MD-11型 (福さん機) 組み立て説明書 Part-10

 ※ 本機の胴体は、組立てに順序が存在します・・・。前後の胴体を結合させてからでは、尾翼は組み込めません・・・。其れは主翼の固定台が邪魔してるからじゃ無いんです・・・。私でも腕が届きませんので、多分福さんも腕の長さが足らずに届きません。よって胴体を結合する前に、後部胴体のみの状態で尾翼を取り付けます。
 
● 最初の作業は、エレベータのリンケージです。後部胴体の左右側板にあるサーボベットに、エレベータサーボを固定します。まずは・・・ベットを外しましょう。画像に見える6本のビスを緩めて下さい。多分・・・福さんでも手の平がやっと入るサイズでしょうから、緩めるドライバーはなるべく短いサイズが良いですよ。最初に緩めるのはフレキシブルパイプを固定している二本のビスです。この二本は緩めるだけで良いです。
 
● 4本の角ビスは長さが10mmです。空回りする位なら・・・ビスはベットに着けたままの方が良いです。ベットの手前にはストッパーが有りますので、其れを指先で摘まんで少し持ち上げる様にして手前にスライドさせれば外せます。此処から先はサーボを固定する為の作図ですので、ビスは外して無くさない様にして下さい。
 
● サーボベットには裏と表が有りますので、間違った面で作図しない様に注意しましょう。ベットには一本の直線が引いてあります。此の直線上にサーボホーンの中心が来る様に、直接シャーペン等でサーボの取り付け位置を作図して下さい。PVC樹脂のブラケットの一番大きいサイズを二つ使って、サーボ本体をベットに固定します。このPVC樹脂は瞬間接着剤との相性が抜群に良いです。ただし!接着には流れない様に高粘度タイプを使って下さい。
          
● 先にサーボ側のブラケットに、PVC樹脂のブラケットをサーボ付属のタッピングビスで固定してから、高粘度接着剤でベットに接着した方が、作業性は良いです。画像の様にPVC樹脂のブラケットの先端と、ベットのビス孔が干渉する時は・・・PVCブラケット側を切断して下さい。このPVC樹脂なんですが・・・接着した後に再度剥がそうとすると、ベニヤの表面を皮一枚むしり取る位に完全に貼り付きますので、必ず位置を作図してから接着しましょう・・・。
 
● 水平尾翼の取り付けを行います。左右分割の水平尾翼を、カンザシに差し込んで左手で固定します。右手にはビスを摘まみます。このアプローチでしか今の所取り付ける方法はありません。画像に見える小穴はもちっと前後方向に大きく解放させる方が良かったかも知れませんなあ・・・。このハッチからは水平尾翼の固定ビスは廻せないでしょう・・・。
 
● 私の利き腕でも肘先まですっぽりと入れなければ、ビスが取り付けられません・・・。指先で可能な限り締め込んでから、今度はヘックスレンチを使ってしっかりと締め付けます。本機の水平尾翼は、右側の水平尾翼の取り付け角が基準です。よってビスで固定すると動きません。左側の水平尾翼は、カンザシパイプを軸として僅かに上下出来る様にガタを設けてあります。此れには理由が有りまして・・・、どんなに調整しても後部胴体は僅かですが右方向に捻じれています。よって、飛行中にそのクセが露見するんです。飛ばし込めば必ず・・・この細かいクセが気に成って来ます。

● 画像の様に尾翼後部から片眼を瞑って水平尾翼の捻じれ具合を観察して下さい。エレベータをセロテープ等でニュートラル位置に固定し、左右の水平尾翼の上面が同じ範囲で見える様に成るまで、左側の水平尾翼の取り付け角度を調整します。此れが福さんが決めた本機の水平尾翼の一応のニュートラルです。飛行中は左右のエレベータはミキシングして動きますが・・・、もしクセが出た場合は送信機側でエレベータの動きを調整します。左右のエレベータに差動が見られた場合・・・左側の水平尾翼の取り付け角を変えればクセは取る事が出来ます。その為の意図的なガタです。よって水平尾翼後部のビスは、この時点では組み込みません。完全に調整が済んだら取り付けて下さい。水平尾翼の前縁側のビス孔を強化しましたので、水平尾翼の固定は前縁側一本の固定で大丈夫です。
 
