ANTARES Ⅰ型 (No-19) 山本昇氏オリジナル設定機 Part-8

  
● 主翼の翼根側のプランクシートの構成と貼り込み状況です。80mm幅のプランクシート(板目材)を二枚継いでいます。更に翼端側スパン方向には木目を変えたシートの割れ止めを施しています。昭和から平成・令和の大手メーカーさんのバルサキットに使用するプランクシートは、メディアム以上の硬さを持った良質のシートを裁断してキットに入れて有るので、画像みたいな処理は必要ありません。しかしながら・・・ネット普及後の個人モデラー運営のネットショップから販売される少量生産のレーザー加工のバルサキットには、こんな細かい部分まで注視したセットまでは対応していません。彼らは構造の正確さは追及しますが・・・その他の構造保護の部材にまで気が回らないのでしょうなあ・・・。よってプランクシートは定尺材を何の加工も・・・材料吟味もしないで入れてしまいます。

● 結局・・・リブに沿い易ければ柔らかい材質の方が良い!という知識は有りますが、だからと言ってソフト系のフカフカな材質のプランクシートを入れられてもなあ・・・貼り込むのは簡単なんですけどねえ・・・。フィルムを貼る時にアイロンのこて先で圧着しようとしたら、プランクシートの先端がパリッと割れちゃった・・・なんて経験はありませんか?・・・。其れも、既に下面を貼り終えて、上面の貼り込み中に割れたら・・・もう修正不能でしょう・・・。美的センスを追求するモデラーなら、泣く泣くフィルムを剥がして貼り替えるだろうと思いますが、其処までのセンスのないモデラーなら、さて・・・誰に対して文句を言いますか?・・・「こんな不良なバルサをキットに入れやがってええええ!・・・。」ってな具合の・・・。

● 自作する際も起きる事なので、当工房の場合は標準装備的部材の一つです。もし・・・フカフカのバルサなら、ちゃんとリブの曲線に沿ったアールを形成出来ない場合も有るんですなあ・・・。その木口を木目を変えた端材を一本貼るだけで、割れ難く・・・翼型の曲線に綺麗に添わせる事が出来ます。此れならアイロンで少々力を加えても割れる事はありません・・・。キットに付属している部品を取ったバルサシートの抜き残骸で作れますので、一度でも苦汁を舐めた人は試す価値はありますよ。
  
● 翼根側の主翼の前縁付近は、厚手のバルサ棒から削り出した部材を貼り込み翼型に沿うまで削りました。この位置には主翼側の胴枠が固定され、その先端には胴体側に固定する角型のダウエルが付きますので、かなり頑丈な補強が必要です。メインスパー上下に跨ぐ補強スパーは、翼端まで貼り込みましたが、一区間のみ抜けています。此処はスポイラー板に取り付ける作動ホーンが固定されるので抜けています。このスポイラー板は垂直に近い85度の立ち上げが必要なので、スポイラーの吊元直下ではストロークが足りません。よって、メインスパー前方まで吊元を延ばす必要が有るので塞ぎませんでした。ホーンを取り付けて、位置が決まったら開いた隙間は後から埋める予定です。
 
● スポイラー板は厚みが3mmあります。使用したのはメディアムバルサ(柾目)です。スポイラーホーンが前方へオフセットに成っているのは、リンケージワイヤーを後方から引っ張るからなんですが、本機の山本オリジナル機の場合、スポイラーサーボを搭載せず、フラップサーボと連動させる為に、この様な仕様に成っています。本機の主翼はフラッペロンなんですが、フラップが半分ほど下がった状態では、このスポイラーは作動しません。作動させるワイヤーが弛んだ状態だからです・・・。フラップが最大限下がると、このスポイラー板に連動したワイヤーがピンと張り・・・約85度の角度で立ち上がります。この時代のプロポにはトリムレバーは付いてますが、電気ミキシング機能が無い時代・・・。在ってもサンワプロポにしか使えないぶら下げ箱でしたし、山本さんのプロポはフタバ製・・・当時はZ型コネクタなんて有りませんので、互換性は利きませんでした。

