具の内容すら見抜いて解読していませんので、コアの切り出しまで中々たどり着けません。どんなに要領の良い初心者さんでも最初の一発でコアを上手に切り出す事は出来ません。まあ・・・途中で投げ出し・・・掲載したモデラー氏の知らないお仲間掲示板で頻りに陰口ぶ~垂れるしかないでしょう・・・。

● この虫食いだらけのスチロールコアと表記している翼構造を理解しようと目ん玉ひんむいているモデラーには、既にこの構造が熱線切り出しのスチロールコアとだぶって見えている筈です。この翼構造の抜けている部分を前部スチロールで埋めたら・・・、スチロールコアの翼構造と同じに成ります。むしろ・・・分割仕様のパイプ埋め込み加工なんかは、ムクのコアに加工をするより正確で簡単かもしれませんよ。
 
● 画像は本機のエレベーターロッドに使用するテトラ製の(PAフレキ・品番2132)です。長さが1200mmありますので、全長1600mmの胴体のロッドとしても使えます。本機は1000mmで使いました。黒いアウターパイプの中を半クリアの星型パイプが走り、その内部にピアノ線のロッドが走ります。

● 元来はこの三点セットで使うのがベストなんですが、本機は無動力のグライダーですのでピアノ線のロッドは使用しません。使い方はOK模型のEZ飛行機と同じなんですが、ロッドエンドの処理が当工房の独特のリンケージと成ります。せっかくの小袋なんですが・・・このパーツは・・・一部しか使用しません。
 
● 当工房の様な機体には必ず使う工具の紹介です。ストリング材・胴枠・一部プランク済みの胴体に、ロッドパイプの溝加工をする為の自作工具です。一般的な機体には無くても困らないのですが、当工房の機体には無いと困る工具の一つです。機体を作る度に専用ホルダーを作るので、このタイプだけで100種類を優に越えています。使用するサンドペーパーは#60番です。スチレン材は柔らかいので削る時は目の細かいサンドペーパーで!っと、スチレン機のモデラーさんは言いますが・・・番数の多いペーパーで擦ると摩擦熱で余計に削れません。スチレン系をゴリゴリ削りたかったらなるべく目の粗いペーパーを使いましょう。
 
● 本機のラダーはテグスワイヤーの両引き仕様と成っています。と言うよりも・・・大型機だろうが小型機だろうが・・・ラダーのリンケージには必ずテグスワイヤーの両引きを使ってます。昔ながらのバルサの丸棒ロッドでも、フレキシブルロッドでも・・・なるべく直線のリンケージをしないとバックラッシュが出ます。言い換えるとニュートラルが甘く成り易くなるという事です。

● その点この両引きのリンケージは、実機同様に遊びが極端に少なくなるのでニュートラルが出し易くなりますし、風圧による舵面の打ち負けが起き難くなります。ラダーをどちらかに傾けて、舵面を掴んでみましょう。かなりの力で踏ん張ってくれます。
 
● エレベータは左右単独のサーボでリンケージしています。重複ミキシングを使ってエレボンとして機能させますが、エレベータにエルロンの代わりをさせる目的ではありません。エルロンとしての機能は主翼に任せ、水平尾翼は主翼のエルロンとミキシングして相反エルロンとなります。デュアルレート機能による機体の反応速度を狙っている訳ではなく・・・低速時・・・例えば着陸進入時のスピード低下における舵の遅れを補正する目的があります。(Part-6に続く)