● さて!・・・本機が電動ラジコン用として開発されたのなら、胴体内部に高出力の動力バッテリーを搭載するんですが、その為には冷却用の空気の流れ道を最初から設定しなければ成らないんですが、本機には其れがありません。よって本機の素性が置きの模型ディスプレイ説が浮上しているんですが・・・。仮に飛びの模型として開発されたとするなら、グラス製ポッドに40クラスのぐろーENGを搭載するのであれば、胴体内部を冷却する必要が無いんです・・・。

● この機体を誰がEP仕様に出来ると勝手に言い出して、セールスしてるのか・・・。其処が問題なんですよ。無動力のスロープ専用機として開発された機体は、無動力用の翼型を使ってある程度の性能が出せる様に作ってあるのに、無理矢理機首先端をノコギリで切ってブラシレスモーターを取り付けてグランドで飛ばそうとするんですが、元々が無動力用の翼型と主翼の迎角なので・・・グランドで飛ばせる飛行機にしても高性能機には成りません・・・。自分の勝手な改造で性能を落としたのに、此れを販売メーカーの不始末としてお仲間掲示板でぶ~垂れる・・・此れが、平成に成ってからラジコンを始めたモデラーさん達です。

● よって!・・・元々がグローENG搭載用に作られた飛行機の電動化には、其れに対応出来る機体と出来ない機体が存在します。よって本機はどれに該当するのか?・・・。ディスプレイならミテクレ第一なので、完全スケールで部品が一通り揃っていれば良い訳なので、飛ばす必要が無い分造りが好い加減でも良い訳です・・・。そのディスプレイ仕様機を請け負った下請け業者が、飛びの模型として其れっぽくアクセサリーパーツを付属させて販売したのなら、本機はテストフライという過程を踏んでいない可能性も有ります・・・。そうなると!・・・本機にとって一番重要な空力重心位置の設定も解らないって事なんです・・・。要するに・・・昭和の黎明期からの模型歴を有するお店の雰囲気の38親分なんですが、昭和のモデラーとDFフリークのモデラーが見ると・・・38親分は平成の便乗組だってバレるんですなあ(笑)・・・。記載している親分の文面と、数多く掲載している画像とにギャップが有るので、玄人さん達は手を出さないのですよ・・・。
          
● ところが!・・・本機は電動仕様をセールスしてるのに、バッテリー冷却用の吸気口も無ければ排出孔も設けてありません。本来ならば、専用の冷却口が機首側の何処かに作られて・・・気流の排出出口が機尾の先端辺りに作られているんですが、其れが無いって事は置きのディスプレイか・・・グローENGツイン搭載のレシプロ設定のセミスケール機って所に落ち着く訳ですよ。よってグローのピストンENGなんですから、ある程度のエンジンの振動に耐えられる構造にするのに、グラス製の胴体を使ったと仮定するなら・・・この機体の素性がハッキリと解ります。そもそも・・・機体構造の詳細な検品もしないで、浅い知識のみで電動化が可能とか・・・動画サイトで見た海外の本機の魔改造例であるジェットエンジンも搭載可!・・・だの謳うからトラブってしまうんですなあ・・・。

● しかし・・・取り敢えず、電動化する為の機体の軽量化と飛びのモデルにする為の改造を続けて来ました。機体のデザインを大きく変えない様に、バッテリー冷却用の吸気口と排出口を造らなければなりません。この後部胴体のサービスハッチに設けたスリットなんですが、胴体の表面を渦を巻いて流れる気流の剥離現象を使った排出方法です。航空機のパニック映画で、機体に大穴が開くと機体内部から物や搭乗員が吸い出されて行くでしょう?。此れは内部の気圧と外部の気圧が違うからなんですなあ・・・。

● 本機の胴体を側面から見ると・・・フラットボトム翼を上下逆さまにした様な形状をしています。胴体下面の方が胴体のアールが大きいので、揚力は下向きに発生しています。よって胴体表面には無数の渦が発生するんですが、此の渦の力を使って胴体内部の空気を吸い出すのが目的です。吸い出すと言う事は・・・機首方向から後方に空気が流れるので、インテーク(吸気口)を設けてやれば、勝手に吸い込む訳でしょう・・・。この気流の流れを利用してバッテリーを冷却します。本来なら専用ダクトを設けるのが良いんですがねえ・・・また重量増加に成るので作りませんでした。どんなにグローエンジンよりも回転数が上のブラシレスモーターでも、ハイトルクを有し大直径のプロペラをぶん回せる内燃機関には敵わないんですよ。よって重量増加は電動ラジコン機にとって大きい負担に成ります。
 