● このリブ区間のみ補助プランクを貼らなかったのは、このホーンの先端がプランクシートの先端に当たるからです・・・。スポイラーを最大限立ち上げた状態でのワイヤーの吊元位置は、メインスパー後部数ミリの位置・・・此れを通常の動翼ホーンに換算すると、一番内側の孔位ですかねえ・・・。其れをオフセットで使うと思えば良いでしょう・・・。ラダーなら左右で傾く角度が違い、エレベータなら上下で角度が違う設定です。テーパー比率の大きいヴェガみたいな主翼の場合は、アドバース・ヨー対策として、エルロンの作動角に差を付けてアップ側を大きく・・・ダウン側を少なくして対処します。昔はプログラムミキシングなんて有りませんからね・・・。こういうホーンの設定の仕方もあるんです。通常ホーンの穴位置はヒンジラインに揃えますが、差動を付ける場合はこの穴位置を前後にズラす設定を使います。正に・・・このスポイラーホーンの位置が此れです。アップ側の作動角を確保する為のオフセットなんですなあ・・・。ヒンジラインからズレてるのは作動角度を大きくする為です。
 
● このムクの3mmバルサ・・・反ってます。反った動翼の動きは動きが歪に成ります。修正する方法は幾つかあるんですけどね、例えば粗直線のピアノ線を埋め込むとか、フィルムを貼って熱を加えて無理矢理伸ばすとか・・・。今回はヒンジラインと成るメインスパー側に3×3mmのヒノキ棒を貼り込みました。胴体下部のヒノキ板を積層してスキッドを作る項でヒノキ棒を曲げる方法を紹介しました。両手の指先でヒノキ棒を持ち・・・圧縮しながら少しずつ曲げ荷重を加えると、緩いアールなら曲げられると記載しました。この方法を応用したのが、バルサのスポイラー板の前縁に貼り込んだヒノキ棒です。緩いアールなら曲げられる・・・其の為にはバルサの木口にガッチリと接着しなければ成りません・・・。スポイラー板の両端にも、木目を変えた棒材を貼り込みました。此方は湾曲を防止する為と、寸法の調整をし易くする為の工夫です。山本さんの記事には指定されていません。
  
● このスポイラーホーン・・・山本さんの記事では、所定の位置に速乾のエポキシ接着剤でべた付けの指示なんですが、本機の場合は深さ1mmの溝を掘って埋め込んでます。此れなら木工ボンドでも確実に固定出来ますしね・・・。僅かにメインスパーからホーンの頭が出っ張ってるでしょう?・・・。此れに気づかず補助スパーを張り込んでいたら、後から剥がす作業の方が難しい(笑)・・・。当工房のこの製作記事について、過去の時代は意味が無いとか・・・其処まで書かなくても誰でも解る!とか・・・色々と揶揄ってるメールも沢山来ましたけどね・・・。本来!・・・この様な製作記事は専門誌のお仕事です。昭和の時代は原寸三面図一枚しか入ってないのが当たり前の時代・・・。メーカーのキットを専門誌で製作記事として挙げる場合・・・その記事でも理解できる人と出来ない人が居たのも事実なんですなあ・・・。その理解の度合いが購入するモデラーの数に反映され・・・最終的に大ヒットするかボツって生産終了と成るかが決まる場合も有るんです。

● ご自分のブログでメーカーのレーザー加工キットを紹介して組み立てているモデラーは、過去に比べると大変増加したと思うんですが・・・。皆さん!・・・お互いの口裏でも合わせてるんか?って思うくらいに、記事の進行が同じなんですなあ・・・。よって作れるモデラーなら其れでも良いんですけど、ラダーって何?・・・主翼のプランクシートはどうやって貼り込むの?って類の、お前!宇宙人か?って思うくらいの初心者モデラーだって組み立ててる時代なんですよねえ・・・。よって、キットの組み立て指示に反する様な私的改造を加えてしまうと、観てる初心者さんは其れが当たり前だって思ってしまうので、かなり手抜きの上乗せ度合いが危険なレベルの機体も出来てしまう結果と成ります。

● よって、当工房の場合は・・・最初にホームページの表紙にも明記していますが、造れるモデラーの為のページなので、其処には宇宙人的初心者モデラーも含まれとるんですなあ・・・。まあ、無駄記事お腹いっぱい類のメールをくれるモデラーさんは、その領域を既に過去形に成るまで経験を積まれたんでしょうし・・・見なけりゃ腹も立たんでしょうし・・・。ですが、宇宙人にとっては、地球人を理解せん事には正式なファーストコンタクトも、侵略行為も出来ん訳なので・・・。まあ・・・無駄記事も必要枠では有るんですなあ・・・。要するに、初心者さんからベテランさんまで閲覧できるページを心がけてるもんで・・・。旧ホームページの表紙をご存知のモデラーなら知ってると思いますが、(ひまし油世代もスチレン世代もまとめて面倒見ましょう!・・・)の意味は此処にあるんです。
 
