ANTARES Ⅰ型 (No-19) 山本昇氏オリジナル設定機 Part-11
 
● 主翼の前縁に貼り込んだ2mmの補助材は、上下の翼型のラインに合わせて削りました。本来ならば完全な丸みを形成して完成と成りますが、本機の主翼はまだまだ取り付ける部品が多いので、あちこちぶつけると凹みます・・・。削って仕上げた箇所が凹むと修正が厄介に成るので後回しです。此れもラジコン飛行機を作り倒すと気づきます。リブの側面にバルサの小片をクリップで固定しています。今からリブキャップを取り付ける為です。リブの厚みが2mm・・・小片の厚みが2mm・・・キャップの幅が6mmなので、片面の厚みを増して、そのラインに沿ってキャップを貼れば、リブのセンターにキャップが取り付けられます。仮にキャップの幅が5mmの場合は、1,5mmの小片にすれば良いですよ。
  
● 実際に作業するとこうなります。ただし・・・このリブキャップは、リブ自体が正確な位置で接着されている場合にしか使えません。此れは見た目の美しさのレベルなので、あまり飛行に影響を及ぼすレベルじゃ無いですよ。もし・・・リブを貼り間違って斜めに成った場合・・・何を基準に貼り込むかにも寄りますが、平たく言えばキャップ自体でズラして貼れば見た目のズレの修正は可能です。

● 平成のラジブームの時代に、このリブキャップは余計で意味の無い構造物と揶揄していたネット物知り博士が居ましたねえ・・・。彼の説によれば、キャップ無しでもフィルムは綺麗に貼れるのに、何で余計なモノが必要なのか・・・。キャップなんか素人程付けたがる・・・のだそうです。う~む・・・彼の説も一理在るので間違いだとも言えませんなあ・・・。ただし、彼のブログで紹介しているメーカーのバルサキットは全てがキャップ無しの構造・・・。まあ・・・メーカーがその構造を使ってるから要らないとは思うんですがねえ・・・。彼のブログでラジコン入門した初心者さん・・・無謀にも見様見真似で自作機の軽量HLGを作ったんですが・・・。自分のブログで製作記事をアップしてましたが、主翼の下面が凹んだゲッチンゲンに挑戦して、フィルム仕上げの段階で記事がフリーズ・・・。其の先の記載が完全に止まりました。ゲッチンゲンの洗礼を受けたんでしょうなあ(笑)・・・。リブキャップを貼ってたらねえ・・・接着面積が広がるので、剥がれて縮んでリブからフィルムが浮いちゃったあ・・・って事には成り難いのだが・・・。ブログの博士が要らないって言ってんだし、素人って言われるのも嫌だし・・・。まあ、経験不足が招いた事態なので、今後の経験の積み重ねで博士の考察が、全ての構造には使えないって事を博士よりも学ぶんじゃなかろうか・・・。
 
● ガルモデルの一条氏が設計した実機九帝五型のセミスケール機です。飛ばし易くする為に実機と違う変更を色々と各所に盛り込んであります。この五型の主翼はプランクシートが貼ってないスケルトンな構造なんですが、矢印で示したリブの上下の木口にはしっかりとリブキャップが張り付けてあります。此れも接着面積を増やしてフィルム張り時の食い付きを良くする工夫です。博士の説に有った・・・素人程リブキャップを付けたがる!・・・博士がこの世に誕生する以前の昭和40年代から、ガルモデルのキットを作ってるモデラーは、そして今も自作機にキャップを付けるのは・・・全て素人だから?・・・。物凄く失礼なお説ですなあ・・・。

● 印刷写真から見ても解る様に、本機の主翼はゲッチンゲンです。そら!もう!・・・QRPのロッキーよりも性能の良いゲッチンゲン翼ですなあ・・・。リブの枚数もロッキーよりも多いし、ロッキーみたいなプランクシートも有りません。博士のお説通りなら、この一条氏もド素人って事に成るんだが・・・。本機の主翼にはトランスパレントのイエロー(ソラーフィルム)を貼り込んであります。主翼全体のフィルム貼り込み面には、すべてクリアラッカーを刷毛塗って下処理を施し・・・フィルムの食い付きを良くしてあります。この機体の発表は昭和50年代の初期・・・あの名機(B-18)と同時期の製作です。(B-18)はキット販売されましたが、此方九帝五型はキット販売されませんでした・・・。