● 此方も渦を利用したインテークです。引込脚だと不可能だったんですが。固定脚なので吸気口に余裕が出て来ました。渦流で吸気口に強制的に空気が溜まり・・・其れを胴体内部に吸い込むので・・・此れが実機なら搭乗したお客は堪りませんが、バッテリーにとっては好都合!・・・。
 
● ぽっかりと開いていた機首のタイヤハウスなんですが、必要最低限のメンテナンス性を残して完全に塞いでしまいました。F3A機のノーズストラットのタイヤハウスみたいですなあ・・・。専用のバキューム成型のタイヤハウスまで抜き取って、別売りなんかにするからおおごとに成ったんですなあ・・・。いやいや・・・38親分の商魂たくましい販売方法、国内の老舗模型店からはブーイングの嵐でしたよ・・・。知らないのはご本人さんだけで・・・。
          
● さて!・・・前後の胴体の作業が終わりました。いよいよ!・・・胴体を結合します。この時に使用するのは、画像みたいな柄の長いドライバーです。短いドライバーも使えますが、指が邪魔してドライバーがビスの頭の溝に垂直に当たりません・・・。成らば電気ドリルやインパクトドライバーで!・・・を使ったら、捻じ切れてしまいます・・・。6本の各箇所のビスを均等に少しずつ締め込まないと、前後の胴体の勘合面は正確に結合出来ません。
 
● 画像の変形ヘックスレンチなんですが、私にも便利・・・多分福さんにも便利なツールと成ります。エル型のレンチの両端を、ダイヤモンドカッターで短く加工しました。この先端に指先で廻せるギザ山付きのつまみを取り付けました。此れはチューブ式の洗濯糊のキャップです。孔を二カ所開けて加工したヘックスレンチを通して、隙間にクイックメンダーを充填して硬化させました。水平尾翼のビス止めの最初は、利き腕の指先なんですが・・・ベニヤの台座が邪魔して最後まで締め付けられません。この際・・・この変形のヘックスレンチを差し込めば少し指先に力が入れられるので、更に締め込む事が出来ます。最終的な増し締めは正規のヘックスレンチを使うとして、其れも一回転に満たない場合ですが、残り数回転の増し締めを正規のサイズで!・・・ってのも、これまた締め込みが大変・・・。まあ!作業性向上の為の自作お助けツールですよ。
          
● この装置は治具台に組み込んで、補助主翼を取り付けた胴体を載せ・・・水平尾翼のニュートラルな取り付け角を探す時に使ったシーソー台です。この装置なんですが他にも機能出来る使い道が有るので、福さんにお渡しします。一部、胴体側の主翼カバーを外した状態で使いますので、この画像を観ながら重心位置の調整をして下さい。
          
● メインギヤの支柱を基準に、シーソーのセンター(ビス位置)から25mm付近に成る様に機体を置きます。本機の説明書が無いので正確な位置は解らないのですが、本機がディスプレイ設定では無い事を信じて言わせてもらえば・・・模型飛行機の場合、実機程のエンジン出力が無く、離陸シーケンス中の滑走スピードも実機程は出せませんので、セオリー通りなら重心位置は、メインギヤの支柱から機首側へ25mm辺りに設定していると思われます。よって、この位置に機体を置いて胴体に固定するアンプやバッテリーの位置を決めます。

● この重心探しの状態ですが、DFのポッドにはDFユニットを搭載し・・・各動翼にはサーボを取り付け、リンケージも終えた状態だと覚えておいて下さい・・・。この状態で胴体内部に搭載するメカの取り付け位置を探すんですが、一々主翼を外すのは大変な労力と成りますので、胴体上部に其々搭載メカと配線類を並べながら探しましょう。その搭載位置をしっかりと記録して、今度は機体を分解してメカを搭載します。
          
● 本来なら有っては成らない本機の現在の状態・・・。メカ等を全く搭載していないのに、三輪姿勢の状態で自律してるでしょう?・・・。此れはあまり善くない状態なんですなあ(笑)・・・。本来ならば後部胴体が尻もちを着かなければ成りません・・・。機首側を持ち上げて手を離すと、ゆっくりとした動きで、ノーズギヤがテーブルに接地します。今の状態はメインギヤの支柱の僅か2~3mmの機首側に重心が有る状態ですので、重心が後ろ過ぎていて・・・この状態で離陸させると浮いた瞬間にとんぼ返りで墜落します。要するに本機の空力重心よりも後方に重心が有るのでお尻が重い状態です。