● 昭和の遺物・・・平成のレーザー加工精密キット問わず・・・スポイラー搭載の部品加工において、フィルム貼り込み作業でありゃ?・・・スポイラー板が枠に入ら~ん・・・って事態は、アルアルです。大概の原因は、ヒンジラインに有るんですよねえ・・・。スポイラー板に厚みがある場合、この木口に貼り込んだフィルムの厚みが邪魔してスポイラー板を後方に移動させてしまい・・・枠に収まりきらなくなるんです。其れを防ぐにはスポイラー板のサイズをもっと狭くすれば解決するんですが、美的センス旺盛なモデラーさんはブログの記事としては素人みたいに思われるのが嫌なので、何とか修正しようと頑張る訳ですが・・・。本来ならば確実に作動してナンボ!隙間上等!ミテクレ無視の方が安全なんですけどねえ・・・。其れが自分の美的センスに届かないのが納得出来んのでしょうなあ・・・。

● 主翼のフィルムの端っこを使って一体で貼り込むのも・・・単独で貼り込んで透明な粘着テープでヒンジを作るのも自由なんですが、画像の様に角度を付ければスポイラー側に貼り込んだフィルムの逃げを作れるので、必要以上にスポイラー板が後方に下がるのを防いでくれます。このスポイラー機構については、美的なミテクレよりも確実に動かせる事を優先した方が良いですよ。其れが初めての装備の場合は・・・。逃げを作るも隙間を詰めるも・・・この加工技術は作った数がモノ言う領域・・・。貼り込むフィルムの厚みの分も計算に入れる工作じゃないと、必ず最後に泣きを見ますし・・・ブログの華麗なる製作記事が一時ストップするかも知れませんなあ・・・。
 
● 作りも作ったり治具部品の山・・・。此れでもほんの一部ですよ。70リットルのポリバケツにあと3杯分位ありますなあ・・・。今回のアンタレスに使えそうなアングルのブラケットだけを引っ張り出してみました。1/5の大戦機スケールグライダーに使うブラケットなんて、こんな小間物サイズじゃ無いですもんね。もっと存在感有りまくりのブラケットがどっさりありますなあ・・・。久々に使った(どっさり・・・)って言葉、当ホームページでは初めて使うかも知れませんなあ・・・。通常に使う(どっさり・・・)って言葉は、一番目にするのは(うんちどっさり!・・・)・・・便秘薬の広告で目にする言葉・・・。だから使わなかったんでしょうかねえ・・・。此れからは使い捲りましょう。(うんこどっさり・・・)食事中の方には御免なさい・・・。どっさり・・・。
 
● 2メートルのアルミアングルの一面を背中合わせでクリップで止め、T型のチャンネル状態にして定規とします。このT型定規・・・抽出のアングル材だから可能なほぼ直線の出せる定規に成ります。この定規は色んな機種の製作記事に登場するのですが、同じものを使うと能が無いって一文を記載して最初からT型の抽出チャンネルを定規にしちゃうブログの管理人さんがいたんですけど(笑)・・・。頻繁に使う内に自分でも気づいたんでしょうなあ・・・。微妙に湾曲した線しか引けない事に・・・。で!何でこうなるのかってメールで質問して来ました。チャンネル材の方がアングル材よりも正確な筈だ!って主張し・・・アングル材の組み合わせで作ったTバーで精度なんか出ないと思う!・・・絶対に直線なんて引けないぞ!・・・って断言しとるんですが・・・。

● 面白い例え話なんですけど・・・まだ直線の引ける定規が無かった過去の時代・・・。さて、どうやって直線を引いたのか・・・って考えた事はありませんか?。大工さんが使う墨壺って道具は、糸に墨を染み込ませて壺から引っ張り出し・・・ピンと張った状態で糸を弾くと木材等の表面に直線状の墨付けが出来ます。後は・・・当時は和紙しかない時代でしょうから、この和紙を二つに折れば折り目は直線に成ります・・・。同じ様に抽出物のアングル材なので、工業用の部材には使えますが・・・定規として正式には使えません。其れを敢えて定規として使う為には、この2メートルのアングル材がどの方向に湾曲しているのか見定めて購入する必要が有るんですなあ・・・。二本のアングル材が対称的に同じくらいに微妙に湾曲してるんなら、その湾曲面を背中合わせで固定してやればほぼ直線に成ります。T型のチャンネル材はその形状で抽出するので、冷却中の長いレールの上でどの方向かに微妙に湾曲する可能性は有り得る事態・・・。この場合の湾曲は修正不可能です。よってアングル材を使った方が精度は良く成るんですなあ・・・。