● 何故に販売されなかったのか・・・。此の令和に限らず、昭和の時代から物臭太郎な面倒臭がり屋のモデラーは多数居ましたしねえ・・・。おまけにゲッチンゲン翼でしょう?・・・。治具を作って組まないと、捻じれにも気づけないのがゲッチンゲン翼の特徴ですもんねえ・・・。そら!初心者はおろか自作に目覚めたモデラーにも難攻不落ですし(笑)・・・。この時代はまだ主翼に完全内蔵できる薄型のサーボモーターなんか皆無です。さて・・・主翼のエルロン操作をどうするの?ってレベルのお話・・・。
  
● ネット上のブログ(ラジコン絶滅危惧種)のラジ絶さんの過去記事に、自作の九帝五型があります。ラジ絶さんの機体の方が実機に遥かに近いんですが、此方一条さんの機体は飛ばし易くした設定なので、ラジ絶さんとは違い主翼に2°の上反角を付けてあります。よって自律安定性能が格段に良いのも特長です。実機にはイラスト記事みたいなセンターウィングはありません。一条機の場合・・・主翼二分割構造としピアノ線のカンザシ二本で左右の主翼を結合・・・。この狭いセンターウィングに当時のデブサーボ(標準型って言ってもこのサイズしかない・・・)を搭載・・・。サーボには(HINODE)のロゴがありますが、此れは現在の丹菊モデルクラフト(テトラ)の前身であるプロポメーカーです。

● 受信機から延びた電源コードに信号コードにアースコード・・・。当時はまだ4線式です。ラダーサーボとエルロンサーボをキャラメルコネクタで繋いで同時操作・・・。ミキシングの初期型ってこんな感じでした。この二股のコネクタはオプションパーツなので、プロポセットには含まれていません。昔はメーカーのダイレクト通販なんぞ在りませんよ。全てが街の専門的な模型店に注文して問屋を通じて取り寄せなければ入手出来ませんでした。平成のラジブームに増殖したネット物知り博士は昭和を知りません。平成のレーザー加工キットは、昭和の職人手作りのアナログな加工重機で刻まれた部品類のオマージュに過ぎません・・・。昭和のラジコン飛行機独自に誕生した構造が無ければ、今の進化したレーザー加工のバルサキットも存在していません。その辺りの歴史をもっと学んでから素人呼ばわりしましょうね。ホント!先人達に失礼な台詞ですなあ・・・。

● 本機の主要諸元の一部です。全長・・・1280mm・ 全幅・・・2370mm・全備重量・・・1960グラム・主翼面積・・・77,4d㎡・翼面荷重・・・25,3g/d㎡・・・初心者にも作れて飛ばせる軽量HLGのサイズとは行きませんが、自作モデラー諸氏が本腰入れて作れば出来ないサイズではありませんなあ・・・。多分・・・今のラジメカなら、かなり小型軽量なのでもう少しは全備重量が減らせるとは思いますが、まずは重心位置に重りを積んででも同じ重さでテストした方が良いかも・・・。ただ・・・ブラシレス搭載でグランド機にいいいい・・・は、やめといた方が良いですなあ・・・。機首が短いので重心位置にリポ搭載で・・・って、何処にハッチを付けるのか・・・。この一条氏のセミスケール設定の構造が、其れを拒んでる様に思えますなあ・・・。まずは一条氏の機体のアウトラインを一切変えずに初期型を製作・・・二機目以降に私的改造を加えた二号機を造った方が本来の基本性能の見極めが出来て良いと思います。最初から改良と称した手抜きの改造は、著しく性能の低下を招く恐れも有りますし、私的改造機の性能が普通だったら・・・一条氏のオリジナル機は、もっと性能が良かったって事にもなるやも知れません・・・。
  
● 上記で片面のみバルサの小片をクリップで固定して、リブキャップの貼り込み基準を取る方法を紹介しましたが・・・。画像みたいなリブを挟む構造の治具を使っても同じ基準が出せます。ただし・・・リブを両面の壁で挟む構造なので、リブ材を採寸し切り出したシートの抜き残骸で作らないと上手く収まりません。まあ・・・最初から段取りの一部として作っておくと、何れ治具として使える事も覚えておきましょう。ただ・・・お気づきのモデラーからのツッコミも有ろうとは思いますが、この治具は片面しか使えません。もう片面は別の治具を作る必要が有りますが、既に貼り込んだキャップが基準と成るので作りは然程難しくないですよ。
 