● 原因の一つに垂直尾翼を軽くしたので重心が移動した・・・とも言えます。しかし見方を変えるとメリットも増したと思われます。後部胴体の空いたスペースに、バッテリーやアンプを搭載出来れば配線類が短く成るので、長い配線による電圧低下が少なく出来る可能性も有ります。尚!・・・DF設定で重心位置を決めた場合・・・此れをレシプロ設定に変更すると、また重心位置が変動する可能性も有りますので、その都度バッテリーの位置を変更する可能性も出て来ます。
          
● エンジンポッドをレシプロ仕様に交換して、ノーズギヤとメインギヤの支柱のネジ式スリーブも長い方へと入れ替えて、D(ダイヤ=直径)9インチのAPSペラを取り付けた状態です。ハイペリオン(Z-3025)のブラシレスモーターで使える最大限の直径は、9インチが限界・・・。此れ以上の大きい直径のペラは、地面との接触でペラの先端が破損する恐れが有るので使えません。一応4セルのツインなので、推力は単発機の2,5倍以上と言われています。要するに・・・推力が推力を生み出すので、モーターに負担が掛かり難い状態である事・・・。よって多発機の場合は、額面以上の推力に期待出来ます。其処がEDFよりも推力が有る!・・・と言われる所以でもあります。海外の頭の良いモデラーさんが頻繁に使う手口が此れなんですよ・・・。
 
● この場合・・・機首方向に向かって左側のポッドが正ピッチのペラを使用し、右側のポッドは同じ直径とピッチの逆転ペラを使用します。当然なんですが、搭載するモーターも逆転です。モーターには三本の入力コードが付属しています。此れを正逆入れ替えるだけで、モーターは逆回転出来ます。
 
● 当工房手持ちのAPCペラは、設計上必要なので7インチから9インチまでをインチ毎に数種類保管しているだけですので、逆ピッチのペラ等は持ち合わせていません。元々がグローエンジン用のペラですので、使用する時は電動用ペラ同様に、モーターの出力軸に被せるコレットが必要に成ります。モーターとAPCペラとの互換性を合わせる為のコレットなので、ネット上の画像だけでは正確な情報は得られません・・・。こういう時は現物を目の前で確認できる模型店に出向く事が必要です。ある程度の知識が手に入ってからなら、ネット上の画像を閲覧しての注文も可能には成りますけどね・・・。
 
● このAPCのプロペラは、モーター用とエンジン用を合わせると200種類以上が販売されていまして、世界中のモデラーが愛用していますので、かなりポピュラーなプロペラです。そのペラに使用されている翼型と形状はゲッピンゲンの捻じり下げ付きという・・・物凄く複雑な形状なのが特徴です。要するに・・・ペラが回転する時のロスを最小限に抑えた空力重視の翼型なので、起動させるモーターやエンジンに負担が掛かり難く、本来の額面以上の推力が出せると、世界中のモデラーの評価です。よって此れだけの種類が製造されています。
          
● ただし!・・・プッシャータイプとして販売されている逆ピッチのペラは、数種類しか有りません。必要なのは9インチなので表中の(9×6P)しか無いのが現状です。モーターなら簡単に逆転出来るので、正ピッチを裏返せばモーターなら即プッシャー仕様機に出来るんですが・・・、エンジンの場合は正転オンリーがセオリーなので、逆回転にする場合は自分で旋盤を使って一からエンジンを作るか、メーカーに発注して特別に作ってもらうしかありません。その場合・・・正転仕様の汎用エンジンよりも数十倍の値段がする特注品に成る事を覚えておきましょう・・・。よって本機に使えるのは(9×6P)の一種類なので、同じダイヤとピッチの正転ペラを使うしか方法がありません。

● このカタログ本は2007年版なので、現在なら双発機の汎用も大きく成ってる筈です。このAPCペラに勝るとも劣らずの他社のペラも増えてる筈ですので、ネットの教祖に聞くよりも・・・まずは町の模型店に出向いて、現物を前に自分の手で触ってみて購入を検討する事をお薦めします・・・。(Part-11に続く)