● 2メートルサイズの定規って、その材質にも寄りますが・・・アルミ製の定規も有るんですけど・・・。この場合のアルミ製の定規の木口断面を見ると平板一枚じゃ無いでしょう・・・。何か所もの山やら谷を形成させてる形状をしています。此れはシャーリングマシンでズドンと切断した定規では有りません。此れも抽出物・・・。色んな機能を加えて作ってあるんですけど、肉厚の薄い所や厚い所を複雑に形成させる事で湾曲を防いでいます。一方の鋼鉄製定規やらステンレスの定規はシャーリングの切断による直線切りです。アルミは700度で溶け出しますが・・・ステンレスはこの温度ではビクともしません・・・。よってホームセンターで購入しても高額な商品ですし、だったら当工房に文句をつける前にステンレス定規を使えば良かったんじゃないでしょうかねえ・・・。2メートルのアルミアングル材は、其のまま片翼2メートルの主翼の治具に使えますけど・・・ステンレスの定規は、薄っぺらいので治具としては使えません・・・。よって2メートルのアルミアングルの方が汎用が良いので使ってます。板厚が3mmもあるアングル材なんだもの・・・厚みが1mm足らずの数百円で購入出来る代物では無いんですけどね。かなり炭素含有量の高い材質なので、平板からこの角度で折り曲げると確実に割れますなあ・・・。板厚の3倍アールが基本なんですけど、この場合は炭素含有量の少ない純アルミに近い材質なら直角曲げは出来ますよ。其れを背中合わせにした方が直線の精度は出ます。でも・・・目ん玉が飛び出るほど高額には成るでしょうなあ・・・。其れをブログで紹介したら如何でしょうか・・・。多分・・・誰も使わないでしょうなあ・・・。特注品なんだもの(笑)・・・。
 
● メインスパーと後縁材を固定する治具を組みました。本機の主翼は翼の上面で上反角ゼロ・・・翼の下面のみ上反角が付きます。翼中央リブの最大厚がプランク込みで24mm・・・翼端リブで16mmです。よってその差8mm分を翼端側で嵩上げしています。しかしながら、治具上のアングル材に主翼を固定せねばなりません。一辺が20mmのアングル材なので、中央側で高さ20mmに設定し翼端側では28mmにアングルの高さを設定しました。此れで何時もの様に事務用クリップを使って、主翼を固定する事が出来ます。
  
● このアンタレスの主翼にもお決まりの捻り下げ設定が入っています・・・。ところが、山本さんらしからぬ記載に、多くのモデラーさんは何だ?って一瞬固まったんじゃないでしょうか・・・。何時もなら捻り下げは何度付けよ!と明確な指示なんですけど・・・今回のは翼端リブのヒンジラインで5mmの捻り下げ???と記載してます。まあ・・・その方が解り易いと思うモデラーも多いでしょうなあ・・・。平成以降なバルサキットも、翼舵の設定に上下に何度では無く・・・舵面の先端で上下に何ミリと解説していますし・・・。実はアンタレスの捻り下げの角度を実寸で計測してみたら、約0,4度位だと判明・・・。こりゃ分度器でも目盛りが無いですしねえ・・・。まあ、何ミリ嵩上げの方が解り易いって思ったんでしょうなあ・・・。

● 本機の場合・・・この治具の後縁側(ヒンジライン)のアングル材を、翼端の位置で5mm持ち上げて33mmに設定すると捻り下げ設定の入った治具に変身します。画像に見えるブラケットのねじを緩めて上に持ち上げれば良いだけです。ラトルスネイクのピーナッツスケール大戦機のバルサキットみたいに、最初から設定した捻り角度でリブにスパー溝を彫るタイプではありません。上下のヒノキスパー毎捻る構造なので、捻る前の設定で左右の主翼をカンザシで結束・・・その後に治具側を捻り下げ設定に変更して、上面側のプランクシートの貼り込みを行います。平たく言えば・・・捻り下がった状態の主翼を固定してから、プランクシートを貼り込むので接着剤が乾くと捻り設定の入った生地完成の主翼が出来上がります。其の為には主翼に組み込む部品・部材の加工を分割状態で全て作っておき・・・治具に固定してから拘束状態で接着固定します。上面のプランクシートの貼り込みはその後の作業と成りますね・・・。完全なる生地完成はまだまだ先の事・・・。時間経過はざっと二か月って所でしょうなあ・・・。