● 美的センスの極みですなあ・・・。素人さんでも治具を使えば、ある程度は正確な作業が出来ます。この抜き面のある主翼のプランク方法の起源は、まだ飛行機が複葉機の時代の羽布張り構造から来ています。ラジコン機みたいなリブの間隔じゃないですよ。リブ枚数はラジコン機の3倍以上は組み込んであります。当時はエンジンがまだ非力で、大きさの割には馬力が有りませんでした。そういう推力に見合う機体重量にするには、主翼も尾翼も胴体も抜き面だらけ・・・。まるで当工房のアーリーバードみたいですなあ・・・。その抜き面だらけの飛行機の構造体を軽量に仕上げ、且つある程度丈夫に作るには、布の貼り込み面積を増やせば良いのです。よって隣のリブとの間隔が狭いので、抜き面だらけの構造でも機体は丈夫に成るんです。

● ただですなあ・・・こういう構造の飛行機で空中戦をやってた時代が歴史の記録として残ってるってのが驚きですなあ・・・。昔の武器ってのが、射程距離の短い機関銃と胴体側板にぶら下げた筒に収めた垂直自由落下の爆弾のみ・・・ってのが、更なる驚き・・・。機関銃は射程距離が短いので敵機が離れていたら弾は山なり弾道なので届きませんし、当たっても跳ね返される(笑)・・・。接近し過ぎると今度は敵に先に打たれて自滅するかも知れない・・・。敵の背後に回って機関銃の砲座の死角から打つ戦法は、近代ジェット戦闘機の時代まで有効な攻撃法とされています。筒入り爆弾の垂直落下の発射方法ってのが、大いに笑えるんですけど・・・。単純に爆弾後部の紐をナタでぶった切っての発射(笑)・・・。何ちゅうレトロレベルのアナログ機構・・・。

● 多分・・・敵の機関銃もよく似た射程距離でしょうから、接近し過ぎなければダメージは少ないでしょうけど、羽布張りの機体構造ならパイロットを守る防弾壁も装備されてないので、パイロット自身に直撃弾が当たれば墜落するといった戦い方だったんでしょうなあ・・・。まあ・・・抜き面のある構造のラジコン機は戦争の道具に使っちゃダメなんですよ。平和利用こそが空物ラジコンの生き残る道かも知れません。「うおおおおお!凄いですねええええええ!・・・。」の特殊なラジコン機を国家が危険と判断すれば、その大元を絶てば良いだけですしね。昭和に比べると空物ラジコンの世界は随分エリアルールが厳しく成りました。熊本の有名ホームページの管理人が始めた電飾キラキラのラジコン飛行機・・・。普及したのは良いんだが、明確なエリアルールを最初に自制しなかったのでラジブームに乗じて広く暴走・・・。空物ラジコン該当の航空法改正事項には、ラジコン飛行機は昼間に飛ばせ!という注釈が付いたのを知ってるモデラーがどれだけ居るんでしょうなあ・・・。
 
● 今度は主翼上面側のリブキャップの基準を取る治具です。何やら当工房のリブ組み治具の部品みたいですなあ・・・。でもネタ元は其処から採用しています。リブキャップの幅が6mmなので、治具も幅6mmにセットして、下面側から差し込んでやれば良いんです。物凄く簡単です・・・。ただネットな博士の綿密にいいいいい!・・・のレベルからは外れた大変アバウトな造りなので、使用する場合は自己責任でお願いします。ブログの教祖様が使っちゃダメ!って言ったら、信者なモデラー諸氏は使わない事をお勧めします・・・。教祖を怒らせたら、掟破りの信者さんは仲間外れにされるばかりか・・・当工房まで粛清されてしまいますので(笑)・・・。
 
● 上下左右のワンピースの主翼・・・リブキャップの貼り込みに丸一日使いましたなあ・・・。此れがオリジナルな試作機だったら、其れもページ掲載なんかしませんしねえ・・・そら!もう!適当の極致・・・。本機みたいな大御所モデラーさんの機体は話が別です。最初の一機目だから最も重要・・・。アウトラインを一切変えずに、翼型もその各種設定も全備重量もかえなければ、当時の山本さんのアンタレスの素性が其のままタイムスリップして来て再現出来ます。だから好い加減にテキトーに・・・では作れないんですよねえ・・・。大分形に成って来ましたが、まだまだ細かい設定の工作が残ってます。だから製作時間が長く成りました。抜ける手順が全く無いのが山本さんの自作設計の機体・・・。
 
● う~む・・・。多分、自作モデラーなら誰もが悩むであろう箇所の工作です。此処が間違ってたら、本機の性格がコロリと変わってしまいます。一番重要な主翼の迎角(取り付け角度)の工作です。丸棒のピンダウエル二本から、平角の横に長いダウエルに変更したので調整は幾分楽に成るんですけど、基準がまだ無いので好い加減には工作が出来ません。主翼を載せる迎角用のゲージを作る必要が有るんです・・・。ゲージを作るのは然程難しくは無いんですけどねえ・・・。本機の主翼がフラットボトム翼なら単純に2°傾斜した三角材を挟めばピンダウエルの設定なんか物凄く簡単なんですよねえ・・・。ところが本機は丸い胴枠に半対称の翼型なので、アール面とアール面を合体させる設定です。よって考え中!・・・。本日は此処まで!・・・。現在深夜の丑三つ時・・・。背後に構えるOK模型の先代社長が、早よう寝ろ!って耳元で念仏唱えてますので・・・寝ます。こういう特殊な能力を身に着けてしまった私は、幸せなのか・・・不幸なのか・・・。まあ・・・先代社長は良いアドバイスもしてくれますしね。そないな造りじゃアカンやろ!・・・を無視すると、必ず糸鋸加工中に鋸刃が折れる・・・。まあ・・・開発室に勤務中と同じ状況ですよ。足音もさせずに後ろに立つ時は気配で解ってましたしねえ・・・。其れは自宅工作室でも同じです。ああ・・・来たか~・・・ってパターンですよ(笑)・・・。会話出来ないのが・・・ちと寂しいですけどね・・・此れ本音です。
 
● 胴枠の断面が丸かろうが・・・多角形だろうが、長方形だろうが・・・何も臆してためらう事は無いんです。原寸三面図はその機体のアウトラインの形状を記しているに過ぎません・・・。よって本機でも、胴枠の形状を変更すれば如何様な形状の胴体も作る事は可能です。主翼の迎角(取り付け角)を決めるゲージだって、三面図から寸法を拾えば作れてしまうんです。画像のゲージの前方が機首側です。3mmの段付けが見えますが、此処に主翼前縁側に固定する3mmベニヤの角ダボを固定する台座が付きます。其の為には、主翼の前縁側を削り落とさなければ成りません。しかし、迎角のゲージが既に決定しているのでその設定に合わせて加工すれば良いのです。

● このゲージならば・・・山本オリジナルの金属パイプのピンダボでも取り付けは可能です。この主翼前縁に取り付けるピンダボを設けた飛行機のキットは沢山ありました。ところが、胴体を完全に組んでしまってからでは、このピンダボの組み込みは大変難しいです。本機の場合はショルダー翼なんですが、ピンダボだろうが角ダボだろうが・・・主翼側の孔位置や角ダボの固定位置が一発で決められる様に、この主翼前縁側の胴体の胴枠(F3番)は、ゲージを使うと機首側から孔位置を探る事が出来るんです。今まで・・・キットを作っていて、ピンダボの主翼側の取り付けよりも、胴体側の受けの孔位置の決定にお悩みのモデラーさんは、このアンタレスを参考にピンダボの孔位置を決定して下さい・・・。
 
● ピンダボの孔位置の決定には、其れを必要とするキットの解説指示の場合・・・多くは大戦スケール機やF3Aのスタント機に多く用いられましたので、昭和の遺物キットに多くその痕跡が見られます。作り方としては胴体側のピン受け孔を有する胴枠の前方は、プランクする前に孔位置を決定します。そういったモデラーの難しさを改善する様に、ピン受けの孔を開ける胴枠にはダイカットのポンチで凹みを付けるとか、レーザー加工機で円形の墨付けをしたりと、メーカー側も色々と工夫して来ました。昭和のモデラーさんは、原寸三面図一枚から、脳内のアドレナリンを放出させて完成予想図を自分で構築しながら組み立てていましたが・・・。平成以降のモデラーさんは、ネットが普及し始めると画像は観るけど活字を読まない風潮へと変化しました。よって画像が優先順位の第一位なので、原寸三面図に指示を入れても読まないんだから理解してくれません。そういう観点で言うなら・・・ネットが普及するずっと以前から、原寸三面図と組み立て用小雑誌をキットに付属させたOK模型は、未来を既に予見していたのかも知れません・・・。

● 実際にゲージを胴体に取り付けるとこうなります。このゲージは主翼側の胴枠に、PVC樹脂の平角ピンをビスで固定する為の位置を決定する目的があります。胴体側の胴枠とゲージの隙間に上記で説明した主翼側に固定する胴枠が挟まります。段付けをしているのは、このライン上に胴枠の底面が載る為です。この胴枠の底には、主翼に内蔵されたスポイラー作動のパイプが固定されます。よって大きめに作ってあります。
 