● ブログの博士な教祖様達の製作記事は、時間経過が全然判りません・・・。昨日今日購入した様なバルサキットが、ほんの数枚の画像で完成!・・・。フライトインプレッションへ移行します・・・。実は・・・此れがエイリアンクラスの空物ラジコン初心者を惑わせる結果なんですなあ・・・。飛行機のキットを組み立てるのは初めてなのに、教祖様はほんの数日で組み立てられた・・・。自分も教祖様みたいに成りたい!って思えば、徹夜敢行してでも数日で組み立て様とするでしょうなあ・・・。其れが事故の元なんですなあ・・・。手抜きで作るもんだから、調整なんて飛行場で教えてもらえば良いわ!って感じなんでしょうし、ずぶのド素人だと馬鹿にされるかもしれないって・・・一生懸命見様見真似で飛行機を投げる・・・。河川敷の飛行場でユーコン機の操縦みたいに自分を中心にして、グルグル回ってるときは飛行機の挙動に振り回されて操縦不能に陥った状態・・・。背伸びし過ぎた初心者さんの典型的な動きですので、ベテランフライヤーさんがプロポを奪っって危険回避をする位の行動は必要かと・・・。もし・・・「まだ調整が出来てないんでえ・・・。」なる言い訳をしたら、怒らせない様にうまく言葉を掛けて、飛ばし方を指導してあげましょう・・・。やり方をミスると一桁チャンネルにて事実歪曲の悪口一杯書かれるかも知れません。今どき初心者の最終手段は・・・社会悪のネットに悪戯・・・。「僕を怒らせると、こんなひどい目に遭うんですよ?。解りましたか?。」って言ってる様なもんですよ。エイリアンクラスの宇宙人的初心者さんなんだもの・・・地球人の常識は通用しません!・・・。ですので、扱いは慎重に・・・。ホントは・・・困ったちゃんの部類なんですけどね?・・・。別称(かまってちゃん)とも言いますなあ・・・。
  
● アンタレスの主翼は(E180)なんですが、この翼型の下面側メインスパーから後縁先端まで・・・作図すると10分割の座標位置でもゼロコンマ数ミリ程度しか違いません。実機の様な最大翼弦が2メートルだと、数ミリ程度の寸法の違いまで算出できるので・・・まあ、緩~いアールを形成できますが・・・。翼弦が30センチからどんどん短くなると、ほぼ直線に成るんですなあ・・・。よって雲形定規のどの曲線とも合わなくなります・・・。この(E180)の状況をふと!思い出して、ヴェガⅢ型の記事を引っ張り出したらビンゴ!・・・。山本さんが自分で作図した、最大翼厚8%の半対称翼・・・翼下面の後ろ半分は直線でした。(E180)も翼下面の同じ位置はほぼ直線・・・。よって本機のリブも直線にしました。閲覧されているモデラーさん!・・・お願いですから、ネット物知り博士にだけは黙っといてくださいね(笑)・・・。手抜きしたってお仲間掲示板で騒ぐから・・・。(E180)も山本さんの自作翼も同じ最大翼厚8%なので、その真相は・・・本機アンタレスは(E180)と山本さん自作翼型の好いトコ取りで作図してます。

● 実は・・・この位置を直線にしたので、このアンタレスの主翼の治具は大幅に簡素化できたんですなあ・・・。この翼型の下面後方が直線だって事は、主翼全体から見ればフラットボトム翼と同じ平面なのでフィルムを貼っても、リブ間は絶対に凹みません。凹むのは主翼の上面のみ・・・。初心者さんからのメールで一番多いのが、抜き面のある主翼にフィルムを貼ると、リブ間が凹むんだけど、貼り方を間違ってるんだろうか・・・。凹まない貼り方を教えてくれ!って言われてもなあ・・・。此れだけはベテランが貼っても凹むんですよねえ・・・。フィルムの特性だから・・・。
 
● リブ組み状態の主翼のメインスパーから前縁まではプランクシートで覆いますが・・・、フィルムを貼ると・・・凹みません。しかし、抜き面部分にフィルムを貼ると、フィルムが波打って見えるでしょう?・・・。此れはですなあ・・・フィルム自体が縦にも横にも収縮するので、初心者が貼ってもベテランの領域の山本さんが貼っても・・・凹むんですなあ・・・。だから初心者だから貼れないって事では無いので安心して下さいね。かの世界のブランド加藤無線(MK)のワールドチャンピオン機であるオーロラの20クラス小型機でさえ、主翼は抜き面のある構造だったのでリブ間は凹んでました・・・。其れでも普通にアクロバットが熟せる機体でしたよ。だからどんなに高性能だと謳ってる翼型を使って販売してる軽量HLGでも、抜き面が在る主翼の場合、リブ上は高性能な翼型なんですが・・・そのリブ間は高性能とは言い難い歪な別の翼型に成ってるって事ですよ。だからネット物知り博士が、「性能向上を狙って高性能な翼型にしました!。」ってご自分のブログで製作記事を書いたところで・・・抜き面だらけの主翼の構成だったら、見た目の殆どは高性能な翼型じゃ無いって事なんですなあ・・・。よってリブを減らして軽量化!って主翼の場合は、物凄く凹むって事なので、大変良く飛びました!って自画自賛してる時は、大きな勘違いをしてるって事ですよ。

● ですから・・・この凹みが絶対許せないって美的センスのモデラーさんは、全面プランクしちゃえば好いんですなあ・・・。だったら波打つ事も無い完全無欠の主翼になりますよ。ただし・・・僅かでも捻じれちまったら元には戻せませんなあ(笑)・・・。フィルムを貼って捻って直せば良い!って思ってるんなら、ご自分の軽量ハンドランチグライダーの主翼を全面プランクしたら解りますよ~・・・。でも、当工房は責任持ちません・・・。捻じれた全面プランクの主翼を修正する荒業も有るんですけどねえ・・・。此れはスチロールコアにバルサプランクしたF3A機の主翼の場合・・・。この応用を自己責任でやればリブ組み全面プランクでも修正は可能です。ただなあ・・・極端に捻じれた主翼は無理かなあ・・・。まあ・・・意図的な捻り下げ設定の左右翼の狂い程度には使えるけど、治具無しで組んじまった主翼の捻じれは・・・無理かもしれませんなあ・・・。

● 昭和60年代から平成の中期辺りまで完成機の一時代を築いたOK模型のEZシリーズですが、まあ・・・その斬新な構造体とずば抜けた基本性能を知らずに文句ばっかり付けていたモデラーさんは沢山居ましたねえ・・・。主翼も胴体も3mmのスチレンシートに特殊なプラスチックフィルムを圧着して破断に対する強度を上げた仕様・・・。バルサで全面プランクするよりもコストが掛からないので、同じ仕様ならバルサの完成機よりもコスパは良かったと思うんですがねえ・・・。でも・・・値段に似合わず高級感が無いだの・・・バルサキットにすればもっと安価に成っただの・・・まあ、言いたい放題・・・。直接会社に電話してきて悪口三昧の憂さ晴らしってのは、何回も有ったかなあ・・・。多分固定電話からだとバレるので、公衆電話からだったりもしたっけ・・・。会社の電話は番号表示だったから、足跡が付くのを恐れたのかも知れませんなあ・・・。でもですなあ・・・ホントに値段に似合わないボッタくりなのか?・・・って言うとそうでも無いんですなあ・・・。スチレンシートの全面プランクの主翼なんだもの、カバーリングフィルムみたいに抜き面が凹まない構造・・・。高性能な翼型は額面通りの高性能・・・。だから抜き面構造のバルサキットよりも高性能だったって事です。其れを知ってるモデラーさんの方が、文句たらたらのモデラーよりも遥かに多かったので爆発的に売れたし、現在でもEZ完成機の再開を望むモデラーが沢山居るのも事実・・・。中華製完成機で苦汁を舐めたモデラー達も、国産完成機の知らなかった完成度の高さに気づいたって事ですなあ・・・。お馬鹿さんじゃ無いんだから、もちっと目ん玉二個分で、良~く観察すれば良いんですなあ・・・。当工房の主も再開を希望します!。EZに使用していたフレキシブルロッドが、OK模型のネットショップの商品陳列棚から消えていた・・・。って事は何時かは廃版に成って入手不可能に成るのは大変困る!・・・。出来ればフレキのセットだけは復活して欲しいですなあ・・・。10本セットの定尺購入でも、今の自作モデラー増加の時代なら購入するモデラーは多いでしょうなあ・・・。1メートル越えの定尺なら、大型グライダーのリンケージにも対応出来ますしねえ・・・。トム社長!・・・何とかしてくれんやろか~・・・。
 