● 此れが迎角2°の隙間です・・・。此れも山本さんの図面通りです。よってこの隙間をプランクシートで作って埋めれば良い訳ですよ。ラジコン技術誌他の専門誌やらキット付属の原寸三面図で、この箇所の貼り込み指示は主に胴枠の断面図に記載する事が多いんですが、其れが無い場合でも胴枠の形状が解れば、この部材はバルサシートを湾曲させて貼り込めば良いんだな!って事ぐらい理解できる訳ですよ。何も複雑に考えて手を抜かなくても、もちっとアドレナリンを放出すれば今まで知らなかった事を知る事が出来ます。よって製作記事をブログに掲載すれば、お褒めパチパチが沢山貰えるって勘違いしてしまったネット物知り博士が増えちまったんですが、結局の所・・・他人の知識の寄せ集めだけで理解した気に成ってるから、途中で記事がフリーズするんです・・・。組み立て説明の詳細な雑誌が付属しているのなら、まずは組立てる前にその解説を深~く読み解きながら、頭の中の三次元立体構造をフル活用してみましょう・・・。

● 意外と出来るモンですよ・・・。そうやってレーザー加工の部品を一つ一つ確認すると、如何にその組み立て手順が理に適ってるのか理解できると思います。本機の3番胴枠の機首側には斜めに傾斜した補助胴枠を取り付ける指示がされているんですが・・・この角ダボの位置が決まらないと補助胴枠を取り付けて、その周囲をプランクする事が出来ないんですよねえ・・・。此れは同じ仕様の大戦機やF3A機と同じ構造だからです。私だってキット初心者の時代は、このピンダボの取り付けで大いに悩みました。当工房の製作記事には色んなダボの取り付けが紹介されていますが、丸棒のピンを使っていないでしょう?・・・。結局、自分で飛行機を自作できる様に成るって事は、その組み立てや飛行性能に支障が出ない様に、改造する事が出来る様に成るんです。要するに・・・自作機を普通に作れる様に成りたかったら、まずは!大手メーカーの国産舶来問わず・・・多くのバルサキットを作り倒せば良いんです・・・。誰でも最初は初心者です。最初からベテランのキット製作者なんて存在しません。メーカー毎のキットには、その開発者のコンセプトがあります。そのコンセプトを自分なりに完全に理解すると、自ずと自分のスタイルってモノが決まって来ます。手っ取り早く自作機製作の有名人!・・・なんて目論まない方が良いですよ。もう・・・製作記事を観ていてバレバレなんだもの・・・。他人の製作記事の画像の転用だから・・・。でもバレちゃうかもって思うんでしょうなあ・・・。途中から私的改造を加えて・・・って、それやると後で組めなくなっちゃうぞ!って思っていたら、やっぱりかあ・・・記事がそれから先に進みません・・・。数か月記事が止まったなあって思ってたら、今度はトイラジのラジコンカーの記事に移行(笑)・・・。
  
● 主翼前縁側の補助胴枠を取り付けました。補助胴枠の接着にはエポキシ系のクイックメンダーを使いました。驚くのは此処からです・・・。クイックメンダーは硬化時間が大変速く、物の2~3分程で硬化が始まります。よって練り練りしたらさっさと部材に盛り付けて動かない様に固定しなければ成りません・・・。ところが補助胴枠を胴体側の胴枠に揃えた状態で、主翼のど真ん中を合わせる治具を作るには・・・再び大掛かりに成るので、此処は禁断の左手万力を使いました(笑)・・・。胴枠のセンターを睨みつつ、主翼のセンターも出さなくては成りません。じっと左手万力を作動させつつ、上半身を微動だにせず数分間・・・。こんな荒業も使いますよ。メンダーだから出来る技・・・ネット物知り博士には絶対に知られてはなりません・・・。また大騒ぎするでしょうから・・・。まあ・・・左手万力は、誰でも出来ますしキットを作る時は誰でもやってましたねえ・・・。かの平尾台サイトにおいて、現在のオールサンデーズのモデラー(昭和の中堅どころのフライヤー)さん達は、平尾台名物の隠れお地蔵さんに機体をぶつけると壊れるので、必ずエポキシ接着剤・割りばし数本・マスキングの紙テープ・輪ゴムとパンツのゴム一巻きは腰袋みたいな小さい工具箱に入れて登山・・・。現地でせっせと修理して再びぶん投げる・・・其れが日常でしたしね。さて・・・現在のスペースシャトル素材のレーシングには難しい補修道具ですけど、当時は皆さんバルサ機だったので其れが可能なんですなあ・・・。新しい接着剤の情報は、ネットで調べるより早かったですなあ・・・。画像では解らない事も有りますし・・・。現場で手に取って触ってみて匂いを嗅いで確かめる・・・。ネット環境じゃ無理な行動ですなあ(笑)・・・。(Part-12に続く)