● スポイラー作動用のパイプをリンケージします。山本さんの指示には、主翼の中にナイロンパイプを通し最終的にはリブに沿わせてエポキシ接着剤で固定する様に成っています。ところが当時には存在したであろう、この曲がり易いナイロンパイプが令和の現在は中々見つかりません・・・。ネットで探せば良さそうですけどね。ネット上のデメリットは、画像では見れるけど実際に手に取って感触が解らない点・・・。買わんのなら触っちゃダメ~・・・って、お店の陳列棚に物は有るんだが触れないのと同じですなあ・・・。購入してから、こりゃァ~使えんわァ・・・に成った場合、他に転用出来ない時は自宅工房の押し入れで数年・・・いや数十年の眠りにつく事にも成り兼ねません・・・。
  
● 今回使用するのは大量買いで在庫しているIM産業のノイズレスパイプ・・・。元々が直線に近い状態で使用するタイプのパイプなので、自由に小半径のアールにするのは難しい素材です。よって山本さんの図面記載みたいな急激なアールで曲げて、リブに沿わせて接着が出来ません。よってスポイラーホーンの位置から変更し、このパイプの固定も山本オリジナルと同じ様な直線的な出口を確保するための、構造的な変更を行いました。たった此れだけの部品を作るのに3時間も掛けてるんですけどね・・・。此れがかなりシビアな位置決めだったりするんですよねえ・・・。最終的に直線で固定できる部分を10mm程度でも作らないと、テグスのワイヤーが作動した時に余計な荷重でパイプ本体が躍るので、額面通りの作動距離が得られなくなるんですよねえ・・・。

● 尾翼のリンケージにパイプとピアノ線ロッドを使った場合・・・手抜きで後部胴体側面の出口付近のみのパイプ周辺だけに接着剤を充填しても、胴体内部のパイプの固定が無かったら舵面のニュートラルが決まりません。舵面を持って左右に動かすと、サーボはニュートラルでも胴体内部でパイプが動き回るので・・・結果的にラダーを切っても風圧で舵面が戻ってしまうので、思い通りの操縦が出来なくなるんですなあ・・・。よって、画像の様にパイプのエンドはキッチリと固定できる様に直線部分を作って接着面を確保します。リブ後部を数枚パイプが貫通しますが、このパイプ自体が動いてしまうと正確な作動距離が得られなくなるのでガッチリと接着剤を塗り込んで固定する事が大切です。何でもかんでも瞬間接着剤でチャッ!チャッ!とやっちゃうから後で後悔するんです。此処は山本さんの時代のハイカラ接着剤である二液練り練りのエポキシを使ってガッチリと固定しましょう。

● IM産業の製品には画像みたいな撚線のワイヤーのフレキシブルロッドも二本セットで販売していた昭和の時代・・・。ガルモデルのグライダーでは多用したモデラーも多かったのでは?・・・。このタイプはかなりの急なアールにも対応は出来たんですが、アールがきつくなれば成る程動きは渋く成るデメリットもありました。よってT尾翼のグライダーのフライングスタビライザーの作動用に多用されたんですけど、動きをスムーズにするための配管はモデラー個々の腕の見せ所!・・・。ガルモデルの同型機でも、モデラーの工作技術の差がハッキリと出てしまうリンケージでしたなあ・・・。平成生まれのネット物知り博士なモデラーには、使い熟すのは難しいかもしれませんなあ・・・。ロッドエンドはワイヤーに簡易溶接(はんだ付け)が要求されますので・・・。瞬間接着剤を流して固定!が関の山でしょうなあ・・・。飛行中にすっぽ抜けてコントロール不能!って事態は、昭和にも起きてましたもんね。何処に落ちるか解らないんだもの・・・。愛機を担いで斜面を逃げ回ってた時代も有るなあ(笑)・・・。ネットが無かった時代にも、ネット物知り博士みたいな宇宙人的モデラーさんは、少なからず居ましたねえ・・・。(Part-9に続く)